この夢は先週見た夢です。
あらすじにその日見た夢を書きます!というような描写がありますが、しばらくは「最近見た夢」を書きたいと思います。
申し訳ございません。
もしも夢を見た場合は、そちらを優先いたしますのであしからず。
この作品は筆者の見た夢に基づいて作られております。
帰り道だった。
日はほぼほぼ真上にあり、蝉の声が聞こえた。
友人から借りていた自転車に乗っていたので、夏であることに間違いはない。
家のすぐ近くに十字路が存在するのだが、私はいつも──十字路を東西南北に見立てて言うところの──南の道から入って東の道を通って家に帰っていた。
今日もその道で帰ろうとしていたのだが、その十字路の北西、つまり、道ではないところに、高さ2m前後の砂の山ができていた。
そしてその山の前に三匹の猿が座っていたのだ。
今振り返ればなんと異常な光景だろう。昨日まで(普段意識していないがために記憶が朧げだが)何も無かった場所に砂の山ができている、さらにはそこに猿が三匹もいるというのだから。
その猿たちは何故かじっと西の道を見つめており、微動だにしない。
私は、珍しいこともあるものだ、と大して深く考えずに家に帰ろうとしていた。
夢の恐ろしいところはここである。全てではないが、夢を見る時はほぼほぼ異様な光景のはずなのに、私たちはそれが当然に思えて仕方がなく、夢を見ていると言う気持ちすらわかないのだから。
ただ、それでもなにか引っかかることがあったように思う。私は、東の道へ曲がってから少し離れたところでその猿たちを観察してみよう、と思ったのだ。
観察を始めてからしばらくしても猿たちは一向に動こうとしなかった。
とはいえど、30秒もない時間の間だけであったのだが。すると西の道の奥から1匹の猿がひょこひょこと走ってくるではないか。
その一匹に反応して、ほかの猿たちも近づいていく。
すると、その猿たちは何やら話し始めた。
言葉ではなかった。
少なくとも人の言葉ではなかった。少し遠かったので、よく聴こえなかったが、聴こえたとしてもきっと理解できないものだったのだろう。
手を振ったり、ジャンプをしたりとその体を使ってコミュニケーションをとっているかのような素振りは、人間の姿を連想させた。
しばらくその光景を眺めていると、不意に1番こちらに近くなっていた猿が東の道、つまり私の方へ顔を向けた。
その目は恐ろしく黒く、深く、まるで心を見透かされるような目だった。
────気づかれた
その猿はこちらを見てそう言ったような気がした。
なんとなく、なんとなくだったが危険を感じた私は、咄嗟に家の方へ走った。視界の端で猿たちが動き出したのが見えたような気がした。
(家に入ってはいけない!!)
(このまま行っても家に入る前に追いつかれてしまう!!)
(家がバレてしまえばおそらく奴らは何をしてでも入ってくるに違いない!!)
直感でそう感じた。何よりもあの目が、深淵の一言に尽きるあの目が、私に恐怖を抱かせていた。
私はとりあえず脇道に身体をねじ込み、難を逃れようとした。
けたたましい猿の鳴き声がとたんに止み、ほっ、と安堵したその瞬間、まるで狙ったかのように目の前に
1番私の近くにいた猿は、あの猿だった。
恐ろしい目。まるで何もかも見透かしたような──。
────危ないところだった。
ん?なぜだかは分からないが、その猿が何を考えているのか私にはわかった気がした(夢の中だから当然かもしれないが)。
────玉手箱、みられたら危ないところだった。
玉手箱?あの開けばお爺さんになってしまう?
黒い瞳に怯えながらも、パニック状態にあるのか私の思考は訳の分からない方へ向いていた。
しかしそれにしてもあの猿たちは箱なんて持っていなかっと思うが……。危ないところ、とはいったい……?
────危ないところだった。
その声(なのか?)を最後に私は気を失った。
目が覚めたのは自分のベッドの上だった。
私はあの目が忘れられない。あの、黒く、深く、どこまでも恐怖を感じさせられるあの目が。
起きてから私はすぐに窓へ向かった。ちょうど私の隠れた場所は窓から確認できるところにあったからだ。
幸いなことに、あの猿はいなかった。
人は一度の睡眠でいくつも夢を見るそうです。
何も見てない、と思ってもそれは忘れてしまっているわけで、逆に今でも覚えているものっていうのはとても印象的なもので、でもその印象にも強弱があって、幸せな夢と恐ろしい夢のどちらがより印象的かと言ったらかそれはもちろん、恐ろしい夢で……
こう考えると見る夢に悪夢が多い理由がわかったような気がします。
何度も言いますがこの作品は作者の見た夢を描く作品です。
その物語がハッピーエンドで終わることなんてほとんどないわけで……