でも今回はサプライズ。あります。
「……でも、なんでこんな…秘密組織のトップが、アイドル事務所の所長を?」
ここは、日本のどこかの秘密基地。特務対策局という、ディソナンスと日夜戦いを繰り広げている秘密組織の基地である。
その秘密組織のトップ、特務対策局局長、本山猛と乙音は話していた。
いきなりハイテンションの猛に詰め寄られて動揺していた乙音だったが、香織が猛の暴走を制止したのと、猛の性格以上に気になることがあったので、落ち着きを取り戻していた。
猛の性格以上に気になることというのは、猛がアイドル事務所の所長をやっているという事実である。
秘密組織のトップが、アイドル事務所の所長として働いているという事実に、乙音は困惑していた。
「その事を聞かれると思ったよ。私がアイドル事務所の所長をやっている訳を話すには、少し長い前置きが必要だが……聞くかね?」
猛のその言葉に乙音は頷く。はぐらかされるかもしれないと思っていたので、すんなり話してくれるのは以外だったが、乙音にとっても知りたい事である。
「……よし。さて、乙音君。君はディソナンスがハートウェーブ……人の心、そのものともいえるエネルギーから生まれたというのは、聞いているね?」
「はい。えっと……確か、五年前の爆発事故で生まれたんでしたっけ?」
「そう、その通りだ。ここで重要なのが、奴らの体がハートウェーブで構成されているという事だ」
「体がハートウェーブで構成されてる…?あ、つまり、ハートウェーブを吸収したらどんどん強くなるって事ですか?」
「やはり、君は聡明だね……。ますます気に入ったよ。どれ、今からでも我が事務所に……」
「所長、早く続きをお話ししてください。無駄話をしている時間はありません」
「わかったわかった香織君。わかったから、その蛇も仕留められそうな鋭い眼をやめてくれたまえ……!」
マイペースな二人の会話においてけぼりになる乙音。その事に気付いた猛は「コホン」と咳払いを挟んでから続きを話し始める。
「そう、ハートウェーブを取り込む事により成長していく奴らは、その事に気付き、人を襲い始めた。ハートウェーブを多く持つ人間をだ。ハートウェーブ自体は全ての生命が発するものだが、奴らはより効率的に吸収できる相手を狙う事にした。」
「そして、人間の中でももっともハートウェーブを多く持つ者が多い職業が、歌手だ。なぜかわかるかね?」
「えっと……ハートウェーブは心の力だから、心に浮かんだ歌詞を歌う人とかは、ハートウェーブを多く持つ…とかですか?」
「そう!その通りだよ!君達仮面ライダーが歌を力として戦うのも、それが最もハートウェーブを効率よくエネルギーに変える事ができるからだ。ハートウェーブと歌は密接な関係にある。だからこそ、奴らディソナンスも歌手を狙う事が多い。その対策としての、アイドル事務所だよ。」
「……アイドル事務所を使って、ハートウェーブを多く持つ人を保護したり、探したりしているって事ですか?」
「そうだ。そして、君の他に二人の仮面ライダーがいるが、彼らにもアイドルとして活動してもらっている。仮面ライダーに変身するためには、変身アイテム……レコードライバーに適合できなくてはならないが、ライダーズレコードを起動させるには、大量のハートウェーブが必要だ。転じて、アイドル活動をライダーの変身者が行う事で、ディソナンスを誘い出すこともできる。そして、私の趣味も満たされるということだ。」
アイドル事務所の所長を猛が局長との二足のわらじで勤めていたのは、ディソナンスへの対抗策の一つだったようだ。半分くらい自身の趣味のようだが。
この1日で今までの自分の世界がだいぶ様変わりしてしまったな、と感じる乙音。しかし、乙音の心はすでに仮面ライダーとして戦うことを選択していた。この後猛から仮面ライダーとして戦い続ける覚悟はあるか、アイドル事務所ミライプロのアイドルとして活動してくれるかという問いがあったが
「……私は、歌も、戦いも素人ですけど。それでも、あの時ディソナンスに襲われた時に感じた恐怖を、もう誰にも味合わせたくないと、そう思っています。だから!戦います!これは、私がすべき事だと思うので!………アイドルは、ちょっと保留でお願いします。」
非常に残念そうな顔をしながらも、乙音の覚悟に対して「ありがとう」と謝辞を述べる猛。今日はもう家に帰ってもいいと、香織に乙音を家まで送らせようとした、その時ーー
ビッー!ビッー!ビッー!ビッー!ビッー!
突如、基地内の警報が鳴り響く。戸惑う乙音と対照的に、迅速に状況を理解する猛と香織。
「……どうやら、ディソナンスに後をつけられていたようです。上級及び中級はおりませんが、下級の群が基地を襲っています。」
「ハートウェーブを纏えない通常兵器では奴らには効果はほとんどない……メガホンガンは?」
「十二分にありますが、耐久性の高いディソナンスがいるらしく、そのディソナンスに阻まれて他のディソナンスに攻撃できないようです。」
「……彼は?」
「すでに出撃準備は完了しています。2分後には到着するかと」
「そうか。あ、乙音君。心配ないから座って待「私、行ってきます!」………行っちゃった。」
「彼女は優秀です。それに、彼もいますから、それこそ心配ないでしょう。」
「だと、いいんだけどね……」
「変身!」
仮面ライダーへと変身した乙音は、基地の外に飛び出す。すると、そこには初変身の時に戦ったバッタのようなディソナンスに襲われる基地の職員の姿が。
「ッ!この!」
槍を召喚し、ディソナンスを吹き飛ばす。襲われていた職員の無事を確認すると。「うおおおおおお!」と声をあげて果敢にディソナンスの群に立ち向かう。
敵の数は五体。うち四体はバッタ型のディソナンスだが、一体だけ堅牢な壁を思わせる風貌のディソナンスがいた。
そのディソナンスが指揮官かなにかだろうとあたりをつけて攻撃する乙音。しかし………
ガキィーン!
「…ッ⁉︎堅い⁉︎……うぁっ⁉︎」
槍を弾かれ、驚く乙音。そこにバッタのディソナンスが強烈な蹴りを加えてくる。直撃を受ける乙音。
「ぐ……まだまだ!」
それでも立ち向かうが、多勢に無勢。相手の連携に徐々に追い詰められていく。
そして、ついに膝をつきかけたその時ーー
「……変………身‼︎」
その声と共に現れ、ディソナンス達を蹴散らす影。
その影は牙を思わせる刺々しさと、巨大な右手を持っていた。
その、影の名はーー
「仮面ライダーファング………さあ、俺の牙の餌食となれ!」
新ライダー登場!
ノリノリで逝くぜ〜?とはならないので安心してください。
あとウルトラマンジードでキングがそんなにチートじゃないなと思ってしまった。いや、宇宙一つに憑依して復元できるって確かにすごいんですけど、頭の中に虚無戦記トップクラスレベルの奴らがゴロゴロいるせいでチート感が無いというか……