仮面ライダーカイロス 作:しゃけ
「わが社の商品たちよ、ゲームの時間だ」
ゲムデウスウイルスの再発という最悪の事態が起こってしまった。人々はバグスターと化した人に触れられるだけで感染・バグスター化してしまう。
「なんだよこれ……」
バグスター化した市民たちが仮面ライダーたちを襲う。しかし相手はバグスター化したとはいえ人間。罪なき人間。無暗に攻撃することはできない
「だったら……!」
〔ダブルガシャット! DOCTORMIGHTY CRITICALFINISH!〕
ガシャコンキースラッシャーによるワクチン散布を試みる。直接当てるのではなく、上に放ち、重力に従って落ちてくるようにし、広範囲にワクチンを送る。
「! ここは……」
「ぁあ……」
「今すぐ逃げてください!」
その場にいた者へのワクチン散布は成功した。しかし感染は今も拡大している。
「はやく別の場所で……」
〔ガッシューン〕
エグゼイドたちが別地点でのワクチン散布をしようとしたその時、キースラッシャーに刺したガシャットが抜かれる。
「これじゃきりがないよ!」
「ポッピー?ポッピー!」
ドクターマイティXXガシャットを抜いた彼女はこの場を去ってしまう。
「おい、何をする気だ?」
聖都大学附属病院の屋上にきたポッピーをパラドが問い詰める
「それは……」
「ポッピー!」
ポッピーを追いかけていた永夢が追いつく。
「このガシャットを私の体に刺して、すべての人にゲムデウスワクチンを届ける。それしか方法は無い」
「……ダメです。そんなことしたら!」
「わかってる。消えてなくなっちゃうね。患者の体を蝕んできたバグスターは、いつか死滅しなければならない」
「……そんなこと言わないでください。ポッピーは命を救うためにずっと、僕たちと協力してきた……仲間じゃないか!
死滅しなければいけない運命なんて、僕は認めない」
「永夢とパラドはゲムデウスの攻略をお願い。私はみんなにワクチンを届けるから」
「もっと他に方法が……!」
「患者の人たちを助けたいの!みんなの笑顔を……取り戻したい……から」
「……でもまだ……約束を果たしてないじゃないか……
『一緒にドレミファビートをやろう』
って……」
「ごめんね……永夢。ありがとう」
彼女は自らの体にガシャットを刺し、永夢に笑顔を見せる。
「命と笑顔を守るみんなのドクターになって」
この言葉の後、ポッピーの体は消滅し、ワクチンが雨のように降り注ぐ。
これによりパンデミックは鎮圧。市民たちと貴利矢が元の姿に戻る。
「…………ポッピー……?」
『私、信じてるから。みんなならきっと、仮面ライダークロニクルを攻略できるって!』
「まさかポッピーピポパポ……お前が患者たちを……」
『飛彩、甘いもの食べ過ぎないようにね』
『貴利矢、ウソはほどほどにね』
『大我、ニコちゃんにやさしくしてあげてね』
『ニコちゃん、大我をよろしくね』
『永治、私達の知らないところでも戦ってくれてたんだね。ありがとう』
『黎斗、みんなに迷惑かけちゃダメだよ?これからはプレイヤーを笑顔にする楽しいゲームを作って!』
「……ゲームマスターの私に許可なく、勝手に消えることは認めない…………!」
黎斗の前にうっすらではあるが、ポッピーが笑顔で現れる。この笑顔はまるで、泣いている息子を慰める母のような優しさである。
「……」
ポッピーへ手を伸ばす。しかし彼女は消え、届くことはなかった
「パンデミックを抑えるとは……」
ワクチン散布を目にしていた正宗。そして、彼を攻略するため立ち向かう五人のライダー。
「幻夢コーポレーションを世界一のゲーム会社にする。そんな絵空事のような、幻に等しい夢を実現するため私は人生のすべてを捧げた。
幻夢コーポレーションは私が命を削って作り上げた!私の……全てだぁぁぁ!!
実現してみせる!私の夢をォォォォ!!!」
正宗が超ゲムデウスへ姿を変える。
〔タドルレガシー!〕
〔バンバンシミュレーションズ!〕
〔〔仮面ライダークロニクル!〕〕
〔マイティアクションX!〕
〔デンジャラスゾンビ!〕
〔爆走バイク!〕
〔ジェットコンバット!〕
「「「「「変身!」」」」」
ライダーゲージ999本分の体力を持つ超ゲムデウス。そのせいなのか攻撃が効いていることを示す『HIT!』が表示されるにもかかわらず、まったく怯む様子は無い。このままではライダーたちが消耗し、一方的にやられてしまう。
〔キメワザ! CRITICAL PUNISHMENT〕
カイロスがキメワザを放つが、『HIT!』の表示がない。
『プロトクロニクル、君は最初からこのゲームに組み込まれていた仮面ライダー。対策をしていないとでも?』
「くそっ!」
〔ガシャコンスパロー!〕
カイロスは元々のものにはなかったガシャコンウェポン召喚能力を使用。これでの攻撃は効いている。
『世界を救いたければ、私を攻略してみせろ。世界よ……これがゲームだァァ!!』
〔 GAME OVER 〕
超ゲムデウスの放つ衝撃波で四人は吹き飛ばされ、一人は死亡する。
「こんなやつ、どうやったら攻略できんだよ!」
「攻略法なら、ある」
「永夢……?」
劣勢の五人の前に永夢が現れ、ガシャットを起動する。
〔マイティアクションX!〕
「マイティアクションX!?そんなガシャットでどうするつもりだ!」
「ゲムデウス、お前の運命は俺が変える。変身!」
〔ガシャット! レッツゲーム!メッチャゲーム!ムッチャゲーム!ワッチャネーム!?〕
〔アイム ア カメンライダー!〕
永夢はエグゼイド レベル1へと変身し、ゲムデウスと対峙する。
「そんなレベルで挑んだら死ぬぞ!!」
するとエグゼイドはゲムデウスを背に走る。壁際まで走ると壁を蹴ってその勢いでローリングをし、ゲムデウスの懐に入る。そこからキックを二回当てる。
レベル1に備わっている"パルスプリッター"の効果と合わさり、ゲムデウスに与えるダメージが大きくなっている。
「なるほど。レベル1なら檀正宗とゲムデウスを分離できる!」
カイロスは一度ガシャットを抜き、レバーを閉じ、スロット1に刺していたガシャットをもう一度起動する。
〔仮面ライダークロニクル!〕
〔マイティアクションX!〕
〔タドルクエスト!〕
〔バンバンシューティング!〕
〔爆走バイク!〕
「「「「「変身!」」」」」
〔〔〔〔〔ガシャット! アイム ア カメンライダー!〕〕〕〕〕
カイロス、ゲンム、ブレイブ、スナイプ、レーザーもレベル1へと変身。
「これより、ゲムデウス切除手術を開始する」
「ミッション開始!」
「ノリノリで行っちゃうぜ!」
「コンテニューしてでもクゥリィィアするぅ!」
ゲムデウスへ突撃する五人。ころころした見た目とは裏腹に、すばしっこい動きを見せる。
「ハッハァ!図が高いぞぉ!神の才能に…………」
ゲムデウスの腕"デウスファーニブル"に捕まり上空へ投げ出されるゲンム。
「ひれ伏せぇー!!」
投げ出され、落下する勢いを利用し、超上空からキックをかます。
キックの後着地し、姿勢を崩すゲンムを支えるレーザー。
「行くぞ神!」
「よく言った」
「ハッ ちょろいな」
「俺に切れないものは無い!」
「さっさと出てこいや正宗ぇ!」
一気に距離を詰めるブレイブとゲムデウス下部に存在する剣"デウスカリバー"にしがみつきガシャコンスパロー 鎌モードで斬り続けるカイロス。
一見地味に見える攻撃だが、ゲムデウスからすれば体に毒を入れられているようなものである。
「バンバン!」
スナイプも後方からの射撃の後、体を高速回転させ、銃弾のように突撃する。
『おのれェェェ!!』
ゲムデウスも負けじと体のあちこちからビームを放つ。
「動きを止めないと……!」
エグゼイドの頭上にデウスカリバーが迫る。
「あぁっ!」
「ぅおおお!!」
「パラド!」
エグゼイドの元へ駆けつけ、デウスカリバーを受け止めるパラドクス。彼のドライバーにはドクターマイティXXガシャットが刺さっており、彼の体を通じてゲムデウスがワクチンに侵される。
「今だ!……やれ!」
「ああ!」
〔ガシューン……〕
「行くぞ!!」
〔〔〔〔〔〔ガシャット!! キメワザ!!〕〕〕〕〕〕
「フィニッシュは必殺技で決まりだ!」
〔TADDLE〕
〔BANGBANG〕
〔RIDER〕
〔BAKUSOU〕
〔〔MIGHTY〕〕
〔〔〔〔〔〔CRITICALSTRIKE!〕〕〕〕〕〕
六人のライダーによるキックが炸裂。反動で変身が解除されるも、正宗とゲムデウスの分離に成功する。
「やった……!」
「そんな……バカな……!」
「バグスター同士、仲良く死滅しようぜ。ゲムデウス」
「パラド?」
「ゲムデウスワクチンを使っているからか」
「グアアアアアア!!」
ワクチンを使用したパラドによって、ゲムデウスは消滅した。だが、それはパラドも同じだった。
「これで少しは……償えたか」
「……」
「短い間だったけど、お前とのゲーム、最高に楽しかったぜ。永夢」
「パラド!」
体が消えていくパラドに手を伸ばす。しかしそれは――――
「……」
「……」
「……」
「…………」
「……」
「運命は私に味方したようだ。パーフェクトノックアウトが消滅した今、ハイパームテキは変身できず、クロノスを攻略する術が無くなった!
君たちの運命は バッドエンドだ」
〔仮面ライダークロニクル!〕
カイロスレベル1とそのキメワザの音声はマイティクリエイターのような少し高めのテンションの諏訪部さんボイスを想像してみてください。