仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
目的地の或美島で、夏を楽しむ高校生達。
そんな中、最強の魔術師と最強の高校生が邂逅する。
2人は戦うのか、それとも.....
そして、エレンの所へと向かっていく和真。あとをつけてくる奴らは今は、気にしないでおこうと思う。
しばらく歩き、エレンの部屋に辿り着く。では入るとしようか。
後ろの奴らが囁いてくる。
「おい、そこカメラマンさんの部屋だぞ」
「いくら金髪が好きだからってな...」
なんだこいつら、妙にうざい。まったく....
「違えわ!俺はロリが好きなんだよ!」
「「うっわ...お前の方がロリコンじゃねえか」」
「幼女も好きなだけだ!20以上はババアってロリコンじゃないし」
などと言い合っていると、ドアが開けられた。チャンスだ。
「貴方達でしたか。ここで騒がれると眠れないのですが。」
「「スイマセン」」
殿町お前も謝れよ、と小声で立花が言ってきたが、無視する。
「立花達は戻れよ。俺はカメラマンさんに話があるんだ」
急な和真の威圧感に、彼らは下がっていく。
再び彼女に、向かい合う。
「貴方、何の用ですか?」
「ああ...自己紹介がまだだったか。俺は八坂和真だ。以後よろしく」
「はあ...でも殿町と言われていたような」
「気のせいでしょうね」
無言の時間。黙っていてもどうしようもないので、入らせてもらう。
「ふうん、案外普通の部屋なんだな」
「そりゃ普通の旅館ですし」
と次の瞬間、エレンに銃口が向いていた。しかもリボルバーという、今時珍しいやつだが、和真のものである。
「何のつもりです?」
「悪いなァ...何も言わんで。とりあえずテメェを殺さないと、世界は上手く進まんのだよ。それと、五河士道の為にもね」
「......何者?貴方、本当にこの生徒なの?」
「一応はそうだがな。とか時間稼ぎのつもりかよ!」
引き金を引く。弾丸は、エレンの頰の僅か数センチ横を通り過ぎた。
少しだが、エレンの顔に恐怖の表情が混じる。生身だとこの人、マジで弱いのである。CR-ユニットを着ければ別だが。
「で、でも、今の銃声で誰か来るわよ?そしたら貴方が捕まってそれで終了よ!」
「そいつァどうかね?」
と言い、シャツの襟を掴んで持ち上げる。
「悪りぃがな、お前のせいで主人公死にかけんだよ!許せるか!」
「?!」
和真の言葉の意味が分からなかったのか、目をパチクリさせるエレン。とぼけているようだが、こちらにはわかっているのだ。
本編(デートアライブ)を読んでいるからッ!
「お前の罪を数えてみやがれ!」
そのまま投げ飛ばした。殿町は出番はあるものの、マジなサブキャラクターだ。どうなろうと知ったことではない。思う存分暴れられる。
「かっ...はっ...」
壁に叩きつけられたエレンの方は、なんとか息をしているようだ。
しぶといものだ、やはりDEM社のヤツは一筋縄ではいかぬか。
再度拳銃を向ける。
だが廊下を走ってくるドタバタという音が聞こえてきた。
「チッ...投げたのは間違いだったか」
「こ、これでチェックメイトよ!」
急展開でここまで来たとは言え、今ので多少なりともエレンには危機感を抱かせることは出来たはずだ。
発煙筒を部屋の中に放り、和真は窓から身を投げた。
「あっ....」
その後エレンの部屋で何が起こったかは知らないが、和真はボドボドになりながらも枝に捕まって助かり、そのまま部屋に戻った。
一方部屋では、犬井や立花、五河が駄弁っていた。
テレビでは『蒼き鋼のアルペジオ』をやっている。別の世界ではイオナが「パンツァーフォー」と叫んでいるなど、ここの奴らは思いもしないだろう。
「よぉ...今戻ったぜ」
「おう...ってオマエそれどしたん?」
「ボドボドだな!」
「何したんだよ、殿町」
口々に叫んでいる。なるほど確かに服を見てみると、一部破けたりしており、中破一歩手前といったところだろうか。
「あーマジかぁ、んじゃちょっと着替えてくる。」
そういって時間帯的にも遅いので、風呂へと向かうことに。
バレるのも時間の問題なので、さっさと風呂を済ませて部屋に戻る。
部屋にはまだメンバーが残っていて、今度は昼間の精霊について話していた。
だがこちらにはあまり関係ないわけで、明日に備えて和真は布団に横になった。
そうして夜は更けゆく。
2日目になった。今日は海水浴で、朝から水着の人達が多く見受けられる日だった。だが和真は泳ぐ気はない。
砂浜で座り込んでいると、1人の女子が話しかけてきた。
「あのさ...殿町くん、だよね?泳がないの?」
「まあな....てか誰?」
「同じクラスの神城睦月だよ」
知らない奴だ。聞いたこともないので、世界に介入した際の異常で生じた人間か誰かだとでも思っておくことにする。
などと考えていると、手を握られた。
「殿町くん、泳ごうよ。せっかく修学旅行で来たんだから」
「は、はあ」
半ば引きずられる感じで和真は、海へと連れ去られていった。
一方その頃近くの砂浜では、士道は精霊達の攻略に付き合い、これまた別の所では犬井と立花が、水着の女子達を写真におさめていた。
とそんな時、犬井が驚愕の表情を浮かべた。
「お、おい...ダディャーナサン...」
「なんだよ日本語喋れよ。んで何かあったのか?」
「あ、あれ見ろよ....」
犬井が指差した先には、女子(しかも結構美少女)に引っ張られていく
殿町(和真)の姿があった。
「がはっ....なンだよありゃ....」
「殺るか」「殺ろうぜ」
「「うおおおおおおおおお!」」
瞬間、2人はクロールを開始していた。しかもただののクロールではない。クロックアップに匹敵するであろうレベルのクロールなのだ。怒りと憎しみはヒトを強くするという。過去にそれで戦っていた副隊長もいたらしいが。
数秒後、特殊部隊よろしく犬井と立花は岩陰に隠れて、殿町と女子の
様子を見ていた。
「まさか一生孤独同盟の言い出しっぺの彼奴が破るとはな...」
「ヒトは変わるものだよ」
「悟ってんじゃねえ」
言いつつも監視を続けていると、爆発音と共に犬井と立花は吹っ飛ばされた。まるで手榴弾か何かを使った感じだ。
「ぎゃれん?!」「ふぁいず?!」
何メートルか飛ばされて、海面に叩きつけられる。
顔を上げると、そこには殿町が立っていた。
「何してんだお前ら」
「い、いやぁ、一生孤独同盟の条約違反が見受けられたのでね」
「そーそー」
はぁ、とため息をつき、殿町は口を開いた。
手に手榴弾が握られているのは気のせいだと思いたい。
「あのな、俺だってあの女子誰だか知らねえんだよ」
「「は?」」
「は?じゃねえよ。知らねえヤツはしらん」
「殿町ならクラスの女子を全員把握してるはずなのに」
「とか言っても、俺達も知らんけどな」
3人して例の女子を振り返る。笑顔で手を振ったりしている。
「ふうむ....」
確かに悪い奴には見えないのだが。正体が不明だ。
「一応自己紹介はして貰ったんだが....」
「「してもらったんかい!」」
ならどうして言わぬ、というのはもう叫んでも遅かろう。
それにここまで来ればやることは1つだ。
「ナンパするか」
「せやな」
「納得早え!少しは考えろよ!」
殿町の言葉を無視し、犬井と立花のアホ2人は女性陣へと突撃して行ったのだった。
その後の事は、まあ一言で言えばお決まりだったと言えよう。
水着の女子軍に突撃してナンパを試みるなど、愚行なのだ。
細かく言うと、
「「「「嫌ァァァァァ!」」」」
などという悲鳴が聞こえ、殴られるような鈍い音と共に2つの人影が空中を舞った。
犬井と立花だ。また海面に叩きつけられた2人ではあったが、妙に満足した表情だった。
「ガーデンオブアヴァロンてあれだな」
「タマモナインだろ」
「意味わかんねえ事言ってんじゃねえよ。そもそもマーリンも玉藻も
いねえんだよ!キャスター玉藻はウチにいるっちゃいるけどさ」
とか言った後に2人は気絶した。仕方ない、旅館まで引っ張って行くとしようか。
2人を引きずって旅館に帰り、部屋に放る。
そして再度砂浜へと戻った和真ではあったが...心配事もあった。
エレンの動向だ。ヤツはこの二泊三日の修学旅行中に何をしでかすか
分かったものではない。もちろん原作は読んだものの、和真の介入に
より行動が変わっている可能性がある。
おおまかな予想で、士道のいる砂浜へと走って行った。
或美島はそんな大きな島ではないので、最悪一周すれば見つけられるのだが、今回は案外あっさりと見つける事ができた。
岩陰から士道や八舞姉妹、十香を監視するエレンを視認。
インカムをつけているところをみると、空中艦に連絡をとっていると見て間違いないだろう。
(ここで銃ぶっ放すのは得策じゃない。かといって変身するのも、後々面倒になる可能性がある。どうしたものか....)
双眼鏡を覗きつつ、考え込む。
だがすぐ作戦を思いつき、和真はニヤリとした。
とは言うものの、作戦と言えるか怪しいレベルではあるが。
数分後、同じ場所に和真はあるものを抱えて戻ってきていた。
持っているのはライフルタイプの水鉄砲二丁だ。
片方を背中に背負い、もう片方を肩に担ぐ。
コマンドーじゃねえか!と言いたくなる感じのスタイルである。
だがこの水鉄砲は、そこらへんのヤツとは違うのだ。アト子さん作の
特殊水鉄砲なのである。だから威力もかなり高い(はず)。
そして水鉄砲ライフルを構え、撃った。
するとどうだろう、エレンが隠れていた岩を見事なまでに粉々にした。穴が開いたとか、そういうのではない。
「すっげえ....よっしゃ!どんどん撃つぜ!」
「なっ?!え、ちょっ」
わざとエレンに当たらぬように撃っていき、砂浜は瞬く間に荒地と化した。
だが士道達は気付いていない。当然といえば当然、所持MPの大半を使って結界を張っているのだから。この為だけに使うのは気が引けたが、仕方あるまい。
「覚悟しろよ、エレン・メイザース」
「何?!どうしたというの?!」
「とぼけるんじゃねェ....DEM社第二執行部部長さんよォ...」
「.....何の事?私はただのカメラマンよ?そんなことある訳...」
だがエレンの言い訳じみた言葉に被せるように、和真は続けた。
「そうかいそうかい。んじゃあその耳のインカムを取っても、何もねえんだよな?ああァ?」
「......」
睨み合う2人。西部劇のような空気が漂った。先に口を開いたのは、エレンだった。
「.....仮に私が、そのDEM社のヒトだとしたらどうします?」
一気に口調が原作に近くなった。これまでのは演技、そういうことなのだろうか。別にどちらでも構わない。DEM社を潰すのが、和真の目的なのだから。
「そうだな....ひとまずは」
最後まで言わず、水鉄砲の引き金を引いた。水流はエレンの顔のすぐ脇を擦り、背後の岩をも砕いた。
「これが答えさ。最強の魔術師(ウィザード)」
「....ここまでバレた以上、一般人ではないのでしょう、貴方は。〈プリンセス〉の前に、この少年を排除します。〈アルバテル〉バンダースナッチを」
『何故だ?プリンセスもベルセルクも、活動をしていないではないか!バンダースナッチを出す必要がないッ!』
「いいえ、念の為です。排除対象が思ったより危険なので」
『だが....こんな事で壊されでもしたら事なんだが』
「倒せばアイクに褒められるかもしれませんよ」
『よし!バンダースナッチ降下!』
アホだ、この通信相手。社長に褒められるというだけでバンダースナッチを送るとは。
「バカなのかDEMって」
「バカもいる、というだけです。では10秒あれば充分ですね」
言って、エレンはユニットを装着した。カラーリングや装備から察するに、恐らくは〈ペンドラゴン〉....彼女の専用ユニットだろう。
白銀のユニットはまさに〈ペンドラゴン〉、聖騎士の名に相応しい姿をしている。
けれど、こちらとて負ける訳にはいかない。だがMPの残量を考えると、結界も5分が限界だ。
「ならこっちもさっさと決めてやる!バンダースナッチ諸共消え失せろ!変身!」
『Turn Up』という音声に続き、和真の身体をアーマーが覆う。
そして仮面ライダーブレイドへと姿を変えた。
「その姿、見慣れないですね。何かは知りませんが、直ぐに楽にしてあげますよ」
「ケッ、よく言うぜ。お前には聞きたいこともあるが....それはまあ倒してからでも良いか。」
両者共に、得物を構える。和真ことブレイドはブレイラウザーを、エレンはレイザーブレイドを。
刹那、2人は砂浜を蹴った。
この世界最強の魔術師と、最強の高校生の戦いが始まった。