幻想剣帝録   作:アルクロ

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第二十二話「燃ゆる過去からの進化」

~羽衣狐の屋敷~

 

剣帝は羽衣狐と対面するように座敷の部屋に入れられていた、そして、天翔や八剣はその部屋から別の部屋への襖の前に座らせられていた

 

羽衣狐「別に歓迎はせぬが、遠路遥々良く来たのぉ、異邦者」

 

剣帝「そこ迄遠くないですよ。精々20分程度ですから」

 

羽衣狐「ホッホッホ、そこ迄遠くないと申すか、楽しい奴よのぉ」

 

剣帝と羽衣狐は互いに表情は微笑んでは居るが、目には見えない何かしら強い気配のようなものを放って周りを威圧していた

 

天翔(か、身体が重い…)

 

八剣(まるで大妖同士の戦いの前の様じゃ)

 

その膨大な気配のせいで天翔と八剣は威圧されてしまい、二人とも萎縮してしまった

 

羽衣狐「それで?ここに来た理由は何じゃ?」

 

剣帝「いえね、貴方の娘さんに婿と言われまして、それで親の顔を見ようかなと思いましてね」

 

羽衣狐は自分で聞いた質問ながら剣帝の返答を聞くと多少怒りを覚えたのか気配に怒気が混じり、更に周りを威圧する

 

天翔(剣帝殿ぉ、お願いですから羽衣狐様を怒らせないで下され…我々が死んでしまいまする)

 

剣帝(うーん、羽衣狐ってかなりの有力者の筈だよなぁ、どれ、ひとつ怒らせて力を見とくか)

 

剣帝「そんなにカッカしない方が宜しいと思いますよ?周りへの負担が大きそうですし。そんなに怒ると小じわが出来ますよ?」

 

剣帝はチラリと天翔と八剣の方を見た、その時の天翔と八剣は苦しそうな表情をしていたので剣帝は羽衣狐の居る方に視線を戻し、軽く冗談を言った、すると、羽衣狐の方からブチリと何かが切れる音が聞こえ

 

羽衣狐「ホッホォー、貴様はそれ程死に急ぎたかった訳か、ならば、お望み通りにしてくれよう!」

 

八剣「は、母上!そんな事をすれば剣帝様の命が!」

 

羽衣狐がおもむろに立ち上がり剣帝に扇子を向けると八剣は慌てて止めようとしたが時すでに遅く、剣帝の周りに黒い邪気が立ち籠める

 

八剣「あぁ…剣帝様………」

 

羽衣狐「これでわらわに仇なす可能性のある異邦の者は死んだという」

 

剣帝「ビックリしたなぁ、全くもぉ」

 

羽衣狐は黒い邪気が立ち籠めると微笑みながら座りなおし、八剣は黒い邪気を見ながら涙を流し始めたが、剣帝は身体に何の支障も無い様子で出て来た

 

羽衣狐「ほぉ?わらわの呪術をものともせぬとはのぉ」

 

剣帝「スミマセンね、俺に物理攻撃以外は通じませんよ」

 

羽衣狐「そうかそうか、つまり、少し前にわらわの狐火を弾いたのもその力いう訳じゃな!」

 

剣帝「そういう事になりますねぇー」

 

羽衣狐は剣帝に呪術が聞かない事を聞かされると、ふむふむと頷きながら剣帝に向けて9本の尻尾を連続的に高速で突き出した、だが、剣帝をその尻尾の連撃をバク転や側転等で華麗に避けきった

 

羽衣狐「これも避けきるか、中々やりおるのぉ」

 

剣帝「お褒めに預かり光栄です」

 

剣帝は羽衣狐からの賞賛の言葉を受け取り、右手を自分の胸部の前方で回し、左胸に当てながらお辞儀をした

 

羽衣狐「それは…異邦のお辞儀か?」

 

剣帝「えぇ、まぁ、そんな所ですかね。そして、女性に対してあの様な無礼な発言、お許し下さい」

 

剣帝は羽衣狐からの殺気がある程度治まったことを確認すると、床に手を付き、深く頭を下げ、土下座の体制を取った

 

羽衣狐「こ、これ!男子がその様に頭を床に付けるでないわ」

 

剣帝「いえ、力を見たいからと綺麗な女性に対してあの様な失礼極まる発言、この程度で許される訳が有りません」

 

剣帝が土下座を続けると羽衣狐は剣帝の側に近寄り頭を無理矢理に上げさせた

 

羽衣狐「もう怒って居らぬわ、良い加減に顔を上げよ」

 

剣帝「有難う御座います。そして、改めてスミマセン…これまで女性に接する機会が少なかった故に貴女を怒らせてしまい…」

 

羽衣狐「もう良いと言って居ろう、それとも、貴様の母は貴様に謝る時は必ずそうし続ける様にと教えたのか?」

 

羽衣狐に顔を上げさせられても剣帝は羽衣狐に謝り続けた、その姿勢に対し羽衣狐が一つの、質問を投げ掛けると剣帝の顔色は更に曇り

 

剣帝「母からは…特にこれと言った謝り方は教わっていません。母や父を怒らせれば即座に暴力を振るわれていました」

 

羽衣狐「なぬっ!?それはまことの事か?」

 

剣帝「はい、物心付いた時からずっと暴力によって従わされ続けました」

 

羽衣狐(コヤツ、いや、この子は不憫な目に遭いながらもあの様に明るく振る舞おうとし続けていたのか……可哀想な子じゃ)

 

剣帝が自分の過去、転生前の事などを話しつつ泣き出しそうになっていると羽衣狐は剣帝を抱きしめた

 

剣帝「ふぇっ!?は、羽衣狐さん?」

 

羽衣狐「母上と呼べ、お主は今からわらわの子じゃ、八剣との婚姻も認めよう」

 

八剣「それはまことか!?母上!」

 

羽衣狐「あぁ、まことの事じゃとも」

 

八剣は大喜びをしながら剣帝と羽衣狐に抱き付き、羽衣狐も八剣を抱き締めた、そして、剣帝はその間ずっと困惑し続けていた




はい、毎度お馴染みの俺です。
毎度最後まで読んでいただき有難う御座います。
今回の話は剣帝が羽衣狐の息子になる話でしたね。
というか、和服美人がお母さんって…普通なら喜びどころでしょうね
さてはて、剣帝君はどうなるのでしょうかね?
それじゃ、今回の後書きはここまで
また次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう
さようならー
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