魔法科高校の異端児~それは呪いか祝福か~   作:のなめん

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こんにちは、自宅警備中ですので、サクサク書いていきたいです。それでは第18話です、どうぞ!


第18話

スクーターで逃走した少女は、協力者の遣わしたワゴンに救出されていた。

「あの小娘は大丈夫なのか?」

都内某所の建物の一室、たくさんのモニターが置かれた部屋で、男たちが食い入るように画面を見つめる。ここでいう大丈夫、とは少女の身を案じているのではなく、少女から自分たちの尻尾を掴まれるのではという意味だ。

「あのワゴンのメンバーを手配したのは周先生ですので、何かあっても我わrの存在を知られることはないかと」

「あの若造の仲介か…どこまで信用していいものやら」

気に入らないが、信用するしかない。現地協力者は不可欠だ。

「レリックの方はどうなってる」

「フォアリーブステクノロジー社から持ち出された形跡はありません」

「司波小百合が昨日訪れた家のことは何かわかったか」

「夫の連れ子である兄妹が住んでいるようです」

「素性は?」

「両名とも、魔法大学附属第一高校の1年生です。兄が司波達也、妹が司波深雪です」

「なるほど…好都合かもな。第一高校を活動対象に追加。他から人員を割いても構わん。それから小娘への支援を強化。武器も持たせておけ。呂上尉」

「是」

「現地で指揮をとれ。よその犬が嗅ぎ回っているようなら排除しろ」

 

 

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朝黎が自分のクラスに行くと、深雪、ほのか、雫が黎の席の周りに集まっていた。

「おはよう、どうしたんだ?」

「おはようございます、八田くん。実は、最近ほのかが視線を感じるらしくて」

「視線?ストーカーのような類か?」

「い、いえ、私個人と言うより、もっと大きなものを狙っているような…」

「学校全体とか、多くの生徒とかを狙ってるのかも。私も違和感を覚えてる。」

ほのかの言葉を補完するように雫も続ける。

「なるほどな、精霊も少し騒がしい。美月や幹比古に確認してみるか」

昼食時にE組のメンバーと合流し、その際に確認することにした。

 

 

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「多分誰かが式を打ってるんだと思うけど、我が国の術式じゃないと思う」

(やはり大亜連合…)

幹比古の言葉で確信する。達也と目が合い、軽く頷く。達也も当たりをつけたようだ。

「へえ、他国のスパイか。面白いことになりそうね」

「ああ、退屈しなさそうだぜ」

好戦的なエリカとレオはニヤリと笑みを浮かべている。

「はあ、平和が一番だと思うんだがなあ。そういや達也、コンペの準備は進んでんのか?」

苦笑いしながら、さりげなく黎が話題を変える。

「一段落、と言ったところかな。細々とした作業は残っているが」

「大変そうねえ、美月のところで模型作りを手伝ってるんだっけ?」

「あ、うん。2年の先輩が。私は何もしてないけど…」

「模型作りは五十里先輩に任せっきりだから、同じ2年の方が都合がいいんだろう」

「ふーん、じゃあ達也は何をしてるんだ?」

さりげなく美月のフォローを入れた達也に、レオが疑問を投げかける。

「デモ用術式の調整だ」

「普通、逆だと思う」

雫が静かにツッコミを入れる。

「そうか?物を作ることにかけては、五十里先輩は俺の数段上をいってると思うんだが」

「まあ確かに啓先輩は『魔法使い』ってより『錬金術師』のイメージが強いかもね」

「錬金術師?RPG?」

エリカの言葉に雫が首を傾げる。

「その例えでいくと達也さんは何になるのかな?」

美月が続けると、一気に話が盛りあがる。

「そりゃマッドサイエンティストでしょ」(エリカ)

「それRPGじゃなくねえか?」(黎)

「じゃあ山奥で秘術を教えてくれる世捨て人の賢者」(エリカ)

「賢者っつーには武闘派だけどな」(レオ)

「密かに世界征服を企む悪の魔法使い?」(エリカ)

「そこは素直に魔王とか」(幹比古)

「いやいや、一緒に魔王を倒した後で、実は俺が黒幕だぜ〜と主人公の前に立ち塞がるラスボスとか似合いそうじゃね?」(レオ)

「みなさん、どうして勇者という結論にたどり着かないのかしら」(深雪)

「達也が勇者…いやあないな。深雪のためなら世界すら滅しかねないだろうからやっぱ魔王だろ。シスコン設定付きの」(黎)

「そう言う黎はどうなんだ?」(達也)

「うーん、魔王の側近?」(エリカ)

「俺は達也の手下なのか」(黎)

「じゃあ成り行きで仲間になる強力な第三陣営とか」(幹比古)

「それ魔王との戦いで死ぬやつじゃね?」(黎)

「ゆ、勇者…はダメかな?」(ほのか)

「うーん、世界を救うってタイプじゃなさそうねえ」(エリカ)

「クリア後に戦えて、倒すと仲間になる裏ボス的な?」(雫)

「「「それだ!!!!」」」

と、このように大盛り上がりだった。

 

 

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その日の放課後は、久しぶりに9人揃って帰る機会となった。久々の大所帯に会話も盛り上がる。しかし周囲への警戒は怠らない。黎と達也は背後から自分たちを尾けてくる存在に気づいていた。

「ちょっとよって行かないか?」

「ああ、そうだ「賛成!」」

「達也は明日からまた忙しくなりそうだしな」

尾行をやり過ごすための達也の誘いに、エリカ、レオ、幹比古が食い気味に同意した。それには触れず、喫茶店「アイネブリーゼ」の扉を開ける。

 

 

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「へえ、論文コンペに参加するんだ、すごいね。今年は横浜で開催される番だよね?会場はいつも通り国際会議場?だったら実家のすぐ近くだ」

「横浜のどちらなんですか?」

美月が全員を代表して尋ねる。

「山手の丘の中程にある、『ロッテルバルト』って言う喫茶店だよ」

「ご実家も喫茶店だったんですね」

「そうなんだ、時間があれば寄ってみてよ。僕と親父のどっちのコーヒーが美味いか、忌憚のない意見を聞かせてもらいたいな」

「商売上手っすね」

黎のツッコミでその場に笑い声が上がる。そしてそろそろコーヒーを飲み終わろうかと言うところで

「ちょっとお花摘みに行ってくる」

「おっと、わりい、電話だわ」

エリカとレオが席を立つ。幹比古も何やら熱心に筆ペンを動かしている。

「幹比古、何をしているんだ?」

「うん、ちょっと忘れないうちにメモっとこうと思って」

「……派手にやると見つかるぞ。程々にしておけよ」

そう言って達也はコーヒーに手を伸ばす。

(はあ…しゃあねえ見張っとくか)

達也が手を出すつもりがないのを見て、万が一の時は対処しようと黎は警戒範囲を広げた。

 

 

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「おじさん、あたしとイイコトして遊ばない?」

「何を言ってるんだ?もっと自分を大切にしなさい」

男は焦りを隠しながら答える。

「アレ?あたしは『イイコト』って言っただけなのに、どう言う意味にとったんだろ?」

 

(接触したか…)

尾行の男にエリカとレオが接触したのを確認して、黎も席を立つ。

「黎さん?」

「風紀委員からの業務連絡だ、わりいちょっと外すぜ」

ほのかの呼びかけにこう応え、店の外へ出る。

(2人なら負けないわな)

物陰に隠れ、エリカとレオの様子を伺う。

 

「ジロー・マーシャルだ。詳しい身分は言えないが、どこの国の政府機関にも所属していない」

「つまり、イリーガルってことね」

「それで?何が目的でどういう状況になってるのか聞かせろよ」

「私の仕事は、魔法科高校生を通じて、先端魔法技術が東側に盗み出されないよう監視し、軍事的な脅威となり得る技術が東側に漏洩した場合はこれに対処することだ」

「東側?ってことは、あんたは西側ってことか?」

「この国の平和ボケは治ったと思っていたんだが…。動くな!」

男の銃口はしっかりエリカに固定されていた。

「な!?」

「テメエ!!」

(やれやれ、行くか)

隠れていた黎が背後から男に迫り、完全に背後をとった。

「動くな、銃を捨てろ」

男の頭上に発動前の魔法を待機させる。

「こちらを振り向く必要はない、黙って銃を捨ててこっちに蹴れ」

「黎!?」

「黎くん!?」

男は頭上の魔法を確認して、勝ち目がないと悟ったのか黙って黎の指示に従う。

「レイ・ハッタか」

「よくご存じで。随分派手なちょっかいかけてくれたな」

「く…世界の軍事バランスは、一国の問題ではない。USNAでも、西ヨーロッパ諸国でも東側のスパイが急増している。君たちの学校も、東側のターゲットになっているんだぞ!」

「ああ、忠告どうも。もちろん警戒してるさ。現にあんたの尾行にも気づいたし、銃だってこっちにある」

「では、お仲間にも身の回りに気をつけるようよく言っておいてくれ。学校の中だからと言って油断はしないようにと」

「言われなくてもそうするさ。あんたみたいなのもうろついてるしな」

「私は君たちの敵ではない。そろそろ解放していただきたいのだが?」

「いいだろう、もう危害を加えられることはないだろうしな。幹比古」

結界を張っている幹比古に合図を送り、解除させる。

「じゃあな、もうこそこそ嗅ぎ回んなよ」

 

 

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「アイネブリーゼ」に戻ってしばらくした頃

「!?」

黎は驚いた様子で顔を上げた。

「黎さん、どうしました?」

「ああいや、大丈夫。なんでもないよ」

心配そうに覗き込んでくるほのかに笑って応え、平静を装う。その後、携帯で一通のメールを送った。

 

 

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その日の夜、黎はまた司波家に電話をかけていた。

「悪いな、何日も」

「構わないさ、夕方の件だろう?」

そう、黎がメールを送っていたのは達也。先ほどの件で夜話す時間をとってほしいと言う内容だった。

「ああ、俺らを尾行してたおっさんが…消された」

「何?」

達也が驚いた声をあげる。

「やつと別れた後、式に後を追わせていたんだが、その式も一緒に誰かに消された」

「誰か?」

「式の死角から一発でドカンだ。おかげで顔も姿もわからなかった。相当なやり手だろうな。あいつの言うところの『東側』なんだろう。みんなの前で言っても、悪戯に不安を煽るだけだと思ったからお前にだけ伝えとくわ」

「なるほどな、わかった」

「どうやら、警戒のレベルを引き上げた方がいいみたいだぜ。割とお大掛かりに動いてるっぽい」

「そうだな、一層注意しておこう」

達也のこの言葉を最後に、通話は終わった。

 

 

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「式を打っていた奴の正体は分かったか」

「ええ、第一高校1年、八田黎です。」

「八田…まさか『あの』八田か…?呂上尉」

「是」

「式に姿は見られていないのだな?」

「死角から一撃で消しましたので、その心配はありません」

「うむ…しかし万が一ということもある…」

少し考えたのち、男は新たな指示を出す。

「八田黎をターゲットに追加。チャンスがあれば拉致を狙え。無理なら殺しても構わん。」

「「「是」」」

「また、ターゲットの戦闘能力は突出している。かかる際には必ず4人以上で当たること」




やっぱりあんまり話が進んでいないような…というより横浜騒乱編の前半がこんな感じなんですかね。
最近UAやお気に入りが少しずつ伸びていて、嬉しいです。見てくださっている方、ありがとうございます。ご意見ご感想ありましたら、お気軽にお寄せいただけるとより嬉しいです。次回もなるべく早く投稿します。それでは!!
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