魔法科高校の異端児~それは呪いか祝福か~   作:のなめん

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お久しぶりです、のなめんです。約1年ぶりに投稿再開させていただきます。リハビリということで少し短いかも知れません。


第12話

モノリス・コード優勝により、一校の新人戦優勝が決まった。新人戦優勝のパーティーは、総合優勝のパーティーまで延期となった。理由としては、優勝に大きく貢献したモノリスのメンバーがバカ騒ぎ出来るほど元気がないのが大きい。よって、何もすることがなく暇になった黎は、ある人物のもとへ足を運んだ。

「風間さん、失礼します」

「黎、どうした?」

「いえ、一つ確認したいことがありまして」

「なんだ?」

一呼吸おいて、風間の目をしっかり見て告げる。

「・・・ディヴァイン・レフト。いえ、マヘーシュヴァラ」

風間のわずかな表情の変化を、黎は見逃さなかった。

「まさかと思ったんですよ。あいつが一条のあの攻撃を受けた時、あれはどう考えても立ち上がって反撃などできないほどのダメージだったはず。だとしたら「黎」

黎の言葉は、風間に遮られた。

「・・・今更隠しても無駄だろう。お前の推測に間違いはない。だが、解ってると思うが・・・」

「ええ、わかってますよ。達也や軍と事を構えるつもりはありません」

「・・・わかっているならいい。用件はそれだけか?」

「ええ、これだけです。失礼します」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一校全体でのパーティは延期となったが、黎たちは恒例のメンバーに引きずられ、内輪で優勝祝いをしていた。

「「「カンパ~イ!!!」」」

「お兄さま、八田君、吉田君、優勝おめでとうございます!」

「ありがとう、深雪」

「ありがとうございます」

「サンキュ、深雪もミラージ・バット頑張れよ」

「ええ、ベストを尽くします」

「いやーそれにしても、黎くんが着地に失敗して倒れてた時は負けたと思ったなー」

「だとしたら、うまくだませれてたってことだな」

エリカが笑って言った言葉に黎も笑って続ける。

「じゃああれは演技だったの?」

雫が驚いた顔で問う。

「ああ。あのままじゃ埒が明かなかったから、変化をつけて流れを変えてみようと思ってな」

「そ、そこまで考えて・・・」

黎の返答を聞き、ほのかも驚いていた。

「まあ引っかかってくれる確信はなかったけど、埒が明かないと思ってたのは向こうも同じだったろうし、戦場で敵が崩れたら追い打ちに来るのが普通だしな、勝つ確率の高い掛けだったよ」

「うわあ…黎くんは実戦じゃ絶対敵に回したくないタイプだな」

「ん?敵対する予定があるのか?」

エリカのつぶやきに、悪い笑顔で返すと、エリカはブンブンと首を横に振った。

「黎、ひとついいかい?」

幹比古が話題を変える意味も込めて黎に質問を投げかける。

「ん?どうした幹比古?」

「この前聞いた時から引っかかってたんだけど、君の再定義の魔法って、魔法の原則に照らすと不可能なんじゃないのかい?魔法式は魔法式には作用できないはずだ。相手の魔法式を、魔法で書き換えるなんてことがどうして出来るのかと思って。」

「あー……」

幹比古の考察は当たっている。魔法式は魔法式に作用できないため、普通に考えれば再定義は不可能な芸当のはずなのだ。もちろんこれには理由があるのだが、今みんなに知られると色々と面倒になりそうだ。

「再定義は、正確に言えば魔法じゃないんだ。だから相手の魔法式を書き換えられる。原理を説明しても多分混乱するだろうから、とりあえず俺の再定義は例外って理解してくれればいい。」

黎の説明でほとんどの人は納得したようだが、達也だけは怪訝そうな表情を少しの間崩さなかったのを黎は見逃さなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

「黎、ちょっといいか」

ミニ祝勝会がお開きになったあと、達也は黎を呼び出した。

「なんだ達也?といってもまあ、用件に察しはついてるが」

「お前の再定義という能力についてだ」

『魔法』ではなく、『能力』と呼んだ。黎の再定義が魔法ではないことをちゃんと理解してあえて区別したのだ。

「……2人になれるところに行こうか」

そう言って2人は人目のつかない場所に移動した。

その後、最初に口を開いたのは黎だった。

「それで?どこまで勘づいてんだ?」

今さら達也相手にとぼけても意味が無いと思い、単刀直入に聞く。

「八田の呪い」

達也が短く呟く。

(やっぱり気づかれてたのか)

「先ほど幹比古と黎が言った通り、魔法式は魔法式に作用できない。しかしお前は再定義という能力が使える。そして八田という苗字。それなら考えられるのはひとつだけだ。」

確信を持って達也は告げる。

「黎、お前は「達也」」

さらに続けようとした達也を制し、黎が口を開く。

「お前の言う通りだ。俺は元二十八家、そして『あの事件』によってその称号を剥奪された八田家の人間、さらに言えば『八田の呪い』を施された人間だ。達也は初めてあった時から勘づいていたみたいだが」

「ああ、そして九校戦でのお前の戦いを見て確信を持った。」

「なるほど、さすが、マヘーシュヴァラ、そしてあの四葉ってわけだ」

その言葉を聞いた途端、達也の目が驚愕に染まり、その後殺気が宿った。そして持っていたCADをまっすぐ黎に向け、友人と話す時ではないような声色で問う。

「どういうことだ?なぜお前がそれを知っている?」

今にも黎を攻撃するかのような空気だ。しかし黎は怯まない。

「別に、どうでもいいだろって言いたいとこだが、まあそうもいかないだろう。説明してやる。先の大亜連合の沖縄侵攻、あの戦いに俺も参加してたんだ。そこでマヘーシュヴァラを、お前を見たんだ、達也。」

達也はCADを構えたまま黙って続きを促す。

「といっても、その時はその正体なんて知らなかった。でも、モノリス決勝での一条との戦い。あの時見た光景は、マヘーシュヴァラを見た時によく似ていた。だからある人物に確認したんだ。」

「ある人物?」

「ああ、風間さんだ。」

達也の顔が驚愕にそまる。

「なぜ、お前が風間さんと?」

「別に、八田の人間なんだから国防軍と知り合いでもおかしくはないだろ。風間さんにマヘーシュヴァラの言葉を投げかけた時、僅かだが動揺の色が見えた。それで確信したのさ。四葉の方は、まあ推測の域を出なかったが、お前が俺に似ているから、かな」

「なるほど、よくわかった」

それだけ告げ、達也はCADの引き金を引き、雲散霧消(ミストディスパージョン)を黎に放った。

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「黎くんがマヘーシュヴァラの正体に気づいた!?」

藤林が驚愕の声をあげる。風間から告げられた事実は、あまりに驚くべきことなのだ。真田や柳といった面々も、声には出さずとも驚きを隠せないという表情を浮かべている。

「ああ、達也が一条家の次期当主と戦った際の自己修復術式。あれに気づいたらしい。」

「自分も戦っている中で、遠くにいた達也くんのあの速さの自己修復術式を…?」

藤林が驚くのも無理はない。それほどまでに達也の自己修復術式は早い。

「黎ならわからなくはない。しかし、黎はこの情報を握りつぶすと言っている。今我々や達也と事を構えることは避けたいだろうしな。」

風間が全員を安心させるために告げる。それと被せるように真田が若干焦ったように言う。

「あの、先ほど特尉と黎くんが2人でどこかに行くのを見かけたのですが」

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

「おいおい、いきなり殺人魔法ぶっぱなすことはないだろ」

達也の雲散霧消を再定義で対象を近くの木に書き換えて避けたあと若干の嘲りと共に非難する。

「 おい!待てって!」

達也は黎の言葉を無視し、雲散霧消が効かないと見るや今度は体術を仕掛けてくる。あの九重八雲の教えを受けている達也の体術だ。黎とはいえ簡単にさばけるものではなく、蹴りを1発もらって後に飛ばされる。なおを攻撃をやめようとはせず、更に黎に肉薄してくる達也をかわしながら、先程より大きな声で達也に告げる。

「待て!俺はこれを知ったからってどうこうするつもりは無い!」

「関係ない、お前は少し知りすぎている。それだけで俺達の脅威になり得る存在だ。」

しかし達也は止まらない。なおも黎に向けて攻撃を繰り返す。そこへ

「お兄様!!!」

「達也!!!」

新たな声が割り込んでくる。

「っっっ!!深雪!?」

「と、風間さん??」

達也が驚いた声で、黎が冷静に、現れた人に声をかける。

「お兄様、やめてください!」

「達也、少し落ち着け。」

深雪と風間に諭され、達也も落ち着きを取り戻したようだ。

「……すまない、黎。冷静さを失ってしまっていた。」

黎の方に向き直り、深々と頭を下げる。

「大丈夫だ、俺はあれくらいじゃ死なん」

「八田くん、本当に申し訳ありません。」

「私からも謝罪させてくれ、黎、本当に申し訳なかった。」

深雪と風間からも謝罪の言葉をかけられる。

「いえ、もともと達也にこの話をした時点でこういうこともあると思ってましたし。」

「本当にすまない、黎」

「大丈夫だって。まぁとりあえず、俺はこの情報をどうこうするつもりは無い。達也も俺も互いの秘密を握りあってる訳だが、これからも変わらず付き合ってくれ、達也」

「あ、ああ…」

「風間さん、さっきも言った通り、俺は国防軍や達也と争いたくありません。この件は口外するつもりもありませんのでご安心ください」

「感謝するよ、黎」

再度、黎は自分の立場を明確に示した。

「ところで、どうして深雪と風間さんはここへ?」

「真田から黎と達也が2人でこちらの方へ向かったと聞いて、嫌な予感がしてな」

「私も、何となく嫌な予感がしたので」

「…2人の直感は恐ろしいですね」

黎は苦笑しながら2人の言葉に反応する。

「黎、本当に悪かった。俺はなんてことを」

「あーもう気にすんなって、そんなに言うなら今度なんか奢れ!それでチャラ!これからもよろしく!」

強引に達也の右手を掴んでブンブンと振る。

「今後この事気にしてたらさらに奢らすもの増やす。深雪も気にしないでくれよ、これからも友達として仲良くして欲しい」

「わかりました、今後ともよろしくお願いします」

「さあ、もう戻ろうぜ。明日から本戦再開だし、応援しなきゃな。」

その言葉で、各々自分の部屋に帰るのだった。




大学に入って気がつけば1年…気がつけば最新話を投稿してから1年たとうとしてました。今後とも亀更新ですがちょっとずつ続けていこうと思います。
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