仮面ライダーソング   作:天地優介

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さて今回は……秘密です。それはそうと、エグゼイド挿入歌にビルドOPが楽しみですね。とくにビルドの方はフォーゼ以来の女性ボーカルのOPなので、期待しちゃいます。発売はまだ先の、10月あたりでしょうか?

とんでもない誤字を修正。靴紐ってなんだよ……


blade

「……では、開発を続けます」

 

「頼むよ、香織君。ここでは、君以外には、あれを弄くれる者はいないんだからね」

 

「わかっています」

 

特務対策局、局長室。そこでは、香織と猛が、謎の黒いディソナンスに対しての対策を話し合っていた。

最終的に、ライダー達の変身アイテムを改造して対抗することになるという結論がでた話し合いはすでに終了しており、今は帰国予定が早まった、もう1人のライダーについての話が展開されていた。

 

「彼女は、四日後だっけ?帰ってくるの。謎のディソナンスも発生してるし、弱気になってなきゃいいんだけど」

 

「それこそ、無用な心配です、局長。彼女は、三年前の敗北…あの日を境に、戦士として著しい成長をとげましたから」

 

「私としては、アイドルとしても女の子としても成長して貰いたいんだけどねぇ……アイドルとしては海外進出を果たしてるからいいんだけど、女の子の部分がねぇ」

 

「彼女の性格上、致し方ないことかと。……私は、そろそろ失礼します」

 

「あ、うん。それじゃあ四日後の出迎えとか、いろいろよろしくね〜」

 

「わかりました。では……」

 

猛との会話を終え、自身の執務室に移動する香織。その道中で、真司との戦闘訓練を終え、自動販売機の前で何を買うか悩む乙音と出会う。

 

「あ、香織さん。香織さんも飲み物を買いに?」

 

「ええ、ここの自動販売機のラインナップは局長の趣味だけど、なかなか美味しいものが揃っているから、私も愛用してるの。あんな性格ではあるけど、局長は趣味は良いから」

 

「美味しいですよね!ここの自販機の飲み物。私は『メッチャコーラ』が好きです」

 

「私はお汁粉ね」

 

自動販売機で飲み物を買い、近くの椅子に座り、飲み物を飲んで一息つく2人、香織と乙音は他愛ない世間話をしていたが、ふと、香織がある疑問を口にする。

 

「そういえば……あの黒いディソナンスは、いったい何だったんでしょう?あれから目撃情報もありませんし」

 

「……そうね、ディソナンスはハートウェーブを吸収することによって進化する性質を持ってはいるけど……戦闘中にハートウェーブを吸収できるディソナンスは初めて見たわ。その上、進化スピードも以上に早かったし、対策が必要ではあるわね」

 

「何か、手はあるんですか?」

 

「あなた達ライダー向けに、新しい装備を開発中よ。おそらく、ライダーズディスクの改良型になると思うわ」

 

「改良型……ですか?」

 

「ええ、ハートウェーブの許容量を増やすと共に、あの黒いディソナンスにハートウェーブを吸収される事の無いようにディスクに細工をしておく……こういう形になるでしょうね。ディスクは起動させにくくなるでしょうけど、これが一番確実なパワーアップ方法だわ」

 

「より大きな力……ですか」

 

そう言って俯く乙音を見て、迷いがあるのかと心配する香織。

 

「……戦える?」

 

「それは、大丈夫です。でも……」

 

「?」

 

「今でも、私がこんな力を持ってる事が不思議で……」

 

「ふふ、貴女はよくやってくれてるわ。真司も三年前からずっと仮面ライダーとして戦っているけど、貴女が彼を追い抜くのも、もうすぐかもしれないわね」

 

「そ、そんな……さっきの戦闘訓練だって負けちゃいましたし」

 

「謙遜しなくていいのよ。ライダーは想いを力に変える。自信を持たなくちゃ、強敵には勝てないわよ?」

 

「……そうですね!私、もっと頑張ります!」

 

「その意気よ乙音ちゃん。私も、新しいライダーズディスクの開発を頑張らなくちゃ」

 

そう言って立ち上がると、お汁粉の缶をゴミ箱に入れて立ち去る香織。乙音も缶の中身をぐいっと飲み干すと、再び戦闘訓練を行う為、トレーニングルームへと急ぐ。

 

「頑張るぞ〜っ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ボイスは都内のどこか、下水道である人物と待ち合わせをしていた。

 

『ちっ……まだかよ』

 

待ち人が来ない事に苛立つボイス。そこに、ガスマスクを被った怪しい男が現れる。

 

『すまない、遅くなってしまったかな?』

 

ボイスと同じく声を変えているようだが、ボイスと異なり、こちらは体系的にも声的にも男とわかる。

 

『オレを待たせるんじゃねぇ。それより、解析結果は出たんだろうな?』

 

『ああ、あの黒いディソナンスは、やはりこれまでとは異なる出現パターンだった。本来ディソナンスが実体化すれば、そのディソナンスは必ずハートウェーブを蓄えている。ごく少量であってもだ』

 

『だが、あのディソナンスはハートウェーブを持たなかった……だろ?』

 

『その通りだよ。そして、あのディソナンスは君の攻撃を受ける時、スポンジのごとくハートウェーブを吸収、それから動き出した。最初棒立ちだったのはこういうカラクリだね』

 

『ヤツはハートウェーブを吸収していた……厄介だな』

 

『君のライダーズディスクを弄れば、対策はできるけど、どうする?少しの間預かることになると思うけど』

 

『いらねぇ。てめぇはあのライダー達よりも信用ならねぇ』

 

『君が今戦っているのは、僕の言葉を信用した結果だろう?それとも……あのソングとかいうライダーにでも、絆されたかい?』

 

『……』

 

(大丈夫だよ。私を信じて……!)

 

『……そんなんじゃないさ。それより、新しいディスクの開発はできるか?できるんならやってくれ』

 

『わかったよ。君も、僕の研究と目的に協力してくれたまえよ?』

 

『……わかってるさ、オレ達はwin-winの関係だからな』

 

そう言ってその場を去るボイス。ボイスが去った後、ガスマスクの男は薄く笑い。

 

『……そうだね、win-winの関係だ』

 

ガスマスクの男はそう言うと、何処かへと立ち去っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……帰ってきたか、日本に……」

 

羽田空港。多くの人が利用するここに、一人の女性が立っていた。胸はやや小さめだが、抜群のプロポーションを誇る女性は、誰かと待ち合わせているようだ。

 

「しかしこの暑さ、やはり日本の夏は独特だなーーむ、あれは…」

 

「あ、おーい!こっちこっち!」

 

女性が待ち合わせていたのは、アロハシャツを着て、それに合わないバッグを持った、白髪交じりの男。本山猛その人である。

 

「局長。わざわざ迎えに来なくても、事務所までそう遠くないのですから、私一人でも……」

 

「いや〜それがね……」

 

そう言いながら、猛が手持ちのバッグから取り出したのは、レコードライバーと、ライダーズディスク。ディスクには何も描かれていない。

 

「……これは」

 

「悪いけど、ちょっと緊急事態でね」

 

「君の強さが必要なんだ、仮面ライダー……ツルギ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先輩!大丈夫ですか⁉︎」

 

「自分の心配をしろ!くっ……こいつら!」

 

とある森の中。ディソナンス出現の報を受けた乙音と真司が現場に急行すると、そこには大量のディソナンスが出現していた。下級ばかりだが、その数はざっと数えても50を超えている。

 

「ここは、一気に!」

 

「待て!これだけのディソナンスだ……何か裏があるかもしれん。切札はとっておけ」

 

「でも、この数は…『おいおい情けねぇなあ!』ボイスさん⁉︎」

『まったく、こういうのは一気に蹴散らすモンなんだよ!』

 

『rider…cannon……!』

 

突如現れ、下級ディソナンスの群れに向けて必殺技を放つボイス。ライダーキャノンによって蹴散らされたディソナンス達は、次々と消滅していく。

 

「ボイスさん!なんでここに⁉︎」

 

『オレの方もディソナンスの出現はわかるからな。つっても今回はお前らに先を取られたみたいだが』

 

「なぜ、俺たちを助けた?」

 

『前回の借りだよ。借りたままってのは気持ち悪いからな。あー、それよりも、もうヤツらはいねぇのか?』

 

「そうですね、もうここにはいないみたいですし、一度基地に戻ってーー」

 

 

「いや、帰られちゃ困るなぁ」

 

「「『⁉︎』」」

 

乙音の声を遮って突如響く声に驚く3人。周囲を見渡すと、黒い霧が3人の周辺を渦巻いていた。

 

徐々に一つの形をとる黒い霧。全てが収束した後には、赤と黒のロングコートを着た男が立っていた。

 

「男の……人?」

 

「あーーっと、その発言は訂正してもらおうか」

 

乙音の発言にそう返すと、男の肉体が急激に変化していく。頭はまるでバラの花を思わせるものに、その肉体は極めて力強いものに変化していく。その体色はまるで血のように赤黒い。

 

『悪いが、俺は人じゃあないんでなぁ』

 

『っ……ディソナンスか!』

 

「ヤツは……!」

 

ディソナンスの出現に身構える乙音とボイス。しかし、このような時に真っ先に臨戦態勢に入る真司は、未だディソナンスの姿を見て驚愕したままだ。

 

『ひー、ふー、みー……3人か、うち2人は新顔………んで』

 

「!」

 

『ファング……だったか?あの時のライダーのうちの1人……今度はちゃんと、楽しませてくれよ?』

 

「っ……!う…おおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

「先輩⁉︎」

 

謎のディソナンスの発言を受け、咆哮と共に飛びかかる真司。空中でレコードライバーを操作し、必殺技を発動。『rider crash』とシステム音声が流れると同時に、全身全霊の一撃が謎のディソナンスに突き刺さるかと思われたがーー

 

『ゼェァッ‼︎』

 

「……!」

 

突き出された真司の拳に対して、謎のディソナンスは短い掛け声と共に拳を突き出す。全身全霊の一撃に対し、軽いジャブのような一撃。だが、その一撃を受けた真司は必殺技を打ち消されるどころか、自身が跳躍したぶんの距離を一気に吹き飛ばされ、乙音達の立つ地点に落下する。

 

「先輩!」

 

「大丈夫だ……!ぐっ……」

 

『おー、耐えたか。あん時よりも成長しているようでなにより。それでこそ楽しみがいがある』

 

『おいファング、あのディソナンスはなんだ?明らかにやばそうだが』

 

ボイスの質問に真司が答える。

 

「ヤツの名はバラク。上級ディソナンスにして、三年前、俺たちが敗北した存在でもある……!」

 

「上級ディソナンス⁉︎」

 

『おいおいおい、話には聞いていたが、こいつが上級かよ……』

 

バラクを睨むボイスだったが、バラクから発せられるあまりに濃い闘気に、ボイスの目にはまるでバラクが巨人であるかのようにうつる。それほどまでの存在感。それほどまでの実力差。

 

『こいつは、やべぇな……』

 

「だが、俺たちがいつか倒すべき敵だ……!」

 

立ち上がる真司。先ほどの一撃のダメージが抜けきっていないが、それでもふらついてはいない。

 

『そうそう、その意気だ。でも今回はお前らが楽しませてくれるかどうか、実力を計らせてもらうだけだ』

 

「何を……!」

 

『そういうわけで……お前ら、出番だ』

 

バラクの号令と共に木々の影より飛び出してくる数多のディソナンス達。下級中級入り乱れたその群は、ライダー達の周囲に展開する。

 

『俺はここで高みの見物だ。ま、中級下級の混成軍との戦い。せいぜい楽しんでってくれ。……お前ら、やれ』

 

バラクがそう発言した瞬間、一斉に飛びかかってくるディソナンス達。すぐさま迎撃するライダー達だったが、下級ばかりの時とは異なり、中級まで襲いかかってくるため、苦戦を強いられていた。

 

「ぐっ……これでは!」

 

「先輩!今、助けーーぐぅっ⁉︎」

 

誰かがやられるのを助けようと動けば、その隙を突かれてやられる。さらに相手は多人数であり、無数に飛んでくる死角からの攻撃に、対処しきれていない。

 

『これじゃ、撤退路も確保できねぇ!』

 

悪戦苦闘するライダー達を見て、バラクはつまらない光景だと思っていた。所詮自分が戦うべき相手ではないと。しかし、バラクには一つの疑念があった。

 

(確か、あの時はもう1人仮面ライダーがいたような……)

 

バラクがそんな事を考えている間に、集中的に攻撃を受けていたボイスが膝をつく。そこを逃すディソナンス達でなく、一斉攻撃を放とうとした刹那ーー

 

「……変身!」

 

『blade』

 

一閃。光刃が閃き、ディソナンス達を蹴散らす。

 

颯爽と現れた影、それは、まるで抜き身の刀のような鋭さを持っていた。

 

「仮面ライダーツルギ。友と後人のため、参上した」

 

「ツルギ!」

 

「久しぶりだな、真司。そこの2人も、よく耐えてくれた」

 

「あなたは……」

 

「先ほど名乗った通りだよ。私は仮面ライダー。悪を倒す乙女だ」

 

その言葉と共にレコードライバーの赤のボタンを2度連続で押すと、高速でディソナンスの群へと駆けるツルギ。その手に持つ刀で敵の急所を的確に切り裂いていく。そして流れ出す、彼女の全身全霊の歌。

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 

『劔が如きこの身で、敵を切り裂き闇へと還す』

 

背後から襲いくる敵に、振り向きざまの一撃。そこから、高速の蓮撃を持って敵を切り裂く。

 

『疾風が如き速さで、貴様らを木っ端微塵と切り刻む』

 

さらに上空の敵へと光刃飛ばし、飛行能力を奪うと、落ちてきた所を一気に切断する。

 

『道を切り裂く剣がないと言うのなら、自らの手で切り開け』

 

『迸る情熱に従って、我が敵を割断せん!』

 

中級のディソナンスが一斉に飛びかかる。しかし、それを待っていたかのようにツルギは必殺技を発動する。

 

『いざ行かん!友と共に仲間と共に』

 

『full chorus』

 

『有象無象を切り裂かん‼︎』

 

「おおおおおおおおおおおおおおっ!!!!」

 

『rider slash』

 

『歌え、剣の歌をーー』

 

「セェェェェェイヤァツ‼︎」

 

裂帛の気合いと共に、放たれた一撃はディソナンスの群を蹴散らし、バラクの元まで届く。

しかし、その一撃をバラクは手刀によってあっさりと相殺する。

 

『これが、今の実力、か……』

 

「バラク……!」

 

『……いいだろう。ツルギ、お前の成長と活躍に免じて、ここは退散してやろう』

 

そう言い残して去ろうとするバラク。しかし、バラクから発せられるプレッシャーに危険を感じた乙音は、バラクを追撃しようとする。

 

「待てっ…!」

 

乙音の槍がバラクの体躯に突き刺さるーーことはなく、その表皮に食い止められる。

 

「……!」

 

それに乙音が驚くのと同時、鬱陶しそうに放たれたバラクの一撃によって乙音は吹き飛ぶ。

 

「ぐっ…うう……!」

 

『……へぇ、俺の一撃を受けてまだ立とうとするか……それに、さっきのハートウェーブの感覚……面白いな、お前には次までに土産を用意しといてやろう』

 

その言葉と共に黒い霧となってその場を去るバラク。霧が晴れるようにプレッシャーから解放されたライダー達は、一息つく。いつの間にか、ボイスは退散していたが、おそらくバラクが消えるのに合わせて逃げたのだろう。

 

「う、うう…」

 

「まったく、無茶な事を……!」

 

変身解除と同時に倒れこむ乙音を支える真司。無謀な事をした乙音を叱咤する真司だったが、その声色には乙音が無事だったことに対する安心感が滲んでいた。その光景を見ていたツルギは変身解除し、真司も合わせて変身解除する。

 

「久しぶりだな、真司」

 

「ああ、一年ぶりか?」

 

「そうだな……まだそれぐらいなのか、それとももうそんなに経ったと思うべきか」

 

久方ぶりの会話を交わす2人。周囲には特務対策局の実働部隊が展開し、周辺の警戒と、負傷した乙音の搬送準備を進めていた。

担架に乗せられ、朦朧とした目でツルギを見る乙音。しかし乙音の目に飛び込んできたのは、驚きの光景だった。

 

「……あれ、まさか、まさかまさか、もしかしてあの人って……」

 

「ああ、自己紹介が遅れたな。私は仮面ライダーツルギ、本名は心刀奈だ。これからよろしくーー「ほ、本物の刀奈さんだー!ファ、ファンです!サインください!」……真司」

 

「こう見えても、背中を預けられるやつだ。サインぐらい応えてやったらどうだ?」

 

「……そうだな、これも親睦の証という事か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『仮面ライダーソング、か……こりゃ楽しい事になってきそうだ』

 

 

 

 

 

 

 

 




新ライダー登場!シンフォギアのあの人っぽくならないように意識して書いてます。
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