仮面ライダーソング   作:天地優介

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流石に一週間を超えるとヤバイなと思ったので、投稿。質問なんですが、どれくらいのペースで投稿するのがいいんでしょうか…?新作の方はモチベの関係で投稿間隔は開くんですけど、こちらの方はあまり開けたくないんですよねー……短編集も書きたいですし、ホント連載を3本以上持てる人は尊敬します。


ビートアップ・ライダー

アメリカ、とある地方ーーそこに、無人の荒野を走る、一台のバイクに乗った、1人の人間の姿があった。

 

「ふう…暑い。もう1時かぁ……そろそろ、街に着く筈なんだけどなぁ……」

 

人間の名は、木村乙音。高校を卒業してすぐに、修行と称して世界放浪の旅に出た彼女は、まずインドに渡り、次にアメリカ、その後はヨーロッパや中東でディソナンスを退治して回っていたが、今はとある人物に呼び出されて、アメリカにいた。

そのとある人物とはーー

 

「でもまさか、ショット博士から声をかけられるなんて……アメリカで一度会った時に、連絡先を交換しておいて良かった」

 

かつて、未来世界より来た最悪のディソナンス、クロニクルを倒す戦いの際、乙音達ライダーに協力した人物である、ショット・バーン博士。以前、一度アメリカに渡った際、ショット博士の伝手を頼る事になった乙音は、その時にショット博士と連絡先を交換していた。

活用する機会もそう無いだろうと思っていたのだが、連絡先を交換して2ヶ月、まさかこんなにも早く呼び出されるとは、乙音も思っていなかった。

 

「しかし、サプライズって電話では言ってたけど……いったい…て、おっ、街だ…あれがショット博士の言ってた場所かな?」

 

物思いにふけながら、荒野をバイクで走っていると、乙音の視界に、街が見えてきた。

街といっても、今アメリカの田舎にありふれてしまっている、ディソナンスの攻撃によって廃墟と化してしまった街だが、ショット博士はディソナンスの目を眩ませるために、わざわざ地下鉄を作り、この廃墟と化した街の地下に研究所を作っていた。

 

「しかし発想がダイナミックというか……本当によく考えたなあ…街の地下に研究所なんて」

 

街に着いた乙音はバイクを降り、スマホの写真フォルダに保存されている、ショット博士から送られてきた、研究所入り口の目印となる建物の写真を見ながら、街を散策する。バイクは右手で押し、左手でスマホを持つ。

 

「え〜と、場所は…あそこかな?」

 

写真と実際の景色を見比べながら街を散策していると、3分程度で目的地と思わしき場所を発見、さっそくその建物へ向かう乙音。乙音の目指す建物はかつて3階建ての飲食店だったところで、写真ではそこまでには見えなかったが、実物を間近で見るとかなり荒れ果てており、かつてこの街を襲ったであろうディソナンスの脅威と残虐性が伺えた。

 

「こんなところに…え〜と、地下へのい・り・ぐ・ちは……っ、とと、あれかな?」

 

飲食店廃墟内部をキョロキョロと歩き回っていた乙音だったが、厨房の冷蔵庫が妙に埃を被っていない事に気付き、冷蔵庫を開けて見ると、その中には地下への入り口が存在した。入り口が冷蔵庫なのでかなり狭そうに思えるが、大の大人2人程度ならば、冷蔵庫の中に入れそうではある。

 

「おおっ、秘密基地……とりあえず、お邪魔します…でいいのかな?」

 

冷蔵庫の中に入り、地下への階段を降りる乙音。少し降りると、そこにはエレベーターがあった。行き先は下のみ。どうやらこのエレベーターで地下研究所へと降りるようだ。

 

「階数は…ここと地下の2つだけか。それじゃあ、ポチリと」

 

エレベーターのボタンを押すと、ガコン!という音が鳴り、そのままかなりのスピードで下へとエレベーターが降りて行く。

 

「おおっ!?」

 

乙音が驚いている間にも猛スピードで地下へと降りていくエレベーターは、たった10秒程度で最深部へと到達した。かなりの猛スピードで降りていたため急ブレーキがかかる…かと思いきや、そんな事はなく、むしろ普通のエレベーターよりも静かに止まった。

 

「あれ、もう着いたの?……誰もいない。こんなものがあって動いてるんだから、もっと奥にいるのかな?」

 

エレベーターがかなり早く最深部に着いたことに驚く乙音だったが、すぐに誰の気配も感じない事を不審に思い、警戒する。周囲に気を配りつつ、奥へと進んでいく。

慎重に歩いていると、歌のような音が乙音の耳に届く。

 

「……?なんでラジオが…」

 

音の方へ歩いていくと、そこには一台のラジオがあった。ラジオからの音声は乙音が近づくと消えてしまう。

 

「………?」

 

乙音がラジオに手を伸ばすと、その瞬間、乙音は背後に気配を感じた。すぐさま振り返り、変身しようとレコードライバーに乙音が手を伸ばした、その時ーー

 

「「「ようこそ!人類の最前線へ!!!」」」

 

パパパパーーン!!!とクラッカーの音が鳴り響き、紙吹雪だったり紙テープだったりが乙音の頭上に降り注ぐ。「……ふえ?」という声を漏らして放心する乙音の前に、ショット博士が歩み寄ってくる。

 

「オオ〜!オトネ君!ヨク来てくれマシタ〜!これはカンゲーカイの代わりデース!ケーキも用意出来ませんデシタガ、せめてというコトデ!」

 

「あ、あはは…びっくりしちゃいましたよ〜ショット博士。あ、英語で大丈夫ですよ、最近それなりに話せるようになったので…」

 

「ソウデスカ?……では、英語で喋らせてもらうわい。いやー、ニッポンゴは難しいのう!」

 

「相変わらず、英語だと雰囲気変わりますね…ショット博士。ところで、私を呼んだのは…」

 

「フム…とりあえず、来てくれるかの」

 

歓迎の挨拶を終え、さっそくショット博士になぜ自分を呼んだのかを尋ねる乙音。ショット博士は乙音の質問に今すぐには答えない。どうやら見せたいものがあるようだ。

 

「…ここじゃ、この中に、君に見せたいものがある」

 

ショット博士はある一室の前で立ち止まると、壁のコンソールにパスワードを打ち込み、扉を開ける。乙音も慌ててショット博士の後をついて中に入ると、そこにあったのは、奇妙なアイテムだった。

どうやら腕に装着するもののようだが、銃口の様なものがついているうえ、ライダーズディスクと同じぐらいの大きさのディスクを入れられる様な部分がある。

 

「博士、これは……?」

 

「フフ…それが、人類の新たな希望となり得るもの…ワシらがここで全身全霊をもって開発した、新たなるライダーシステム!」

 

 

「その名も…ビートライダーシステムじゃ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ビートライダーシステム…ですか?」

 

「ウム、簡単に言えば、君達ソングライダーの様に、強力なハートウェーブを生成する事が出来ずとも、仮面ライダーになれるというものじゃ。あれはビートライダーに変身するためのアイテム、ディスクセッターじゃな。あれにこの量産型ライダーズディスク……マイナーチューンディスクをセットして変身する」

 

ショット博士の言葉に驚く乙音。仮面ライダーの力は強大なもの、そのライダーに誰でも変身できるアイテムができたというなら、それは世紀の大発明だろう。

 

「凄いですね!……って、ソングライダーってなんなんですか?」

ショット博士の説明に感心する乙音だったが、博士が漏らしたソングライダーという耳慣れない言葉に反応する。すると博士は少し驚いた様な表情を見せて喋り出した。

 

「なんじゃ、知らなかったのか?巷ではお主らはそう呼ばれておるんじゃよ。歌を歌い、ディソナンスを蹴散らしておるんじゃ、それぐらいのアダ名はつくじゃろうて。むしろ知らなかったんかい」

 

博士の言葉に、ビートライダーシステムの事を知った時よりも明らかに驚いた表情を見せる乙音。どうやら自身がそんな有名人になってるなど思いもしなかったようである。

 

「いやいやいや!知りませんでしたよ、そんなアダ名!ま、まさか、私のこともバレてたりとか…」

 

「それはないわい!全く、彼方此方でディソナンス相手に大暴れしおってからに……ネットは見んのか?少し探せば、お主が戦ってる時の様子を映した動画なんぞ、幾らでも転がっとるぞ?」

 

「あ、あわわ……ワシントン…インカ…いや、パリでのかな?あ、ロンドンでも…あーー!心当たりが多すぎるーー!」

 

(確か全部あったはずじゃがのう…派手に暴れすぎじゃよ…)

 

戦闘時の様子を撮影されていた事にパニクる乙音を尻目に、ショット博士はディスクセッターを手に取ると、乙音の元へ歩み寄る。

 

「それで、君を呼んだのは他でもない、これの…「ああああ…どうしよう…流石に恥ずかしいし…」……ゴホン!少し、話を聞いてもらえるかの?」

 

「あ、はい……」

 

「よろしい。まあ、今回君を呼んだのはこれのテストをしてもらいたいからじゃな」

 

ショット博士よ言葉に、怪訝な顔をする乙音。

 

「私がですか?でも、ビートライダーシステムって、ふつうライダーになれない人でもライダーになれる…ってものなんですよね?私がテストしても、意味がないんじゃ…」

 

「フフフ…このディスクセッターはの、君達ソングライダーのサポートアイテムとしても使える。つまりは変身後の戦闘能力をある程度強化してくれるのじゃ。まあ、強大なハートウェーブを持つもののデータが欲しいというのもあるが……協力してくれるかの?」

 

「やりますやります!協力させてください!」

 

ショット博士の頼みに快く応える乙音。乙音のその言葉に博士はにっこりと微笑むと、ディスクセッターの装着手順を教えた後、データ計測用の部屋へ乙音を案内、さっそく実験を始めようとする。

 

「さて、準備はーー」

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

 

ーーしかし、実験が始まろうとした瞬間、研究所内に警報が鳴り響く。

 

「警報…!?何があった!?」

 

「ディソナンスです!どうも奴ら、研究所を探してるみたいで…!バレるのも、時間の問題かと…!」

 

研究員の言葉に焦るショット博士。この地下研究所は厳重に隠されているが、この街を徹底的に探索されてしまうと、もう後がなくなるだろう。

 

「くっ、なんという事だ…!すまんが、乙音君、実験は中止して、ディソナンスの迎撃をーー」

 

ショット博士のその提案に、乙音はーー

 

「……いえ、このまま私を、上に出してください、ショット博士」

 

「乙音君!?何をーー!」

 

「ーーちょうどいいです。実戦でのデータ、取ってみたくはありませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ーー探せ!この街にあるはずだ!』

 

寂れた街に、複数の影があった。しかし、その影はおよそ人の形をしてはいない。亀のような怪物に、虎のような怪物、蛇のような怪物もいれば、鳥のような怪物まで、様々な怪物たちが街中を蹂躙し、地下研究所への入り口を探していた。

 

『ーーくそ!巧妙に隠したな…』

 

『音成様の命令だ、くまなく探せ。なあに、この人数だ、すぐにーーン?』

 

ディソナンス達が街中に散開し、地下研究所への入り口を探していると、街の外から人が歩いてきたーー女性だ。

 

『…ちょうどいい、あいつで腹ごしらえでもするか』

 

『ああ、悪くなさそうな…女だ』

 

下卑た笑い声をあげながら女性に近く二体のディソナンスを尻目に、その女性は左腕を掲げる。その左腕にはーーディスクセッターが装着されていた。

 

『なんだ、あれは…?』

 

 

「……変身」

 

女性がディスクセッターのレバーを引くと、女性の眼前に円盤型の光が現れる。その光が女性の身体を通過すると、女性の姿はたちまち変化しーーー

 

「参上、仮面ライダービート…ってところかな?」

 

ーー新たなる希望、仮面ライダービートへとその姿を変えた。

 

『…乙音君、通信は聞こえるかね?』

 

「はい、聞こえますよ」

 

『よし、ではまずは…格闘戦のテストから、始めるとしようか』

 

「はい、わかりました」

 

女性ーー乙音は拳を構えると、二体のディソナンスに向かって走る。虎と牛を模した姿のディソナンス達は、その突進力を活かして乙音に襲いかかる。

 

『ガアアアアアッ!!!』

 

『グルルルルル…!!』

 

牛の角と虎の牙が乙音を襲う、がーー

 

「甘い……!」

 

二体のディソナンスが気がついた時、既にその身体は宙にあった。訳もわからず投げ飛ばされたディソナンス達は受け身も取れず、着地のショックを諸に受ける。

 

『グエ…!』

 

『ガッ…!』

 

倒れ伏した虎のディソナンスの背を踏みつけ、背骨を折って息の根を止めると、牛のディソナンスの角を掴み、更に投げ飛ばす。牛の角は折れ、その痛みでまともに立ち上がれないようだ。そこに乙音は歩み寄ると、牛の頭を踏み潰し、街へと入っていく。

 

「博士、格闘戦に関しては問題ないみたいですね?」

 

『ウム、では次ー武器にいってみよう』

 

「わかりました。それでは、行きます…!」

 

街中のディソナンスを倒す為、乙音の戦いが始まるーー




3年ちょっとの月日が経ち、少しだけ過激になった乙音ちゃん。第2部からは、ビートライダーシステムが活躍するぞ!もちろん今までのライダー達もね!

とりあえず次回も引き続き乙音ちゃん編です。日本のライダー達については、その後ですね。


追記・書き忘れてたんですが、仮面ライダービートの変身は、キュウレンジャーの変身と似たようなもんだと思っておいてください。あんな感じの変身をイメージしてます。というかディスクセッターってほぼないセイザブラスターみたいなもんなのでは…?用途もサイズ感もほぼない同じだし。
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