果たしてあの口調上手く描けれているのだろうか……。
そして、私は気づいた。
次なる刺客が現れたことに――。
一誠の初契約を終えて数日、ラウルはのんびりと学園生活を過ごしていた。
朝、普通に登校し、放課後になると部活。
少し遅めのティータイムを楽しんでリアスとチェスを打ち、夜の帳が下りた頃に下校する。
週一程度は腰を掛けている剣道部にて佑斗と一緒に打ち合うが、リアスたちと出会う前の生活と変わりなかった。
変わったことがあったと言えば、二点。
一つ目は同居人が賞金を見せびらかしてきたことだ。
帰宅した際に理由を尋ねると、賞金稼ぎ紛いのことをしてきたと告げた。
買い物途中に襲われて返り討ちにしたそうだ。
使い魔が付いていたからと言っても、ラウルの心情としては大人しくしてもらいたいところであった。
二つ目は再び契約に行った一誠が、ミルたんなる漢女に出会い救援を求めてきたこと。
しかしながら、ラウルは手を貸すことを禁じられていたため、止む追えず手を払うことになった。
前回の契約でやり過ぎたのだ。
最高評価を付けられたものの、もはやラウルの契約と言ってもおかしくはなかった内容に、リアスが頭を捻ったのだ。
リアスに部長権限で命令されたこともあり、ラウルは一誠に手を貸すこともできないでいたのだ。
そして、今日――。
「二度と教会に近づいちゃダメよ」
いつもの定例会議にて、一誠が不用意に教会へ近づいたとして叱られていた。
異郷に赴任してきた為に、言葉の通じないシスターを教会まで送り届けたのが原因だ。
リアスが下僕を心配して叱るが、危機感の薄い一誠では、何故怒られているのか理解できていない。
その様子を小猫を膝に乗せたラウルが、ティーカップを傾けながら優雅に眺めていた。
「こちらに来てみろ、イッセー」
リアスとの会話では本質的に理解できない、と感じたラウルは、一誠を手招きする。
小猫を膝から降ろし、虚空で手を掻いて一振りの得物を取り出す。
それはいつぞやの聖剣擬きの魔剣。
ラウルが魔力を込めると、刀身から光を放ち呼応する。
「ちょっと何をしてっ!?」
「……眩しいです。さっさと収めてください」
魔剣より発せられる光を目の当たりにして、皆が顔を顰める。
最も被害を受ける小猫は、白い目をして拳を振るった。
「少し我慢してくれ小猫」
横腹を抑えることになったラウルは涙目で訴える。
一誠に光の恐ろしさを理解させるために、少々我慢してもらいたいと。
しばらく光の魔剣を見せつけていたラウルは、魔力の供給を止め魔剣を虚空にしまった。
「今の光を見てどう感じた?」
「……全身に鳥肌が立つような感じ……かな?」
一誠の反応は当然のこと。
悪魔にとって、仇敵の振るう光は猛毒でもある。
ラウルはその危険性を語る。
「光と言うのは悪魔にとって毒と同義だ。一太刀浴びれば、無に還ると思っておけ」
「無?」
聞き慣れないであろう現象に一誠が小首を傾げる。
「何もなく、何も感じず、何もできない。イッセーに例えると、乳房を見ても何も感じなくなる状態だ」
「マジか……」
「……変態」
幼馴染のラウルは一言で理解させる。
用いた言葉が、卑猥だったために小猫に白い目を向けられたが。
「先程の感覚を忘れるなよ。近くに仇敵がいることを本能が感じ取っているのだからな」
この言葉が、近いうちに役立つことになるとは、露程にも思っていないラウルであった。
* * *
「ん?」
紅茶に口を付けていたラウルは、カップを傾ける手を止めた。
近辺で結界が張られたことにいち早く気付き、状況を整理する。
張られた結界は堕天使式の術式。
なれば、下手人は最近動きを活発化させているグレゴリの可能性が高い。
そして、結界が張られている場所には――――。
導き出された結果に、ラウルは眉を顰めた。
「部長……イッセーがはぐれ悪魔祓いに襲われているぞ」
ティーカップを静かに受け皿へと置くと、ゆっくりと口を開いたのだった。
「っ!? なに、悠長にしているのよ!!」
ラウルが告げると、リアスは愕然とした表情を見せた。
彼女にとっては下僕と言えども家族同然。
家族とも言える存在が危機にあると知れば混乱しても仕方ないだろう。
現に瞳を揺らして動揺を顕わにしていた。
一方、世間話をするかの如く悠然と語ったラウルは、ゆったりと寛いだままだった。
そんな落ち着き払ったラウルに、リアスの動揺が形を変え矛先を向ける。
「焦って、私一人勇み足になっても仕方あるまい」
「だからと言って、悠長にしていい訳じゃないでしょうが!!」
急かされたラウルは立ち上がって身嗜みを整える。
スカートの皺を直して、手櫛で銀髪を梳き、胸元のリボンを固く結ぶ。
そして、虚空より取り出すのは片割れの仮面。
中世の時代に流行した白面のそれを左半面に身に付ける。
身嗜みが整うと、息巻くリアスに視線を向けた。
「私が先に転移して場の安全を確保する。座標を送るから、後続は任せたぞ」
「待ちなさい!」
魔法陣を描き、先行することを告げる。
呼び止めるリアスを置き去りにして、ラウルは光の残滓へと姿を消したのだった。
* * *
「キャッ!?」
逆十字に打ち付けられた男性。
灯火によって、照らされる遺体からは鮮血が滴る。
壁を彩る血流は、床を濡らし紅に染め上げていた。
血に染まった凄惨な一室で宙に浮いた少女の悲鳴が響き渡る。
「婦女子に手を上げるとは、見下げた神父だな」
「ら、ラウル……」
修道服の少女を後ろから抱える麗人。
魔方陣より出でた彼は、か弱き少女に手を上げる神父を目の当たりにして、目にも止まらぬ速さで場を乱した。
少女の脇に片腕を差し込み抱え上げると、半身を捻り拳を振り上げた神父に撃蹴を見舞う。
壁を突き破る神父から距離を取り、一誠の下に舞い降りた。
「イッセー、彼女のことを頼むぞ」
「お、おう! あの神父、音の出ない銃を持ってるから気を付けろよな!」
片手で抱えていた少女を一誠に渡す。
アーシアを受け取った一誠が、神父と対峙するラウルに注意を促した。
「こぉんのっ!! クソアマ!! いきなり出てきたと思ったら、俺様を蹴飛ばしやがって!! ふざけんな!! 糞!!」
突き破った内壁から出でるは、白髪の少年神父。
右手で構えるのは光の刀身を持つ祓の剣。
聖なる力を以って、魔なる者を焼き尽くす。
左手に握るのは白銀の短銃。
無音で放たれる特性の祓魔弾は、血肉を裂き内から仇敵を蝕む。
祓魔礼装を纏った姿は、悪魔祓いそのままであった。
悪魔祓いの少年神父は、ラウルに蹴り飛ばされたことで、怒りを顕わにして捲くし立てる。
しかし、その憤怒に染まった形相が、ラウルの風貌を目にした途端、崩れ去った。
「へぇ~、なかなかいい面してんじゃんかよ!! いいぜ、今ならそこの悪魔の首をちょんぱした後、ベットの上でアンアン喘ぐだけで許してやんよ!」
「なに言ってんだ、このクソ神父! ラウルをそんな目で見てんじゃねえよ!!」
「うっせぇ!! 悪魔くんはその汚らわしい口を閉じてろよ!! 俺はこのカッコイイ姉ちゃんと交渉中なの。成功したらアーシアちゃんも一緒にベッドイン! 悪魔くんには鉛玉をヘッドイン!」
聞き捨てならない神父の言い草に、一誠は喰って掛かる。
喰って掛かる一誠だったが、神父の勢いはとどまることを知らない。
それどころか、神父の魔の手はアーシアへ伸びる。
怒りを注がれた一誠は、更に顔を赤くし拳を握った。
その不毛な二人の会話を無視して、ラウルは踏み込んだ。
「生憎、私にはそちらの気はないのでな。折角のお誘いだが、断らしてもらおう」
「ガッ!?」
麗人は暗闇に姿を消し、生れた間隙にて掌底を打ち込む。
打撃は剣構える右手に響き、持ち手を鈍らせる。
緩んだ神父の手に手指を絡ませ、握られていた柄を抜き取る。
抜き取ったまま、逆手にて光剣を奔らせる。
剣先奔らせるは心の臓。
本能で危地を悟った神父は後方に身体を逃がすが、血肉を求める刃はそれを許さない。
閃く刃は腹部から肩口まで易々と切り裂いた。
激痛に声を滲ませる神父に、ラウルは容赦ない追撃を加える。
無駄を感じさせない華美な動きで身を翻す。
衣服の裾が花弁の如く花開き、初雪の大股が姿を見せる。
されど、そこに宿るは必殺の一撃。
身体全体の撓りを以って放たれた白き凄槍は、神父の傷口を穿つ。
穿つ靴裏に魔法陣が浮かぶと神父の身体が弾かれ、激しい崩落音とともに再び壁へ姿を消した。
「達者なのは口だけであったか……これだから最近の悪魔祓いは」
瓦礫に埋まった神父が起き上がらないことを確認すると、踵を返し一誠たちの下へ向かう。
神父の使用していた光剣を懐にしまい、連絡を待ち侘びているであろう彼女達に信号を送った。
数秒後、床に魔法陣が輝くと複数の人影が転移してきた。
「兵藤くん、助けにきたよ」
いち早く姿を現すのは、騎士である佑斗。
辺りを見渡し魔剣を油断なく構える。
「あらあら、すでに終わってしまったみたいですね」
「……事後」
後から現れた彼女たちは、ラウルが構えを解いていることから、安全と判断する。
最後に出てきた主のリアスは一誠がシスターを庇っている様子を見て顔を曇らせた。
「重役出勤ご苦労様。神父が、一人いたが片づけておいたぞ」
魔法陣から出てきた中でただ一人、顔を曇らせていたリアスに報を入れる。
「……ラウル。あなたには部室に戻り次第、お仕置きを受けてもらうわよ」
リアスは独断専行の過ぎるラウルにも、腹を立てている様子であった。
「謹んでお断りしよう。虐げられて喜ぶような趣味は持ち合わせていないのでな」
「勝手な行動をした罰よ、甘んじて受けなさい」
断固として譲らないリアスに肩を竦める。
彼女の碧玉は紅く染まり、不変の意志を貫いていたのだった。
「イッセー、ごめんなさいね。まさか、この依頼主の下に、はぐれ悪魔祓いが訪れていただなんて計算外だったの」
ラウルと話し終えたリアスは一誠の下へ向かう。
一誠の前に立った彼女は愛しむようにやんわりと抱きしめる。
その声音はラウルと話していた時から一転、眷愛溢れるものであった。
「……イッセー、ケガをしたの?」
「すいません……そ、その、撃たれちゃいまして……」
リアスは一誠の右脚にできた怪我を指でなぞらえる。
慈愛の満ちた表情で、痛ましい傷跡を撫ぜるのだった。
「あ、あの!」
「何の用かしら、シスターさん? 妙な真似をするようなら消し飛ばすわよ」
「ひっ!?」
リアスの胸刺す怒気に当てられアーシアは悲鳴を漏らす。
一誠を傷つけた神父が始末された以上、リアスのやり場のない怒りがアーシアに向くのは必然だった。
「そこのシスターは訳ありのようだ。少なくとも、敵ではあるまい」
ラウルは彼女の肩に手を置き、いきり立つリアスの宥める。
「そうッスよ! アーシアはそんな子じゃないですよ」
「イッセーさん……」
胸の谷間に挟まれながらも、アーシアの無実を訴える一誠。
その姿にアーシアは涙を浮かべた。
「……そういうことね。アーシアさんと言ったかしら? あなたがイッセーが教会まで送ってあげたシスターさんね」
「は、はい」
リアスは一度強く抱きしめると一誠を開放した。
そして、向き合うは敵であるはずのシスター。
改めて確認を取るように彼女へ話しかけたのだった。
「先程はごめんなさいね。消し飛ばさない怖がらなくて大丈夫よ」
「……分かりました」
柔和な笑みを浮かべるリアスに、アーシアは安堵の息を漏らした。
「私にイッセーさんを治療させて頂けませんか?」
「治療?」
「はい。回復系の神器を授かっているのですが、ダメでしょうか?」
またとないシスターの申し出にリアスは逡巡する。
苦痛を取り除く際の生じるリスク。
下手な判断を下せば、彼女にとって愛おしい下僕が不義の行為にあってしまうかもしれない。
判断を下し切れずに悩む彼女の背中をラウルは軽く押した。
「やらしてみればどうだ? 責任は私が取ろう」
「……いいわ。やってみなさい」
「ありがとうございます!」
「シスターの持つ回復系の神器。これにて悪魔を治癒させるとは、また一興だな」
これから起こるであろう、珍事を思い浮かべてラウルは不敵に笑った。
現状を楽しむラウルを背後から白い目で見つめる者がいたことにも気付かずに
「ズボンを上げてもらっていいですか?」
「ああ」
一誠がズボンを捲し上げると、神父の祓魔弾に穿たれた傷痕が顕わになる。
その傷跡を真剣な表情で診察するアーシアは、おもむろに手を翳した。
翳した手指に現れたのは、一対の指輪。
翠色の宝石より発せられる光は向けられる者に癒しの力を与える。
光が一誠の右脚を包むと、彼の顔は目に見えてよくなっていた。
「うそっ! 悪魔であるイッセーの傷が治っている」
「あのシスターが堕天使と居る時点で、ある程度予想はできていたはずだ」
分け隔てなく他者を癒す力。
彼女の力に貴賤はなく、敵対してなくてはいけない悪魔をも易々と直してみせた。
これは本来、教会に属していないとならない彼女が、このようなところにいることからも予想できたと、ラウルは言う。
「これでいかがでしょうか?」
「おっ。おおっ。すげぇ! すげぇよ、アーシア。違和感も痛みもなくなったよ」
「よかったです」
元気になった一誠を見て、心優しきシスターは涙を浮かべていた。
「『
「システム? なんのことかしら?」
「こちらの専門用語だ。気にするようなものではないぞ」
「……そう」
ぽつりとラウルの口から独り言が漏れる。
漏れた独り言をリアスは追及するも、ラウルは詮無きことと切り捨てる。
納得がいかなかったリアスは、胡散臭いものを見るような目をしていた。
「なあ、アーシア。アーシアはなんであいつらのところにいるんだ?」
「……それは」
――――――それは聖女と祭られた少女の末路。
――少女は生まれてすぐに両親に捨てられた。
――拾われたのは教会の孤児院
――――そして、信仰深く育った少女に一度目の転機が訪れる。
――負傷した子犬を不思議な力で治療したのがきっかけであった。
――――少女は治癒の力を宿した聖女として担ぎ出される。
――訪れる信者を次々と治癒を施す少女。
――――噂は噂を呼び少女は聖女として祭り上げられることに。
――言われるがままに、神から授かった力を振るう日々。
――少女は自らの力が役立つことを嬉しく思った。
――――しかし、人は欲を欠かない生き物。
――聖女とてそれは例外ではなかった。
――――故に寂しさを感じて欲すことになる。
――――――心を許せる友人が一人でもほしいと。
――聖女に祭り上げられた彼女は小さな願いを抱いた。
――――願いを抱いた矢先、少女に二度目の転機が訪れることになる。
――心優しき少女は悪魔を治療してしまったのだ。
――その光景を目の当たりにした教会関係者が内通する。
――――神の加護を持たない悪魔を、堕天使を治療できるのだと。
――波紋は波紋を呼び、教会内部は荒れた。
――荒れた教会内部で司教たちは処遇を決めた。
――――教会は少女を異端者とする。
――――聖女ではなく、魔女の烙印を押して。
――追放された少女は堕天使へと身を寄せることになったのだった。
「これも主の試練なのです。私が全然ダメなシスターなので、こうやって修行を与えて下さっているんです。いまは我慢の時なんです」
涙ながらに語ったアーシアは現状は試練によるものだと締めくくった。
「そんなことねえよ。アーシアはいまでも立派なシスターだと思うぜ」
「でも、わたし……」
一誠はアーシアの頭に手を乗せ優しく撫でる。
「それに我慢しているってことは、堕天使のところにいるのが嫌なんだろ?」
「……嫌です。私、あの教会には戻りたくありません。人を殺すところへ戻りたくありません……」
彼らの会話を聞いていたラウルは頬を掻いた。
ここ最近、彼が手に掛けたのは堕天使側の二人。
一人は目の前で潰したのだが、どう思っているのだろうと、居た堪れない気持ちになっていた。
「アーシアさえよければ、俺達のところに――」
一誠が手を差し伸べた時、辺りを新たなる結界が覆った。
結界の術式は堕天使式。
強度からこれは堕天使手ずから張った結界だと推測した。
「!? 部長、この家に堕天使らしき者たちが複数近づいていますわ。このままでは、こちらが不利になります」
裏付けるように朱乃が堕天使の気配を察知する。
「……朱乃、堕天使が姿を現す前に、本拠地に帰還するわ。ジャンプの用意を」
「はい」
リアスたちは堕天使と接触する前の離脱を図る。
「部長! あの子も一緒に」
「無理よ。彼女は堕天使の下僕。それに魔方陣では悪魔しか移動できないわ。しかも、この魔方陣では私の眷属しかジャンプできないの」
「でも、あの子が……」
転移による脱出がアーシアでは不可能であることをリアスが告げる。
告げられてなお、一誠は食い下がろうとしていた。
彼女たちの会話を聞いて、ラウルは苦笑いを浮かべた。
「仕方がない、私が預かろう。アーシアと言ったか? 貴方もいいな?」
「……はい」
ラウルが肩に手を置くと、アーシアの身体が強張る。
目の前で彼女が嫌がることをしたのだ、好かれるはずもない。
彼女の反応を寂しく思ったラウルだったが、目を細めるに留めた。
「待ちなさい! なに勝手なことを――」
「問題ない。堕天使とトラブルが起これば、こちらで処理しよう」
胸を張ってラウルは言い切る。
一介の魔術師であっても、この程度の問題なら後腐れなく処理できると。
「……分かったわ。好きになさい」
「恩に着る」
ただし無茶をするなと視線で釘を差されたが。
案ずるなとラウルは片眼を閉じて返した。
「ラウル、信じてるからな! アーシアのこと、頼んだぞ!」
「任された。小一時間で戻るから大人しくしていろよ」
転送用の魔方陣に消えゆく中、一誠は声を上げる。
アーシアを悪いようにするなと。
ラウルも無事に戻って来いと。
心配性な幼馴染をラウルは笑顔で送った。
「さて、アーシア。暫くは私のところで預かることになるがいいな?」
「はい。お世話になります」
花開く可憐な笑顔を浮かべるアーシア。
無性に守りたくなる彼女にラウルは知らず知らずの内の手を伸ばす。
しかし、その手が届くことがなかった。
「それは叶わない願いよ」
舞い落ちる黒き矢羽根。
無慈悲な声が天より二人を切り裂く。
「勝手なことをされては困るわね、アーシア」
「――っ!? レイナーレさま……」
結界を抜けて現れる堕天使。
それは一誠を殺した少女――――――天野夕麻であった。
以上、フリード君の登場回でした。
改めて見直すと色々酷い。
フリード君のセリフが三つ(擬音なしで)。
後半、アーシアさんにがっぽり持っていかれてしまっている。
なにこれ、アーシアさん登場回に改名した方がいいような……。
私が書く敵役の男たちはどうしてこんな不遇に……。
このままいくとライザー君やコカビエル君(?)が――――!?
何としても、男らしい散りざまを書いた上げたいです。
舞台の用意を念入りに行うことにしましょう。
成り行きでネタバレ(?)してすいません。
もしかしてこの程度ならいいのでしょうか?
原作を知っている方は覚えていらっしゃると思われるエピソードですし。
ともあれ、次回は堕天使登場!
遂に真打が!?