~半壊した人里~
数多くの剣の樹木が地面に刺さっている人里の中で剣帝は鎧姿の人間達に囲まれていた
鎧男α「まさか、そちらから攻めてくるとはな、これも羽衣狐の命令か!」
剣帝「母う…羽衣狐様は関係無い、これは全て俺の意志でやっている事だ」
剣帝は鎧姿の人間達のリーダー格と喋りながら自分の周りの様子を確認していた
鎧男α「ほぉ、お前自身の意志か」
剣帝「あぁ、そうだ」
鎧姿の人間達のリーダー格が右手を少し動かすと他の鎧姿の人間達が剣帝に向けてナイフを投げ付けた、しかし、剣帝は何事も無いかの様にナイフを掴み取った
剣帝「さて、これは俺の行為に抗うと取って良いよな?殺すけど構わんな?」
鎧男α「最後の言葉はそっくりお前に返してやる、我々の里の者をこれ程までに殺して…生きて帰れると思うな!」
鎧姿の人間達のリーダー格が叫ぶと同時に剣帝の周りを囲んでいた鎧姿の人間達が一斉に剣を振り上げ剣帝に斬りかかった
剣帝「俺がお前達風情に殺せる訳が無いだろう」
鎧男α(クッ、やはりこの男…強い)
剣帝は鎧男達の攻撃をある程度見切って首を動かしたり身体を反らしたりしながら回避を続け、時折鎧男の鎧に触れて剣の樹の種を植え付けていた、すると、剣の樹の種は即座に植え付けられた部分から枝を生やし始めた
鎧男A「ヒィ!」
鎧男α「植え付けられた者は早急に鎧を脱ぎ撤退しろ!」
鎧男A「りょ、了解!!」
剣帝(やっぱ先にあのリーダー格から潰すべきかなぁ)
剣帝は回避を続けつつ鎧男達の会話を聞き、リーダー格をまず潰すべきと考える、だが、その行為に気を取られていたせいか回避が疎かになっていて後ろからの刃に気が付かず剣帝は背中を切り付けられた
鎧男E「よぉし、どうだ!」
剣帝「…………」
しかし、剣帝は切り付けられたにも関わらず痛がる様子が一切無く首を回して後ろを振り抜くと同時にその切り付けた鎧男の兜を掴み大量の種を植え付け、更に鎧兜が脱げないように前に自分の体内に仕込んだ物と同じ糸で鎧兜を鎧に縫い付けた
鎧男E「くっ、クソッ!何で篭手も兜も全部動かないんだよ!……止めろ…来るな…来ないでくれ…止めてくれぇぇ!!!……アガッ…」
鎧男α「貴様ぁ!よくも俺の仲間を!」
剣帝「何を怒っている?単に味方が一人減っただけだろう?」
剣帝が鎧男Eを殺した事に怒られている事に疑問符を浮かべていると鎧男αは更に激昂し剣帝に切りかかった
鎧男α「人の心を持ち合わせない化物め!死ぬが良い!!」
剣帝「あぁ…俺は化物さ、お前達や周りに居る者を滅ぼす怪物だ!」
鎧男のリーダー格の剣が剣帝に当たる寸前、リーダー格が振るった剣を死んだ筈の鎧男Eが防いだ
鎧男α「何っ!?馬鹿な…お前はさっき殺された筈だ、それに何故そいつを護る!」
鎧男E?「ウゥッ……アァ…」
鎧男α「答えろ!!」
剣帝「答える訳ないよ、だって、そいつはもう死んでるから、いや、多分脳とかは生きてる、けど生命としては完全に死んでる」
鎧男α「!死体を弄んでいるのか!この外道が!」
鎧男のリーダー格は剣帝の行いに激昂し鎧男Eの死体を押し退けて剣帝に襲い掛かろうとしたが鎧男Eの筋力が予想外な程に強く鎧男Eに押し負けた
鎧男α「クッ、仕方が無い……許せ」
剣帝「やるなぁ…一撃で首を刎ねるとは……でもなぁ、それじゃあソイツは殺せない」
鎧男のリーダー格は顔を俯けてから鎧男Eの死体に向き直り鎧男Eの死体の首を刎ね飛ばした、だが、鎧男Eの死体は倒れるかと思った次の瞬間には体制を立て直しリーダー格に襲い掛かった
鎧男α「なっ、何故だ…何故倒れない」
剣帝「フフッ、残念だけどソイツには生命意思や敵意は無い、ただ俺が命じるままに命じられた事をするだけの人形だよ」
鎧男α「この…貴様は本物の外道だ…悪魔め」
剣帝「へぇ、この国の民なのに悪魔なんて言葉知ってたのか、まぁ、悪魔よりも外道の方が呼ばれ方としては良いかな、一応これでも元々は人の道から外れた者だからな」
剣帝は鎧男のリーダー格の言葉を鼻で笑いながら鎧男達の攻撃を躱し動きが鈍い者を見付けると、その者に種を植え付けて殺し、Eと同じようにした
鎧男α「この……殺してやる!!」
剣帝「俺を殺そうと息巻くのは良いけど、後ろとかにも注意向けろよな」
鎧男α「何の事…グァッ!」
鎧男のリーダー格が剣帝にナイフを投げようとしていると突如後ろから腕や足を掴まれた
鎧男α「いったい…何が起きて……」
鎧男のリーダー格が自分の身体をつかんでいる者を見ようと後ろを見ると、そこには顔の半分が剣に覆われているものや、顔の皮膚が半分破れている者、顔面の皮膚が全部無く目がギョロギョロと動いている物や手足が無く骨がむき出しの物などがいた
鎧男α「ヒッ、ヒィィィィ!!!離せ!!離してくれ!!」
剣帝「アッハハハ!!良い悲鳴だねぇ!!でもね、ソイツ等は仲間が欲しいんだよ…だからさ、死んでくれ」
鎧男α「い、嫌だぁぁあぁぁ…ア…ァァ」
鎧男のリーダー格は後ろから掴んできた集団に引き摺られて何処かへと連れて行かれた
剣帝「ふぅ…これでこの里は陥落かな」
無銘『クカカッ、後半はほぼ人形共がボロボロに滅ぼしていったなぁ、自分たちを里を』
剣帝「まぁ、そうなるように仕組んだからな」
無銘『そうかいそうかい、で?屋敷には戻らねぇのか?』
剣帝「………戻れないさ…俺は周りを傷付ける怪物、一緒に居たら危ないからな」
剣帝は酒場の奥にあったマスターの自宅らしき場所で自分が住んでいた屋敷のある森の方向を向きながら黄昏れていた
はい、毎度お馴染みの俺です。
今回も最後まで読んで頂き有り難う御座います。
今回も惨い描写が入りました。
それに、ゾンビって本来はこれ位グロテスクな物でしょうね。
いやはや、怖い怖い
それじゃ、今回の後書きはここまで
また次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう