ザ!鉄腕/fate! YARIOは世界を救えるか?   作:パトラッシュS
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エール交換

 

 

 カタッシュ島、島リンピック開催。

 

 となれば、当然、スポーツの祭典! ではなく、砂浜での小さな運動会みたいなもの、だがしかし、ギリシャ出身の英雄や負けず嫌いなスカサハ師匠みたいな方々もいるという事でガチンコ勝負になりつつあった。

 

 そして、チーム分けだが、白組、赤組とチーム編成を行い、紅白戦をすることに。

 

 男爵ディーノに乗らず、カタッシュ村に居残っていたメンバーに関してはだん吉を使いこの島までやってきた。

 

 そういう訳で、バチバチと火花を散らすカタッシュ隊員達。

 

 そんな中、アナウンサーを引き受けたマーリン師匠は我らがリーダーが率いる白組へと中継をしにやってきた。

 

 

「さあ、この後、いよいよ筋肉番…じゃなかった、島リンピックの種目によりますYARIOの直接対決があるわけでありますが、本番直前、本番前にですね、YARIOレッドとYARIOホワイト、エールの交換を行おうという事になりました」

 

 

 そう言って話すマーリン師匠はYARIOレッド達が会議をしている男爵ディーノの船の前でマイクを握っている。

 

 そして、その付近にはエール交換をしにきた白組のメンバーがずらり。

 

 これは何やら不穏な予感が漂ってくる。

 

 

「そして、キャプテンのクーフーリンさんです」

「よろしくお願いしまーす、今日はね、爽やかなスポーツマンシップに乗っとって頑張っていきたいなと思っております」

 

 

 そう言って爽やかな笑顔で答えるキャプテンのシゲフーリン。

 

 そんな中、白組からはキャラではない爽やかなクーフーリンの姿に思わず笑いが溢れでる。

 

 そんな中、マイクを握るマーリン師匠にディルムッドはにこやかな笑顔を浮かべながら、ある人物をプッシュするかのようにこんな話をし始めた。

 

 

「うちのね、若手のホープ、モーさんがいますんで、彼女が代表でね」

「はい、今日はね、スカサハにね、言います」

 

 

 ん? とここで、場の空気がシンっと静まり返る。このモーさんの言葉遣いがもう既に波乱を呼ぶ予感をさせていた。

 

 しかも、よく見れば白組にいるマルタは特効服を着ている。これは間違いない戦闘態勢である。

 

 さらに言えば、それを着た婦長やサングラスを掛けて同じく着ているジャンヌまで。

 

 

 ーーーレディースの会合場所に。

 

 

 しかしながら、エール交換をするのは既定路線、気を取り直してマーリンは中継を続ける。

 

 

「えー、では気を取り直して、白組の皆さん! エールの交換を…」

「おい! お前ら!」

 

 

 その瞬間、火蓋は切って落とされた。

 

 勢いよく木刀を担いだモーさんが先頭を切って赤組に突入。

 

 それを見届けていたリーダー達は置いてきぼりを食らってしまい、思わずポカンとしている。

 

 

「あいつ一人で行っちゃったよ」

 

 

 思わず笑いを零しながらその光景を眺めるカルナ。

 

 そんな、付いてきてないリーダー達に不安を覚えたモーさんは思わず手招きし、彼らは致し方なしにモーさんの後についていく形で男爵ディーノの中に入っていく。

 

 そんな中、座っているスカサハを始め、レッドのメンバー達は睨みを利かしながら嫌悪感を抱いていた。

 

 

「なんだ? なんだ?」

「ウチのねー、モーさんがねそちらの大将に一言言いたいみたいなんで」

 

 

 そう言って、モーさんの肩を優しく掴んでいたカルナは満面の笑みを浮かべそう告げる。

 

 すると、モーさんはツカツカとスカサハ師匠の側に寄ると木刀を担いだまま睨みを利かしつつ、こんな一言を…。

 

 

「言ってやれ! 言ってやれ!」

「ん? 何?」

「ひっ…!」

 

 

 だが、席から急に立ち上がってきたスカサハ師匠に驚いたのか急に後ずさる。

 

 そう、身体は理解しているのだ、この人に逆らうのは想像以上にやばいと。

 

 だが、モーさんは周りのサポートもあってか、そこから持ち直すとまっすぐにスカサハ師匠を見つめながらこんな一言を発する。

 

 

「サーちゃんじゃねぇんだぞ、お前。年齢考えろ年齢」

 

 

 その瞬間、周りからは思わず笑いが溢れ出てきた。しかしながら、言ってるモーさんからは冷や汗がダラダラと溢れ出ている。

 

 すると、スカサハ師匠はボキリボキリと拳の骨を鳴らし始めた。そう、スカサハ師匠に言ってはいけないタブーを思いっきり踏み抜いたのだからそうなるのも致し方ない。

 

 

 ーーーまさに一触即発。

 

 

 すると、ここで、ディルムッドがすかさずモーさんを保護すると宥めるように庇う。

 

 それから、つかみ合いになろうとしている二人の仲介に入ろうとしたベディに対して、カルナが余計な一言を。

 

 

「おめーが入るんじゃねぇよ」

「なんだとこの野郎!」

 

 

 そこからは、なんと一気に乱闘に発展。

 

 揉みくちゃにされながら、マーリン師匠は赤組と白組の英雄達の仲裁に入ろうとしてそれに巻き込まれてしまっていた。

 

 マイクを握るマーリン師匠の周りに集まる英雄達は容赦なく取っ組み合う。

 

 

「放送できる範囲でお願いします! 放送できる範囲でお願いします!」

「大人しくしなさい!座薬入れますよ!!」

「なんでや! ワシはリーダーやぞ! コラァー!」

 

 

 揉みくちゃにされながら、何故か何もしてないのに婦長から取り抑えられ、尻を剥かれるリーダー。

 

 

 ーーー安定のリーダー。

 

 

 座薬を婦長から入れられる前に、とりあえず全員一通り乱闘して暴れ回ると仕切り直すかのように落ち着きを取り戻した。

 

 そして、あたりを見渡していた一同はあることに気づいた。そう、この乱闘に加わらず呑気に一人だけ安全圏にいる人物がいる。

 

 そんな中、気づいた第六天魔王ことノッブはその人物について話をしはじめる。

 

 

「ヒロインXは何しとるんじゃ! ヒロインXは…!」

 

 

 すると、そこにはカタッシュ村から運んできた弁当をひたすらがつがつと食べてる謎のヒロインXことアルトリアさんの姿が…。

 

 どうやら、彼女は乱闘より弁当にご執心らしい。

 

 

「何やっとるんじゃ! お主!」

「何弁当食ってんだよ!」

 

 

 すると、弁当を食べ終えた謎のヒロインXは口を拭きながら席から立ち上がる。

 

 ヒロインXはお茶を飲み一息いれると乱闘を終えてこちらに注目してくるメンバー達に言い訳するかのようにこんな話をし始める。

 

 

「違う違う、朝からぁ、朝からね? 農業とかカタッシュ村で色々してきたわけですよ」

「うん」

「私的にはちょっと疲れたんで、ちょっとお弁当食べてたら、なんか…みんながバッーって入って来たんで」

 

 

 すると、それを聞いていたメンバー達の視線がすぐにモーさんへと集まる。

 

 そして、全員が顔を見合わせるとそこからモーさんをさらに焚きつけるように、ヒロインXの目の前に彼女を連れてこさせた。

 

 

「言ってやれ!言ってやれ!」

 

 

 そうして、乱闘に加わらず、呑気に弁当を食べていたヒロインXに対して物申してやれと煽り出すYARIO達。

 

 だいたい、乱闘に発展したりするのも彼らが煽っているからに他ならない。もっと穏便にエール交換をする気は無いのだろうか?

 

 すると、カルナから耳打ちされたモーさんは自分の父と瓜二つであるヒロインXに対して馴れ馴れしく肩をバシンと強く叩くとこんな暴言を吐きつけた。

 

 

「弁当食ってんじゃねぇよ! お前!」

 

 

 思わず、一同から笑いが溢れでる。

 

 すると、その瞬間、メガネを掛けていた同じくアルトリア顔のヒロインXの相方ことえっちゃんが横から乱入しヒロインXに暴言を吐いたモーさんに摑みかかる。

 

 その表情は鬼気迫る様子であった。

 

 

「ヒロインXを倒し、宇宙をヴィランの闇色に染めるのはこの私だぁあああああ!」

「ひ、ひぃ、ごめんなしゃい!」

「待って! ちょっと落ち着いて! えっちゃん!」

 

 

 そして、再び乱闘勃発、揉みくちゃにされるマーリン師匠を尻目に一同は男爵ディーノで暴れ回る。

 

 えっちゃんから迫られ涙目になるモーさん。そして、そのえっちゃんの腰を掴み必死に制止する謎のヒロインX。

 

 遂に勃発、YARIO全面抗争! 爽やかなエール交換とは一体なんだったのか!

 

 あるところでは、なんと、マルタの姉御のチョークスイーパーがエミヤさんを締め上げはじめてる最中である、まさにカオス。

 

 そんな中、この事態に終止符を打つべく、我らが仲介役のヴラドが立ち上がる。

 

 すぐさま、赤組と白組の間に割って入るヴラド、すると彼はみんなにこんな話をし始めた。

 

 

「ちょっと待て!」

「はい! 聞いて!」

 

 

 すぐさま、火消しに入ろうとするヴラドに便乗するようにボロボロになったマーリン師匠が皆に注目するように告げる。

 

 一同の動きがぴたりと止まり、ヴラドに視線が集まる。

 

 すると、ヴラドはコホンと咳払いするとこんな話をし始めた。

 

 

「いや、俺たちだって、そりゃこういう喧嘩はしたくないよ! だけどさ! モーさんのその口の利き方されたらさ、やっぱ、俺らだって黙ってないでしょ」

 

 

 そうだ、そうだ、とヴラドの意見に賛同し始める赤組の英雄達。

 

 そう、本来なら爽やかなエール交換が目的のはずなのにこれでは本末転倒だ。これで、丸く事が収まるかもしれない。

 

 だが、カルナがヴラドの目の前に立つと軽く小突きこんな一言を発した。

 

 

「おーい、弱いのすっこんでろよ」

「おいおいおいおーい」

 

 

 そして、再びそれが火蓋に始まる大乱闘。

 

 乱闘に参加をしている皆んなは思った。だいたい、この人達のせいで乱闘が収まらないのではないかと?

 

 とはいえ、これはあくまでYARIO式のエール交換なのである。男所帯ならではの伝統行事なのだ。

 

 

 すると、ここである奇跡が…!

 

 

「ちょっと! みんな待って! リーダーが! リーダーが!」

 

 

 そうして、その声でぴたりと収まる乱闘。

 

 そう、遂にこの乱闘の末、犠牲者が出てしまったのである。

 

 すぐさま、メンバーは声が上がった場所に駆け寄る。すると、なにやら壁に背を向けて座り込んでるリーダーの姿が。

 

 

「リーダー! リーダー!」

「しっかりしろ! リーダー!」

 

 

 流石に我らがリーダーもここまでか、シゲフーリン、精神年齢46歳は疲れきった表情で座り込んでいた。

 

 するとしばらくしてこんな話をリーダーはゆっくりとし始めた。

 

 

「争いは…何も生みやしない、みんな、仲良くやってくれ…!」

「リーダー、俺たち悪かったよ!」

「仲良くするよ!」

「どうしたんだよ! リーダー!」

「二人を止めてー、私のためにー」

 

 

 そして、何故か歌い出すリーダークーフーリン。

 

 それに釣られるように、リーダーの周りに集まってきた一同も何故か歌を歌い始める。

 

 すると、しばらくして、その姿を見ていた婦長がツカツカと歩いてくると手袋をはめながら、リーダーのそばに近寄り、真剣な眼差しでこう一言。

 

 

「貴方の命は必ず救います、死なせやしません! 絶対に!」

「いや待って! 婦長! 元気やから! 茶番やからこれ!」

 

 

 ガチトーンの婦長に思わず立ち上がるリーダー、そして、周りからは思わず笑い声が溢れでる。

 

 兎にも角にも、こうして茶番のようなエール交換も終えて、健闘を誓う赤組と白組の両者。

 

 さて、波乱万丈な幕開けとなったカタッシュ島、島リンピック。

 

 カタッシュ島での彼らの生活は始まったばかりである。

 

 

 今日のYARIO。

 

 

 1.だいたいYARIOのせい。

 

 2.若手のホープ、モーさん。

 

 3.乱闘勃発(茶番)。

 

 4.島リンピック開催。






注:元ネタは筋肉番付の紅白戦です。動画はニコニコにあります







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