幻想剣帝録   作:アルクロ

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第四話「半吸血鬼の努力」

~青年が目を覚ましてから一週間後~

 

ヴラド「入るぞ……むっ、またか」

 

青年「あっ、お早う御座います。ヴラド公爵」

 

ヴラドが部屋の中に入ると青年は上半身裸の姿で左手一本で腕立て伏せをしていた

 

ヴラド「相も変わらずの修行か…良く飽きぬな」

 

青年「まぁ、強くなる為ですからねっと!」

 

青年はヴラドが部屋に入り扉を閉めると左腕の肘を深く曲げてから伸ばし、そのままの勢いで立ち上がった

 

ヴラド「何だ、もう撃ち込みに行くのか?」

 

青年「はい、毎日続けて習慣にしないといけませんから」

 

青年は服を着るとヴラドにお辞儀をしてから隣を通り抜けて、廊下を通り館の外の修練場へと向かった

 

~館付近:修練場~

 

青年「ふっ!はっ!せいっ!そりゃあ!」

 

青年はこの日も何時もと変わらず案山子に木刀で連撃を叩き込んでいた

 

青年「ふぅ…まだまだだな」

 

青年はズタズタになっている案山子と自分の持っている木刀を見ながらそう呟いていた、そして、そんな事をしていると後ろから声が聞こえてきた

 

吸血鬼A「おや?見慣れない顔だな、何処の者だ?」

 

青年「…………ヴラド公爵の家に居候させて貰ってる者です……」

 

青年の後ろには三人程の吸血鬼が歩いて来ていた、そして、一人は剣を腰に装備していて、一人は弓を担いでいた、そして、もう一人は槍を持ち歩いている

 

吸血鬼B(ほほぅ、ヴラド公爵の家にか…)

 

吸血鬼C(つまり、この男に取り入れば……)

 

吸血鬼(ヴラド公爵を後ろ盾に……フフッ……)

 

吸血鬼三人は青年の発言に対し反応を示し、どうやって青年に取り入るかを考え始めた

 

吸血鬼A「そ、そういえばお前から人間の匂いがするのだが、何故だ?」

 

青年「そりゃそうですよ。俺はハーフ・ヴァンパイアなんですから」

 

青年が何気なく自分の今の状態について言うとさっきまで媚へつらおうとしていた三人の様子が変わり

 

吸血鬼A「何ぃ?ハーフ・ヴァンパイアだと?」

 

吸血鬼B「道理で臭うと思うたわ!あー、臭い臭い」

 

吸血鬼C「半人間風情がヴラド公爵に気に入られてこんな場所にしゃしゃり出てくるとはこれは灸を据えるべきだろう」

 

吸血鬼達は三者三様に青年に向かって武器を構えた、それを見た青年は地面から1本の白い刃の直剣を創り出した

 

青年「お手柔らかにお願いします」

 

吸血鬼C「ほざけぇ!」

 

三人の吸血鬼の内、先ず弓持ちが青年に向けて矢を放った、しかし、青年は余裕で矢を回避した。

 

吸血鬼C「何っ!?」

 

青年(エイム能力ガバガバだな)

 

それを見ていた槍持ちと剣持ちの吸血鬼が同時に攻撃してきたが、青年はこれを直剣を使って軽々といなした

 

吸血鬼A「何故当たらん!」

 

吸血鬼B「我々の連携は完璧の筈だ!」

 

青年(完璧?この程度の精度でか……)

 

その後も吸血鬼達は何度も青年に向かって攻撃をするが青年は体を反らして回避をしたり直剣を使っていなしたりをしていた

 

吸血鬼A「クソゥ、人間の癖に何故我々の攻撃を回避出来るのだ…」

 

青年「理由は簡単ですよ。貴方がたと俺との多少の差です」

 

吸血鬼が青年に攻撃が当たらない事を嘆いていると青年が喋り始め

 

青年「貴方がたの攻撃には努力の点が見当たらない、先ず弓を使っている貴方は標的の次の動きが考えられていない、はっきり言って弓に向いていません」

 

吸血鬼C「なっ!?」

 

青年は唐突に弓持ちの吸血鬼を指差しながらダメ出しを始め

 

青年「次にそちらの槍使いの方、貴方は槍の長さをちゃんと活用出来ていない」

 

吸血鬼B「何を言うか!ちゃんと槍の射程範囲で攻撃しているだろう!」

 

青年「それが間違いです。まず、槍という武器は持つ場所によってリーチが変わります。それを利用して相手との間合いを狂わせて攻撃を当てるべきなのに、貴方はそれが出来ていない」

 

青年は今度は槍を持っている吸血鬼に対してダメ出しを始め、吸血鬼からの反論も自分の論をぶつけてねじ伏せた

 

青年「そして、最後にそちらの剣を所持している方」

 

吸血鬼A「俺の何処に指摘される点がある?」

 

剣を所持している吸血鬼は青年に対して鼻で笑うような態度を示したが

 

青年「有ります。まず貴方の振り方では木を斬る事も、敵を切る事も出来ません。優雅さを優先し過ぎていて刃が鈍いです。そのせいで槍の方との連携もぼろぼろです」

 

青年は三人の吸血鬼に対してそれぞれの武器の扱い方への文句を言った

 

青年「それでは、俺はこれで帰ります…またお会いしましょう」

 

青年はまた日が昇るまえにスタスタと館へと帰って行った

 

吸血鬼A「我々も帰るとするか…」

 

吸血鬼B&C「「そうだな」」

 

青年が帰った後に三人の吸血鬼も一緒に帰って行った




今回は青年が他の吸血鬼に喧嘩を売られる回となりました。
でも、特に問題は無かったようですね。
まぁ、自分の元々の力に怠けている者と努力している者の差というべきでしょうね。
さて、今回は後書きはこんなものですかね。
それでは、次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう。さようなら
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