ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか? 作:パトラッシュS
カタッシュ島。
それは、いつか帰るべき場所であり、人類史におけるアヴァロンと呼ばれることになる聖地。
という訳ではなく、彼らの企画の舞台になる単なる無人島である。かつて、人が住んで居たかもしれないこの場所には緑豊かな森林が生い茂り、自然が豊富。
この島にたどり着くまでに数々の困難があったような気はするが、彼らはいつも通りに解決し、ようやくこの島にたどり着くことができた。
「ただいまーって言ったが良いんかな?」
「もう家無いけどねリーダー。建てないと」
緑豊かなのは良いが、まだ何も手をつけていない広がる島を見渡すカルナはため息を吐く。
すると、綺麗な小麦色に日焼けした二の腕を捲り上げているカルナはベディ達と共にひとまず男爵ディーノを海から引き揚げる作業に入る。
それから、引き揚げ作業は全員で行ったのでスムーズに終える事が出来た。
今は拠点らしい拠点が無いので、できるまではこのノアの男爵ディーノを仮宿として利用していく流れである。
そんな最中、エプロン姿のヴラドが顔を引きつらせたまま船内から出てきた。
「もー! だからいつも言ってんじゃん! なんで洗濯物一緒にすんのよ! モーさん達は!」
「えー、だってわざわざ分けんのめんどくせぇじゃん」
「別に良いじゃないですか、航海中、毎回そんな感じだったし」
「良くないの!! 貴女達のブラジャーやらの紐が服に絡みついたりしてんの! あとパンツとかもお願いだからちゃんと分けてよぉ」
「なんだ細かい奴だな」
「そうですよ! 偉大なるファラオの服を洗濯できるのですから光栄に思うべきです!」
そう言って、女性陣に説教するヴラドに反論する女性陣達。
毎回、洗濯の際、彼らと洗濯物が一緒に混ざって置かれているため、こうしてヴラドやオカンと化したクーフーリンを始め、カタッシュ隊員達が彼女達の服を洗濯していた訳だが、見ての通りである。
普通、お父さんと同じ洗濯機で洗わないで! みたいな娘が良くいるのはわかるのだが、彼らのケースは逆であった。
せっかく気を使っているというのに、彼女達は全く気にしないのである。淑女としてこれはどうなのだろうか。
「パンツはせめて分けようよ、俺もう女の子のパンツを手で摘んで洗濯機に入れるの、なかなかキツいんだけど」
「え? そうなの? 俺とかブーメランみたいにして洗濯機にぶち込んでるよ」
「あれ割と飛ぶよな! わかる! 俺の感覚的には紫色のやつが割と飛距離出るんだわ」
「ちょっ!? それ私のパンツではないですか! なんてことしてるんですか!」
「あー、あれね! それ力加減間違えて洗濯機越えて、この間壁にベチンって張り付いた覚えある」
「ベディ!!貴方ねぇ〜!!」
そう言って、下着の持ち主であるジャンヌオルタは顔を真っ赤にしてベディを追いかけ回し始めた。
ーーーあまりに雑な扱い。
確かに紫色の下着の持ち主であるジャンヌオルタとしてもそんな扱い方をされればそうなるのも致し方ない。
それを聞いていたヴラドは説教をしていた彼女達に向き直るとこう話しをし始めた。
「あの人達からあんな風に扱われるんだよ? だからちゃんと今度から…」
「ふーん、俺は別に気にしねーけどなー」
「…おーい、兄ィ! モーさんが今度、自分の下着使って変態仮面の一発芸していいってよ!」
「うっそ! マジで!」
「ああああああああ!! う、嘘、嘘! ごめんなさい! 今度からちゃんと分けるから!」
そう言って、顔を真っ赤にしながらヴラドを止めに入るモーさん。下着を分けない娘達に対する意識改革にはちょうど良いだろう。
下着を遊び道具にされたくなければちゃんと分ける事、こうしとけば彼女達も気にして少しは分けてくれるようになるのでは無いだろうか。
だが、あと一つ、ヴラドは言いたい事があった。
「ニトちゃん、メジェド様はあれかさばるから手洗いにして」
「そんなっ!?」
ーーーメジェド様は体積が大きい。
なので、ニトクリスちゃんは次回からは手洗いを強いられる事に。ヴラドの一言にショックを受ける彼女は愕然とするしかなかった。
という訳で、洗濯物の件はこれにて解決、皆さまの家でも同じような体験はあるかもしれない。
さて、気を取り直し、リーダーとカルナの二人はまず拠点を作る場所、すなわち、山城を建てる場所の現場見を行う為、無人島を散策してみる。
この島は生前から歩き回っていたおかげか、立地や土地勘が彼らにはあった。
そうして見つけた場所は、やはり…。
「ここかなぁ…、今回は基礎から作る予定だしやっぱり前建てた場所がいいよね」
「せやなぁ、さらに基礎部分に手を加えなきゃあかんしそれが妥当やない?」
そう、見慣れた川の近く、ここなら水に困る事も無いし何より以前建てた事のある立地。
彼らの建築に関する基礎の知識、それは、数年前、福島県の村で行った事がある建築の作業から学んだ。
建築物の重量を支え,安定させるために設ける建物の最下部の構造。
これを作らなければならないが、今回はそれだけではない、この基礎の部分にさらに手を加えねばならないのである。
というのも、以前、バビロニアでのピラミッド建築において彼らは空中庭園の作り方をバビロンの空中庭園を手掛けた職人、セミラミス師匠から直々にご教授して頂いた。
ーーー目指すは動く空中納屋。
男のロマンが詰まったそんな納屋を自分たちの手で作り上げたい。
以前、自分達が納屋を建てた場所に再び納屋を建てるというのは遊び心が足りないというもの、やはり、作るからにはプラスアルファを加えて前とは違うものを作り上げる方が良いに違いない。
という訳で…。
「この辺りに棒をぶっ刺しておいて…」
「おーい! 距離はこんくらいでいい?」
「オーケー! モーさんそこだよ! そこ!」
納屋の基礎となる場所をゲイボルクを地面にぶっ刺しながら距離を測っていく。
こうする事で、おおよその建物の建築予定場所が把握できる。これを基準に今後、納屋を作る訳だ。
基礎にはローマンコンクリートを使用、ローマで学んだ知識がここでも生きる。
本来、建築ならネロちゃまを呼びたいところではあるが生憎、彼女は現在、カタッシュ村にて大工に目覚めたアグラヴェインとカルナに弟子入りしたアルジュナと共に新しい建物を建造中の為手が離せない。
そんなわけで、彼らとしても今回の建築に関しては、更にみんなで力を合わせてやらなければならないという事である。
ひとまず、初日は建築作業を早めに切り上げ何か使える物がないか一同は砂浜を散策することに。
このカタッシュ島海岸ではいろんなものが打ち上がってくる。もしかすれば納屋作りに役立つものが見つかるかもしれない。
「懐かしいな! この感じ!」
「せっかくの島だからな! リゾラバやろうぜ! リゾラバ!」
だが、精神平均年齢42歳軍団は納屋作りというよりはこの久々に訪れたダッシュ島、もといカタッシュ島を満喫したい様子。
という訳で、砂浜という事もあり、こんな提案をベディが持ちかけはじめた。
「ひっさびさにバク転の練習しねぇ?」
「えー、島まで来てわざわざバク転すんの?」
「いや、だって俺らアイドルだけど踊ってないじゃん。 最近、バク転できないんじゃないのって意見が出てまして」
「なるほど、なるほど」
アイドルならバク転ができて当たり前。そう、彼らとて入りたての当初はバク転の練習ばかりさせられてきた。
20年前までは軽くできていたというが…、40を過ぎると足腰は弱り…。
ーーーーガッチガチ!
だが、英雄の身体になった今ならもしかしたらできるかもしれない。
「怪我したら困るからね」
「準備運動に5時間くらいかけようぜ!」
とはいえ、やはり、アイドルたるもの身体が大事。とりあえず念入りに準備体操に入る。
そんな中、スカサハ師匠達の姿が見えないがどうしたのだろうか?
するとしばらくして、女性陣がここでようやく姿を現して砂浜にやってきた。
「待たせたな…、ど、どうだ? 似合うか?」
「いえーい! 波が俺を呼んでるぜ! 行くぜ! 相棒!」
「…わ、私の方を向けば! 燃やしますよ!」
そう、水着に着替えた彼女達はまさに島の海岸に咲く花、特にスカサハやジャンヌオルタのそれは破壊力満点であった。
そんな彼女達の姿を目の当たりにしたYARIO 達は顔を見合わせる。
リゾラバといいながら、準備体操に熱中する彼らは女性陣の事をすっかり忘れていた。
「…おー、似合うじゃん! モーさん! しっかり準備運動しとけよ! 筋肉痛になったら二日後にくるからな! 二日後!」
「そうだぞ! リーダーなんか一週間後に来たっつってたからな!」
「スカサハ師匠、それはちょっと大胆すぎやない? あたたた…」
「リーダー身体固すぎ」
ーーー英雄になっても身体が固い。
平均年齢42歳(精神)達が言う準備運動に関する熱弁は説得力があった。
しかし、一部の女性陣の胸はやはりデカイの一言に尽きる。スタイルの良さは普段から知っていたがまさかこれほどとは彼らとしても予想外だった。
「フケイ デ アルゾ」
「ニトちゃん、それ脱ぎなよ」
まあ、さらに一部は別の意味で目を惹くような珍妙なメジェド様の格好をしているが気にしてはいけない。
さて、準備体操に励む彼ら、かつて、運動神経が抜群であったカルナだが、以前、カタッシュ村に居た際、こんな事が…。
『あれ! 兄ィ! どうしたの! それ』
『転びました』
なんと、村の建物を作る際に転倒。
それから、怪我してしまったなんてことがあった。以前のカルナならば、そんなものも簡単に捌けるはずだったのだが。
ーーー反射神経がガク落ち。
咄嗟の受け身も取れなくなってしまった。だが、この英雄の身体になって、環境の変化にここ最近慣れてきた今では。
「おぉ〜」
「バク転だ!」
ーーーアイドルスマイル。
バク転もできる棟梁になっていた。久々のバク転の成功に思わずカルナもほっこり笑顔を零している。
これには見ていたモーさんとニトクリスも思わず顔を赤くしボーっと見惚れていた。
さて、ここで、皆さまには現在のカルナのスペックを見てもらうとしよう。
・なんでもできる
・ものしり
・たくましい腕
・インドの大棟梁
・イケメン
・バク転ができる←もっさり
今更ながら、こんな感じである。
そして、続いてはベディが挑戦! 183cmの身体を生かしたダイナミックなバク転は最年少38歳(精神年齢)ながら見応えがあった。
そして、ここで忘れず。
ーーーアイドルスマイル。
これには、思わずジャンヌオルタちゃんもキュンとなってしまい顔を赤くしたままそこから視線を逸らしてしまう。
だが、考えても見てほしい、これは、中身がおっさんアイドル達によるただのバク転できるかどうかの戯れである。
ちなみに、彼女達が顔を赤くする要素は皆無である。
「バク転くらい私なんて余裕でできるぞ、ほら」
「師匠、それバク転やなくてバク宙や」
そして、そんな彼らのバク転もスカサハ師匠のバク宙によって木っ端微塵に砕かれる事になった。
しかも一回や二回やなくスカサハ師匠は10回連続バク宙するのだから末恐ろしい。しかも、ある部分は激しくプルンと揺れていたので更に恐ろしい。
そんなスカサハ師匠のバク宙を目の当たりにした後、続いてはディルムッド。
バク転を行う為、身構えるディルムッド、見せましょう遠山桜、華麗に宙を…。
ーーー桜吹雪の様に舞う。
意気込んでバク転に挑んだディルムッド、これは成功しそうな予感が漂う、長年、アイドルをやってきた意地を見せてもらいたい。
だが…。
「へい!」
ーーー不時着してしまった。
これには一同からも笑いが溢れ出てしまう。
流石に久方ぶりのバク転、これに関してディルムッドは弁解を述べ始めた。
「違う! こういうやつだから!」
そう言って思わず照れ隠しで顔を赤くするディルムッド、これは恥ずかしい。
すると、ここで、本丸と言わんばかりに肩をくるくると回している我らがリーダーが自信満々にこんな事を。
「しゃあないなぁ、僕がお手本を…」
「駄目! リーダー! あんたはやめたが良い」
「腰やるからマジで」
お手本とばかりに意気込んでいたリーダーを全力で止めにかかるメンバー達。
最年長46歳(精神年齢)。流石にバク転をやらせるには酷というもの、やらせたらリーダーの身体が崩壊してしまう。
ーーーギリギリの男。
トーンが本気だったので本当にリーダーの事を思ってだろう、とはいえ、リーダーも一応、英雄の身体なのでできない事は無いはず。
恐らく、気持ちの問題というやつだろう。
さて、バク転と準備体操も終えたところで身体が温まってきた。そういうわけで、今回、せっかく女性陣もいるので。
「島リンピック、開催」
「島リンピックか…」
そう、オリンピックならぬ、ヴラドの一声でせっかくなので、島リンピックを開催する事にした。
さて、彼らの島リンピックとは一体…?
そして、次回は英雄女性陣が大暴れ! さらに、ある助っ人達がなんと海を越えて島に遊びにやってくる。
ますます目が離せない鉄腕/fate。
果たして彼らは島を開拓する事ができるのか!
今日のYARIO。
1.雑に扱われる女物の下着。
2.ジャンヌオルタのパンツは飛距離が出る。
3.基礎作りから納屋を建てるアイドル。
4.ギリギリバク転できるアイドル。
5.アヴァロンとかいう瀬戸内海の島。