ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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聖剣作り その4 (完成)

 

 さて、前回の鉄腕/fateではニトクリスとモーさんのメジェドとアヒル隊長の長岡祭り。

 

 無事にそれも終わり、いよいよ、ピラミッド作りも大詰めへ、皆の士気も上々に上がり始め本格的に動き始める事に。

 

 

「さて、それじゃ今から組み立てていくんだけれども」

「いえーい!」

 

 

 当初の打ち合わせ通り、ピラミッドの内部から、水上建築の技術と空中庭園の技術を組み合わせたものを作りたい。

 

 彼らの手にも思わず力が入る。重機を動かし石を積み上げ形にしていく。

 

 ピラミッド作りに協力してくれているアルジュナは石を削りながら汗を拭い、爽やかな表情を浮かべていた。

 

 

「こんなものだろうか?」

「やっぱ筋がいいねぇ、アルちゃんはさ」

「なぁ、なぁ、なぁ、なぁ! 俺は! 俺は!」

「モーさんももちろん上達してるよー」

「ほんとか! えへへ〜、よし! 頑張るぞ!」

 

 

 そう言って、カルナから頭を撫でて貰うモーさんは上機嫌で頬を紅潮させ、顔を綻ばせながら喜んでいた。

 

 側から見たら和む、どこからどう見てもとても可愛らしい女の子である。

 

 しかし、これがあのアーサー王と対立したであろう叛逆の騎士モードレッドだと言って誰が信じるだろうか?

 

 

 ーーー反抗期は過ぎました。

 

 

 今は天使のような娘がエジプトで石を削ってピラミッド作りをしているだけである。

 

 さて、水上建築の方も順調で設計図と睨めっこしているのはギルガメッシュ師匠である。こちらはセミラミス師匠と打ち合わせをしながらどういった具合にピラミッドに組み込んでいくのか打ち合わせをしていた。

 

 やはり、建築において打ち合わせは重要である。

 

 無計画で建ててしまうと建物が倒壊したり、場合によっては改築も必要になる可能性がある。

 

 

「うむ! 余のローマンコンクリートは大活躍だな! もっと褒めて良いぞ!」

「ネロちゃんすごいなー憧れちゃうなー」

「そうだろう! そうだろう!」

 

 

 ヴラドの棒読みのような褒め方に満面の笑みを浮かべるネロ。褒められると上機嫌になるので彼女は本当に扱いやすい。

 

 なお、放置したり扱いを疎かにすると泣き出すのでご注意を。

 

 という事で、適度にヴラドがネロを甘やかしている間にカタッシュ隊員達はある話に入る。

 

 それは?

 

 

「聖剣作りの素材、集まりそうだよね」

「エジプトとバビロニアで残りは集まるだろうし、包丁にしたデュランダルの破片もあるしねー」

「あとはこれを溶かして形にすればいっか」

 

 

 そう、皆さまは忘れている方もいるかもしれないが、モーさんの聖剣作りである。

 

 素材はバビロニアとエジプトの鉱山から掘れば出てくる。そこは、優秀な我らがADフィンとADエミヤが揃えてくれた。

 

 ピラミッド作りに忙しい皆の代わりに泥まみれになりながら持って来てくれた素材、お二人共御苦労様である。

 

 さて、それでは我らがマーリン師匠からここで皆様にお話が。

 

 

「剣作りの話をしよう。まずは山子というものを行い、鉄を溶かすための炉の火のための炭を焼くところから始めるんだね」

 

 

 詳しく話せば、炭を作るところから始めるのだが、ここには炭職人のヴラドがいる。

 

 というわけで早速、上質な炭作りに入る。手順は以前から行っている炭作りと同じように作る。

 

 以前、彼らが過ごした島の集落跡では、長年放置されてきた井戸の水があった。

 

 その井戸の水質検査の結果、細菌の巣窟だった。

 

 内側の壁は、雑草に苔、ヤモリの卵が巣食う劣悪な環境。そこで、井戸造りのスペシャリストに応援を頼み、再生に取り組むことになったのだが、その時にもこの炭が役に立った。

 

 炭にはゴミや臭いを吸着する浄化効果あることで知られている。

 

 

「炭は大切だよ炭は」

「いやー、やっぱベテランは言うことが違うわ」

 

 

 ーーー炭を作り続け数年のベテラン。

 

 炭焼き・レンガ造り・ 陶器作りなどの窯物関連は彼が担当しているだけあって、かなりの手際の良さ。

 

 さて、炭の確保が容易にできそうなところで、ここで再びマーリン師匠の話に戻ろう。

 

 

「次に行うのは積み沸かし。大きめの鋼板をあらかじめ沸かしつけてあるテコ棒の先に素材を隙間なく並べ、積み重ねぬれた和紙で包み、さらに水溶き粘土と稲藁の炭、灰で包んだものを、火炉中に入れ、加熱し大槌で打って鍛接し、鏨で切れ目を入れて折り返し、また沸かしをかけて鍛接する、このとき折り返しを縦横、交互に折り返す鍛錬法を十文字鍛えというんだね」

 

 

 このように、剣を鍛えていくわけだが、日頃から包丁作りを行っているディルムッドがこちらを担当。

 

 日頃から作っているだけあってこちらも手馴れたもの、まるで本業のようである。こうして、作業を繰り返していくうちにだんだんとそれらしい形になってくる。

 

 次に行うのは。

 

 

「作り込み、素延作りだね、こちらはそれぞれ鍛錬された集めた素材を鋼塊として組み合わせて鍛接し、沸かし延ばし刀匠の意図した原型作り出すんだ」

 

 

 こちらは匠ADエミヤが担当する。

 

 剣作りならお手の物、何もないところから剣が出てくるというより作ることのできる彼はこういった意図した形にする作業は得意なはず。

 

 剣を打ちながら、汗を拭うADエミヤ、その顔には真剣さが滲み出ている。

 

 

「なかなか良い経験だ。普段から見ていて良かった」

「あれ? エミヤん初体験だっけ?」

「いやー、初体験には見えないなー前世で刀鍛冶でもやってたんじゃない?」

「はははははは、そんなはずないだろう」

 

 

 そう言って笑顔で剣作りに没頭するエミヤ。

 

 その手際の良さにカタッシュ隊員からも思わず関心する声が溢れる。

 

 悲しい事にこの時既に、彼の本業がなんなのか覚えている人物は本人も含め一人も居なかった。

 

 多分、彼の本業はこちらなのかもしれない。

 

 するとここで?

 

 

「おーい! みんなー! 追加素材いいかなー?」

「あれ? ベディじゃん? どったの?」

「いやさー、なんか久々に円卓のみんなに顔出ししたらさー、アルトリアちゃんが剣折っちゃったみたいで」

「えぇ!? ほんと!?」

「うん、カリバーンって言うらしんだけどポキっといったみたいで」

 

 

 そう言って、剣作りをしていた皆は一旦作業を中断してベディの元へ。

 

 そして、彼が持ってきたカリバーンを見てみるとこれは見事にポッキリと折れていた。これでは使い物にならないのは明白である。

 

 

「だからさ、アルトリアちゃんに『え! そのカリバーン! 捨てちゃうんですか!?』 って聞いたら、今度からは折れそうに無い槍使うからあげるよって言われた」

「あー…これだけポッキリいってたらねー」

「折れた部分は溶かして使わせてもらおっか、根元からまだ使える部分はもったいないから包丁にしておこう」

「おーいいねー」

「…かつてカリバーンの扱いがこれほど雑だった事があるだろうか」

 

 

 そう言って、彼らの会話を聞いていたエミヤさんも流石に顔を引きつらせながら突っ込みを入れざる得なかった。

 

 今度、アルトリアちゃんには美味しいご飯を差し入れしなければならないだろう。これは有難い素材だ。

 

 という事で、デュランダルとカリバーンの他にそれぞれ高級な鉱物が入ったなんだかとんでもないものができそうになっている。

 

 それから、形成・火造り、センスキ・荒仕上げ、土置き等の作業を順に行い、いよいよ、焼き入れに入る。

 

 それが終わればいよいよ仕上げ。

 

 ヤスリなどで刃を研いで鋭い刃にしていく、さらに装飾にも一味加え、見栄えある剣へ。

 

 そうして完成したのが。

 

 

「日本刀じゃないの?」

「日本刀だよね、これ」

「思いっきり日本刀だな」

「どっからどう見ても日本刀だね」

 

 

 物凄い仕上がりの良い、日本刀が出来上がった。これでは、剣でなく刀である。

 

 

 ーーーいつのまにか聖刀作りに。

 

 

 まさか、剣を作っているつもりが刀を作る事になるとは思いもよらなかった。しかしながら出来栄えは上出来。

 

 カリバーンやらデュランダルやらを溶かして使っているのだからそれはそうなるだろう。

 

 カルナが頑張って眼からビーム出したり、雷光でできた槍であるヴァサヴィ・シャクティをわざわざハンマーにして打ち込んだのに出来たのは日本刀である。

 

 

「まぁさ、逆に考えようよ、これ石にぶっ刺しても中々抜けんでしょ?」

「だよね、そうだよね」

 

 

 という具合で仕方ないのでとりあえず前向きに捉える事に。

 

 聖剣が出来上がったと思いきや、やはりやってしまった。とはいえ、刀と剣の使い道なんて変わらないのだからと開き直るカタッシュ隊員達。

 

 それに多分、これを使う機会は彼らとモーさんが一緒にいる限り、あまり無いであろうことは周知の事実である。

 

 という事で?

 

 

「名前決めよう! 名前!」

「そっかー、名前か…、リーダーなんか良い名前ある?」

「せやなー」

 

 

 ここから、この聖刀の名前を決める事に。

 

 いろいろ良い名前が浮かぶが、ここはリーダーに皆は決めてもらう事にした。刀、刀といえば、以前、新宿の沼で発見した刀が思い浮かんでしまう。

 

 しばらく考え込む我らがリーダー、そして、思いついた名前は。

 

 

「すっぽん沼江やな」

 

 

 こうして、聖刀の名前はすっぽん沼江に決まった。

 

 由来はかつて、新宿で見つけた刀の名前から取ったもの、しかし、カリバーンやらデュランダルやらをふんだんに使った刀の名前がこれである。

 

 

 ーーー聖剣すっぽん沼江。

 

 

 かっこ悪いにもほどがあるが、皆は納得したように頷いていた。

 

 多分、モーさんが使う刀だし、これくらい可愛い名前の方が彼女にも使いやすいだろう。

 

 しかしながら、すっぽん沼江ー! と叫びながらビームを放つ光景が、かなり滑稽であることは間違いない。

 

 

 こうして、聖剣作り、もとい、刀作りも無事に終わりを迎える事に成功した。

 

 あとはこれをモーさんに石から抜かせてあげるだけである。

 

 さて、果たして、モーさんは選定のすっぽん沼江を石から引き抜くことはできるのだろうか?

 

 ちなみにすっぽん沼江を刺した石は上等な漬物石であることをここに記しておく。

 

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 1.折れちゃったカリバーンを貰う。

 

 2.カリバーンとデュランダルを混ぜた刀作り

 

 3.聖剣すっぽん沼江完成。

 

 4.本業を忘れ去られるエミヤさん

 

 5.聖剣作りが聖刀作りに








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