仮面ライダーソング   作:天地優介

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ふーやっと書けた。第1部終了時点で、いったいどれほどの歌を書くことになるのか……でももうすぐ、もうすぐだから頑張る。あと予定される第2部は、歌は少なめでお送りします。フォーム出すごとに歌を出すことになるので、フォームも少なめでお送りします。いやソングだけならともかく、他のライダーまで面倒見切れるかよぉ!


BEYOND

「保管装置……?」

 

『そうだ、この資料にも書いてある事だが……』

 

特務対策局。そこのブリーフィルームで、乙音たちは今映像付きで説明を受けていた。内容は以前より猛が調べていた、ある装置に関しての事。保管装置と呼ばれるそれは、ハートウェーブを保管するための装置だという。

今現在、それについての説明をガスマスクの男がしていた。

 

『ハートウェーブは、極めて保管が難しいものでね。レコードライバーで変身する際に多量のハートウェーブを持つ人間が必要となるのは、今現在の技術ではハートウェーブを貯めておく事ができないからさ。しかし、この保管装置があれば通常の人間でもライダーに変身することすらできるようになる』

 

「そして、当然俺達の戦力強化にも繋がるということか」

 

『その通り。今はこの保管装置がある場所を探している最中だけど、だいたいの場所が分かれば、その周辺へ調査に行ってもらうことになる。これだけの代物、ディソナンスも狙わない手はないからね。君達には調査チームの護衛を頼みたい』

 

「奴らも力の源は我等と同じ、ハートウェーブだからな……此度の任務、気を引き締めてかからねば」

 

『では、これで説明会を終了します。まあそう遅くないうちに見つかるだろうから、今はゆっくりと休んでいてくれ』

 

説明会が終了し、ガスマスクの男は一足先に会議室を出る。向かう先は局長室。おそらく現在の調査の進捗状況を確認しにいくのだろう。乙音達も会議室を出て、休憩室へと向かう。

 

「……ふー、やっと終わったーー!久々に復帰したら、いきなりこんな説明会続きなんて……」

 

「まあそう言うな、保管装置が見つかれば、ディソナンスと決着がつく日も近いだろうしな……」

 

「そうよ乙音ちゃん!でも、何か困った事があればこの桜お姉さんにどんと頼ってもいいのよ!」

 

「……佐倉はどうしたんだ?」

 

「なんでも、どんな子か不安に思ってたら、とてもいい子だったから甘えさせたくなったとか……」

 

「なんだそれは……」

 

そんな他愛もないことを話しながら歩く中、ふと乙音が呟く。それはガスマスクの男の正体についてだ。

 

「でもまさか、あのガスマスクの人が香織さんのお兄さんだとは思いませんでしたねー」

 

「ああ、その話か。なんでも、五年前のハートウェーブの実験による爆発事故……その時に重傷を負い、それから行方をくらませていたらしい」

 

「……でも、なんで行方をくらませるなんて事したのかしら?今はこうして私達の味方になってくれてるのにさ」

 

「……さあな。ほら、行くぞ」

 

会話を中断し、先に歩く真司。それについて行く乙音と桜だったが、真司と刀奈の二人は、彼女達も知らない、ガスマスクの男ーー香織の兄、大地勝についての、ある事実を知っていた。

それは、あの爆発事故があったその日、勝が仮面ライダーを見たという事実だった。

 

(……あの日、俺達はまだ、何も知らない子供だった。という事は、俺と刀奈よりも前に、ライダーとして活動していたものがいるということ……嫌な予感がするな)

 

思考の中に沈む真司。果たして彼の予感は当たってしまうのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

「そう言えば、ゼブラとボイスちゃんはどこいったんでしょう?」

 

「あー、あの二人なら、一緒に買い物に行ったわよ。ゼブラが『ボイスさんも女の子らしい格好しなきゃですよ!』とか言って。全く、誰に似たんだか……」

 

「た、たはは……あの子達も、リラックスできてたらいいんですけどね。まだ小さいですし……」

 

「…乙音くん。ボイスくんは君と同い年だぞ」

 

「えっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この服はどうですか!?あ、この服もいいですねー、思い切ってこんなものも!」

 

『落ち着け、それは……オレには可愛すぎる』

 

都内の、あるデパート内部の服飾店。そこには服を持ってはしゃぐゼブラと、それに困惑するボイスの姿があった。

ボイスはその手にタブレットを持っており、そこに文字を打ち込むことでゼブラとコミュニケーションをとっている。以前ゼブラと街中で遭遇した際には持っていなかったものだが、勝がライダー達と共に過ごす事になるのなら、持っていた方がいいだろうと作ってくれたものだ。

 

『だいたい、いきなりなんだ?オレと一緒に出かけたいとか……』

 

「あ……嫌でしたか?」

 

『いやそうでなくてだな……こう、こういうかわ…可愛い服買うんなら、こう、乙音とか桜とかいるだろ?』

 

「僕はボイスさんと一緒に買いたいんです!」

 

『なんじゃそりゃ…』

 

そんな事を話しながらデートを続ける二人。今回ゼブラがボイスを誘った理由は、ボイスと打ち解けたいという意図の他に、もう一つあった。

 

「そ、そういえば、僕ってボイスさんの本名知らないですよね?」

 

『なんで疑問形なんだよ…言っとくが教えねーからな』

 

「え……」

 

『……思い出すと辛くなっちまうからな。後悔なんてのは過去に置いてくるもんだ。未来まで連れて行くべきものじゃあない。それに、今はボイスってのがオレの名だからな』

 

「……すみません、僕……」

 

『いーんだよ。……全部終わった日には、教えてやるから』

 

「あ……や、約束ですよ!?」

 

『おう』

 

道中様々な事があったが、無事絆を深めたボイスとゼブラ。ボイスは乙音達とも親睦を深めるが、後に桜や乙音に着せ替え人形が如き扱いを受けるのは、まだ遠い話……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後日、『保管装置』の場所に見当がついたという連絡を受けた乙音達は、局長室へと急いでいた。

 

「いったい、どこにあるんでしょうか?」

 

「さあな、だが、これから見つけるというのは事実だ。今回は空振りに終わる可能性もある、それを忘れるなよ」

 

「そうだな…む、真司、局長室だ」

 

話をしていると、いつの間にか局長室についたようだ。「失礼します」と一言入れ、入室するライダー達。そこでは、目の下にたっぷりと隈を作った猛と香織、いつも通りガスマスクを被った勝の姿があった。ちなみに勝がガスマスクを被っているのはただの趣味らしいが、今はその下に猛達と同じく疲労の証を刻み込んでいるだろう。

 

「ああ…来たかい…そいじゃ手短に説明するから、勝くん……」

 

『フフフ…任せてください。みっちりと……説明してあげますからね』

 

「お、お手柔らかに…」

 

こうして始まった説明会であったが、思いのほか早く終わった。内容も保管装置があると思われる場所と、向かう人員についての話だった。調査隊と共に向かうライダーは……。

 

「最終的に、私達二人ですか…なんだか懐かしいですね」

 

「そうだな……もう遠い昔のように感じるが、まだ三ヶ月ほども経っていないとはな」

 

「……悔いの残らないよう、頑張りましょう!」

 

「ああ……そうだな」

 

「僕もいますからね!」

 

乙音と真司、先輩と後輩という絆で結ばれた二人とゼブラが選ばれた。居残り組はもしもの時に備え、対策局本部での待機となる。こちらは刀奈が指揮官役となるが、ボイスと桜はその攻撃範囲の広さから、調査隊にも影響…被害が出る可能性が高いと判断されてだ。その点真司と乙音の攻撃は主に点の攻撃であり、いざとなれば多数の敵にも対処可能であるため、この二人が選ばれた。

 

「出発します、お二人とも、準備はよろしいですか?」

 

局員の言葉に頷く二人。調査隊を乗せる車に揺られながら、真司は乙音の発言を思い返す。

 

『悔いの残らないよう、頑張りましょう!』

 

(悔い、か……)

 

(後悔は過去へ置いていくもの、未来へは持っていけない……)

 

(保管装置を見つけ、今まで失われた命…俺の悔い、その全てに清算する)

 

(だが、そのためには……)

 

真司は手の中にある新型ディスクを見つめる。

 

(俺にこれが、扱えるかだな……)

 

迷いと決意を乗せて、車は走る。目的地はかつてハートウェーブを研究していた場所…ディソナンスが現れた、因縁の地だ。

今は周辺の土地含め、閉鎖されたそこで、再び人とディソナンスが相見えようとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここか」

 

「はえ〜本当に瓦礫以外何もないんですね……」

 

現場についた乙音の目の前に広がっていたのは、瓦礫の山だった。かつての爆発事故によって閉鎖されてしまったここは、人の手の入っていない雰囲気と、人が作り出した文明の残り香が混じり合い、不可思議な空間を生んでいた。

それにポカンとする乙音に、調査隊メンバーが話しかけてくる。

 

「ここには、かつての爆発事故の影響などが残ってましたからね。今は大丈夫と判断されていますが、念のために防護服を装着しておいてください」

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

そう言うと、ソングに変身する乙音。ゼブラも乙音と一体化する。真司はすでに変身して、瓦礫の撤去作業を手伝っているようだ。

 

「あ、せんぱーい!私も手伝いますよぉ!」

 

駆け出す乙音の背を見送る調査隊メンバーは、自身の仕事の準備を始める。彼らもまた、人々を守るために戦う戦士なのだ。

 

 

こうして作業を進める乙音達だったが、不意にディソナンスの気配を感じ、周囲を警戒する。

 

「…先輩!」

 

「どこだ……!?」

 

周囲見渡す二人だったが、いっこうにディソナンスの姿は見つからない。気のせいだったかと警戒を解いた、その時……

 

「なにっ!?うおおおおおっ!」

 

「先輩!?」

 

突如真司の足元に穴が開き、そこから飛び出してきた腕に、真司の体が穴に引きずり込まれていった。真司を追おうとする乙音だったが、この瞬間を待っていたといわんばかりにディソナンス達が攻勢を仕掛けてきたため、思うように動けない。

 

「くっ……ゼブラ!力を貸して!」

 

「うん!さっさと片付けよう!」

 

分裂し、二人のソングとなってディソナンス達に飛びかかる乙音とゼブラ。しかし、ディソナンス達はまるで戦う気がないように、乙音達との距離を取り続ける。

 

「いったい何が狙いなんだ……!?」

 

乙音とゼブラには、戦うしかこの状況を切り抜ける術がない。今は真司の無事を祈り、その槍を振るう二人であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ……!離せ!……うおっ!?」

 

地面の中を引きずられていた真司は必死に抵抗していたが、不意に相手の真司を掴む力が弱まったかと思うと、その次の瞬間には空中へと投げ飛ばされていた。地面の中からは脱出できたものの、地面にその身を強かに打ち、痛みに悶える真司。その真司に、近づく影が一つ。上級ディソナンスの一体であるキキカイだ。手には何らかの装置を持ち、その中にはふよふよと浮かぶ、人魂のようなものが入っている。その人魂の正体はカナサキ。刀奈に倒されたのち、自らの核のみの状態となったカナサキは、キキカイによってとある装置に入れられていた。周囲には瓦礫があり、いくらでも身を潜められそうだ。

 

『これでいいのぉ〜?カナサキ』

 

『ああ…ご苦労だったな』

 

「貴様ら……!」

 

キキカイの存在に気付き、襲いかかろうとする真司だったが、横合いからの攻撃に邪魔される。ここまで真司を連れてきた、モグラ型のディソナンスの攻撃だ。

 

『お二方!このモゲラがやっちまっていいんですねぇ!』

 

『ああ……お前に任せるよ』

 

『了解!けけっ〜!人間、テメェも運がなかったなぁ〜!』

 

両腕に生えた爪で切り刻まんと、真司に迫るモゲラ。地を掘り、宙を飛び回り撹乱するモゲラだったが、当の真司はキキカイとカナサキを見据えたまま動かない。

 

『この……!このモゲラを無視するんじゃあない!』

 

そう言って、真司の目の前に突如飛び出すモゲラ。すぐさま真司を切り刻もうとするが……

 

「どけ、前が見えん」

 

ドゴォ!と鈍い音が響く。一瞬で構えた真司による正拳突きが、モゲラの腹にクリーンヒットしたのだ。

 

『げ、げふ……そんなぁ…』

 

そのまま消滅するモゲラ。真司は変わらず、キキカイとカナサキの動きを警戒する。

 

『……やはりこいつ程度では話にならんか、かと言って…』

 

『やあ〜よ、私は痛いの嫌だもん』

 

『だ、そうだ』

 

「なにがそうだだ……」

 

その瞳に怒りの炎を止まらせながら構える真司。

 

「貴様らディソナンスのうち、上級二体…今ここで仕留めてやる」

 

『あらやだ怖い!でも人間、あなたにそんな事ができるとでも思ってるのぉ〜?新型のディスク…あれをただ一人起動できていないあなたに』

 

「ふん、せめて傷ぐらいは負わせてやるさ」

 

「だが気をつけろよ…俺の牙は、刺されば抜けんぞ」

 

『小揺るぎもせんか……さすがは奴らの精神的支柱だな』

 

カナサキが自らの形を変え、人魂のような姿から、頭部のみの姿となる。

 

「……!」

 

『このような姿で失礼。だが、今の私ではこれが限界でね……』

 

「ならば……」

 

カナサキの声を受けた真司は、右拳を前にして、突撃する。

 

「ここでその装置ごと貴様の頭を、砕き割るのみ!」

 

『だが、これでも貴様相手には十分なのさ!』

 

カナサキが怪しく目を光らせると、真司の動きがぴたりと止まる。そして、突如として変身が解除され、その体が地に伏してしまう。

 

『うまくいったのぉ〜?』

 

『ああ…新型ディスクの精神干渉への抵抗力…あれのせいで、あの時の木村乙音のように、消耗していなければ我が能力も通じぬが……』

 

『こやつのように旧型のディスク相手であるならば、今の私でも十分!術中に嵌められるのだよ』

 

『まったく、恐ろしい能力ねぇ』

 

『今こやつには悪夢を見せている…今までの後悔、その全てが自分のせいだという悪夢を!フフ…奴らの精神的支柱であるこの男が、新型のディスクを起動できていなかったのは、嬉しい誤算だったよ』

 

『私達も保管装置…あれを見つけれたし、今は解析中だけど…きいいっと人間を皆殺しにするのに役立ってくれるわぁ〜!』

 

『フフ…フフフ……フフハハハハハハハハハハ!』

 

『フフフッ!フフフッ、フフフフフフッ!』

 

倒れ臥す真司を見下ろし、高笑いを上げるカナサキとキキカイ。あの時の乙音のように、絶望と後悔の淵に沈む真司に、なすすべはなくーー

 

 

……ギリッ

 

『あら?』

 

『うん?』

 

……ギリギリギリッ

 

『なあに?この音?』

 

『さあな…アレがたててる音じゃないのか?まさかこの人間が……』

 

「その……まさかだ………」

 

『『!?』』

 

カナサキとキキカイが驚愕して見つめるそこには、真司が立っていた。ギリギリという音は、真司が自らの拳を握り締める音……血が出るまで、握り締めていたからこそ響く音であった。

 

 

『ば、馬鹿な……!我が能力から逃れるなど!』

 

「フ……貴様の能力、どうやら弱体化しているようだな。それと、貴重な情報をありがとう」

 

『……!さっきの話!』

 

「お前達が持っているのか……ならばここで貴様らを打ち倒し、保管装置を手に入れるまで!」

 

『それができると思ってるのぉ!?私達だけでなく…こいつもいるのよぉ!』

 

そうキキカイが言った瞬間、彼女の背後、その瓦礫の山から巨大なロボットが登場する。これに加えてキキカイを相手にするのは、今の真司では難しいだろう。

だが、人とは進化と研鑽を、伝統として、歴史として積み重ねていく生き物である。それは、人類の守護者である真司ももちろん例外ではない。

 

「俺は1秒前の俺よりも強くなる……!」

 

そう言い放つ真司の手には新型のディスク。真司がそれをレコードライバーに入れようとした瞬間、巨大ロボットがその質量を用いたパンチを放ってくる。

 

『仕留めなさい!』

 

「そうはいかんさ……!」

 

巨大ロボットのパンチを、自らの右拳で迎え撃つ真司。理論上、真司の力では拮抗するはずもないこの衝突は、しかし真司の方が押していた。

 

『何!?』

 

そして、真司は叫ぶ。

 

「……変身!!」

 

真司の纏う鎧がその形を変化させていく。両拳はより攻撃的に、全身の牙はより鋭く。まるで拳だけでなく、自身の身体そのものを牙とするように変化していくそれは、もはや『進化』と呼ぶべきものであった。

 

「お……おおおおおっ!」

 

『ブリガンティスッ!』

 

真司の倍以上もあるロボットの巨体がその右腕と共に吹き飛ばされ、瓦礫の山へと突っ込む。その光景を見たキキカイは周囲の瓦礫の山を全て機械兵と変え、巨大ロボットーーブリガンティスをさらに強化する。

 

『これだけの物量…圧倒されるしかないでしょお!?』

 

「ザコが何体来ようと、同じことだ……!」

 

圧倒的物量に、しかし真司は拳と共に歌を放つ。覚悟と決意の歌を。

 

《その身に備える牙が…》

 

「数はざっと百体といったところか…来い」

 

《砕かれ割れたとしても……》

 

百体の機械兵のうち、まずは三十が真司に襲いかかる。それを真司は全身の牙を飛ばして撃墜する。

 

《この拳…そして体そのもの、牙と変え、闘志、敵を食らう》

 

「はぁぁぁぁぁ……はっ!」

 

次に盾を構え、固まって突撃してくる敵が二十、これに真司は、その拳を構え、迎撃する。

 

《正義を語る口は…》

 

「ふんっ!」

 

《今この世には要らぬ……》

 

拳から放たれた衝撃波により、盾ごと蹴散らされる機械兵達。その体には、まるで牙に貫かれたかのような跡がある。

 

《この背に…背負えしものを、守れる真の、強さ、あればいい》

 

「これで半数…今度はこちらから一気に行くぞ!」

 

半数を蹴散らした真司は、敵の集団の中に飛び込んで行く。両腕に鋭き牙を携えた真司を抑えるべく、その四方を囲み、上から抑えようとする機械兵達だったが、全て吹き飛ばされる。

 

《この背の後ろには、守るべき命が》

 

「十…二十…二十五……!」

 

《あるなら幾度も、奮い立とう》

 

凄まじい勢いで敵を蹴散らす真司に焦ったのか、今まで他の機械兵を巻き込まぬようにしていたブリガンティスが動き出す。が…

 

《牙無き者達の、導となるならば》

 

「四十九…貴様で最後!」

 

《幾度もこの背、前に立とう》

 

しかし、その拳が振り下ろされる前に、既に機械兵達は全滅していた。そして、ブリガンティスの一撃に対し、必殺技で対抗する真司。『voltage Max!!!』の声と共に、両手を体の前で合わせ、まるで顎門のように構える。

 

《貴様を砕く……》

 

『rider genocide crash!!』

 

《牙を、構えようーー!》

 

「おおおおおおおおおおっ!」

 

拳と拳が衝突するが、まるで紙をちぎるように、たやすくブリガンティスの巨体は崩壊する。真司はすぐさまキキカイを探すが……

 

「……奴らは…逃げられたか」

 

既にキキカイらは去った後だった。せめてアジトの手がかりでもないかと探索する真司は、巧妙に隠された穴を見つける。

 

「これは……モゲラとかいう怪人が掘っていたものか。俺が連れてこられた時とは違う……これを辿れば、奴らのアジトの位置もわかるか……?」

 

この後、すぐに真司を探しにきた乙音達調査チームと合流した真司は、保管装置のことと穴のことを伝える。すぐさま穴を調べ始める調査チーム。チームメンバーの反応からして、どうやら大当たりのようだ。その様子を変身を解いて見守る真司に、乙音が話しかけてくる。

 

「……せーんぱいっ」

 

「……何だ?後輩」

 

「いえ、やっぱり先輩は…かっこいい先輩なんだなって!」

 

「フ…俺を誰だと思っている?お前の先輩だぞ?」

 

「その俺が、お前の前にいなくてどうするんだ」

 

「…うん!やっぱり先輩は憧れの先輩です!」

 

「あまり言うな、照れる……」

 

 

一時の勝利を収めたライダー達。しかし、次なる戦いは、これまでにない、激しきものとなるだろう……。

 

決戦の舞台は東京タワー地下に作られた大空洞。そこで、ライダー達とディソナンスとの決戦が始まる……。

 

 

 

 




真司くんの必殺技はヘルアンドヘブンよりも、かめはめ波に構えが似てます。

保管装置のヤバさは本文だけだと伝わらないと思うので、補足説明をば。

まずハートウェーブは極めて保管が難しく、その性質から、中級以上のディソナンスに効く兵器は作れないんですね。ライダーシステムも、変身者の消耗が激しいですし。
でも保管装置が見つかれば、そのシステムを解析して、ハートウェーブを用いた強力な機動兵器も作れる。それだけの技術力があるからこその利点ですね。ライダーシステムの量産化も容易になるでしょう(現時点ではライダーシステムを起動できる人間が少なすぎて無理)これが人間側の理由。

ディソナンス側はいたってシンプル。ディソナンスはハートウェーブの塊なわけですから、保管装置にハートウェーブを貯め込めば、より強力な仲間を容易に作れるし、いざという時の保険にもなる。また、解析や複製はキキカイが存在するため、容易に可能であるために、保管装置を狙っています。
ちなみに保管装置内部にはしっかりハートウェーブが今現在もありますが、まだ機械の解析が完了していないので、カナサキの復活に使ったりはしてません。いざという時は使うでしょうけど。

さてと……次回からは巻きでいきますよ。予定だとあと最低二曲は考えなきゃいけないから、ホントしんどいです。一応お気にりの曲聴きながら考えてはいるんですけどね……。
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