幻想剣帝録   作:アルクロ

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第十一話「名前の無い幻夢」

~青年の寝泊まりしている部屋~

 

青年は自分が寝泊まりしている部屋のベットの上でうなされていた

 

青年「うぅ…来るな…辞めろ……」

 

青年は額に汗をびっしりと付けてジタバタとしていた、そんな青年の夢の中では青年に謎の真っ黒な闇が迫っていた

 

青年「来るなぁー!!……ハァ……ハァ……」

 

青年は眼前に闇が迫った瞬間に目を醒まし、上半身を飛び起こした

 

青年「何だったんだ…いったい…」

 

青年が左手で頭を抱えながら指の隙間から右手を見ると右手は無意識だったからかカタカタと震えていた

 

青年(まるで俺の心を写したようだ……)

 

青年は右腕の震えを止めるとベットの上で精神統一し始め自分の力がどうなっているかを感じようとしはじめた

 

青年(俺の体に起きた異変…俺の正体はきっとあの時に右腕が取り込んだあの零とかいう物体のせいだ…)

 

青年が自分に意識を集中させ、目を閉じると視界に映る風景が段々と真っ黒な景色から真っ白な何もない景色に切り替わり、その中央に黒い人影が立っていた

 

??「よぉ」

 

青年「お前は…誰だ?」

 

青年が人影の近くに降り立ち顔を確認しようとしたが、人影には顔は無く輪郭も分からずただそこに何かが居るという事だけしか分からなかった

 

人影「俺か?俺はお前さ、だが、俺には名は無い、つまり、お前にも名が無い」

 

青年「!?」

 

人影が青年を指差しながら喋るとその内容に青年は驚いた

 

青年(確かに俺は転生者だ…つまりは前の世界の名は使えない、だから今の俺には名が無い…それを言い当てやがった…)

 

人影「だから、言ってるじゃねぇか、俺はお前だってよぉ」

 

青年が心の中で考えていると人影はそれを読み取ったように喋り続けた

 

青年「………つまり、お前は俺の写し身って訳か」

 

人影「そういうこった」

 

青年「なら何故口調がこんなにも違う?」

 

青年の問に対して人影はハァと溜息をつきながら頭を掻いた

 

人影「あのなぁ、二重人格、もしくは、多重人格って知ってるよな?」

 

青年「まぁ、うん、一人の体に複数の人格、人がいるってもんだろ?簡略的に言えば」

 

人影「そうだ、そして、俺等はそれと変わらん、ひとつの身体に同じ様な性格は存在出来ん、確実に何かしらが違う、完璧に同じならば2つも要らないから一つに統合される」

 

人影の話を聞きながら青年は納得したように頷いて

 

青年「だから、俺とお前は同じ身体にいるのに別な性格や喋り方をしているって訳か」

 

人影「そういうこった」

 

青年「………なら、一つ聞きたいんだが」

 

青年は人影から聞いた情報を纏めて一つの疑問を思い浮かべた

 

青年「この前零ってのを右腕が勝手に取り込んだんだが…もしかして…原因は」

 

人影「あぁ、俺が原因だ、お前は強くなりたいだろう?だから、それに利用しようと思ってな」

 

青年は人影の答えを聞くと同時に左腕で人影の首元らしき場所を掴み上げた

 

人影「オイオイ、何すんだよ」

 

青年「テメェのせいでこちとら倒れるわ、悪夢でうなされるわで今のところ散々なんだよ!」

 

青年が人影を掴み上げながら文句を言うと、人影の目の辺と思われる場所から冷たい視線が送られ

 

人影「それはテメェが弱いからだろうが、それを俺のせいみたいに言いやがって、そんなのだからヴラドにもあのオカマにも勝てやしねぇんだよ、暴走するはめになるんだよ」

 

青年「ゔっ…」

 

人影「どうした?悔しけりゃ反論してみろよ」

 

青年は人影に逆に反論されると渋々と人影を降ろして離した

 

人影「チッ、無駄に力強く持ちやがってよぉ、テメェは外面ばっかりに鍛え方が向かってるからな、多少は精神面も鍛えやがれ」

 

青年「精神面……?」

 

人影「あぁ、そうだ……良い事を思い付いた」

 

人影はそう喋ると顎に手を当ててフフッと少し笑い

 

人影「テメェ、これからちょくちょくこの精神世界に来い」

 

青年「ハァ?何で?」

 

人影「俺が鍛えてやるよ、嫌がらせ込みで」

 

人影はフフンと偉そうに青年に命令したので青年は目くじらを立てて

 

青年「誰がそんなに従うか!」

 

人影「そんなのじゃあ一生あの娘を護らないかもな」

 

青年「うぐっ……」

 

青年が帰ろうとしていると人影は青年を後ろから煽り始め、青年はその煽りに反応した

 

青年「………」

 

人影「良いのかなぁ?護れなくても」

 

青年「分かったよ!度々ここに来たら良いんだろう!?」

 

青年は後ろを振り返り怒鳴るように人影に向かって叫ぶと、人影はそれで良いと頷いた

 

青年「それじゃ、俺は戻るからな」

 

人影「おうよ、じゃあなぁ」

 

青年はフワリと中に浮きそのまままた真っ黒な場所を抜けて飛んで行った

 

人影「また来いよ……クソ野郎」

 

人影は青年が消えた真っ黒な場所を見つめながらニヤリと笑みを浮かべていた、その時黒い影が口周りだけ消えて白い人肌の様なものと口が見えた




はい、毎度お馴染みの俺です。
今回は青年の中に居る別の何かと対談しましたね。
彼は何を知っているのでしょうかね?
謎がまた増えてしまいました。
それでは今回の後書きはこの辺で終わりにします
それでは、次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう。
さようなら
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