転生「汽」者えほん   作:アンギラスの息子

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第一話ですよー

主人公が転生してうん十年後からだけど…キハ6401に関しての多少の説明やらなんやらがメインです。


日本での出来事

俺が転生してからもう何十年もたった。初めは驚いた。俺が大好きだった蒸気機関車…では無く、蒸気動車のキハ6401に()()()()()のだから。 どこの艦これだと思ったが、どちらかというとアルペジオだな。ある程度思うとおりに本体――汽車は動くし。だが、貨車や客車にまで意識があるのは本当にびびった。貨車が本体を揺すぶって動かすのを邪魔したりするのだ。

 

そうそう、キハ6401って何だって話だな?昔は明治村にあった日本で最初で最後の蒸気で動く気動車だ。Bタイプ――4軸動輪で、いちいち方向転換しないで動ける。今はたしか、リニア・鉄道館に展示されてるはず。

まぁ、それになれたのは良しとしよう。だが、なぜ…

 

「なぜ女性になってるんだ…」

 

 

【挿絵表示】

 

 

神様に異議を申し上げたい。俺は男だったはずだ。なんでそこで性転換されにゃならんのだ。解せねぇ…

 

「どうしたんだ、ミッチ?元気を出せよ!」

 

「…そんな元気なのはお前だけだよ。アカツキ。」

 

話しかけてきたのはC11型タンク機関車のアカツキだ。この路線では貨車を主に相手にしている。 あぁ、ミッチっていうのは俺の愛称だ。本名はモチヅキ。望月が満月の意味だから「満ちる」からミッチとアカツキが名付けた。

 

「そうですか?私だって元気ですよー。姉さん!」

 

「サツキまで…もう。」

 

今度はB20型のサツキが来た。小型のタンク機関車の中でも一番小型で、入れ替え作業に全ステータスを振ったみたいな機関車だ。

 

「なにをそんな気にしてるんだ?」

 

アカツキが能天気に聞いて来る。正直うらやましい。だって…

 

「この路線が廃線になるんじゃ、とか考えじゃうとね…」

 

「あーっと…」

 

アカツキが黙り込んでしまう。そう。この路線は客足がかなり遠のいている。貨車には荷物がほとんど乗らないし、客車や俺にはお客さんが乗ることは稀だ。それも全て道路の普及の結果だった。みんながバスや自家用のトラックを使うために、コアな観光客と鉄道マニアしか乗らなくなったのだ。経費削減のために貨車は四台しか無く、客車は全部売られてしまった。

 

「でも、三人で一緒に最後まで働きましょう!せめて博物館まででも一緒にいましょうよ!」

 

「…そうだね。」

 

サツキが俺たちを励ます。その時、太った紳士一家が俺の近くにやってきた。

 

「ねえねえ、おじいちゃま!不思議な機関車だよ!」

 

御孫さんと思われる少女が俺を指さす。

 

「そうだね、ブリジット。これは蒸気動車といって、蒸気で動く珍しい汽車だよ。」

 

この紳士…只者じゃない。顔立ちからして欧州の人だろうか。だが、マイナーな蒸気動車を知っているとは…

 

「おじいちゃま、乗っていい!?」

 

「もちろんだ、スティーブン。」

 

いつの間にか紳士一家は俺に乗ることになっていた。まぁいい、お客さんなら全力でもてなすとするか!

 

「それじゃあ、先に行かせてもらうよ。アカツキ。」

 

「いってらっしゃ~い」

 

そうして俺たち一行は野山を走り、川をこえ、田園を渡った。元々そう距離の無い路線故にあっという間に終点についた。

 

「君、名前はなんというんだね?」

 

「モチヅキです。皆からはミッチとよばれてます。」

 

「そうか。モチヅキ、非常にいい乗り心地だったよ。」

 

――! 機関車を褒めなれている。まるでいつも機関車と一緒にいるような振る舞いだ…

 

「…ありがとうございます。」

 

そうして紳士と分かれた。 それからというもの、休暇の間彼らはこの鉄道に毎日来た。アカツキの引く貨車に乗ったり、サツキの入れ替え風景を見学したり――そして、あっという間に彼らが帰る時が来た。

 

「またあそびに来るからね~!」

 

「またね~!」

 

と、子供たちが別れの言葉を言うので、俺たちは汽笛を鳴らして彼らを送った。それから二か月ほどたったころだった。

 

「済まない、みんな…この路線は廃線になった。」

 

「やっぱりか…」

 

「クソォ…ダメだったか…」

 

「それで、私たちはどうなるんですか?」

 

サツキがマネージャーに訪ねる。だが、かえってきたのは残酷な現実だった。

 

「アカツキとサツキは博物館が引き取ってくれる。だが、モチヅキは…」

 

「…そっか」

 

「なんで…!? ミッチはなんでダメなんだよ!?」

 

アカツキがマネージャーに詰め寄る。あいつが怒るのも最もだろう。俺はこの路線の最古参で、二人に仕事を教えた張本人だ。慕っていた人と別れるのは辛いものだ。

 

「やめろ、アカツキ。マネージャーは悪くない。」

 

「でもよぉ、ミッチ!だからって…」

 

「俺の運が悪かっただけさ。それに、後悔は無い。」

 

「!――俺たちはあるんだよぉ!」

 

「そうです! 私たち、姉さんに何もできてませんよ…」

 

全くこいつら…俺の涙腺が壊れちまうじゃないか…

 

「大丈夫、ほら、泣かない。」

 

頑張って慰めるが、俺まで泣いてちゃ締まらないじゃないか…

 

 

 

 

 

そうして、アカツキ達は博物館に輸送された。後は俺が工場まで運ばれるので終わりだと思ったその時だった。機関士が走ってきた。

 

「モチヅキ!あの紳士からの手紙だ!また働けるぞ!!」

 

「本当か!?」

 

あの紳士からの手紙には我が鉄道に来ないかと書かれていた。送り主の名前は――

 

 

「――トップハム・ハット卿!」




ということでした。次からはソドー鉄道ですよ!みんな出てくるからちょっと待っててね!

主人公の設定は…

本名はモチヅキ。アカツキから愛称でミッチと呼ばれている。転生者で元男性のため、見た目に反してかなり男らしい。ただし、長年生きてるため、乙女な部分も出来てたり。任せられた仕事は好き嫌いせずにこなす。

といった感じ。

ではでは~
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