転生「汽」者えほん   作:アンギラスの息子

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1/1に「走れ!世界のなかまたち」がやると聞いて思わずモチベーションアップしたので書いちゃった

ちょっぴりシリアス気味かな?オリジナル回を作るの難しい…

「再会、家族」というお話


「再会、家族」

そこそこの時が過ぎ、ソドー島にも多くの機関車が追加された。大きな動輪をもつ女性機関車のエミリー。海が好きなディーゼル機関車のソルティー。クレーンのついた力持ちの機関車、ハーヴィー。事故を起こしたことのない『完璧な記録』をもつアーサー。10個もの動輪を持ち、ゴードンやヘンリーよりも馬力のあるマードック。小さく、決まりにうるさいが働き者のファーガス。そして世界最速といわれる蒸気機関車のスペンサー。

 

これほど機関車が増えて島の機関車達は嬉しそうにしている。だが、モチヅキは気分が優れない。彼女は故郷の自分の走っていた路線のことを考えていたのだ。

 

「~ッ!なんで今になってアイツらを思いだすんだ…ッ!」

 

イライラして思わずガシガシと乱暴に頭をかきむしる。

 

今は博物館にいる二台の機関車。かつて共に路線を走った仲間。家族と彼女が言える唯一の存在だ。彼らは今、博物館に行っており、離れ離れになってるのだ。会うこともできない。

 

そこにデリックとパーシーがやってきた。

 

「やあ、モチヅキ。どうしたんだ?そんな難しい顔をして」

 

「デリック…ちょっと故郷が恋しくなっただけさ…心配すんな」

 

「なるほど…ホームシックってやつか」

 

「ホームシックってなあに?」

 

パーシーがデリックに尋ねる。

 

「ホームシックってのは…そうだな。故郷に帰りたくなる事、かな」

 

「故郷…?日本に帰りたいの?」

 

「帰りたいか…どうだろうな。もう走る路線も無いし」

 

さぁて、仕事仕事!と言うと彼女は急いで走っていってしまった。

 

「う~ん…モチヅキになにかしてあげれないかなぁ…」

 

「今はそっとしておいてやるのが一番だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、モチヅキは夢を見た。深い霧の立ち込める岩山を走っているのだ。ひとりぼっちで薄暗く、気味が悪い。

 

「前世共々酷い夢をみるもんだ…ったく」

 

ぼやきながら前に進んでいく。するとだんだん霧がはれてきたではないか。

やがて彼女は鉱山にたどり着いた。訝しげに回りを見渡しながらゆっくりと進んでいく。すると奥から誰かが走ってくる音が聞こえてきた。

 

その正体は小さなタンク機関車だった。紫のボディに金のドームが輝いている。

 

「あんたは…」

 

彼女はその機関車を知っていた。前世に見たことがある…たしか名前は…

 

「私はレディー。この魔法の線路をはしっているの。」

 

「レディー…」

 

彼女は少し自身の話をした。昔ディーゼル10という機関車に痛め付けられ、逃走の果てに燃料が切れて力を失ったこと。たくさんの仲間やトーマスに助けられたことも。

 

「レディーにはたくさんの家族みたいな友人がいるんだな…」

 

「あら、あなたにもいるんじゃないの?」

 

「俺は…一番親しかった仲間は遠く彼方だからな」

 

「本当にそうかしら?」

 

「どういうことだ?」

 

意味深な言葉に思わず聞き返す。

 

「たとえ離れてても心は繋がっているわ。それに、近いうちに再会のチャンスが来るわ」

 

「そんなバカな…」

 

「フフッ…嘘じゃないわ。本当のこと。」

 

するとだんだんと意識が遠退いてきた。急いでレディーに質問する。

 

「待て!いつなんだ!?教えてくれ‼」

 

「すぐよ。明日にでも…いずれわかるわ……

 

 

 

 

翌日、朝からトップハム・ハット卿がやってきた。

 

「やぁ、モチヅキ。いきなりでわるいが、ブレンダムの港まで行ってくれんか?新しい入れ換え用の機関車を迎えに行ってほしいんだ」

 

「はぁ…わかりました」

 

そういって彼女はゆっくりと車庫から出ていった。

 

 

 

ブレンダムでは新しい機関車が下ろされていた。パーシーよりも小さな黒いろのタンク機関車だ。

 

「君は何て言うの?」

 

パーシーが質問する。

 

「私はサツキと言います!日本から来ました!」

 

「ハハッ、元気だね!僕はデリックだ。よろしく」

 

「僕はパーシー!よろしくね!」

 

お互い自己紹介をしていると、モチヅキが港に到着した。そしてサツキを見て驚いた。

 

「サ…サツキ。サツキか?サツキなのか!?」

 

「姉さん…お久しぶりです。サツキです」

 

「ッ…~~!サツキィー!」

 

思わずモチヅキはサツキにむかって抱きついた。彼女の小さな(分身)がモチヅキを受け止める。

 

「本当に…本当に久し振りだよ…!」

 

「姉さん…泣いてます?」

 

「泣いてないッバカァ!」

 

「変なところが強情なのも変わってない~!」

 

そう言い合いながらも二人とも嬉し涙を流している。これからはずっと一緒に働ける。もう一人の家族、アカツキと再会の日も近いだろう。

 

 

 

 

 

 

…これで良いのよね?」

 

レディーが後ろにいる古代ギリシャ風の服を着た人物に話しかける。諸君らは彼女を覚えているだろうか。プロローグでモチヅキを転生させた神様──そう、エルクだ。

 

「うん、これでバッチグーだよ!」

 

「…それ、最近使わないわよ」

 

「ウソん!?」

 

軽口をたたくエルク。だがレディーは惑わされない。

 

「彼女…いえ、彼ね。前世で何があったの?」

 

「それは口が裂けても言えないかなー…でも、彼は一人になってはいけない。きっと前世と同じ死にかたをするだろうからね」

 

モチヅキの前世の話を交えるエルク。一体彼女はモチヅキのどこまでを知っているのだろうか…




このお話の出演は
デリック
パーシー
レディー
モチヅキ
そして、サツキでした。

前世について少し触れてみましたが…やるなら「the adventure begins」みたいに長編でソドー島に来るまでをやりたいな
というかそもそもほしいですか?

そしてオリキャラ募集で早くも5人の応募がありました!ありがとうございます!順次出す予定です。

次はいつかなぁ…ではまたお会いましょう!
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