ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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年末年始ウルトラマンカタッシュ編
ザ! 年末年始ウルトラマンカタッシュ!


 

 

 体が冷えるような冬。

 

 皆さんはこの季節は寒い中、炬燵で暖まりながら年末年始は年越しそばを食べ、過ごされていることだろう。

 

 お年玉を貰う子供達、そして、凧揚げなんかもこの時期には定番。

 

 そして、我々、カタッシュ隊員達の年末年始と言えばもう皆さんはお馴染みかもしれないあの企画が持ち上がるのも必然だろう。

 

 そう、寒い季節こそ! 身体を動かすことが1番!

 

 駅伝が開催されるこの季節! 我らがカタッシュ隊員達が訪れたのはなんと。

 

 

「はい! 今回はですねー、オリンピックの本場、ギリシャに来ております」

「いやー久々ですね、この企画」

 

 

 というのも? ギリシャにある森になんとかなり足が速い女性ランナーがいるという。

 

 またの名を狩猟の女神アルテミスの加護を授かって生まれた「純潔の狩人」。

 

 アルカディアの王女として生まれるが、男児が望まれていたため生後すぐ山中に捨てられ、女神アルテミスの聖獣である雌熊に育てられる女性だ。

 

 そのことについて、カルナは一言。

 

 

「俺らみたいな雌熊もいるもんだね!」

「だよな、俺達ならそんなの見かけたらすぐ拾っちゃうもんな!」

「…あんた達はなんでも拾って来すぎだから」

 

 

 同乗するディルムッドの一言に苦笑いを浮かべながら突っ込みを入れるヴラド。

 

 というわけで、今回の企画はこちら!

 

 

 ザ!ウルトラマンカタッシュ! YARIOは駅伝でギリシャ最速陸上狩人に勝てるのか

 

 

 さて、年末年始と言えば毎度のことながらこの企画、身体を動かし、挑戦する姿を皆様に今年も我らがカタッシュ隊員達がお届けします。

 

 この企画は本来、超人がすごい技を見せてくれるという企画なのだが、彼らの周りは超人だらけなので当然当たり前のようにできてしまう。

 

 なので、趣向を変え、英雄ながら普段から農業ばかりしている体力自慢の我らがカタッシュ隊員達が挑戦するという今回の企画に至ったわけである。

 

 

「まぁ…昔は電車走ってなかったからね」

「ほんとは電車リレー考えてたんだけどさ、流石にね? ほら、最近、陸上の話やってたし年末にはいいかなと」

「ねぇ? ここ箱根の山じゃないよ? ギリシャの山だよ? ちょっと」

 

 

 ーーーギリシャ箱根駅伝。

 

 そして、助っ人には超人体力無双のスカサハ師匠が我らがカタッシュ隊員達の助っ人に来てくれた。

 

 応援には鉢巻を巻いたギルガメッシュ師匠をはじめとした彼らに普段から協力してくれる英雄達が集結し、横断幕を掲げ、盛り上がりをみせていた。

 

 そんな中、リーダーであるクーフーリンはにこやかな笑みを浮かべたまま一言。

 

 

「まぁ、僕はこう見えてフルマラソンやったことあるからね!」

「確かに、リーダー走ったもんねー頑張った」

 

 

 ーーー24時間走った実績持ちのリーダー。

 

 確かに、今回の駅伝、走った経験も生きてくるはず。それを踏まえた上で気を引き締めて彼女に挑戦せねばならない。

 

 なにせ、相手は陸上女狩人、足の速さはとんでもなく早いはず。しかし、持久戦なら彼らにも勝機があるかもしれない。

 

 そんな中、ディルムッドは冷静に一言。

 

 

「今回は駅伝だからね、しかも俺ら対最強女性狩人ランナーって感じだから」

「ふん、私にかかればどんな奴が来ても恐るに足りんな」

「お、珍しくスカサハ師匠が頼もしい」

 

 

 そう言って、体力に自信満々で体操着、しかもブルマ姿のスカサハ師匠に感心するカルナ。

 

 年齢的に彼女の体操着、ブルマは大丈夫なのか? などとは言ってはいけない、それは多分、タブーである。

 

 確かに普段から鍛えているスカサハ師匠ならば、彼らに襷を繋ぐにもかなり有利に働いてくれる筈だ。

 

 そう、今回、彼らに立ち塞がるのは最強の女狩人ランナー、決して油断はできない相手であり、強敵だ。

 

 では、早速、彼女に登場してもらうとしよう。

 

 

「ではアタランテさん! 今日はよろしくお願いします!」

「………いや、呼ばれたと思ったら、なんだこれは」

「駅伝です」

 

 

 ーーーそうじゃない。

 

 と言いたげな表情を浮かべている、住処にしている森からわざわざ彼らに呼ばれたアタランテ。

 

 しかも、訪ねた第一声が駅伝だと言われてもまずピンとこないのが普通である。

 

 森の外から今日はやけに騒がしいと思いきや、いきなり訪ねてくるやいなや住処である森に何やらルートを作り始める。

 

 そして、その後、お便りらしきものが置かれており、それの内容を確認したアタランテが森から出てきたらこれである。

 

 アタランテと言えば、勝った者を夫とする命がけの駆け比べが有名。

 

 つまり、彼らは今回、駅伝という形でこの駆け比べの猛者、陸上女王アタランテに挑むつもりなのである。

 

 そのことをこと細かく彼女に説明するカタッシュ隊員達。

 

 

「ふむ、なるほど、話はわかった。では私に勝ったとして誰が私の夫の座に…」

「ん? なんの話ですか?」

「…は?」

 

 

 思わずカルナの言葉にポカンとしてしまうアタランテ。

 

 その後ろではツボにハマったのか悶えるようにして笑いを堪えるスカサハ師匠が居た。

 

 実際、六人で襷を繋いで走るのに対して、アタランテさんは一人だけだ。

 

 これではフェアとは言い難いし、何より。

 

 

「僕ら六人で走るってのはやっぱりダメですかね?」

「というか夫ってなんの話?」

「いやいやいや、汝達、私を娶りたくて駆け比べに挑むんだろう?」

「いやいや、年末年始企画で駅伝しにきただけですよ」

「えっ?」

「えっ?」

 

 

 どうにも話が噛み合っているようで噛み合ってない。

 

 今までは自分を娶りたくて駆け比べを挑む英雄達が後をたたなかった。彼女もそれに応じて何人もの英雄が彼女を娶るためにそれに挑んだ。

 

 そういった過程があった事もあり、この彼ら返しはアタランテにとって予想の斜め上をぶっちぎって突き抜けていたのである。

 

 

「…んー? つまり、私とその…」

「駅伝しにきただけですよ?」

「アタランテさんはフルマラソンなんですけどね…すいません」

「いや、あのだな…え? というか本当に私に走りを挑みに来ただけか?」

「正式にはギリシャ箱根駅伝をしに来たんですけど」

「箱根ってどこだっ!?」

 

 

 頭を抱えたアタランテの鋭い突っ込み。

 

 箱根ではなくギリシャ、しかし、彼らにはこのアタランテの住む森が箱根の山に見えているのだろうか?

 

 そんな中、彼らの駅伝の応援に駆けつけた英雄の一人であるジャンヌダルク団長をはじめとした観客席にいる応援団から意気込みを一言。

 

 

「ふれーふれー! YARIOー!」

「余が来たからには一着しか許さんぞー!」

「ペース大事だぞ! ペースが!」

 

 

 そう言って、フランスの旗だったものを応援旗として振るジャンヌに引き続き、オジマンディアスにエミヤさんが熱烈な応援を彼らに送っていた。

 

 しかも、もしもの為に医療スタッフは各コースに配置されており、サポート体制は万全。ナイチンゲール婦長がこちらにサムズアップで応えてくれた。

 

 レースに関する準備はバッチリだ。

 

 と、ここで観戦に来ているマーリン師匠から皆さんにお話が…。

 

 

「駅伝の話をしよう。駅伝は各走者は途中の「中継所」またはゴールまで走り、走り終える毎に前の走者から受け継いだたすきを次の走者に渡していく、42.195kmを6区区間に分けて5 km、10 km、5 km、10 km、5 km、7.195 kmで走るんだね」

 

 

 そう、総距離は42.195km。

 

 この駅伝の為、YARIOのメンバーは空いた時間を特訓に割いていた。

 

 

 ーーー全てはこのメンバーで走り遂げる為。

 

 

 足を痛めていた時も何食わぬ顔で船作りや畑作りを行なっていたのである。

 

 身体は英雄だが、精神は平均40歳、彼らも良い年、だが、彼らに止まるという言葉は無かった。

 

 この六人から始まり、彼らは走りはじめた。

 

 だから、この六人でギリシャ駅伝を完走したい。その気持ちをこの場所でアタランテにぶつけたい。

 

 

「第1区はカルナからスタート、そして、ヴラド、ディルムッド、それからベディ、スカサハそしてアンカーはクーフーリンで良いな」

「はい、では今日はお願いします! ギル師匠」

「良い! 互いに健闘を見せよ、我を楽しませる為にな! ははははははは!」

 

 

 そして、スタート地点に移動するカルナとアタランテ。

 

 皆が横断幕を掲げ、声援を送る中、まっすぐに自身が走るコースをカルナは見据えた。必ずこのタスキをメンバーに届ける、その決意が滲み出ているようだ。

 

 いよいよ、配置に着いた彼らはスタートの合図を待つ。

 

 

「駅伝かなんだか知らないが、走りで私に挑む意味を教えてやる。覚悟しろ」

「お手柔らかに」

 

 

 そう言って、スタートラインに立つ二人はばちばちと火花を散らす。

 

 そして、上に複製した宝具を構えるエミヤさん、スタートラインに立つ二人は静かに待つ。

 

 

「位置について…よーい」

 

 

 クラウチングスタートの構えを取る二人、すぐに走れるように足にも力がこもる。

 

 それを上に大きく放ると同時に爆破。それがスタートの合図であった。

 

 

「ドン!」

 

 

 その瞬間、凄まじいスタートダッシュを決めたのはアタランテだった。

 

 バシュン! という音と共にあっという間にカルナを置いてきぼりに、これは、早々にまずいのでは?

 

 しかし、カルナは冷静に自分のペースでかけはじめる。それに対して、皆は大声援。

 

 

「がんばれー! 兄ィ!」

「頑張ってくださーい!」

 

 

 コース脇からはモーさんとニトクリスの二人。彼女達も走り出すカルナに惜しみない声援をかける。

 

 しかし、足の速さは一目瞭然、だが、カルナ達には作戦があった。

 

 確かに今は遥か彼方に走り去ってしまったアタランテ、だが、これは駅伝、ならば、持久戦になる。

 

 これだけリードが広がれば差を縮めるのは容易ではないが、あのペースで走っていれば、いずれ、足に負担が返ってくる。

 

 

「はっはっはっ…」

 

 

 積み上げてきたものが出る。それがこのギリシャ箱根駅伝。

 

 呼吸を一定のリズムで整えて、カルナはひたすら足を動かす。スパートをかけるタイミングを逃してはならない。

 

 こうして、遥か先に走るアタランテを見逃さない距離を保ちながら、駆けるカルナ。

 

 実況席に座るエミヤは本日初登場の解説のフランスの王妃、マリーさん、マーリン師匠と共に実況に入っていた。

 

 

「さぁ、いよいよ始まりました、ウルトラマンカタッシュ主催、第一回、ギリシャ箱根駅伝。さて、今回は解説にマリーさんとマーリンさんをお迎えしています。よろしくお願いします」

「皆さんヴィヴ・ラ・フランス! よろしくね! ついに始まりましたわ!」

「うん、よろしくね」

 

 

 そう言って、互いに頭を下げて実況に入る三人。

 

 始まった第1回ギリシャ箱根駅伝という事で三人もこの激闘がどういった展開になるのか実に楽しみであった。

 

 早速、実況のエミヤさんがこの展開について解説のマーリンに問いかける。

 

 

「マーリンさん、この展開はどう見ますか?」

「そうだねぇ…、いや、カルナは実に賢い走り方をしているね」

「え? だけど、かなりリードされてるわ?」

「いや、これは繋ぐ駅伝、だから、彼の走りは初戦を戦う選手には理想的な走り方だよ」

 

 

 そう、駅伝ではチームワークが勝敗を決める。

 

 一人で無理でも、みんなでなら戦い抜けることができる。今は大リードを許していても捲るチャンスがきっとやってくるはず。

 

 硬いアスファルトではなく、ある程度整備された土道を走るので足の負担も大きくなくて済む。

 

 

「なるほど…長年、駅伝は私も見ているが、今回は先が見えませんね」

「そうだね」

 

 

 ペースは一定、しかしながら、その差は比べるまでもなく明らか。

 

 これがどうなるが、皆もわからない。しかし、絶え間ない声援が脇道にいる各自から上がる。

 

 

 さぁ、いよいよ始まった第1回ウルトラマンカタッシュ! 箱根ギリシャ箱根!

 

 電車にリレーで勝ったことがある彼らはアタランテに挑むカタッシュ隊員達は彼女に勝つことができるのか!

 

 この続きは次回! ウルトラマンカタッシュで!

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 1.ギリシャに箱根という土地ができる。

 

 2.陸上狩人アタランテに駅伝で挑戦。

 

 3.年末に走る陸上アイドル。








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