仮面ライダーソング   作:天地優介

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終わりが見えてきたけど相変わらず雑う! ちなみに今はエボル登場回ちょっと後ぐらいって感じの話数ですね。
さて……


希望のカーテンコール

「……それで、ここで何があったの?」

 

「見たところ、実験室のようらしいですが……」

 

  乙音とゼブラは空中要塞に突入した際、要塞内の実験室へと突入し、そこに捕らえられていたドキを発見した。

  ドキは見るからにボロボロだったが、乙音とゼブラに救出されると、ふらつきもせずに立ち上がり、首や腕を回して自身の調子を確認すると、そのまま事情を説明し始めた。

 

『……湊 美希。あの人間を助けようと動いていたのだが、その途中で7大愛の襲撃にあってな……どう見ても私自身を狙っていた』

 

「7大愛の!?」

 

『ああ、ガインとピューマ……後はエンヴィーだな。流石に3人相手ではどうにもできなかった』

 

「そうだったんですか……」

 

「しかし、なんでドキを……」

 

  乙音の疑問に、ドキはある仮説を立てた。

 

『……恐らくは、最強のディソナンスとやらを作るため……』

 

「最強のディソナンス?」

 

『ああ』

 

「でも、なんでドキさんを?」

 

 

「それは僕の口から説明しよう」

 

 

「えっ!?」

 

「ああっ!」

 

『お前は……! 天城、音成!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  空中要塞へと突入した真司とバラクは、迫り来るディソナンス達を撃破しつつ、要塞内にあるはずの動力部。この要塞を天に浮かべる要因を探して、探索を続けていた。

 

「ディソナンスどもが鬱陶しいな……」

 

『だが、ここまで敵の迎撃が激しいってことは、俺たちが確信に近づいているって事でもあるだろうなっ!』

 

  要塞内を走る2人に迫るディソナンス達を真っ向から迎撃しつつ、要塞の中心へと進む2人。乙音達の突入を確認しているいま、下手に要塞の壁を破壊するわけにもいかなかったが、それでもその足取りは順調だった。

  しかし、足取りは順調でも順調なだけである。現在、2人は地味に道に迷っていた。

 

「おい、ここはさっき通ったんじゃないか?」

 

『あ? そうだったか? くそ、あちこち崩れてわからねえ』

 

  2人の力は強く、破壊力という点ならば現在のボイスに次いでトップクラスである。そのため、ただ戦闘を繰り返すだけでそれは破壊活動となってしまうのだ。

 

『面倒くせえな……一気にやるか?』

 

「仕方ないな」

 

『ああ、仕方ねえ』

 

  空中要塞の第一層が吹き飛ぶまで、残り数秒ーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ドッ…ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!

 

「うへ、なによこの音と揺れ」

 

「乙音くん……達ではないな。彼女達ならばここまでしない。となると……」

 

「真司の仕業かしらね? あいつもこの要塞内に来てるとか?」

 

「あり得るな」

 

  視点は変わり、刀奈と桜ーーこの2人は、現在乙音とゼブラとの合流を目指して要塞内を探索していた。

  しかし要塞内は桁違いに広大とはいえ、範囲攻撃を得意とする桜と、スピードを肝とする刀奈には、通路などはやや狭く感じる。特に大型のディソナンスが詰め寄って来た時などは面倒で、迎撃のために、あちこちに破壊跡が残っていた。

 

「どうも空中戦艦の方にはディソナンスはいってないみたいね……そっちは?」

 

「私も同意見だ。おそらく真司達の方に向かってるんじゃないか?」

 

  時折ディソナンスの集団を2人が発見した際に隠れてその動きを観察すると、どうも突っ込んできた空中戦艦の方には既にライダーがいないとわかったのか、それともキキカイがうまくやっているのかはわからないが、そちらの方面には向かわず、下の方へと降りていく者が多いようだった。

 

「……二手に分かれる?」

 

「危険だが、それが得策だろうな……通信は?」

 

「乙音ちゃん達のはいかれて出来ないみたいだけど、キキカイに渡された私達用の通信機はふつうに作動するわね」

 

「そうか……死ぬなよ」

 

「そっちこそ、ね」

 

  2人は拳を一度合わせると、そのまま背を向けて、振り返らずに走っていく。刀奈はさっきのディソナンス達の後をつけて下へと。桜は乙音とゼブラを探して、上へと向かう。

 

「待ってなさいよ……!」

 

「待っていてくれ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……どういうつもりだ。我等の前に、丸腰で現れるなど…』

 

「ん? ふふ、知りたいかい? でももうじき分かるさ、スペシャルゲストが来るからね」

 

「スペシャルゲスト……?」

 

  乙音達の疑問にも構わず、音成はあるものを取り出す。それはボイスと同じDレコードライバー。乙音達は初めて目にするものだが、3人はそれから湧き出す異様な雰囲気に、思わす身構える。

 

【Dレコードライバー!!】

 

「変身」

 

【仮面ライダー……ディスパアァァァァ!!】

 

  音成がDレコードライバーを用いて変身した仮面ライダー、ディスパー。その漆黒の体躯が醸し出す暗いオーラに周囲の空間が歪むが、それに今更怯む3人でもない。

 

「「変身!」」

 

『貴様……!』

 

  乙音とゼブラも変身し、それに先んじてドキが音成に向かって攻撃を行う。普段から冷静なドキだが、今この時は激昂して音成に襲いかかる。

 

『その身体……! 貴様、カナサキの身体を、自分のものに……!』

 

『出来るだけ悲しまないように、外道を選んであげたんだけどなあ………それともなにかな? 同族がいいように利用されるというのは、やはり我慢ならないかな?』

 

「お前っ!!」

 

  音成の言葉に、ゼブラも怒りをあらわにして殴りかかる。現在この場にはゼブラと乙音、ドキ、そして音成の四名がいる。やや狭い空間のここでは、乙音達は1つに固まって動くことになる。

 

『ははは……その程度で、ディスパーを打倒できると?』

 

『……! 攻撃は通じるはずだ!』

 

「でも、この空間じゃ!」

 

「戦いにくいっ! くっ……!」

 

  狭い空間ということもあるが、ディスパーはこの要塞の構造を完全に理解している。その地の利を生かしての立ち回りに、乙音達は対処できていない。

 

『さて、そろそろ決めるかぁ……』

 

【カーテンコール!!】

 

「!」

 

『来るぞ!』

 

【ライダーエンドブレイク!!!】

 

  壁際に追い込まれた乙音達はまともにディスパーの必殺の蹴りを喰らってしまい、背後の壁ごと吹き飛ばされ、地面を転がる。

  変身は解除されてしまい、ドキも立ち上がるのでやっとのようだ。

 

『ふふふ……君達の命は奪わないであげるよ。そろそろ特別ゲストも来る頃だしね?』

 

「なん……だと………」

 

  倒れる乙音に、ゆっくりと歩み寄ってくる音成。身体を動かしてなんとか逃げようとするが、起き上がることもままならない。

  乙音の髪を、音成が掴もうとしたその時ーー

 

【仮面ライダー……デス、ボォォォイス!!】

 

『テメェ!』

 

『ははっ! やっぱり来たか!』

 

  ーー壁を破壊し、数多のディソナンスの残骸を踏み越えて現れたのはボイスだった。乙音の髪を掴もうとしていた音成の手を掴み、そのまま彼を投げ飛ばす。しかし音成は体勢を立て直し、あっさりと着地する。

 

『………くそ、あー、大丈夫か?』

 

「ボイス、ちゃん……? ………心配、してたんだよ?」

 

『……悪かったな。ほら、立てるか?』

 

  ボイスの手を取り、立ち上がる乙音。ゼブラとドキも互いを支えあい、立ち上がっている。

 

『……っ、ドキ………!』

 

「ボイスちゃん、彼は……」

 

『そうさ、ボイスくん。今現在、この要塞内には君が憎むディソナンスの幹部級がほぼ全て揃っている。ドキにキキカイ、バラクだっている』

 

『なに……?』

 

  音成の言葉に、ボイスの動きが止まる。その様子を心配そうに見る乙音だったが、音成の言葉は更に畳み掛けてくる。

 

『君が憎いのは僕なのかな? ディソナンス? それとも両方? 君はいいのかい? ディソナンスの力を借りるのは』

 

『そんなの……っ!』

 

『そこのゼブラくんだってそうじゃないか。ディソナンスは気まぐれだ! 僕が言うんだから間違いない。また人類の敵に、いま味方に回っているようになるかもしれないよ?』

 

「そんなこと……っ! ボイスちゃん、気を確かに持って!」

 

『わかってる……! お前達は動力部を探してくれ。あいつは俺が叩きのめす!』

 

『今の君に……出来るかな?』

 

  ボイスがディスパーに向けて銃撃を放って牽制する。しかしあの基地での戦いのように、ボイスの攻撃にディスパーは怯まない。

 

『ふふふ……ははははは………』

 

『早く行け』

 

「……わかった!」

 

『すまない、任せた』

 

「ボイスさん……また会いましょう! 必ず!」

 

  その場から離れていく乙音達。乙音はボイスの背中を一瞬だけ振り返り見つめるが、すぐに走り去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……凄い破壊跡だな。これは、真司だけではない……か?」

 

  要塞下層へと降りた刀奈が目にしたものは、数多のディソナンスの残骸に、あちこち穴の開いた壁と床。床からは、何故か最下層のはずでないのに、地面が見える。

 

「何をやっているんだあいつは……」

 

  穴に落ちないよう慎重に進む刀奈の耳に、硬い何かを叩き壊すような音が響く。その音はどんどん大きくなり、刀奈の方へと迫って来ているようだった。

 

「………はあっ!」

 

『rider God braid!!!』

 

  必殺技を発動し、一閃。切断された壁の向こうにいたのは、空中でパンチの体勢になっていた真司とバラクに、不意打ちで大ダメージを負って転がるエンヴィーの姿だった。

 

「なっ!?」

 

『うわちょちょ!』

 

「…何をしている真司……って、バラク!?」

 

「いや、こいつは味方だ。今はな」

 

『そういうことだから、まあよろしくな』

 

  パンチが不発に終わり、床に転がる真司を呆れたように眺める刀奈だったが、そこにバラクもいることに驚く。しかし真司の言葉にキキカイのことを思い出したのか、妙に納得したようだ。

 

「そうか……私達もキキカイの助けでここまできた」

 

「キキカイが!? ……そうか」

 

『そういやこいつと会う前に……あー、ボイス、だったか? あいつっぽい姿を見つけたが、もしかしてライダー全員ここにいんのか?』

 

  真司と刀奈は顔を見合わせると、それぞれ拳と刀を構える。ボイスもこの場にいるというのなら、彼女も連れ帰って行くまでのこと。

  そのためには、まず目の前にいるディソナンスを倒すのが先決だ。

 

『おのれ! このエンヴィーを無視して話をーー』

 

「やれやれ、お前と一緒に戦うのは久しぶりだが……コンビネーションを忘れたとは言わさないぞ?」

 

「ふん、俺が忘れる訳ないだろう」

 

『え? なに、お前らそういう関係?』

 

  エンヴィーが高速移動に加え、複数の彼による包囲を受けても、刀装達の余裕が崩れることは無い。むしろ、会えた嬉しさがあるのか、いつもよりも会話は弾んでいるようだ。

 

『私を……苛つかせるなぁーー!』

 

『rider God braid!!!』

 

『rider devil fang!!!』

 

  全方位を取り囲まれての高速の斬撃を、刀奈が必殺技を発動して全てを光速で防ぎ、バラクが破壊のエネルギーで一纏めにする。そして集められたエンヴィー達を、真司が必殺技の一撃で破壊する。

 

「さて、そうなるとどうするか」

 

「乙音くん達も動力部を目指すはずだし、まずはそこに向かうか」

 

『ま、そうするのが一番だな。さて、どこかねえ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、乙音ちゃん達はっと………!」

 

  刀奈と別れた桜は要塞内で数多のディソナンスを相手に乙音達を探していたが、流石に相手の数が多く、1人では限界が近づいていた。

  そんな時、桜が見つけたのは要塞の壁に開いた穴だった。

  要塞は中からも外からも様子が伺える構造になっている。ならばの桜は飛行能力を活かし、外から要塞内を伺う事にした。

 

「うわ、随分ボロボロ……こりゃ今にも落ちそう」

 

  外へと出た桜が目撃したのは、穴だらけとなり、あちこちから爆煙を上げる要塞の姿。だが飛行戦艦が突き刺さっているというのに、未だに水平を保って浮いている。

 

「やっぱ動力部を潰さなきゃ駄目ね……刀奈達がなんとかしてくれることを願うしかないか」

 

  下を見れば、未だに爆発音と光が微かに伺える。どうやら、ディソナンスに対しての抵抗勢力はまだ健在のようで、眼下に広がる街のあちこちで光や爆煙が見える。

 

「でも急がなきゃヤバいわね……ん、あれは」

 

  そこで桜は、要塞上部で、走るディソナンス達の姿を見つける。視線をその先に向ければ、そこにはドキに抱えられ、逃げる乙音達の姿があった。

 

「うそ……早く助けないと!」

 

  桜はファイヤーストームブレイカーを先に突入させて壁を破壊すると、転がるように突入。そのままもう一基のファイヤーストームブレイカーで追ってきていたディソナンス達を全滅させる。

 

「あ、桜さん!」

 

「はあ……ドキ、あんた、味方?」

 

『……ああ、少なくとも、俺はあの人間がいる限り、お前達の敵にはならない』

 

「はー……まーた。味方が増えたのね、なら歓迎」

 

  そう言うと、桜は乙音達の前に出る。どうやら、彼女達を戦艦へと案内するようだ。

 

「さっき全体を見て場所は把握してる。今は一旦、戦艦に戻って……」

 

『おや、どうしたのかな?』

 

「「「!?」」」

 

  だが、彼女達の前に音成が現れる。彼の装甲には傷が付いているが、その動きからは疲れは見受けられない。

 

「……っ、ボイスちゃんは!?」

 

『ん? さて、どうなったのかな………』

 

「なっ…………お前ぇぇぇっ!!」

 

  激昂した乙音はソングに変身して挑みかかるが、その拳はあっさりと受け止められてしまう。

 

『軽い拳だ……とても薄っぺらい………』

 

「なにを……!」

 

『全ての準備は整った……カーテンコールの舞台裏に、君達を招待しよう!』

 

  音成が乙音の右腕をへし折り、更に腹に膝蹴りを加えて吹き飛ばす。それでも気力で変身を解除することだけはしない乙音だったが、ゼブラは彼女がいまどれほどの痛みを負っているか、痛いほどにわかっていた。

 

「乙音お姉ちゃんっ!」

 

「……私の仲間になにしてくれてんのあんた」

 

『おや、そんな怖い顔で見ないでくれよ………』

 

  桜が一歩を踏み出した瞬間、その足元がガコン、と音を立てて変形する。その瞬間、この空中要塞自体が組み替わってゆく。

 

「え、ちょ、なに!?」

 

『天城音成……貴様!!』

 

『さあ……ついに目覚めの時だ!』

 

 

『ふは、はは……ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!』

 

 

  終焉の調べが、悪魔の目覚めの歌が、今奏でられようとしていた………

 

 





次回予告

音成の目的が判明!?

『知りたかっただけさ……僕はね』

ボイス死す!?

『ぐっ……あ、が……』

そしてーー

『ついに閉幕だ……!』

目覚めるのはーー?

【パーフェクトチューン!】

【デス エンド ソング!!】

【ディスパー!!!】


「あ……あ?」

「乙音ぇぇぇっ!!」

次回
『絶望のオープニング』
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