~館近くの森~
青年とヴラドはギィンギィンと金属音を轟かせながら剣と槍を打ち合わせて周りの木々に傷を付けつつ闘い続けていた
青年(やっぱり攻め切れないな…)
ヴラド「どうした、この程度では余は殺せぬぞ?」
青年は両手に持っている剣と刀で攻め立てていたがヴラドはその連撃を槍一本で防ぎ切っていた、そして、そうした状況が続いていると館の方向から
ヴァルナ「ヴラド様!」
ヴラド「何故来たのだ?ヴァルナ」
ヴァルナ「ヴラド様の加勢ですわ。愛する夫一人を戦わせ続けるだなんて妻として嫌ですもの」
青年「………これは本気を出さないと駄目かな」
ヴァルナが加勢に来た事により青年の顔色が多少悪くなり、青年は右手に持っていた剣を地面に突き立て、その後左手に持っていた刀の刃を右手の方向に向け、右手に突き刺した
青年「グッ……ウゥッ…オラァァ!!」
突き刺した後にそのまま右手を大きく頭上に掲げ、その後すぐに地面に向けて振り下ろすとグチャッと音を立てて右腕が千切れた
青年「ハァ…ハァ…」
ヴラド「一体何をしたのだ?」
ヴァルナ「勝てないと踏んで自分で敗北の要因を…えっ?」
青年が切り離した右腕は青年の足元からひとりでに動き、青年の横に移動し、徐々に人のような形を形成していき、青年が何度も自分の精神内で会っていた人影の似た剣や剣で作られた人形のような姿になった
人影「クーカカカカッ!!俺様降臨だぜ!」
青年「うるせぇ…とっとと殺るぞ、俺はヴラド公爵、お前はヴァルナさんだ」
人影「良いぜ、キチンとした役割分担だ」
人影と青年は互いに決めた狙いの標的に向かって青年は地面に刺していた黒い剣を掴み、人影は青年が持っていた黒い刀を持ち全力で駆け始め、ヴラドは槍で剣を防ぎ、ヴァルナは鞭で刀を防いだ
ヴラド(クッ、先程よりも速い)
ヴァルナ(2対2に持ち込まれるだなんて、それにこの人?かなり強いですわ)
人影「クカカッ、良く防ぐなぁ」
青年「スミマセンが、勝たせて頂きますよ」
青年と人影はヴラドとヴァルナの防御を崩す為に何度も何度も斬撃を叩き込む
青年(やっぱり硬いなぁ、向こうも苦戦してるみたいだし)
人影「チッ、かってえなぁ、それならこれでどうだ!」
ヴァルナ「えっ、キャアァァ!」
ヴラド「ヴァルナ!!」
人影がヴァルナの鞭に刀を振り下ろすと同時に刀の刃が溶けたように液状化して、ヴァルナと鞭を取り込んだ、それを見たヴラドは動揺したのか防御を崩してしまった
ヴラド「貴様、よくもヴァルナを…」
青年「余所見現金ですよっと」
ヴラド「クッ!邪魔を…するな!」
ヴラドはヴァルナが取り込まれた事により激昂を顕にしながら人影に攻撃を仕掛けようとするが、青年がその好きを見逃す訳もなく切りかかるが、ヴラドはそれを影で防ぎ、人影に向かって行った
人影「チッ、面倒だなぁ……これ使うか」
ヴラド「何だ、その黒い龍は…」
青年「勝手に使うなよ、ファイナルベント…」
ヴラドが人影に突撃していると人影は動揺する様子もなく、フワリと中に浮いた、そして、その人影の影からは黒い龍が現れ、その龍は頭を人影の後ろにつけて、ブレスを吐いた、そのブレスに合わせて人影は左脚を突き出しながらヴラドに向かって飛んで行った
ヴラド「ふんっ、その様なみえみえの攻撃が余に当たる筈が無かろ…う、クッ、何だこれは」
人影「もう遅えよ」
自分に向かって飛んで来る人影の攻撃を回避し逆にカウンターを浴びせようとヴラドが横にそれようとしたが、ヴラドの脚はまるで氷漬けにされたように動かず、人影の蹴りは難無くヴラドの腹に直撃した
人影「ふぅ…」
青年「お疲れさん、でも、別に一人で倒す必要は無かったぞ」
青年と人影はハイタッチをして、その後に互いに右腕を前に出した、すると人影は青年の腕に戻り、青年は人影が腕になった事を確認するとヴラドに近付いた、すると、ヴラドは腹に風穴を開けられながらも青年の目を見て喋りはじめた
ヴラド「貴様等…一つ、約束をしろ…我が子には決して手を出すな……ゴフッ」
青年「えぇ、元から子供の命までは奪うつもりはなかったですよ。これは貴方に生命を救ってもらった恩義への返しです。それでは貴方も頂きます」
青年とヴラドは約束を取り付けた後に青年はヴラドに向けて右手を伸ばし、ヴラドの全身を右手で包み込み、ヴァルナを包んでいた黒い刀の球と同時に取り込んだ
青年「さようなら…そして、ゴメンナサイ……」
青年は何も無い空中に向かって謝り、謝った後にその場を離れてすぐに戻ってきたかと思えば、二人を殺した場所に長方形の石を置き、拝んでからその場を去った、石には『我が命を救いし恩人、この地にて散る』と掘られていた
はい、毎度お馴染みの俺です。
今回も読んで頂き有難う御座います。
さて、今回の話では遂にヴラドが死んでしまいました。
さて、青年は次は何を狙うのでしょうかね?
気になるところですね。
でもまぁ、それは次回までお待ち下さい
それじゃ、今回の後書きはこの辺で終わりにします。
それでは、次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう。