ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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蛇駆除 その1

 

 

 蛇。それは、驚異的な攻撃力を兼ね備えた獰猛な肉食の爬虫類。

 

 その生息種は世界を見渡してみるとなんと3000種類もおり、南極大陸以外には生息するかなりメジャーな生き物である。

 

 そんな獰猛な蛇たちと戦い続け、何十年。

 

 この男達は蛇という強大な生き物に果敢に挑み続けて来た。

 

 

「いやー、蛇ってどんな味だっけ?」

「もうしばらく食べてへんからなー」

「なんでアイドルが蛇は一般食材みたいな言い方してんのよ? おかしいよね? ね?」

 

 

 蛇取り棒にしたゲイボルクを担ぐリーダーとカルナの二人にそう突っ込みを入れるヴラド。

 

 その後ろでは嫌そうな顔をしたディルムッドがベディとスカサハ師匠の二人に引きずられながら連行されていた。

 

 

「嫌だー嫌だー! 僕お家帰るー!」

「駄々を捏ねても無駄だ諦めろ」

「まぁまぁ、でっかいだけだから、蛇がでっかいだけだから」

「それが問題なの!! 一番の問題なの! 俺蛇嫌いなの!!」

 

 

 ーーーー大事な事なので念を押す。

 

 さぁ、舞台は北欧神話へ、キリスト教化される前のノース人の信仰に基づく神話であり。スカンディナビア神話とも呼ばれている。

 

 その中でも有名なのが主神のオーディン。

 

 オーディンは、北欧神話の主神にして戦争と死の神。詩文の神でもあり吟遊詩人のパトロンでもある。

 

 魔術に長け、知識に対し非常に貪欲な神であり、自らの目や命を代償に差し出すこともあったとされていた。

 

 

「いやー命捨てちゃうなんてもったいないよね」

「俺たちが建築やらなんやら全部教えるからむしろ欲しいよね」

「だよねー」

 

 

 ちなみに髭のおっさんから蛇退治を頼まれた訳だが、あれがオーディンさんである。

 

 そんな、オーディンさんとの邂逅を髭のおっさんから頼まれたと済ます天地驚愕コンビとベディ達は偉い神様達から怒られても致し方ない。

 

 しかし、怒られていないあたり、多分、丸く収まっているのだろう。

 

 さて、話しているうちにだん吉がミズガルズの最端、大蛇ヨルムンガンドの頭がある現場へと到着した。

 

 

「はい、というわけでついたわけなんですけれど」

「では、今回、ゲストをお呼びしてまして、蛇退治に協力してくれる雷神トールさんにお越し頂いてます」

「今日はよろしくお願いする」

 

 

 そう言いながら握手を交わすトールさん。

 

 トールとは、北欧神話に登場する神様である。

 

 主に神話の中でも主要な神の一柱であり、神々の敵である巨人と対決する戦神として活躍する。

 

 その他考古学的史料などから、雷神・農耕神として北欧を含むゲルマン地域で広く信仰されたとされている。

 

 

「いえいえこちらこそ! いやー、まさか、トールさんと共演できるとは…」

「あれ? シビル戦争は?」

「あれは出演依頼が来なくてな…」

「はーい! 話題は変わりますけど! 今回トールさんもこの蛇駆除に協力してくれるそうなんで!」

 

 

 そう言いながら、カルナが振った話題を変えるヴラド、ナイスフォローである。

 

 YARIOに縁が深い農耕神、怒らせるような言動は控えねば、さて、気を取り直して今回駆除をお願いされたヨルムンガンドについて説明しておこう。

 

 

 北欧神話に登場する毒蛇の怪物。その名は「大地の杖」あるいは「大いなるガンド(精霊)」と呼ばれている。

 

 ロキが巨人アングルボザとの間にもうけたまたはその心臓を食べて産んだ3匹の魔物の一匹とされており獰猛な毒蛇だとか。

 

 詰まる話が、捨て子のような扱いをされた可愛そうな怪物なのである。

 

 そこで、彼らは考えた。つまりロキさんが捨てちゃった蛇ちゃんなのである。

 

 

「退治はかわいそうだから、せめて毒抜いて保護しよっか」

「デカさ聞いてよくよく考えたら、多分調理できねーよそれ」

 

 

 という結論に至る事に、しかし、この意見にディルムッドはというと顔を真っ青にしていた。

 

 獰猛な毒蛇、初夏を思わせる日差しと共に森にジメジメした湿気が漂い始めると、そろそろ厄介な蛇が動き出す時期。

 

 そして、この季節が来るたびに思う、細い道で蛇に出会ったらどうしたらいいんだろうと。

 

 しかし、皆さまご安心ください。我らがアイドルが今回も馬鹿でかい毒蛇を相手にやってくれます。

 

 まずは、現場で待つ事数分あまり、ある人物達の到着を彼らは待った。

 

 

「あ! 来た来た!」

「おーいギル様ー! こっちこっち!」

「ぬはははははは! 待たせたなァ!」

「わはははははは! 余が来たぞォ!」

「相変わらず元気がよろしいようで」

 

 

 そう、天地驚愕コンビと今回蛇取り棒役のエルキドゥさん達である。

 

 楽しそうにだん吉に乗って現れた彼らだが、今回、強力な助っ人だ。

 

 すると、ギルガメッシュ師匠はここで何かに気がついたのか、乗ってきただん吉から降りるとテクテクとトールの元へ。

 

 

「ん? 貴様、どこかで…見覚えがあるような…」

「あー、ギル師匠、その人がトールさんです」

「あぁ、なるほど、道理でな…千里眼で見た気がしたがやはりそういう事か」

「ギル師匠の千里眼って映画観れるんですね」

「そうだ、便利であろう?」

 

 

 そう言いながら、何やら勝ち誇ったようにドヤ顔を見せてくるギル師匠、本人談によるとシリーズは全部見たらしい。

 

 流石は英雄王、見識の広さは海よりも深い。なんでもお見通しである。

 

 ハリウッドで活躍中のマイティなトールさんからギル師匠達がサインを貰ったところで、早速本題に入ることに。

 

 

「ヨルムンガンドを捕獲して毒抜きをするか…なるほど」

「ほら、毒っていろんなのに使えるじゃん、殺虫剤とかさ、薬品なんかにもさ」

「どうせなら人の役に立つ事に使いたいんですよね」

「霊草を躊躇なく畑の肥料にするお前達が言うとなんか知らんが説得力があるな」

 

 

 ーーー人気アイドルゆえの謎の説得力。

 

 いや、この場合、アイドルというよりかは農業に近いのだが、色んなところに渡り、素晴らしい秘宝だろうが宝具だろうがなんだろうが農具にしてきた彼らが言う事はやはり違う。

 

 霊草すら真昆布と変わらない扱い、ゲイボルクは釣竿や鍬、挙句は蛇取り棒。デュランダルなどの名刀は食材を切る包丁なんかになった。

 

 という事で幻の大蛇ヨルムンガンドの捕獲が当面の目標なのだが。

 

 

「トールさん、どうやってヨルムンガンド見つけたの?」

「釣りだ」

「釣りか! いやー久々だなーオオカミウオなら8月末の北海道・オホーツク海で釣り上げた事あるけどね! 俺たち!」

「蛇なら楽勝やろー」

「ちょっと規模考えて? 漁船転覆するから」

 

 

 そう言いながら、自信ありげに語るリーダーとカルナの二人の男達に突っ込みを入れるヴラド。

 

 すると、腕を組みながら話を聞いていたスカサハ師匠は納得したように何度も頷きながらこう語り始める。

 

 

「それより素潜りしてゲイボルクで突いた方が早いだろう」

「スカサハ師匠、毎回毎回、人外技を軽々とやろうとするのをやめましょう、扱い辛いからっ!!」

「師匠やから仕方ないやん」

「そうだぞ、ヴラド、今更何を言っておるのだ」

「貴方達も納得しないでっ!!」

 

 

 そう言いながら、ねぇ? と何言ってんだこいつと言わんばかりに顔を見合わせているギル師匠とリーダーの二人に声を上げるヴラド。

 

 今更何を言ってるのかと、スカサハ師匠は木を素手で張っ倒したり湖の妖精を湖に潜ってちょっくら引き摺り出してくるなんてことを平気で言ってのけるとんでも超人だ。

 

 おまけに足もかなり早い、陸上狩人をぶち抜いていくし、巨大なマグロすら大間で槍一突きで仕留めてしまう。

 

 ある意味というか、かなりの変態である。

 

 

 ーーーー全身タイツだから当たり前。

 

 

「さて、変態師匠は置いておくとして、蛇駆除の基本的な事からおさらいしましょうか」

「マーリン師匠! お願いしまーす!」

 

 

 さぁ、今回も蛇駆除について説明してくださるのはこの人。

 

 最近、魔法以外のどうでも良い知識が付いてきたなとボヤいている我らがマーリン師匠から皆さまに蛇駆除についての解説をお聞きしてもらうとしよう。

 

 

「蛇駆除の話をしよう。狭い道で急にヘビに出くわしたらどうすれば良いか? まず取るべき行動はヘビの体長くらい離れることだね、突然、出会った時はすぐに距離を取り離れる。駆除は体勢が整ってから、が鉄則だ。蛇は昼間は穴に潜んでいることも多いんだね」

 

 

 地中にいるうちはヘビの動きが制限されるが、引き出した時に暴れ出すので十分に距離をとる。そして、潜り込もうとするハブの頭をハブ捕り棒で掴み取るのだ。

 

 毒ヘビの中には目を狙い、毒を飛ばしてくるヤツも。慢心は危険である。

 

 長年に渡りハブなどの蛇と渡り合ってきた彼らだからこそ知っている長年の知恵。

 

 さて、エルキドゥさんが巨大な蛇取り棒に変身したところで一同はトールさんが用意してくれた釣竿を持ちそれをヨルムンガンドが潜んでいそうな場所に垂らしはじめる。

 

 あとはこれにヨルムンガンドが掛かるのを待つだけだ。

 

 皆が並んで座り釣竿を垂らす中、空いた時間を使いベディがトールさんにこんな質問を投げかける。

 

 

「そう言えばハルクさんとはどんな感じなんですか? トールさん」

「ん? そうだな、中々やばい奴だ。全身緑だし、奴からいきなり殴られたりなんて事は日常茶飯事でな」

「ハリウッドって楽しい? 俺らもデビュー出来るかな?」

「実に快適だな! みんなからチヤホヤされるし給与はいいしな」

 

 

 そう言いながら話すトールに目をキラキラさせる我らがカタッシュ隊員達、羨ましい限りだ。

 

 スカサハ師匠はハリウッドがどういったものかわからないため首を傾げている。

 

 昔には映画のような娯楽は無いし、当たり前なのだが、しかし、ギル師匠とマーリン師匠だけはそんな彼らの会話を楽しげに聞いていた。

 

 千里眼とはやはり、非常に便利なものらしい、身につけておけば損はない。

 

 そんな中、次第に時間は経過していく。

 

 トールさんと共に釣りをする一同は果たして伝説の大蛇ヨルムンガンドを捕獲することができるのだろうか?

 

 そして、そんな中、オジマンディアスはギルガメッシュにこんな事を。

 

 

「今度、ニトクリスのピラミッド使って余もそれ観てみたいんだが」

「それは良い案だ! 太陽の! だん吉を使えばスクリーンくらい用意できるだろうからな! シリーズものだから長期戦になるぞ!」

「なんと…、それは覚悟せねばな」

「ついでにプリズン破壊というシリーズも観るのもおススメする、というか我が観たい」

「あんたら他人のピラミッド使ってなにやってんのよ」

 

 

 ーーー確かにその通り。

 

 ニトクリスちゃんのピラミッドなのに最早王様達の娯楽施設と化している。しかも、本人達はさも当たり前の様に使っているらしいのでたちが悪い。

 

 そんな中、ギルガメッシュ師匠は突っ込んで来たヴラドにこんな話題を降りはじめる。

 

 

「最近、こやつと共に英雄格付けチェックとやらのオファーが来ておるのだが」

「えぇ!? マジっすか!」

「いいなぁ、俺らも出演したいのに中々オファー来ないんですよねぇ」

「一流英雄である余達に掛かればどんなものでも余裕で当てられる自信はあるがな」

 

 

 ーーー確かに舌はかなり肥えてる二人。

 

 ちなみに一流英雄ではないが、一流アイドル兼農家ならば彼らにも自信がある。機会があれば是非、英雄格付けチェックに出てみたいものだと彼らは思った。

 

 さて、こんな感じにのんびりとヨルムンガンドが竿に掛かるのを待つ一同。

 

 彼らはヨルムンガンドに会えるのか?

 

 この続きは…次回! 鉄腕/fateで!

 

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 1.ヨルムンガンドを釣竿で釣り始める。

 

 2.ゲスト、ハリウッドスタートールさん。

 

 3.天地驚愕コンビ、英雄格付けチェック出演

 

 4.蛇退治の達人(アイドル)








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