ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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そうめん流すしかない その1

 

 カタッシュ村にて病院作りを行なっているカタッシュ隊員達。

 

 だが、この日、カタッシュ村にある来訪者が…。それは、なんと円卓の騎士の一人であり、アーサー王の参謀と言っても過言ではない人物。

 

 そう、アグラヴェイン卿である。

 

 何故、彼がこの地に訪れたのか、それには理由があった。というのも…。

 

 

「今日は我が王の遣いで来た…。実はそなた達に頼みがあってな」

 

 

 そう言って、語り始めるアグラヴェイン卿に彼らは耳を傾けた。

 

 なんでも、ブリテンにおける食料問題が深刻であり。キャメロットの城下町でもその影響が出て来ているという。

 

 日によっては食事を取れないという世帯もあるとアグラヴェイン卿は彼らに語った。

 

 

「うわー…そんな事になってるんだ」

「どうするよ? かなり深刻そうだけど」

 

 

 ブリテンに住む民衆の食べ物がないというこの事態に、心を痛めるかのように腕を組みながらそう語るディルムッドとカルナ。

 

 こうなっては病院作りをしている場合ではない、早く何かしらの手を打ってあげなくては…。

 

 だが、畑や野菜はまだ収穫できる段階ではなく、麦や穀物もまだ収穫には早い。

 

 そこで、彼らは考えた。どうすれば、キャメロット城の街に食べ物をいち早く送れるようにするのかを。

 

 そして、思いついた方法が…。

 

 

「そうめん流すしかない」

「あ! その手があったか!」

 

 

 そう、デカいそうめん流しをこのカタッシュ村からブリテンの城下町まで繋げる。

 

 これがあれば、そうめんをこの地から流し、食べ物が無いブリテン城下の街までそうめんを届けれる筈だ。

 

 しかし、そんな話をアグラヴェイン卿と話している最中であった。

 

 カタッシュ村の農園で働いていたモードレッドが慌てた様子で彼らの元に駆け寄ってくる。

 

 

「お、おーい! 兄ィ達! なんだか赤い外套着けた物騒な奴が用があるって訪ねて来たぞ!」

「はえ?」

「次から次へと…、今日はなんか来訪者が多いなぁ…」

「赤い服着た人たくさんいるからねこの村」

「赤いのが最近流行りなんやろうかね?」

 

 

 ーーーー赤い稲妻が村を攻める。

 

 

 なんだか赤い稲妻と聞けば、ネロ師匠が際どい格好をする水着を着用している姿が目に浮かんでしまうが、おそらく気のせいだろう。

 

 というわけで、リーダーとカタッシュ隊員達はモードレッドに率いられ、カタッシュ村を訪ねて来たという赤い外套を身に纏う男性の元へ。

 

 

「…うむ、抑止力として送られてきたのはいいが…この村を見る限り、なんの問題も無さそうなんだが…しかし立派な畑だ」

「おーい! 連れてきたぞー!」

「…む、来たか…」

 

 

 赤い外套を身に纏う男はモードレッドが先ほどまで耕していた畑の土を触る為に屈んでいたが、カタッシュ隊員達を連れて来たというモードレッドの言葉に反応しその場から立ち上がる。

 

 褐色の肌に赤い外套、白髪に近い髪色、そして、彼の力強い眼差しがカタッシュ隊員達に向けられる。どうやら、見る限りこちらを警戒しているようだ。

 

 しかし、しばらくして、彼らの顔を確認した赤い服を着た男性は目をまん丸くしてパチクリさせていた。

 

 

「えっ? …あー、すまないが貴方達は…」

「こんにちはー! どうなさいました?」

「いや、あの…、貴方達の事はよく存じているんだが、改めて聞いても良いだろうか?」

 

 

 そう言って、赤い外套を着た男性は何故だかクーフーリン達の姿を確認するとあたふたし始める。

 

 そして、彼らは顔を見合わせると首を傾げ、赤い外套を身に纏う男性に向かって自分達が何者であるのかを名乗り始めた。

 

 

「僕らはYARIOって言って、アイドルやってます! あ、僕の名はクーフーリンって言うんやけれど」

「は…? あ、いや、私の記憶が正しければ貴方達はその…」

「YARIOです。ほら、見てみてよ! こんな作業着の下に青タイツ着て鍬持ってる人間なんて名高い英雄くらいしかいないよ?」

「俺たちの師匠なんて普段、紫タイツみたいな格好だかんね」

「ん? なんだ? 私を呼んだか?」

 

 

 そう言って、赤い外套を着た男性の言葉を遮るカルナとディルムッド。

 

 確かにこんな作業着を着てその下に青タイツを着ている鍬持った人間など英雄しか考えられない。

 

 

 ーーータイツ着てればだいたい英雄。

 

 

 動きやすさではこれはこれで動きやすいのだ。師弟揃って変態などではなく、英雄だから仕方なく着ている。

 

 しかし、赤い外套を着た男性は少しばかり考えた後、首を傾げるとなんだか納得していない様子ではあるが、白い色紙をどこからか取り出し、ついでに黒いペンも用意する。

 

 彼らは名高いアイドル、となれば、赤い外套を着た男性がする行動は一つであった。

 

 

「すまないが、ここにサインをくれないか? あ、エミヤくんへと名前を書いてくれたらありがたい、後二つほど、藤村大河と遠坂凛へと書いてくれたら助かる」

「あ! もしかして、僕らのファンかな? 全然ええよ!」

「はい、毎週日課になっていて欠かさず見てました! 勉強になりますね、特に料理や剣作りなんかは!」

 

 

 そう言って、満面の笑みを浮かべながら色紙に赤い外套の男性へサインを書いていくクーフーリン。

 

 どうやら、彼らの事を以前から知っているような口ぶり、やはり、英雄達が集うアイドルグループなだけあって彼らはかなりの人気があるようだ。

 

 

 ーーーこれといってアイドル活動はやっていないけれど。

 

 

 サインを書くのは久しぶりだが、綺麗な文字でささっと書き上げるクーフーリン達はにこやかな笑みを浮かべて赤い外套の男性にサインを手渡し。

 

 気がつけば自然と彼と仲良くなっていた。主な話題は料理や農業についてだが…。

 

 すると、赤い外套の男性は思い出したかのように彼らにこう告げ始めた。

 

 

「名乗るのが遅れたな、私はエミヤという、実は上から君らの動向を見るように言われてな」

「あ、そうなんや、それじゃお仕事でこちらへ?」

「そうなるな」

「えー、そうなんだね、そのお仕事のお給料ってどんくらいなの?」

「むー、難しい質問だ。強いて言うなら…」

 

 

 そう言って、エミヤとワイワイと話しをし始めるカタッシュ隊員達。

 

 しかし、彼らは忘れてないだろうか?

 

 和むのは大変良いのだが、今はブリテンの食料危機、今日はアグラヴェイン卿もわざわざこのカタッシュ村まで訪ねて来ている。

 

 エミヤさんには悪いが、カタッシュ隊員達にはやらねばならない仕事が…。

 

 その事を思い出したカルナは笑顔で話していたエミヤさんにこう告げ始めた。

 

 

「あー、エミヤさんごめんねー、もっと色々お話したいんだけど僕らこの後、やらなきゃいけない事があってさー」

「…おっと、つい話し込んでしまったな、すまない」

「いやいや、大丈夫やで! まぁ、ちょっと困った事になっててなぁ」

「む? それはどういう…?」

 

 

 そう言って、頬を掻きながら苦笑いを浮かべるリーダークーフーリンに訪ねるエミヤさん。

 

 それは、その筈、このエミヤさん、実は大のお人好し、困った人を見逃せない性分を持っているため、カタッシュ隊員達の言葉に敏感に反応してしまう。

 

 すると、カルナとクーフーリンの二人は顔を見合わせるとエミヤさんにこう説明をしはじめた。

 

 

「実は今、このブリテンが食料危機に直面してるらしくて…」

「やから、このカタッシュ村から巨大そうめん流しをキャメロット城下まで作ろうと考えてたんやけれども」

「!? そうめん流しだと!? 馬鹿な! そんなので食料危機を脱すると!? 栄養が偏ってしまうではないか!」

 

 

 ーーーー突っ込むところはそこではない。

 

 

 しかしながら、エミヤさんは真剣な表情で彼らに問いかけていた。

 

 確かにこのままそうめんだけでは栄養が偏ってしまう、これではキャメロット城下の人は主食がそうめんだけに…。

 

 

 ーーーそうめん主食のブリテン市民。

 

 

 確かにシュールだ。ならば、栄養を考えて他にも食料を供給する必要があるが…。

 

 

「ディルと同じ事言ってるね」

「まぁ、その通りやからね」

「いやぁ、同じ料理人としてはエミヤさんに同意見だねほんと」

「なぁなぁ、そうめんとはなんだ? しげちゃん?」

「まぁ、それは流すまでのお楽しみやね師匠」

「ぶー! 教えてくれても良いではないか!」

 

 

 そう言って、頬を膨らませるスカサハ師匠。

 

 確かにそうめん流しはスカサハ師匠も知らない料理であり、興味を持つのはわかる。がしかし、クーフーリンに訪ねるその様はどこか子供っぽい。改めてだが、これでも一応、スカサハ師匠はクーフーリン達よりも年上である。

 

 一方、話を聞いていたエミヤさんは何やら考え込むようにブツブツと呟いていた。

 

 

「いや、待て…、そうめんではなく、蕎麦を流せば…うん、これならまだ栄養も期待が持てるか…」

「エミヤさーん? おーい?」

「決めた。その企画、私も混ぜてもらおう」

 

 

 そう言って、キリッとした表情でカタッシュ隊員達に告げるエミヤさん。その表情はどこか自信に満ち溢れている。

 

 人手が増えるなら尚更ありがたい、クーフーリンとカルナは嬉しそうに目を輝かせ、エミヤさんにこう告げる。

 

 

「え!? 手伝ってもらえるんですか!?」

「ふっ…愚問だな。私はこう見えてもかつては穂群原のブラウニーと呼ばれていてね」

「へぇ! そうなんですね!」

「あぁ、機械修理なんかも良くしていた」

「すげー! しげちゃんこれ!レストア要員一人確保出来たよ!」

 

 

 機械修理も料理もできる優秀な人材。

 

 これは心強い、確かに今回の企画、カタッシュ村からキャメロット城下までの距離はかなりあるが、これならばそうめん流しを作るにも期間の短縮が期待できる。

 

 サムズアップするエミヤさんにサムズアップで答えるカタッシュ隊員達。

 

 こうなれば、話は早い、すぐさまブリテンの危機を救うため、巨大そうめん流しをカタッシュ村からキャメロット城下まで引かねば!

 

 

「んじゃ、俺らは竹の調達行ってくるね」

「やっぱりそうめん流しっつったら竹だよな!」

「モーさんと兄ィ、気をつけてね!」

「えへへ、任せなって」

「てやんでい! このデコトラの小次郎も居るからまかせろぃ!」

 

 

 そう言って、出来上がった。だん吉式トラックに乗る3人に声をかけるメイヴ。

 

 これから3人はそうめん流しを作るための竹の調達に出かける。荷物には鋸や小次郎の刀など竹の伐採に必要な機材は全部積み込んだ。

 

 カタッシュ隊員達はブリテンを救うため各自、動き始める! というわけで今回の企画はこちら。

 

 

 ザ!鉄腕/fate! YARIOはブリテンに巨大そうめん流しを作れるのか!

 

 

 そして、カタッシュ隊員達がブリテンの食料危機に立ち向かおうとしているその頃。

 

 酪農で家畜などの動物の世話をしているマーリン師匠はというと?

 

 

「そうだ、良い子だなぁ、よしよし」

 

 

 思いのほか楽しんでいた。ヤギの頭を撫でつつ顔が綻んでいた。

 

 この牧場にいる動物達も数が増え、さらに、カタッシュ村に移住してきた人達が世話を手伝ってくれるのでマーリンも助かっている。

 

 この調子なら、来年には家畜などの出荷や、乳製品などの製造にも着手していけるはずだ。

 

 

「よし! それじゃ次は馬のブラッシングだな! がんばるぞ!」

「フォーウ(誰だこいつ)」

 

 

 顔がキラキラと輝いているマーリン師匠。

 

 知っている人間が見れば、こいつ誰だと言い出しかねない、少なくとも既に彼のことを色々と知っている傍にいる一匹は呟いていた。

 

 彼本人がそれにやり甲斐を感じているならば、それはそれで良しだろう。

 

 新たな人間を迎えて更に賑やかになりつつあるカタッシュ村、果たしてこの村は今後どんな発展を遂げていくのだろうか?

 

 この続きは…次回! 鉄腕/fateで!

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 カタッシュ村赤ブームーーーーーNEW!!

 

 巨大そうめん流し作り開始ーーーNEW!!

 

 エミヤさん勧誘ーーーーーーーーNEW!!

 

 そうめんでブリテンを救うーーーNEW!!

 

 タイツ着用は大体英雄ーーーーーNEW!!








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