幻想剣帝録   作:アルクロ

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第十八話「精錬される血濡れの妖刀」

~館内部:旧ヴラドの部屋~

 

青年「ゴメンね…君のお父さんとお母さん、俺が殺しちゃったよ」

 

青年はヴラド達の私室に入り、ベビーベッドで眠っている赤ん坊を撫でていた

 

人影『オイッ、そろそろ誰か来るだろうから逃げるぞ』

 

青年「あぁ、分かっているがせめてお守り代わりにこれを…」

 

青年は人影に注意され、部屋を出て行こうとしたが、その直前にベビーベッドの枠部にヴラドが持っていたような槍のペンダントをかけて出て行った

 

青年「大事にしてくれよ」

 

青年は部屋を出て行ってから廊下の窓を突き破り、出て行き、森へと入って行った

 

~館付近:森内部~

 

青年「さて……これからどうするかなぁ」

 

人影『何も思い付かねぇのか?』

 

青年は館から離れつつ顎に手を当て次に何をするかを考えながら歩いていた

 

青年「あぁ、人狼にはまだ勝てる気しないし」

 

人影『それなら、ヴラドやヴァルナから奪った能力を確認したらどうだ?』

 

人影からの提案に青年は手をぽんと付いて「それにするか」と言いながら閲覧能力を発動し始めた、すると、五年前同様に青年の頭の中に能力の一覧が流れてきた

 

青年「えーっとぉ、新しく手に入った能力は『闇も影を司る程度の能力』と『万物を槍に変える能力』っと、ん?後一つのこの『物理攻撃以外を反射する程度の能力』ってのはヴァルナさんのかな?」

 

青年は能力を確認しながら早速自分の足下を少し槍に変えた

 

青年「やっぱり剣を創る時と同じ感じで使えるな……」

 

青年は足下の槍を見てから今度は自分の右手を見て、「やるか」と言って左手で右腕を抑え、能力を発動した

 

青年「骨の代替部分が何時までも剣じゃ良くない気がするしな、この際太い槍にしよう」

 

青年は唸り声を上げながら右腕の内側にある太い剣の部分を槍に作り替えていった

 

青年「ふぅ……ふぅ……良しっ、完了」

 

人影『完全に疲れてるじゃねぇか、無茶すんなよなぁ』

 

青年は右腕の調子を確かめるようにブンブンと振り更に指を動かし、問題が無いことを確認した

 

青年「よし、次は……闇や影を司る程度の能力だな」

 

青年が目を閉じ意識を足下に集中すると、森の影がふらりと動きながら上に向かって登って行った

 

青年「ふむ…意識を影に潜ませてそれを媒介に操る感じか」

 

青年は自分が新しく所有した能力の使い方等を自分なりに纏めつつ能力の練習を始めた

 

青年「今はまだ手の動きが必要だなぁ…その内意識だけで動かせるようにならないとな」

 

人影「俺も練習したいから出るが良いか?」

 

青年「あぁ、良いぞ」

 

青年がダラリと右腕を垂らすと、右腕はまた溶けたように地面に落ち、そのまま青年の隣に移動して人の形を模った

 

人影「さてと、やるか」

 

青年「どっちが先に上手く慣れるかの勝負と行くか」

 

人影は青年は互いに向き合いながら影を操作し、互いに影と影とをぶつけ合わせ始めた

 

人影「影を操るのも中々に楽しくはあるな」

 

青年「そうだよなぁ、ん?」

 

青年と人影が互いに影と影とをぶつけ合わせて模擬戦のようなものをしていると二人の隣の木々を斬りながら斬撃が飛んでくる、青年と人影はそれを伏せて難なく回避

 

青年「危ない危ない、オイッ、戻れ」

 

人影『あいよ』

 

青年と人影は伏せている間に一人に戻り、戻り終わると同時に立ち上がり、斬撃が飛んできた方向を見た、其処には因縁深い人狼が居た

 

人狼「久し振りねぇ、五年ぶりかしら?」

 

青年「あぁ、そうだな」

 

人狼は熱が篭った表情で青年を見つめ、青年は冷たい目付きで人狼を見つめ返す

 

人狼「随分と良い表情をするようになったわねぇ、良いわぁ、貴方凄く良い、凄く美味しそう」

 

青年「あーそーですか。そう言って頂けて有りがたいです」

 

人狼はんもぅと言いながらも青年に愛おしそうな視線を送り、青年はその視線に気づいてか、はぁとため息をついた

 

人狼「それじゃ、そろそろ食べさせて貰おうかしらね?」

 

青年「チッ、もう少し修行したかったねぇ!」

 

人狼は青年に向かって口を開き、爪を立てながら飛んで来て、青年はそれに反応してか右手を構えながら待ち構えた




はい、毎度お馴染みの俺です。
今回も最後まで読んで頂き有難う御座います。
今回は青年が人狼と戦う前段階の話となりました。
果たして彼は人狼に勝てるのでしょうか?トラウマを打ち破れるのでしょうか?
その辺が気になる所ですね。
それじゃ、今回の後書きはこの辺で終わりにします。
それでは、また次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう
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