妖精キツネの救済物語   作:雪見綾時

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第四話~錯誤~

 ピコン、とパソコンから軽快な音が聞こえた

 見るとチャット欄にコメントが来ていた

 

 編集:新作ができましたので、いつも通りでいいですか?

 

 尾崎コウ:いえ、大丈夫です。いつもの様に買いに行くので

 

 編集:分かりました。では次回作についてですが……

 

 尾崎コウ:あー、すみません……また二・三ヶ月、作品は書かないです

 

 編集:!?ま、またですか!?

 

 編集:折角話題になってきてるんですから、このまま波に乗って売り出しましょうよ!

 

 尾崎コウ:小説は念のため書いてるだけなので……、売り込んで頂けるのはありがたいんですけど……

 

 編集:……分かりました……ではまた作品ができたら教えて下さい

 

 尾崎コウ:すみません……、ありがとうございます

 

 

 

 ふぅ、と溜め息を吐いてパソコンの電源を落とす

 

 「まさかお試しで書いた小説がこんなに話題になるとは……」

 

 去年、少し時間に余裕が出来たことから、私は金策に走ることに決め、株の売買やネットオークションなど、小学生でも出来る金稼ぎなどたかが知れている

 株ではリスクがあるし、ネットオークションは住所などが知られたりとそちらも何があるかは分からない

 

 そこで思い出したのがあの闇の男爵(ナイトバロン)の作者である工藤優作さんである

 まぁ、これなら編集にネットで送れば場所を知られることも無いし、顔出しもしない、と言うことでお試しに小説を送ってみることにした

 もちろん優作先生に見てもらい、書き方がおかしい所など添削をしてもらった上でだが

 

 するとなんと運のいいことか、トントン拍子に話が進み僅か数日で第1作、ファンタジー小説である«闇ある国に光あれ»が発売される手筈となった

 早速編集が付き、数ヶ月後には第2作、今度は恋愛小説«愛よココに落ちてこい»が発売

 この1年で計4冊が発売されたが、そのどれも新人売上げ1位を記録した

 それもこれも優作さんのせいである。実は何かのイベントで私が出した小説に高評価をつけ、しかも弟子だと言いやがったのである(事実だが……)

 そのおかげもあって軒並み売れ行きは向上していく一方で、お金は印税も入ってくるので取り敢えずゆっくりめにしていくことにし、私は優作さんのおかげでお金を稼ぐもう一つの顔、尾崎コウの名を手に入れたのである

 

 そして余談になるが、もう一つ、私は名前を作り上げた

 それは前回の世界の時にもあった某動画投稿サイトでの顔だ(顔だしはしてないが)

 興味があったので、手を出してみたがこれが意外に楽しい

 この世界ではハラハラドキドキ(悪い意味で)が止まらないので、ストレス発散のいい趣味になった

 まだ始めたばかりであまり有名ではないが、今ファンとして小説を買ってくれている人も、動画を見てくれてる人も大切にして行こうと思った

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