~青年の眠る部屋~
青年は部屋にあるベットの上で死んだように目を閉じていたが、吸血鬼になったからか傷が徐々に回復に向かい、たった一日で寝息を立て始めた
青年「んっ…んんっ…あれ?俺は何もして……痛っ」
青年はベットの上で目を覚ますと上半身を起こして周りを確認しようとしたが、突然青年の頭に頭痛が走った
青年「一体…何が……起きて…何じゃこりぁ!!」
青年が目を覚ましてから目にした物は色が銀色に変わってしまった鏡に映る自分の姿、そして、何故か漆黒に染まっている自分の右腕だった
青年「何で右腕がこんなに黒く…俺の意識がないうちに一体何があったんだ…」
青年が頭を抱えて記憶を必死に思い出そうとすると、直ぐについ先日自分が暴走をしてヴラドに倒されたことを思い出した
青年「あっ……あぁ…何で俺はこんなにも弱いんだ……」
青年は掛け布団に顔を埋めて泣き始めてしまった、そして、青年が泣き始めてから少し経つと部屋の扉が開かれヴラドが部屋に入ってきた
ヴラド「邪魔をするぞ」
青年「あっ………ヴ…ヴラド公爵…」
青年は涙目で部屋に入ってきたヴラドの方を見て、そのすぐ後に謝り始めた
青年「スミマセン…助けていただいている身で牙を向いてしまいました…」
ヴラド「構わぬ、久方振りに良い運動となった、だから顔を上げろ」
青年が土下座をしながら謝っているとヴラドは青年に手を向け命ると、青年は顔を上げた
青年「………本当に…宜しいのですか?」
ヴラド「構わぬ、それよりも更に強くなり力を己の物として、余を愉しませよ」
青年「はい……分かりました。有難う御座います…」
ヴラドが青年に青年はヴラドに向けてまた頭を下げていた、そして、ヴラドはそんな様子の青年を背に部屋を出て行った
??「貴方様が自分に牙向く者を近くに置き続けるだなんて珍しいですわね」
ヴラド「ヴァルナか…何、アヤツはまだまだ強くなるであろうからなそのゆく末が楽しみなだけだ」
ヴラドが部屋から出てくると白髪でツインテールで美人の黒いドレスでスカートの裾にはレースがあしらわれた物を身に纏ったの女性がヴラドに話し掛けた
ヴァルナ「そう仰ってるだなんて…またあの人と戦いたいのですか?」
ヴラド「無論だ、今の余の楽しみはアヤツとの闘争だ」
ヴァルナ「まぁ、貴方様がそんな事を仰るだなんて、少し嫉妬してしまいますわね」
ヴァルナがウフフと口を隠しながら少し笑いながら喋るとヴラドは口を引き攣らせながら困った顔をして
ヴラド「ヴァルナよ…お前に嫉妬されると''アレ''が起動するかも知れぬのだが…」
ヴァルナ「平気ですわよ。''アレ''は私の本当の嫉妬心や敵意に反応するのですもの」
ヴラドが少し疑うような目をしていたが、ヴァルナの言葉を聞きホッとしたように安心した顔に変わった
ヴァルナ「それよりも、貴方様がそんなにもご執心なさっている彼と私も話をしてみたいですわ」
ヴラド「ならば、部屋に入って話してくるが良い、今ならば確実に部屋に居るだろう」
ヴラドはヴァルナの言葉を聞き扉の前から退いた、すると、ヴァルナは青年が居る部屋に入っていった
ヴァルナ「お邪魔しますわ」
青年「あっ………」
部屋に入りヴァルナが最初に目をしたのは着替えようと服を脱いで上半身裸になっている青年の姿だった
青年「あの……えっと……」
ヴァルナ「あら、聞いていたよりも随分と逞しい身体をしているのね」
ヴァルナは青年にスタスタと近付き青年の身体をまじまじと眺めた、まじまじと見ると分かるが青年の身体には小さな切り傷が無数にあった
ヴァルナ「………貴方、何でここまでして欲するのかしら?」
青年「それは……秘密です…」
ヴァルナ「あら、残念」
青年はヴァルナが見終わると急いで服を着てベットに座り俯きながら返答しヴァルナは青年の隣に座った
ヴァルナ「それじゃあ、貴方は更に力が欲しいかしら?」
青年「えっ……えぇ、まぁ、欲しいですね…」
ヴァルナの質問に今度は素直に返答をした
ヴァルナ「それが自分の身を滅ぼす物でも?」
青年「それは力を扱い切れていない場合でしょう。それならば扱えるようになるまで修行します」
青年はヴァルナの言葉に対して驚く様子も無くさも当然のように返答した、そして、その返答を聞いたヴァルナは手を口に近づけ
ヴァルナ「ウフフッ、ヴラド様が貴方に固執するのも分かるわ、だって、面白いんですもの」
青年「そう…ですか?」
ヴァルナがクスクスと笑っていると青年は首を傾げた
ヴァルナ「えぇ、私も貴方が気に入ったわ、今度お菓子を持って来てあげるわね」
青年「えっ、あのっ、いや…」
ヴァルナ「あら、お菓子はお嫌いかしら?」
ヴァルナは楽しげな表情でベットから立ち上がるとそのまま退室しようとしたが、青年が口篭っていたので青年にまた近付き
青年「いえ、嫌いじゃない、です」
ヴァルナ「なら、また今度この部屋で御茶会をしましょうか」
青年「はい」
青年が返答し終わるとヴァルナはまた楽しげな表情で扉に近付き、部屋から出て行った
青年「御茶会…か、それまでに修行しておこう」
青年はヴァルナが出て行ってから少し経つと腕立て伏せをし始めた
はい、毎度お馴染みの俺です。
今回は青年が自分を責めてそれをヴラドとその奥さんのヴァルナがフォローする回となりました。
やはり美人を前にするのは元思春期の男子には刺激が強すぎたようですな。
まぁ、きっと何時か御茶会に呼ばれるでしょう。
それでは、次なる砂の舞う幻想でお会いしましょう。
またね