多分超不定期更新になると思いますが、やりたい事を全部やりたいと思ってます。
まあ、現段階だとなにもお話を考えてないんですけどね。でもなんとか完結させたいです。
ちなみに、今後劇中で登場する予定の歌は全部オリジナルの歌詞です。
最終話投稿前に、かなり改訂して読みやすくしました。
My song My soul
…かつて、1人の男がいた。
男の名は、天城音成。人が誰しも持つ命の波動…心の力であるエネルギー、『ハートウェーブ』を発見し、世界を揺るがした男だ。
当然、彼は名声を得た、富を得た、人心を得た。しかし、彼の頭脳にも予測できない事があった。
ハートウェーブそのものとも言える、しかし歪んだ存在である怪物『ディソナンス』の出現である。
ハートウェーブから生まれ、ハートウェーブを、人の心を食い物とするこの怪物を危険視した天城は、怪物への対抗手段を生み出す事に成功した。
それが、禁断の扉のカギであることを知らずに。
「…新たな適合者は、まだ見つからんのかね?」
「現在調査中ですが、1人、適合者と思わしき少女がいます。」
「ほう…その少女の名は?」
「はい…その名はーー」
ピピピピピッ!と喧しい電子音が部屋中に響き渡る。
目覚まし時計の音によって目覚めた少女は、時計を見て、一言。
「よし!今日も6時に起床!眠気も…無し!」
毎朝の習慣を終えた少女は手早く運動着に着替え、日課である朝食前のランニングに出かける。
少女の名は木村乙音。現在16歳で今年の四月に高校に入学したばかりの快活な少女である。
高校生となり両親の教育方針で一人暮らしをする事となった彼女だったが、元々要領がよかったこともあって五月現在、すでに一人暮らしには慣れていた。
一人暮らしに使う部屋としては大きめのマンションの自室を出た彼女は、きちんと鍵を閉めたことを確認してからウォークマンの電源を入れ、朝のランニングへと出かける。
流れる曲はミライプロ所属、実力派の人気アイドル『心 刀奈』の新曲『Destiny change』。一週間前に発売されたばかりの曲だが、変わりゆく運命の中で戦う者を鼓舞するような歌詞と、その歌詞にぴったりと合った力強い刀奈の歌声が乙音の心に響き、すでに彼女は何十回もこの曲を聴いていた。
お気に入りの曲のリズムに乗りながら、すでに走り慣れた近所の公園のランニングコースを走る乙音。そんないつもと変わらない朝に変化が訪れる。
「…お?」
乙音の視線の先にうずくまる小学生ぐらいの少女が1人いた。何かを探しているようなその少女を、誰も気にかけてはいない。
しかし、乙音は迷わず少女の元へと駆け寄り「大丈夫?何かあったの?」と優しく声をかける。
彼女の最大の長所であり魅力でもある、彼女の持つ優しさ故の行動である。
うずくまっていた少女は乙音の声に顔を上げると、母親がくれたお気に入りのおもちゃを失くしてしまったと、今にも泣き出しそうな声で話す。
無論、そんな少女を見捨てる乙音ではない。少女を安心させるように柔らかい笑みを浮かべると、少女から失くしたおもちゃの特徴を聞いて一緒に探し始める。
しかし少女と乙音が一緒に10分ほど探しても、おもちゃは見つからない。少女が諦めようしたその時、乙音が言う。
「諦めちゃダメ!お母さんがくれた大切なものなんでしょ?なら、絶対に見つけないと!」
それでも乙音にこれ以上迷惑をかけるわけにはいかないと話す少女に、乙音は笑顔で一言。
「大丈夫!私がやりたくてやってるんだもの!さっ、今度はあっちを探してみよう!」
その乙音の言葉に、泣きそうになりがらも頷く少女。そんな彼女たちの様子を見ていた周囲の人々も、徐々におもちゃの捜索に参加する。
そして探し始めてから20分後、ようやく少女のおもちゃを見つけた乙音は少女におもちゃを手渡すと、「もう失くしちゃいけないよ?」と忠告してランニングに戻ろうとする。
しかしーーこの朝に訪れた変化は、これだけではなかった。
突如、平和な空気に似合わない爆発音が響く。
その場にいた人々が一斉に爆破音の方を向く中、音のした方向から現れたのは……これまでテレビの中でしか見たことのないような、真っ黒な体の、異形の怪物。
「……!?なに…あれ」
あまりに異様な光景に乙音が思わず疑問をつぶやくが、怪物はその疑問に応えず、おもむろに手に持った剣を振り上げると、近くにいた人々を斬りつける。
思わず目をそらしてしまう乙音。しかし、怪物が斬りつけた人々からは、血ではなく黒いエネルギーのようなものが吹き出し、それを怪物が取り込んでゆく。そよ様相を見て、呆けていた人々はやっと状況を理解したのか、悲鳴をあげて逃げ始めた。
乙音が突然の状況についていけず混乱する中、通報によって駆けつけた警官隊が怪物に向かってすぐさま発砲する。
しかし怪物は銃撃を意に介さない。警官隊に向かって怪物が手を振ると衝撃波が発生し、警官隊も乙音達も吹き飛ばされる。
思わず、おもちゃを捜していた少女をかばう乙音。衝撃で少女は気絶してしまっていたが、外傷は少ない事に乙音はほっとする。
だが、怪物はひと息つく間もなく変化を見せる。怪物の真っ黒な体から光が放たれ、その次の瞬間には、怪物は新たな姿となっていた。
これまでの黒一色の体とは異なり、怪物は緑色と黒色が混じり合ったような体色を待つ、バッタと人を融合させたような外見へと変化していた。
その姿に恐れをなし、乙音も少女を抱えて逃げようとするが、衝撃波で吹き飛ばされた時の打ち所が悪かったのか、うまく走ることができない。
そんな乙音の様子に気づかない怪物ではない。乙音に目をつけた怪物は、彼女に向かって飛びかかった。
(…………!)
ここで、自分の短い人生も終わりか…。
そう思いながらも、少女だけは守ろうとする乙音。しかしその時、一発の弾丸が怪物を吹き飛ばす。
弾丸が飛んできた方向を乙音が見ると、なにやらメガホンのような形状の銃を構えた、黒いスーツにサングラス、そして黒髪の短髪という外見の女性がベルトのようなものを手にとり、こちらへと歩み寄ってきていた。
助けられた礼を乙音が言おうとすると、女性は乙音の発言を制す
る。
ーーそして次の一言が、乙音の運命を変える言葉となった。
「…あなた、あの怪物と戦うための力が欲しい?」
「戦うための…力?」
「欲しいのなら、これを…レコードライバーを腰に当てなさい」
女性の言葉に戸惑う乙音。しかし、女性のこちらを射抜くような真剣な眼差しに、乙音は思わず女性の言葉に頷いていた。女性の言う通りにレコードライバーというらしい機械を腰に当てると、自動でベルトが展開され、乙音の細く女性らしい腰に巻きつく。
乙音がそれに驚いていると、女性が小型のディスクのようなものを渡してきた。
「それを腰のレコードライバーに入れて、青いボタンを押せば入れる所が開くから」
乙音がレコードライバーの左側にある青いボタンを押すと、ベルトの中心部が開く。そこには小型のディスクがちょうど入りそうだった。
そこにディスクをはめ込み、蓋を閉じると……
『change the Record!』
という声がベルトから響くとともに、レコードライバー内のディスクが風車のように回転を始め、まるで歌のイントロのような音が流れる。
戸惑う乙音に、女性は赤いボタンを押せと言う。
その言葉に従い、赤いボタンを押す乙音。気がつけば、怪物はこちらへ向かって走り出している。
こちらへと走ってくる怪物の姿に覚悟を決める乙音。その時、レコードライバー内のディスクの回転がより激しいものとなり…。
『My song My soul!』
乙音の頭上にディスク型の光が現れ、乙音の体を通過してゆく。
そして、光が足元まで届いた時……乙音は、自分の体が変化した事に気付いた。
「……なんか、不思議な気分………って、うわっ!?」
飛びかかってきた怪物に、乙音ら反射的にパンチを繰り出す。すると怪物がかなりの勢いで吹き飛んでゆくので、乙音は目を剥いて驚いた。
「これは…この力は!?」
力に戸惑う乙音に、黒スーツの女性が告げる。
「あなたが今手にしたのは、仮面ライダーの力…。あの怪物……『ディソナンス』と同じくハートウェーブを力の源として戦う、未来を守るための戦士としての力よ」
「え………ええっ!?」
かくして、少女は………乙音は戦うための力を手に入れた。
この先に、どんな運命が待ち受けているかも知らずに…。
というわけで、次回、初戦闘に初歌です。歌の歌詞を考えなきゃ…。
あ、レコードライバーと、ディスク……ライダーズレコードに関しては、次回で説明します。解説も書きます。多分。