ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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絶対開拓戦線 バビロニアwithエジプト
鉄腕/ウルク その1


 

 バビロニア。

 

 シュメール文明とアッカドを征服して、チグリス川とユーフラテス川の間を中心に栄え、後にアッシリアの支配を受け作られた王国。

 

 のちアッシリアが衰えると新バビロニア王国が興り、ネブカドネザル2世の時その勢力は各地に及んだが、アケメネス朝ペルシア帝国に征服されてその属州となったとされている。

 

 メソポタミア地方の古代都市で。市域はバグダードの南方約90kmの地点にユーフラテス川をまたいで広がっている。

 

 旧約聖書創世記ではバベルと表記され。創世記10章第2節によると、ノアの子ハムの子孫である地上で最初の勇士ニムロドの王国の主な町が、シンアルの地にあったバベル、ウルク、アッカドであったという。

 

 

 さて、そんなバビロニアだが、現在、我らがクーフーリン一同は伝説のラーメンに使う小麦、および、山城建築のための空中庭園の技術を学ぶべく、この地に訪れていた。

 

 

「なぁー、しげちゃん、私は最近、思うんだ。お前は私の事は好きなんだよな?」

「ん? それは当然やないですか、師匠、今更、何言うとるん?」

「ほんとか! 私の事が大好きなのか?!」

「そりゃ、僕らの師匠なんやから大好きに決まっとるやんかー、なー? ぐっさん?」

「いや、リーダー多分、趣旨がズレてると思うんだけど…」

 

 

 そう、リーダークーフーリンのいつも通りの反応に引きつった笑みを浮かべるカルナ。

 

 師匠が好きかと訪ねたのは異性として、そして、クーフーリンの返答としてはもうみなさんは察しがついている事だろう。

 

 しかし、スカサハ師匠、これに気を良くしたのか満面の笑みでクーフーリンの距離をグッと近づけながら傍らに寄り添うように歩き始めた。

 

 しかも、上機嫌のあまり鼻歌のおまけ付きである。

 

 

「師匠、なんで歩く距離近いん?」

「んー? 良いではないか? 私の事が好きなんだろう? な?」

「なるほど、そういう事か、せやな! つまり今からみんなで肩組んで歩いて城まで向かうチャレンジやね!ぐっさん! 肩組もう!」

「…あーもう、この2人は本当に…」

 

 

 そう言いながらカルナは頭を思わず抑えてしまう。

 

 何というかこの師弟のやりとりを見ていると微笑ましいが、明らかに2人の見事なまでのすれ違いをカルナは察しているため巻き込まれる事に関してため息を吐き左右に首を振るしかない。

 

 というわけで…。

 

 

 ーーー果たして!肩を組んで三人四脚で城にたどり着けるのか!

 

 

 まぁ、当然、そんな事は始まることもなく、クーフーリンとの距離を詰めすぎたスカサハ師匠が足をもつれさせ可愛い声を溢して、何もないところでずっこけたところでこのチャレンジは終了した。

 

 そんな漫才みたいな事をしながらしばらく歩くこと数分あまり、だん吉から離れ、彼らが訪れたのは素晴らしい造形美を誇る宮殿と城がある城下町。

 

 

 都市国家ウルク。

 

 

 その遠目から見ても分かる建造物からしても、この時代の繁栄の度合いが凄い事がうかがえる。

 

 

「はえー、すんごい街やね」

「人が溢れてんもんな」

「築地の市場思い出すわー、懐かしい」

「えー? これむしろアメ横の商店じゃない?」

「ふむ、そこはわからんが確かに凄い活気だな」

 

 

 神秘が色濃く残る紀元前2655年古代メソポタミア。

 

 このメソポタミアで繁栄の時代を迎えている城は素晴らしい様式美を誇っており、その城下町では人々が満面の笑みで活気溢れた商売を行なっている。

 

 そして、その賑やかな城下町を一望できる素晴らしい造形美を誇る城の玉座に鎮座するのはこの栄えあるメソポタミアを納める唯一無二の王である。

 

 とりあえず、この王様に会わない事には伝説の小麦を持ち帰る事は難しいだろう。

 

 というわけで、いつものように一同は城に向かって足を進めるのであった。

 

 

 ウルク都城。

 

 

 この城の主は強き英雄であると同時に暴君でもあった。

 

 その横暴ぶりを嘆いた市民たちの訴えを聞いた天神アヌは女神アルルにその暴君の競争相手を造るよう命じる。

 

 その作られた競争相手は紆余曲折あったもののその暴君と出会って早々、大格闘を繰り広げることになった。

 

 結局のところその戦いは決着がつかず、2人は互いの力を認め合い深く抱擁を交わして親友となったという。

 

 そのような過程を経て、2人はウルクの民から讃えられる立派な英雄となり、今ではこうしてウルクも繁栄している。

 

 

 さて、そんな国を収める暴君様を我々カタッシュ隊員達は訪ねた訳だが。

 

 

「遅いぞ! 全く何をやっておったのだ!待ちくたびれたぞ!」

「ようこそ! ウルクへ!」

 

 

 熱烈で盛大な大歓迎を受けた。

 

 城内には彼らを出迎えるようなようこそ! ウルクへ! と横断幕のようなものが掲げられ、そして、彼らを熱烈に出迎えるギルガメッシュ王の反応に関して、リーダー達はポカンとしていた。

 

 すぐさま彼らを出迎えた従者達が彼らに近寄るとレッドカーペットを眼前に引く始末。

 

 そんな中、口を開いたのは暴君というよりも賢王という言葉が相応しいウルクの王からだった。

 

 

「…貴様らの活躍は毎週日曜の夜7時あたりからいつも見ておったぞ」

「随分具体的な時間ですね」

「録画できないんだね! わかるとも!」

 

 

 そう言いながら、賢王ギルガメッシュの言葉に思わず突っ込みを入れるカルナ。

 

 そして、千里眼で見ていたため毎週、録画できない事をカミングアウトする賢王ギルガメッシュの友人であるエルキドゥ。

 

 

 ーーー毎週チェックを欠かさない。

 

 

 それだけ、自分達の活躍を見ていてくれる方がいるのはカタッシュ隊員達としては嬉しい限りであるのだが、ここまでの歓迎は正直予想外であった。

 

 

「実は貴様らに影響を受けて我も最近、水上建築を自らの手で始めてみてな、これがなかなか面白く気に入ってきたところだ」

「え! 水上建築なんてされるんですか!」

「いやー、凄いですねー、僕らもまだ水上建築は勉強してないから…」

 

 

 そう言いながら、ギルガメッシュ王の水上建築の話に華を咲かせるクーフーリンとカルナの2人。

 

 水上建築、これは確かに今後の建築作業にも活かせるはずだ。時間があれば是非ともギルガメッシュ王にご教授願いたいものである。

 

 従者達が豪華で彩りある食事を運んでくる中、それを口に運びつつ、クーフーリン達にギルガメッシュは軽い笑みを浮かべながらこう話をしはじめる。

 

 

「ふん、我にとってはただの余興に過ぎぬ、しかし、貴様らは本当に面白い人材だ。人の身でありながら我を全く退屈させないことばかりをする」

「いやいや、恐縮です」

 

 

 そう言いながら、ギルガメッシュ王のべた褒めに思わず顔が綻ぶ我らがリーダークーフーリン。

 

 そんな中、彼の友人であるエルキドゥはニコニコと笑みを浮かべたまま、カタッシュ隊員達に対してこんな話をし始めた。

 

 

「ギルガメッシュはね、君らが要らないものが無いかと訪ねて来るだろうと捨てるものをたくさん用意したり君たちが来るのを楽しみにしてたんだよ?」

「…え! もしかして捨てちゃうものとかあったりします?」

「ふん、腐るほど用意しておいたわ」

 

 

 そう言いながら、食事を口に運びながら実に嬉しそうな表情を浮かべているギルガメッシュ。

 

 その口調とは裏腹に彼らに会えてものすごく嬉しそうだという事は側から見たら一目でわかる。よほど、彼らの事が気に入っているようだ。

 

 だからこそ、ギルガメッシュ王が解せない事があった。それは…。

 

 

「おい、何故、貴様らは全員で来なかった」

「…えーと、実は今、伝説のラーメンを作ってまして…」

「それはわかる。何故、ここに残りが来てないのかと言っておるのだ」

「あー、もう一方がエジプト行ってるからですね、今」

 

 

 そう言いながら、あっさりとギルガメッシュ王にもう片方が古代エジプトに行っている事をカミングアウトするカルナ。

 

 

 ーーーエジプトの幻の小麦を手に入れる為。

 

 

 伝説のラーメン作りに必要な伝説の小麦を入手すべく、ディルムッド達は現在、エジプトに出張中である。

 

 実はギルガメッシュ王、彼らが歌う歌を実は密かに楽しみにせていたのである。

 

 だが、未来を見通す千里眼を持ってしても彼らが取る行動はたまに予想外の方向に働く。

 

 そんなこともあって、本来なら、ウルクに集結していた筈の彼らがいない事がギルガメッシュ王には大変ご不満であった。

 

 

「それでは歌が聞けぬでは無いか! 」

「いや、僕ら歌ったの半年くらい前で…」

「知っておるわ! このたわけ!」

「鍬しか持ってないもんなー最近、ねぇ師匠?」

「うむ、致し方ないな」

 

 

 カルナの言葉に力強く頷くスカサハ師匠、楽器は向こうに置いて来ている上に手元に鍬しかない。

 

 まさか、このご時世に彼らの歌を聞きたがる人間が居たとは…。流石はギルガメッシュ王、中々の通である。

 

 というわけで、大変、ギルガメッシュ王の熱烈な出迎えに対してお返しができてないなと感じたリーダーはこんな話を持ちかける事に。

 

 

「はい、というわけで、ギルガメッシュ様には僕らが作った伝説のラーメンを試食して貰いたいなと思ったりしてます」

「…ほほぅ、詳しく聞かせろ」

「えーと、今のところ材料なんですけど」

 

 

 そう言いながら、リーダーの言葉を紡ぐようにカルナはギルガメッシュ王に対して今回作ろうとしている伝説のラーメンについて語りはじめた。

 

 とはいえ、ギルガメッシュ王は既に彼らがその材料を手に入れている過程を知ってる為、説明はそんなに要らなくて済んだ。

 

 

「ふむ、良かろう、この度の不敬は許す」

「最初から許す気だった癖に」

「光栄に思うがいい! この我が直々に食べてやるのだからな!」

 

 

 そう言いながら、ギルガメッシュ王は上機嫌な表情を浮かべたまま、エルキドゥの言葉を軽くスルーし彼らに告げる。

 

 とりあえず、ギルガメッシュ王は機嫌をよくしてくれたようだ。これなら、話もいろいろ進めやすくなりカタッシュ隊員達としても助かる。

 

 という事で、ここでもう一つほどお願いを。

 

 

「ギルガメッシュ王、実はお願いがありまして…」

「なんだ? 我と友人になりたいと抜かすのではないだろうな? 生憎だが、我の友人はこの隣にいるエルキドゥだけだ、あとは、取るに足らない雑種のみ、…いや、貴様らは別だったか」

 

 

 そう言いながら、ほくそ笑むギルガメッシュ王。

 

 あわよくば友人となれたらなと考えていたクーフーリンだが、出鼻から挫かれる形となってしまった。

 

 しかし、ギルガメッシュ王から学ぶべき事は多い、どうにかして繋がりは持っておきたいところ。

 

 クーフーリンは少しばかりその場で考えた後、ギルガメッシュ王にこう提案を投げかけはじめる。

 

 

「そうですか、うーん…あ! それじゃ僕らの水上建築の師匠になってくれませんかね?」

「良かろう、ならば許可しよう、今日から貴様らは我が水上建築を教える我が愛弟子だ」

「まさかの即答!?」

 

 

 まさかのギルガメッシュ王からの即答に仰天するカルナ。そう、ようは友人でなければ弟子入りすれば良いのである。

 

 しかも、この溺愛よう、よほど、彼らの事がギルガメッシュ王はお気に入りの様子。

 

 それもそのはず、最近はじめたギルガメッシュ王の趣味は全て彼らからの影響からはじめたものが多い。

 

 果たして彼の千里眼は毎週日曜日、どんな光景を見ていたのだろうか気になるとこだが、ギルガメッシュ王は大変ご満悦の様子である。

 

 と、ここでギルガメッシュ王は宝物庫から持ってきた宝具を一つ手に取るとこんな話をしはじめる。

 

 

「ところで、この宝具だが最近要らなくなってな…」

「えっ! これ! もしかして捨てちゃうんですか?」

「いやー、僕これまだ使えると思うんやけど…」

「ふふふ、ならば、我に相応しく使える宝具にして来い、我が弟子なら可能だろう?」

「えぇ! いいんですか!」

「いやー、これは修理しがいがあるなー」

「嬉々としてるな、お前達」

 

 

 ギルガメッシュ王は彼らを弟子にしてすぐにこの提案をもちかけ、さらに、その無茶な提案をなんの迷いもなく数秒で飲んでしまうカタッシュ隊員達のクーフーリンとカルナ。

 

 それを見ていたスカサハは思わず肩を竦め呆れたように首を振る。

 

 ギルガメッシュ王から手渡された立派な剣だが、鍛えようによっては凄い剣に出来そうだ。

 

 

「これデュランダルやないかな?」

「名剣だよねー、とりあえずこれならディルムッドなら良い包丁にできるんじゃない?」

「包丁か悪くないな、調理器具はちょうど我も欲しいと思っていたところだ」

 

 

 さりげなくこの名剣デュランダルを包丁にする話をしはじめる。

 

 ゲイボルクを鍬にしてきた彼らだが、次はどうやらデュランダルを包丁にする気らしい、確かに魚を三枚に卸す時には役立ちそうだ。

 

 そして、それに満更でも無さそうに答えるギルガメッシュ王、果たしてそれで良いのだろうか…。

 

 ギルガメッシュ王と友人、エルキドゥに手厚く迎えられたカタッシュ隊員達。

 

 さて、一方でエジプトにいるディルムッド達は一体どうなっているのか?

 

 

 この続きは、次回! 鉄腕/fateで!

 

 

 今日のYARIO。

 

 

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