仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
前話の最後で和真はゲートの光の中に消えたわけですが。
その後彼はどうなったのでしょうか?
てなわけで
前回までのあらすじ!
「要らねえよ!てか前回までのあらすじって何だよ?!しかもその声、サイクロン掃除機さんじゃねえか!」
あ、光の中に消えたんじゃないんですか?八坂さん。
「だってまだストーリー始まってないし、無駄だと思ったんでツッコミ入れさせてもらったぜ」
でも前回までのあらすじって必要かと。
「だから要らねえって。てかまだこの作品2話目だから必要ないと思うぞ」
あ、そですか。主人公がそう言うならストーリー進めますよ?
「「「(続きから)始まるよっ!」」」
「誰?!」
光のゲートを開き、バイクを加速させて和真はその中へ突っ込んだ。
しかし尋常でない光量が、身体を包む。思わず目を瞑るが、手だけは
離さずにハンドルにつかまり続ける。しばらくしてふと感覚に変化を覚えて和真は目を開けた。
「あれ...天井だ....しかもこの感じ、ベッドか?」
ゆっくりと身体を起こしてみる。
そこは乗ってきたバイクの上でもなく、予想していた見滝原の大通りでもなく、知らないベッドの上だった。
個人的に急展開というのは慣れてないわけではないし、むしろ内容によっては喜んだりする事もある。夜鬼討伐(リアル)に誘われた時などがそうだ。なんて話は今はどうでも良いのだが。
とりあえず状況整理である。
・現在間違いがなければここは見滝原のどこか。
・ベッドがある以上誰かの家。
これもしかして父親が昔かかったっていう紅王症候群とかにかかって、ここに来るまでの記憶がないのだろうか。
それでいて仮に介抱されてここにいるのだとしたら、礼を言わねばならない。などと考えて、結局ここに居ても仕方ないので部屋からでることにした。(その際カーテンは開けたが、外は見ていない。)
ドアを開けると、香ばしい香りが鼻をくすぐった。おそらくトーストだろう。一般家庭だ。ものすごく一般家庭だ。
階段があったので降りて行き、挨拶をする。
「おはようございます。き」
昨日はと言いかけたところで、外で野菜を摘んでいる男性がこちらに
気付き話しかけてきた。
「カズマ、いつもより早いね?どうしたんだい?」
「いつもより?!え、えっ?!」
まったく理解が出来ない。というか脳内処理が追いつかない。それだとこれまでずっと暮して来たような感じではないか。まったく理解、
「おはようカズマ。早いじゃないか?まどかは着替えてるからカズマもさっさと着替えてきな」
「あ、おはようお兄ちゃん。起こそうと思ったのに」
続く言葉が理解云々の域を超えていた。お兄ちゃんてどゆことだ。
てかここ鹿目家じゃないか。タツヤ居ないのに、兄はいるのも違和感。
「あの...お兄ちゃんてなんですか?」
「え?」「え?」
「いやあの、お兄ちゃんて何なんですか?」
疑問に疑問で返すな!とか言いたいところだが、そこは我慢だ。
こちらは高校生、耐えるのも義務というもの。
「カズマお兄ちゃんはわたしのお兄ちゃんだよ?同じ見滝原中学でしょ?」
は?知らねーよ中学生とか何をほざいてんだコイツ。もともと沸点はそう高くないのだ、そろそろキレかねない。とか言いたいけどやっぱり我慢。中学生にキレるとか大人気ないし。それに選挙権得るまであと僅か、耐えねばならぬ。選挙権関係ないか。
「いや全く分からないんだけど、うん全然。」
さすがにその場の空気を変えようと思ったのか、まどかの父親が会話に割り込んできた。まぁ今回ばかりは正解かもしれない。
「そこで固まらないで。朝ごはん冷めるよ?」
「ほらお兄ちゃんも食べようよ?ね?」
流石にそう言われては仕方ない。部外者が同じテーブルを囲むのはいささか気が引けるものだが、お兄ちゃんと認識されているこの現状、避けては怪しまれるかもしれない。
そう思い、しぶしぶと席に着いた。
あ、中学生ってのはババァなんだよとか抜かしたやついたらムッコロス。17年間生きて来たが、外見がロリなキャラには勝てないというのが和真の意見であった。昨今小学生もキャラによっては巨乳だったりするので(以下略)
まぁ決してロリコンではないと断言するが。
朝食を済ませたところで。母親は既に出掛け、家に残されたのは3人となっていた。
「制服には着替えないのかい?学校遅れるし、そろそろ巴さん寄る頃だよ?」
また謎すぎることを言ってるこのメガネ。アニメでもちゃんと父親やってたし、父親であることに間違いないんだろう。
けどやはり、ウチの父親と比べると違和感ありすぎるのだ。
なんて父親の評価は今は関係ないが。むしろどうでも良い。
マミさんがこの家に来る?それに制服とか言われても場所わからないし。なんて考えているうちにピンポーンという音が。
「どうしよう、制服の場所わからないし、あーもう!」
頭をガシガシとかく。もうやけくそも何も知ったことか。
「まどか、制服の場所忘れたから教えてくれ!」
「あれ、クローゼットに入れてなかった?お兄ちゃんて」
「サンキュー!マミさんにはすぐ行くって言ってくれ!」
その場のアレで下の名前で呼んでしまったが、それで良いのだろうか。兄だから良いのか。兄なんてこの家族には居なかった気がするが。なんて考えつつ階段を下から一気に上までジャンプし、部屋へと戻る。
クローゼットを開け、見滝原中学の男子用制服を探す。
さっさと上下羽織り、カバンらしきものを抱えて再び下へ。
そこにはまどかと談笑する巴マミが居た。
「カズマっ!大丈夫?!記憶がない様な事を言われたのだけど...」
「お、おう....」
こっちに気付いて話しかけるのは分かる。だが流石にキャラが....アレだなうん。形容し難いというのか。
なんか抱きついて来てるし、既に変な風にまどかは話してるようだし
もう理解不能カーニバルファンタズムだ。
あとその豊満な胸があるので、抱きつかれると苦しいのですが。
地の文で言っても意味ないか。
「あのさ...若干苦しいんだけど」
「ごめんなさいね、心配で...」
「心配せんでも大丈夫だからな?この通り元気だし、ほら遅れちゃマズいだろ?行こうぜ」
そして2人を連れ、和真は外へとでた。表には何故かブルースペイダーが停まっており、理由を聞くとなんでも今朝見たらあったとか。
邪神の便利設定か何かなのか。もう訳分からないし、全部便利設定の
せいにするか。
にしても何故、カズマなんて紛らわしい名前をつけたんだろうか。和真とカズマ。別に鹿目家が悪いとは言わないけど。
通学路はよくは分かっていないが、2人に半ばついて行く感じで行ったので問題なく、途中でさやかや仁美とも合流して学校に向かうことになった。
「カズマ先輩、記憶喪失なの?」
「うん、断定はできないけどママが可能性があるって。だってお兄ちゃんて何ですか、って聞いてきたんだよ?」
「ごめん想像できない。シスコンとか言われてる先輩がそんなこと
言うなんて」
黙っていればなかなかに言われているではないか。シスコンとか、嘘だろって言いたいのだが。もとのカズマってそんなキャラだったのか。てか記憶喪失とか話していただろうか?ま、食事の時にでも聞き逃したのかもしれない。きっとそうだ。便利設定なんだ。
それに想像できないのはこっちも同じである。
さやかと自分の父親、中の人同じとか全然思えない。でもプロフィール見ると同じなのである。そんな話はどうでも良いか。
「あのマミさん、いつまで手を繋ぐんでしょうか?」
「ずっとだけど?」
「はい?」
「冗談、学校までよ。正確にはクラスまでね」
「そすか....」
カズマってマミさんから好意(多分)を寄せられていて、なおかつシスコンなのか。考えてみると結構なヤツだと思う。反面教師的な意味で。別に自身の事ではないと思ったが、現在和真自身がカズマという
存在である事を思い出し、再び意気消沈する。
どうせ学校でひゅーひゅー言われたりするパターンだろう、こういうのは。今のうちに覚悟を決めておこう。
そんなこんなで話しながら(和真は精神的にやられつつ)学校に到着した。仁美、さやか、まどかとは学年が違うので途中で別れ、マミさんと共にクラスへ向かう。
廊下で誰かとすれ違うたび、
「オイあいつら手ェつないでるぜ、しかも相手マミさんだし。あの顔完璧出来てるだろクソリア充が」とか
「鹿目ってシスコンでもあるらしいぞ」とか
「鹿目テメェ...オレァクサムヲムッコロス!」とか
「マミさんが鹿目なんかと...ウゾダドンドコドーン!」とか
言われる始末。予想に反して怨嗟の言葉がほとんどである。アレかマミさんて学園のアイドル的な存在なのか。ならば理解できなくもないが。というか最後の2つは日本語じゃない気もする。オンドゥル語か何かだろうか。
ともあれなんとか教室に辿り着く。席はどこなのかと思っていると、マミさんが自分の隣の席を示す。あと頰を染めてんじゃねえよ、やりづらいじゃないか!てか嘘だろう、そこじゃクラスの男子勢の「オレァクサムヲムッコロス!」をフルで見る羽目になるではないか。マミさんの隣だから確かに嬉しいけれど。
アニメからキャラ崩壊がここまでなったマミさんというのは、自分では予想していなかったので、対応していくので精一杯である。
結局予想通り、クラスの男子(一部女子もいたが)からのムッコロフェイスで自習時間などロクに過ごせず、授業へと突入した。
放課後になった。帰りのHRを終えて教師は去り、クラスからはどんどん生徒が出て行く。
「ってもう放課後?!授業なにかやったの?!」
「まったくカズマったら...ちゃんと現代文も古典も他にも受けたじゃない。覚えてないの?」
「うん」
「しっかり頷かなくていいから。まぁカズマの寝顔は脳内にインプットされてるのだけれど」
「なんだ、つまりは寝てたのか。てっきり紅王症候群にかかったのかと思った。」
「あかおう、何?」
「何でもないよ。帰ろうぜ、まどかも待ってるだろ」
マミさんの手を引き、教室を出る。不思議と違和感がなかった。
前にもこんな事があったのだろうか。女子と一緒に帰るとかそういうのが。思い出せないので、放っておく事にした。どうせ伏線にもならんだろう、親と違って。だと良いんだけど。
昇降口に戻ると、まどか達は居なかった。待ってろとは言っていないが、どこに行ったのかと思い、あまり期待せずにカバンの中を探してケータイを見つける。
他人のだとか云々言ってられん。メールを開くと
『さやかちゃんとお茶してから帰るね。遅くならないように気をつけるよ』
寄り道...だと?アニメだとハンバーガーショップに寄って、その後CDを見て、その後は....
(不味いな、魔女の結界に閉じ込められるぞこれじゃあ)
マミさん、と話しかけようとしたところで和真はため息を吐く。
巴マミの姿が消えていたのだ。
(あいつ、まどかを助けに行ったのか?魔法少女としても有能ではあるんだが....もうすぐあの日が来てしまうんだよな)
空を仰ぎみる。ハァ、とため息を吐いて和真は駆け出していた。
まどかの為に、巴マミの為に。