魔法科高校の異端児~それは呪いか祝福か~   作:のなめん

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のなめんです。魔法科の映画を見に行きたいのですが、どうにも時間がとれないんですよねえ。それはそうと、UA1500突破ありがとうございます!評価や感想もお待ちしておりますので、宜しければお願いします。モチベに繋がりますし。それでは第4話です。黎の能力の片鱗をお見せしましょう。では、お楽しみください。


第4話

「風紀委員の見回りに同行したいのか?別に楽しい仕事ではないと思うぞ」

「部活の勧誘に振り回されるのが嫌でしてね、かと言って下校時刻ギリギリまで生徒会室に篭ってるのも暇ですし、人手が余っている様子でも無かったので」

摩利の疑問に、出来るだけわかりやすく答える。実際これらは黎の本音だ。

「私は構わんが、真由美はいいのか?」

「私より、同じ会計のリンちゃんに聞くべきなんじゃない?」

摩利と真由美が鈴音の方へ顔を向ける。

「問題ありません。この時期はそこまで忙しくありませんし、むしろ風紀委員の方が相当忙しくなるでしょうから、勧誘週間はそちらに行ってもらって構いませんよ。」

鈴音は涼しい顔で答えた。建前などではなく、本当に仕事は多くない。黎もそれが分かっていたから摩利に提案を投げかけたのだ。

「ありがとうございます、市原先輩。」

「そういうことなら、喜んで加勢を頼もう。ちょっと来てくれ。」

その後、専用の通信機や、証拠撮影用のビデオなどを受け取り、黎も見回りに向かった。

ーーーーーーーーーー

「おーおー、こりゃ想像以上だな」

黎は正直、勧誘週間を侮っていた。せいぜいチラシ配りや、ちょっとした口頭での勧誘くらいだと思っていたが、見たところ、完全に部員の取り合いだ。ほぼ本人の意思を無視したような勧誘に見える。これでは争いが起こるのも頷ける。忙しくなりそうだ。

「ねえねえ君、うちの部どうかな?」

「君!ぜひうちの部に!」

「絶対うちの部合ってると思うよ!」

「見学だけでも!」

怒号にもにた声があちこちから聞こえてくる。耳が痛くなるほどだ。

「ちょっと!ふざけないで!」

その中に、癇癪を起こしたような声が聞こえた。

「ふう、早速仕事か」

黎は声のした方に走った。

ーーーーーーーーーー

「その子たちは私たちが先に目をつけたんだから!」

「いいえ、私たちが先よ!」

「あ、あの、すみません、離してください…」

黎の思った通り、本人の意思を無視した勧誘も行われているようだ。止めに入らなければならない。

「ああ、生徒会の者ですが、2人も嫌がってますので、離してあげてもらえませんか…って、雫とほのか?」

「あ、黎さん!」

執拗な勧誘にあっていたのは、雫とほのかだった。助けを求めるような目で黎を見つめる。

「なによあんた!関係ない人はあっち行きなさいよ!」

「ただ勧誘してるだけじゃない!何がいけないの?」

「その勧誘が本人達の迷惑になっているようなので、1度解放してやってくれませんか?その部に興味が沸けばまた自分たちで来ると思いますので。これ以上続けられるようなら、俺にはそれを止める義務があります。」

その言葉を聞き、ほのかたちを囲んでいた生徒達は黎たちを睨みながらも散らばっていった。

「あ、あの、ありがとうございました!」

「助かった、ありがとう」

「仕事だし、気にしなくていいさ。2人とも部活は決めたのか?」

「まだなんです。色々見て回ろうにも、勧誘が…」

ほのかが不安そうに答えた。

「黎さん、一緒に回っていい?」

「え?」

雫の発言に、思わず黎は聞き返した。

「黎さんが横にいたら、しつこい勧誘もなくなると思うし」

「あー、なるほど、俺は別にいいけど、トラブルが起きたらそっちに行かなきゃいけない。それだけ了承してくれ」

「わかった」

「んじゃ、行くか」

黎は2人を連れて見回りを続けた。

ーーーーーーーーーー

「おい!いい加減にしろよ!勝手が過ぎるだろう!」

巡回中、またもや怒号が黎の耳に入った。今度は男子生徒のようだ。

「やれやれ、またか。ほのか、雫、悪いけど俺は行くよ」

「うん、わかった」

「あの、頑張ってくださいね!」

「俺が頑張らなくてもいい状況が望ましいんだがな」

そう言い残し、声のした方へ走った。

ーーーーーーーーーー

現場のグラウンドにつくと、2つの部の生徒が集団で対立していた。

片方が一科、もう片方がニ科生の集団だ。

「まだお前達のデモ時間じゃないじゃないか!大人しく待ってろよ!」

「うるさい!ウィードのくせにブルームに口出しするな!」

「…くだらん、一科生にはガキみてえなやつが多いな」

そう呟き、2つの集団の間に入る。

「生徒会の八田です。何事ですか?」

「こいつらがまだ自分たちのデモ時間じゃないのに、場所を譲れとしつこいんだ!」

「ウィードの多い部活がデモをしても、部員が集まるわけないだろう!時間の無駄だから譲れと言っているだけだ!」

各部には、新入部員勧誘のためのデモンストレーションをする時間が、それぞれに均等に割り当てられている。一科ニ科の区別なく、これは平等であり、私的な理由で時間を変更することは認められていない。譲る側が納得していないなら尚更である。

「はあ、あなた方が何部かは存じませんが、話を聞く限り明らかにそちらに非があります。割り当てられた時間までお待ちください」

一科生の集団を見ながら黎が告げる。

「いや、もっといい方法があるぞ」

一科生の集団の先頭にいる生徒が不敵な笑みを浮かべる。

「はい?」

「今ここでお前も混じえてデモをするんだよ!」

そう叫ぶと、CADを操作して魔法を発動、しようとした。しようとしたが、出来なかった。

「な!?」

黎が自己加速術式を発動、その生徒のCADを叩き落とし、そのまま組み伏せた。

「こちら1-A八田、グラウンドにて逮捕者一名。」

「クソ!こいつ!」

逆上した生徒たちが一斉にCADを操作、黎に魔法を放とうとする。

「やれやれ、大人しくしてくださればこの人の逮捕だけで済んだのに」

そう告げると、黎は右手を上に掲げた。

「あ、あれ?なんでだ?」

直後、発動しかけた全ての魔法が中断された。立ち上がった黎が指を一つ鳴らした。すると、魔法を発動しようとした生徒全員の頭上に魔法陣が出現し、そこから発せられた青い稲妻が彼らを貫いた。そのまま彼らは動けなくなり、地面に倒れ込んだ。意識を刈り取るには至っていないのは、黎が威力を調整したからである。

「こちら1-A八田、さきほどに続いてさらに逮捕者あり、負傷していますので、担架もお願いします。」

風紀委員本部に連絡を入れ、残っている生徒に向かって告げる。

「俺もこれ以上逮捕者を出したくありません。大人しくしていてください。抵抗するようなら容赦はしませんよ」

その言葉は、残りの生徒の抵抗の気を削ぐのに十分だった。

ーーーーーーーーーー

「で、結局7人を逮捕したというわけか」

大量の違反者が出こともあり、黎は1度風紀委員本部に戻って摩利に事情を説明していた。そこには真由美、摩利、達也、そして部活連会頭にして、十師族の一家、十文字家の当主代理、十文字克人も同席していた。

「はい、流石にその後は抵抗する生徒もいませんでした」

「そうか、ご苦労。ところで、君が魔法を封じるのに使った技について聞いてもいいか?」

「あれは俺のオリジナルの妨害魔法、術式飽和(グラム・サチュレーション)です」

摩利の質問に、ニヤリとしながら黎が答える。

「術式飽和?」

「はい、簡単に言うと、自分を中心とした一定の空間内にサイオンの急流を作り出し、起動式の構築を妨害する魔法です。」

「自分が中心の一定空間内ってことは、黎くんもその対象なんじゃないの?何故黎くんはその中で魔法を使えたの?」

黎の説明に、今度は真由美が疑問を呈する。

「起動式を妨害、と言いました。そこがミソです。魔法式の妨害ではありません。」

達也と十文字はなるほどという表情を浮かべたが、あとの2人はイマイチ分かっていないようだ。

「俺は、魔法の発動に起動式を必要としません。自分で魔法式を構築出来ます。そのためCADも基本的に必要ありません」

続いた説明で、2人も理解出来たようだ。

「じゃあ、実質君は普通に魔法が使え、君の周りの人間は使えなくなるということか?」

摩利が驚いた様子で尋ねる。

「ま、そういうことですね。起動式なしで魔法を使える人はそう多くないですし」

「…このまま風紀委員に引き抜きたい人材だな。」

「ダメよ、摩利!黎くんは生徒会の大事なメンバーなの!」

「ほう、大事な、ねえ…」

摩利の冗談に過剰に反応した真由美に冷やかすような視線を送る摩利。

「な、なによ…」

「いや、随分黎くんがお気に入りなのだなと思ってな」

照れてさらに小さくなる真由美に助け舟を出したのは黎だった。

「あの、巡回に戻って宜しいですか?」

狙って出した助け舟ではないが。

「あ、ああ。ご苦労だった。引き続き頼む」

その言葉を聞き、黎は部屋を出た。

「おもしろい奴が入ってきたな。」

次に口を開いたのは十文字だった。

「ああ、達也くんといい、黎くんといい、今年は活きのいい新人ばかりだ。」

不敵な笑みをうかべていたのは、摩利だけではなかった。

ーーーーーーーーーー

巡回に戻った黎だが、その後は特に問題が起きることはなく、巡回を終えるとそのまま帰宅した。何度か口論は見かけたが、黎の姿を見るなりやめていた。後で雫とほのかに話を聞くと、どうやらグラウンドで上級生を大量に捕まえた事実が広まったらしく、黎の前で問題を起こさないように周りが意識していたらしい。黎としても立て続けにトラブルが起きると大変なので、ありがたいことだった。

そしてその夜、黎の自宅にて

「お久しぶりですね、風間さん」

国防軍、独立魔装大隊所属、風間玄信のことだ。

「ああ、久しぶりだな、黎」

お互い旧知の仲らしい。双方笑顔で言葉を交わしている。挨拶や世間話が一段落した後、風間は表情を変えた。

「黎、第一高校内に不穏な空気が流れていることに気づいているか?」

「……不穏な空気、とまではいきませんが、何となく違和感を感じます。遠くから見張られているような、そんな感じです」

「ふむ、藤林に調べさせたところ、一高内に、ブランシュの下位組織、エガリテのメンバーと思われる者がいることがわかった。」

「なるほど、エガリテですか。警戒しておきます。」

「ああ、気をつけろよ」

「ありがとうございます、では失礼します」

そして黎は風間との通信を切った。

 




少し短くなりましたが、ここで切らないとさらに投稿が遅れそうなので、とりあえず今回はここまでにさせていただきます。黎の妨害魔法ですが、もし既出のネタでしたら申し訳ございません。他にも黎のオリジナル魔法は登場させていきたいですね。最後に、宜しければ感想、評価などもお願いします。書いてる身としては、読んでくださるみなさんの声が1番励みになりますので。
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