主な登場艦娘
五月雨 白露型駆逐艦6番艦 不思議な青色の長い髪、がんばり屋で少しドジな艦娘
初霜 初春型駆逐艦4番艦 小柄で長い黒髪に桃色の瞳、紺のブレザーを着た艦娘
初雪 吹雪型駆逐艦3番艦 切り揃えられた前髪、白いセーラー服の眠たげな艦娘
文月 睦月型駆逐艦7番艦 長い茶髪をポニーテールにした茶色の瞳の艦娘
三日月 睦月型駆逐艦10番艦 セミロングの黒髪にアホ毛、金色の瞳の艦娘
名取 長良型軽巡洋艦3番艦 茶色のショートボブに白のカチューシャをつけ、
目は髪と同じ茶色の艦娘
多摩 球磨型軽巡洋艦2番艦 短めのピンクぽい紫髪に猫目のショートパンツの艦娘
満潮 朝潮型駆逐艦3番艦 セミショートの髪をお団子付きのツインテールにし、
襟には大きな緑のリボンをつけている艦娘
霞 朝潮型駆逐艦10番艦 銀髪を緑色のリボンでサイドテールに結った
勝ち気な目つきの艦娘。
涼風 白露型駆逐艦10番艦 濃い青髪のロングヘアーを、紫色のリボンで
二つ結びにしている艦娘
艦政本部 海軍大臣に隷属し造艦に関係する事務を司った官庁
瀬戸内海に太陽が昇ってくる、東に向いた窓から見える海面は陽が反射してキラキラ光って眩しい、部屋の窓際に作られた赤い格子柄の布団が掛かった炬燵では、二人の艦娘は気持ちよさそうに眠っている。ここは柱島泊地の艦娘寮の軽巡部屋、炬燵の傍で気持ちよさそうに陽を浴びながら丸くなっているのが多摩で、多摩の向かい側で半纏を羽織って炬燵にうつ伏せになっているのが初雪、二人とも幸せそうに居眠りしている、
「初雪居る~」 ドアが開いて涼風が顔を出す、
「さみ姉が、みんなで初詣に行くからって呼んでるぜ」
「え~...パス」 頭を起こした初雪は眩しそうに目をこすりながら返事する、
北方海域で、そのまま深海凄艦の攻勢をを警戒をしたあと、氷に閉ざされる前に艦隊は柱島に帰ってきた、数ヶ月ぶりに戻った柱島は食堂の改修、提督用の住居、回廊が完成していて、大破した名取と五月雨も元気になり、警戒、遠征や訓練の日々に戻っている、
そんな日課もお休み、今日は1月1日で、朝に遙拝式を行い記念写真を撮り万歳三唱をして今は夕方まで自由時間、
「越年準備...疲れたから」 初雪は再び炬燵の天板に顔を横向きにうつ伏せになる。
「初詣の後、そのまま呉の間宮へ外出するらしいけど、じゃあな」 そう言って涼風は顔を引っ込めた、
ドアが閉まると初雪は
「間宮...寒い...炬燵...」 つぶやきながら目が次第に閉じていった。
☀ ☁ ☂
正門の前に集まったのは、五月雨、涼風、初霜、文月、三日月の5人、司令官は呉の提督と海軍省へ行っている、名取は今週の秘書艦で待機、満潮は なんで私も行くのよ と文句を言う霞を連れて第8駆逐隊の集まりがあるとかで佐世保へ行き、多摩と初雪は炬燵で寝正月を満喫している。
「じゃ、行きましょうか」 五月雨の声で、振袖姿の艦娘5人は柱島の賀茂神社へ歩き出す、
「サッサッとお参りして呉に行こうぜ」 涼風が元気よく歩き出す、
「涼風さん、裾、お着物ですよ」 三日月が大股で歩こうとする涼風に慌てて注意する、
「なんか歩きづれぇ~な」
☀ ☁ ☂
シ~ンとした事務棟で補給物資の書類を確認していた名取が顔を上げ柱時計を見る、
「もうお昼ですね」 立ち上がり事務棟を出て、まだ木の匂いがする新築の回廊を通って、左手にある食堂のドアを開ける、すると食堂のテーブルの上に七輪が置いてあり、多摩と初雪が餅を焼いて食べている、
「あら、初詣行かなかったの」
「お疲れ様にゃ」 指に付いたきな粉を舐めつつ多摩が答える、
「多摩さん、お箸使ってください」
朝作った、おにぎりを載せた皿を目で探すと、テーブルの上に空になった皿とおにぎりに掛けておいた布巾が残っていた・・・
「餅...食べる?」
「ありがとう初雪さん、頂きます」
「司令官は何しに行ったにゃ」
「海軍省へ建造許可を陳情しに行ったみたいです」
☀ ☁ ☂
ひと気の少ない廊下を進み、第4部:造船部 と書かれた看板のある部屋の前で立ち止まり、深呼吸をひとつしてからドアをノックする。
・・・ しかし、なんの返事もない、
「失礼します」 恵児は思い切ってドアを開ける、
「柱島泊地、提督見習い、榎本少尉入ります」
部屋に入ると誰も居なかった、正面にある机は書類や本がうず高く積まれており、書棚とソファーがあるだけだ・・・
「ドア閉めて」
声のした正面の机を見ると本と書類の上からペンを持った手が突き出てドアを差している、
・・・
「だから、寒いからドア閉めて」
「は、はい」
慌てて返事をしてドアを閉め、振り返ると机の横から白衣を着た金髪のメガネを掛けた少女がソファーへ座った、
「用件は聞いているわ、私は主設計官の平賀よ」
足を組んでソファーに座り恵児を値踏みするように見上げる、
「空母、水上機母艦、重巡の造船許可申請・・・無理ね」
書類を見ながら話す彼女をポカーンと見つめる、
「今は鎮守府への配備が最優先されてるの」
目の前にいる少女の存在と話の内容についていけないでいると
「じゃ、そういうことで、ご苦労様でした、帰るときはドアをちゃんと閉めて帰ってね」
立ち上がって机に戻ろうとする、
「待ってください」 自分でもびっくりするくらいの声が出た、
「戦力の拡充がないと今後の作戦で艦娘が沈む可能性が大きいんです、それが判っていて何もせずにいられません」 平賀の目を真っ直ぐ見て訴える、
・・・
「一番に任務の為とか国の為とか、言わないんだ」
そういうと平賀は机へ戻り積まれた束から書類の一部を出して読む、
「任務はいくつか実行してるわね、現在まで轟沈無し、・・・特殊能力の可能性ね、じゃ、大丈夫じゃない」
そう言って書類から目を離しこちらを見る、
「特殊能力がこの先も続く保障はないと思っています、運に任せて出きる事を放置するのは慢心です」
「ふむ」 少し考えてから別の書類を捜して検討する、
「いいわ、建造許可が出せない代わりに第4部で預かっている艦を出すわ、ただし、軍令部第2部の許可が必要よ」
「大丈夫、きっと大丈夫です」 恵児は軍令部へ交渉に赴いてくれた呉の提督を信じて返事をした。
「へぇ~、そっちも手を打ってるの、若いのに用意周到ね」
少女に 若いのに と言われて、平賀はまじまじと少女を見てしまう、
「あーあたし、あたしは艦娘よ、お爺さんの養女になって平賀を名乗っているの」
「そ、そうですか」
「松の内から熱心ね、あっ、あたしもか」
あとから聞いた話では、彼女は海外の技術に関して艦政本部と検討したことがあり、そのとき対応したのが艦政本部嘱託の平賀だった、平賀は彼女を気に入り、自分が教授を勤める大学への入学を進め、さらに勉強をさせるため養女にして前線を引退させ、大学では造船学科で勉強させ、大学を卒業後は艦政本部に入れた、彼女は設計者として天才的な能力を発揮し艦娘を建造することに貢献し現在に至っている、
「艦娘達をよろしくね、でも情に流されて判断を誤らないで、任務を遂行するのが艦娘の矜持よ、それじゃ忙しいので、次にくる時はお土産持ってきてね、シュトーレンがいいな中尉さん」
そう言って平賀にウインクされて部屋を出た、
☀ ☁ ☂
夕日が山陰に遮られ薄暗くなり始めた海岸沿いの道を歩く、海軍省のあちこちを廻って柱島に帰ってきた3日の夕方、左手に見える艦娘寮に灯りが点いた、それを見た恵児は心が温かくなる気がして少し急ぎ足になった。
門松の飾られた門を通り、しめ縄が飾られた事務棟の扉を開けると名取が書類から顔を上げ
「お帰りなさい、司令官、あけましておめでとうございます」
「こちらこそ、あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします、留守中大丈夫でしたでしょうか」
「はい、海域は平穏でした、満潮と霞も帰隊してます、みんな食堂で司令官を待っています、それから留守の間に司令部から連絡が来ています」 名取が油紙に包まれた書類の束を差し出す
受け取った中に辞令と書かれた封筒があった、重要でない書類を名取に渡し提督室に入る、
提督室の机の上には 九十九島せんべい と書かれた箱が置いてあった、机の引き出しからペーパーナイフを取り出し封筒を開ける、中には1月1日付けで中尉に任ずると書かれていた、
・・・
辞令を見ながら、理由を考えようとしていたらドアがノックされ名取が顔を出す、
「全員、し、食堂で待ってます」 名取は何故か、泣き笑い顔だった、
荷物を置くとすぐに名取と食堂に移動する、灯りの洩れる食堂からは誰かの笑い声が聞こえてくる、後ろを歩く名取の手には先ほどの書類の中にあった官報が握られていた。
あけましておめでとうございます
本年が皆様にとって良い年でありますように
さらに追伸 8ちゃんのXmasグラ いろっぽいですねw
4回目で武蔵来ましたヽ(^。^)ノ