幻想剣帝録   作:アルクロ

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第二十一話「女王の挨拶は狐火と共に」

~天翔が倒れてから20分後~

 

天翔「うぅーん…はっ!」

 

八剣「ようやく起きよったか、この阿呆めが」

 

天翔「うぅーむ…妙な夢を見た…八剣姫様が何処の馬の骨とも分からぬ男を婿にするだのと…」

 

八剣「夢ではないぞ?天翔」

 

天翔「そ、それでは……何をなさって居るので御座るか!八剣姫様!!」

 

天翔は目を覚ましてから下を向き、頭を振りつつ八剣と話していたが、八剣に発言に反応し八剣の声がする方を向いた、そこにはアグラをかいている剣帝の足の上でゴロゴロと転がっている八剣の姿だった

 

八剣「ん?夫婦のスキンシップじゃぞ?なぁ、楽しいじゃろう?剣帝様」

 

剣帝「…………」

 

天翔「姫様、その男はどう見ても楽しんで居ないで御座る」

 

八剣は剣帝の手を弄りながら楽しそうに笑顔を浮かべていたが、剣帝ははぁと何処か諦めたような呆れたような表情を浮かべていた

 

八剣「きっと照れてるだけじゃよ、なぁ?剣帝様」

 

剣帝「アー、ソウデスネェ。ソウカモシレマセンネェ」

 

天翔(何という棒読み反応)

 

八剣「やはり照れて居るのか、可愛らしいのぉ」

 

剣帝は八剣の言葉に対してまるで興味も無いように流していたが、八剣はその反応を照れていると判断したようでまた嬉しそうにしている

 

天翔「だ、第一、許婚の件はどうなるので御座るか!」

 

八剣「それは母上が勝手に決めた事じゃし、妾は貴様のようなちんちくりんは嫌じゃ!妾は剣帝様の様に背が高い方が好きなのじゃ!」

 

天翔が照れながら八剣に許婚の話をしたが、八剣にスッパリと言われ、天翔は何かが刺さったような動作をすると、落ち込んでしまい顔を俯けたが、すぐに何かを思いついたように顔を上げ

 

天翔「ですが。羽衣狐様が許可するか分かりませぬぞ?」

 

八剣「じゃから貴様を呼んだのじゃよ、早う妾と剣帝様を母上の元へと連れて行かぬか」

 

天翔「そ、それは無理な命令です。八剣姫様だけならまだしもそちらの男は重そうですs」

 

剣帝「俺、普通に自分で飛べますよ?」

 

剣帝は蝙蝠の翼を大きくしたようなものを背部から出すと、上空に飛び上がった

 

八剣「何じゃ、剣帝様は人間ではなかったのか」

 

剣帝「えぇ、まぁ、''元''人間です。今は……」

 

八剣の発言に対して剣帝は反応した

 

八剣「して、剣帝様の種族は何じゃ?」

 

剣帝(俺の種族って何だろう…半真祖吸血鬼《ハーフ・トゥルー・ヴァンパイア》?でも、人狼も取り込んだし、うーん………あっ、アレがあるや)

 

剣帝が八剣の質問に対して答えがなく悩んでいると、とある単語が頭を過ぎった

 

剣帝「俺の種族はアマルガム、混ざり者もしくは歪な者かな」

 

八剣・天翔「「アマルガム?混ざり者?」」

 

剣帝「そう、俺は複数の種族の生物の混ざり者、だから、歪な者って意味の込められたアマルガムって種族に分類されるかな」

 

剣帝は左手を人狼の腕に変化させながら自分の種族について話した、すると、それを聞いていた八剣はキラキラとした目で剣帝を見つめ

 

八剣「やはり剣帝様は常軌を逸した存在じゃったか!これならば母上も納得してくれよう、さぁ!妾を母上の元へと運ぶのじゃ天翔よ!」

 

天翔「せ…拙者、羽衣狐様からお叱りは受けたくないで御座る」

 

八剣「それならば責は全て妾が背負う、だから、早う妾を母上の元へと運ぶのじゃ」

 

天翔は八剣に説得されてか渋々といった様子で口笛を吹いた、すると、大量の烏が現れ八剣を運び始めた

 

天翔「それでは、拙者が先に行きます故、後から付いて来て下され」

 

剣帝「了解しました」

 

天翔は剣帝を突き放す勢いで飛んで行き始めた

 

天翔(ふっ、これならばあのようなよく分からない男もついては来れ)

 

剣帝「あのぉ、この速度でどれ位ですか?」

 

天翔「なっ!?……えーっとぉ…30分程でござろうかなぁー?」

 

しかし、剣帝は八剣を背中に乗せ、尻尾で包んで守りながら平然と天翔の横に並んだ

 

剣帝「なら、もう少し速く出来ます?大体10分程」

 

天翔「い、良いで御座るよ?但し、ちゃんと付いて来て欲しいで御座るがねっ!」

 

天翔は飛行速度を上げて剣帝をまた突き放そうとしたが、剣帝はその後ろを平然と付いて行く

 

~20分後~

 

天翔「はぁ…はぁ…」

 

剣帝「大丈夫ですか?一休みします?」

 

天翔は飛び疲れて肩で息をしていたが、剣帝は息一つ乱さずに立っていた

 

天翔「い、いや、平気で御座る…さぁ、羽衣狐様のお屋敷まではもう少しで御座る…」

 

剣帝「…………」

 

天翔「えっ?えっ?な、何をするで御座るか!」

 

天翔は疲れきった様子で歩こうとし始めた、しかし、天翔の足は踏み出した瞬間に地面から離れた、剣帝が天翔を持ち上げて脇で抱えたからだ

 

剣帝「着くのは速い方が良いでしょう?俺の方がまだまだスタミナは残ってますし。道を指示してくれれば良いですから」

 

天翔「で、では、お言葉に甘えさせて頂くで御座る」

 

剣帝は天翔が指示し始めると走り出し、そのまま羽衣狐の住む館まで走り続けていた

 

~羽衣狐の屋敷前~

 

剣帝「はい、到着」

 

天翔(は、速い…拙者でもあの地点からは5分掛かるのにも関わらず、この男は3分で走り切った)

 

剣帝「さぁ、降ろしますよ。天翔君、八剣ちゃん」

 

剣帝は二人からの返答を聞かずに二人を尻尾と腕から降ろした、そして、降ろし終えたその瞬間屋敷の方角から炎の弾が飛んで来た、その炎の弾は剣帝に真っ直ぐと向かってきたが、やはり剣帝の側に近寄ると跳ね返った

 

剣帝「危ねぇなぁ」

 

八剣「母上!いきなり何をなさるのじゃ!!」

 

羽衣狐「八剣、久方振りに帰って来たかと思えば、わらわに対して何じゃ?その口振りは」

 

屋敷の前には八剣に良く似た顔付きの黒髪長髪で9本の尻尾を生やし、頭にも八剣よりも大きな狐の耳を生やした和服の女性が立っていた




はい、毎度お馴染みの俺です。
今回も最後まで読んでいただき有難う御座います。
今回の話は剣帝が日本に渡来する話でしたね。
次回は一体どうなるのでしょうか?
まぁ、その辺も次回をお楽しみに
それでは、今回の後書きはここまで
また次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう
さようならー
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