ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS

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聖剣作り その3

 

 

 前回の鉄腕/fateでは聖剣を作るべく、鉱石掘りが始まり、鉱石をひたすら掘りまくる事になったカタッシュ隊員達。

 

 必要な鉱石は合計6種。これを集めて、立派な聖剣を作るわけだが、今回、このコノートにて掘れた鉱石は…?

 

 

「ひーふーみー。3種かぁ…まぁ、でも上出来、上出来」

「メイヴちゃんツルハシの使い方上手くなってきたんちゃう?」

「えへへ♪ ほんとー? クーちゃん?」

 

 

 そう言って、ツルハシをギュッと握りしめて満面の笑みを浮かべ、クーフーリンに擦り寄るメイヴちゃん。

 

 それを見ていたスカサハ師匠はプクーと頬を膨らませると不機嫌そうにメイヴにこう告げる。

 

 

「こら、私の弟子にデレデレするな!!」

「別にデレデレなんてしてないわよー? ねークーちゃん?」

「あ、ここらへんの土ええ感じやね、ディル持って帰らへん?」

「あんたは気づいたらいっつも土触ってんね」

 

 

 女性二人のやり取りをそっちのけで洞窟の入り口付近にある土を触るリーダーに苦笑いを浮かべ告げるディルムッド。

 

 

 ーーー土は農業の必需品。

 

 

 確かに土と言われてみれば、洞窟付近にある土は粒子が細かく、水捌けが良さげな土がある箇所がいくつもあった。

 

 これは持ち帰れば農作にも役立つかもしれない、土の知識EXのベテラン、クーフーリンが言うのだから間違いない。

 

 

「この土は使える」

「そうだな、お前はそういう奴だったよ」

 

 

 そう言って、真顔でこちらを振り返ってくるクーフーリンに向かって呆れた様に告げるスカサハ。

 

 メイヴちゃんもこれには目を丸くしていた。つまり、これは要するにクーフーリンからしてみれば…。

 

 

 超可愛いメイヴちゃんの魅力<水捌けの良い土。

 

 

 という構図が脳内で出来上がっているわけである。これは、数々の英雄を虜にしてきたメイヴもキョトンとするほかなかった。

 

 

「とりあえずこの土持って帰ろ」

「だん吉から袋持ってくるか」

 

 

 そして、土を持って帰る事に話が纏まった。

 

 袋をだん吉から持ってくるディルムッドとクーフーリンの二人、メイヴはこの光景に先ほどのスカサハ同様にプクーと頬を膨らませている。

 

 それを見ていたスカサハは何やら勝ち誇った様にどうだと言わんばかりのドヤ顔を浮かべていた。

 

 どちらにしろ二人共、クーフーリンに相手にされてないのでどっちもどっちである。

 

 

「ちょっと! クーちゃん! 私と土どっちが大切なの!」

「そりゃ土やろ」

「即答!?」

「いや、だってこの土で美味しいトマトとかナスとか採れたりするんやで? なぁ?」

「しげちゃん、多分そういう事じゃないんだと思うよ」

 

 

 確かに美味しい野菜を採る為に良い土は大切ではあるがレディに対してそれはあんまりである。

 

 これには流石にディルムッドも苦笑いを浮かべるしかなかった。スカサハ師匠に関しては笑い声をあげてる始末である。

 

 

 ーーーシゲフーリンには女心がわからない。

 

 

 オカン力A+を持っているにも関わらずこれである。これは結婚できんわなとディルムッドは素直にそう感じた。

 

 さて、そして、これについては逆にメイヴの闘争心に火をつける事になる。

 

 クーフーリンもそうだが、冷静になって考えればディルムッドに関してもあまり自分の扱い方が彼と大差ないとメイヴは感じていた。

 

 YARIO…、今まで落としてきたどんな英雄よりも手強く身持ちが堅い連中である。

 

 アイドルというのは伊達では無いとメイヴは改めて思い知らされた。

 

 

「師匠、ツルハシ使わんで槍を突き刺しながら掘るのって器用すぎやろ、どうやるん? あれ?」

「気合い、根性、直感だ」

「いや、それで掘れるの?」

 

 

 そんなメイヴの思惑も知らず、採掘の際、器用にゲイボルクでサクサク鉱石を掘っていたスカサハに質問を投げかける二人。

 

 採掘にゲイボルクを突き刺しながら地面を掘る器用な芸当をするのはこの二人でもやれる自信は無い。

 

 普通にツルハシを使えば良いのではとは思うところではあるのだが、このスカサハの芸当には二人も驚かされた。

 

 

「見てなさいよ…絶対、私に夢中にさせてやるんだから…」

 

 

 そして、そのやり取りでさらに変な方向へとやる気をあげるメイヴ。

 

 果たして彼らが彼女の虜になる日は来るのだろうか? それは誰にもわからないが少なくとも心配は無さそうである。

 

 その後、鉱石と土を持ち帰る事にしたカタッシュ隊員達だが、メイヴちゃんが彼らについて来る事になったのは言うまでもない。

 

 

 

 さて、その頃、食料を得るべく、カタッシュ村の近くにあるブリテンの森に狩りに出掛けたモーさんとカルナは…?

 

 

「これは…獣道みたいだね」

「なるほど、ここによく動物が通りかかるって事だな」

 

 

 近くの森林にてよく動物達が頻繁に通るであろう、獣道を発見していた。よく目を凝らしてみれば動物のフンや足跡も多く、間違いなく数多くの動物がこの道を利用しているのがわかる。

 

 ここならば、罠を仕掛け、野生の動物を捕獲し食料にする事だって可能だ。となれば、やる事は…。

 

 

「ここに仕掛けようか、括り罠」

 

 

 猪捕縛用の括り罠をこの場所に作り、設置しておく。

 

 野生の動物がいる事は分かった。それが、猪などの動物となれば、自分達がカタッシュ村で作っている農作物に害を与える可能性もあり得る。

 

 手は早めに打っておく事が一番だ。

 

 

「猪かぁ…でも兄ィ危なくない?」

「え? そうかなぁ?」

「そうだぜ? 猪には牙もあるし突進されたりしたらあぶねーだろ?」

「大丈夫、大丈夫、俺達めちゃくちゃデカイ猪倒したことあるから」

 

 

 そう言って、モーさんを安心させるべく笑みを浮かべてサムズアップして応えるカルナ。

 

 

 ーーー猪退治の達人。

 

 

 確かに以前、幻の豚骨スープの素材である魔猪を討伐した経験がカルナにはある。その経験がここでも生きた。

 

 猪の習性ならば、なんとなくだが理解できている。普通の猪ならば、あの魔猪よりもさほど脅威にはならないだろう。

 

 というわけで、猪を狩る罠を獣道に隠すように二人は設置をしはじめた。そして、忘れてはいけないのが…。

 

 

「よし、このカメラを使ってちょっとカタッシュ村から観察してみよう」

「!? なんだそれ! すげー!」

「でしょ? これ作ったんだよADフィンとさ、なかなかの出来栄えでしょ?」

 

 

 手作りで作ってみた映像を撮るためのカメラ。

 

 これには魔術が織り込められており、ライブ中継でこのカメラを通して野生の動物、さらに海の中などの観察が出来る仕様にしてある。

 

 このカメラさえあれば、気づかれず、どんな野生の動物が近辺に生息しているのか? さらに、仕掛けた罠の付近に仕掛けておけば罠に掛かった際、すぐに駆けつける事ができる。

 

 …という訳で。

 

 

「ここにカメラ設置」

「おぉ!! なんかめちゃくちゃドキドキしてきた!」

 

 

 カタッシュ村にある仮拠点である簡易小屋においてある椅子に座り、早速、夜通しでVTRを撮り二人はそこで観察してみる事に。

 

 果たして、仕掛けた罠に猪は無事に引っかかるのだろうか?

 

 目をキラキラさせながら、カメラを見つめるモードレッド。初めての動物観察に彼女も興味津々だ。

 

 それから、翌日、設置してあるカメラを回収しに向かう二人、するとそこには…?

 

 

「ブヒ! ブモォ!」

「あ、居た!」

 

 

 罠に掛かっている猪が居た。

 

 威嚇しながら猪はカルナ達をジッと睨みつけてくる。とりあえずカメラを回収し、この猪をどうにかしなくては…。

 

 と、ここでカルナがカメラ回収について考えているとモードレッドがツカツカと罠に掛かっている猪に向かい歩いていく、そして…。

 

 

「そい!」

「ブモォ!?」

「あ…」

 

 

 サクッと剣を振り下ろして猪の首を切り落としてしまった。

 

 猪はご臨終、首が無くなった胴体はパタリと倒れてしまう。流石は円卓の騎士、剣の扱い方を心得ている。

 

 

「モーさん逞しいねぇ」

「なんか危ないかなって思ってたけど、よくよく考えたら戦とかに比べたら大した事ねぇなって思って」

「いやいや、サックリやり過ぎでしょ」

 

 

 倒れた猪の死体を見ながら満面の笑みでサムズアップするモードレッドにカルナは苦笑いを浮かべる。

 

 ひとまず、猪も倒し、さらにカメラも無事回収した。とりあえず、食料は無事確保できた。後はこれらを持ってカタッシュ村に帰らなければ。

 

 カメラを回収後、すぐにカタッシュ村に帰還する二人、今から帰れば鉱石掘りに出掛けたクーフーリン達もそろそろ帰ってきているはずだ。

 

 

「あ、この野草食べれるやーつ」

「え!? 草とか食べれるのか?」

「天ぷらにして食べたらうまいんだよこれ」

「マジかよ!」

 

 

 その帰り際にも、もちろん食料を持って帰ることを忘れてはいない。

 

 生えている野草から、食料になるものを探しながら二人は猪を持ち帰りつつ、回収していく。

 

 Wood Sorrelというこちら、カタバミの一種で葉を齧るとかなり酸っぱいが魚料理やサラダに酸味のアクセントにもよく使われている。

 

 後はワイルドガーリックやワラビなどの食料を摘み。さらに道中にあるきのこも忘れない。

 

 クローズド・カップ・マッシュルーム、ラージ・フラット・マッシュルーム、ポルタベッリーニなどの食べれるきのこを探し、回収していく。

 

 

 ーーーーきのこは偉大。

 

 

 きのこは偉大な食べ物である、味噌汁や焼いて食べるもよし。

 

 きのこはこの世界を作ったと言っても過言ではない、用途がたくさんあるきのこが偉大なのは当然である。

 

 

「久々にきのこ入りの味噌汁とかお吸い物食べたいねー」

「お吸い物?」

「うん、スープだよスープ、出汁は霊草から取ればいっか」

「うわぁ! なんか楽しみだな!」

「鍋もありだね」

 

 

 採れたての新鮮な野草ときのこ、そして、猪を使った鍋料理。

 

 間違いなく美味しいに違いない、手の込んだ料理とは言わないが大人数で食べるぶんには申し分ないだろう。

 

 そんな新鮮な食料を確保した二人はワイワイと会話を繰り広げながらカタッシュ村の帰路につくのだった。

 

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 きのこ狩りをするアイドルーーーーNEW!!

 

 モーさん猪を倒すーーーーーーーーNEW!!

 

 霊草で出汁を取り鍋料理を作るーーNEW!!

 

 スカサハ師匠、槍で鉱物掘りーーーNEW!!

 

 土の知識が豊富な英雄達ーーーーーNEW!!

 

 カメラをちゃっかり作っているーーNEW!!

 


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