仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか?   作:神浄刀矢

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魔女inショッピングモール(多分)

はい、というわけで始まりました『仮面ライダーに変身して(以下略)』第3話ですね!

いやあこの作品も3話ですか....長いですねえ...

「長くねえよ、むしろまだ3話なのか!のレベルじゃねえの?」

そうですかね...1巻完結モノの小説より良いと思うんですが

「リアルな小説と比較すんな。」

たまにあるでしょ、二次小説なのにリアルな小説並みにクオリティ高いやつ。

「そんな話してるんじゃねえよ、確かにあるんだろうけど」

んじゃスタートしますねー

「無理矢理話変えるなオイ!ってえ?始まるの?!」

「「「第3話キターーーーーッ!」」」

「キャラ安定しねえな」

 

 

 

学校という辛い1日が終わり、放課後になる。まっすぐ帰ろうかどうしようかと悩んでいると、さやかが話しかけてくる。

「まどか、今日どっか寄ってこうよ。仁美は...アレ?」

「仁美ちゃんなら帰っちゃったよ?外せない用事があるらしくて」

「ふうん、仁美が帰っちゃうなんて珍しい...ま、用事があるなら仕方ないか。まどかはどうする?ちょっと他にも行きたいとこがあって、一緒に来て欲しいんだよね」

「良いよ。ちょっと待って、お兄ちゃんにメールしてくから」

ケータイを取り出してメールを打つ。打ち終わり2人で昇降口へ降り、そして外へ出て、2人は最寄りのショッピングモールに足を向けた。

 

到着してまずはハンバーガーショップへ。中学女子のお茶とは言うが、優雅に紅茶を飲める金を持ってるわけでもない。バイトをしていないのが大きな要因だが。まあ節約して使わねばならないのが中学生なわけで、結局のところハンバーガーショップで落ち着いてしまうのである。

さっさと注文して受け取り、席に着いた。

ハンバーガーを齧りながらさやかが口を開く。

「そういや今日ウチのクラス転校生来たけどさぁ、あの子よく分からないよね」

「....うん、でも前にあったことあるような....そんな気がするような...」

「どゆこと?」

疑問を抱いたらしく、さやかが聞き返す。

「うーんとね、夢の中で会ったというか...見たというか」

「それ会ったって言わないでしょ。しかも夢の中でって....」

「そう...なのかな?でもかなり似てたんだよ?夢の中の女の子と」

「ふうん...あたしはそういうの無いから分からないけどね」

ハンバーガーを平らげ、今度はポテトをつまみ始めるさやか。

まどかも一応頼んだのだが、話してしまって手はつけていない。

買ったけど使ってないようなのと、似たようなものである。

その後も会話を続け、気付いて時計を見ると結局30分ほどが経過していた。

「意外と経っちゃったね....」

「そだね、そろそろ出ようか」

トレーを返して外に出ると、さやかが思い出したように言った。

「あ、そうだ!寄ろうと思ってたとこあるんだった!」

「どこなの?」

「CDショップ。新しいCD買いたいんだ」

「良いよ、まだ家には間に合うから」

そうしてCDショップに向かうことになった。

到着すると、行動は別に。さやかは自分でCDを選びに行き、まどかは備え付けのへッドホンを装着して、曲を聞き始めた。

しかし曲の途中で声が聞こえてきた。

外部からというよりは、脳内に直接響く感じだった。

『たすけて...』

(....?声...かな?)

周りを見渡すが、それらしき人はいない。気の所為だろうと思い再び

ヘッドホンを装着する、が。

『たすけ...て...』

今度は途切れる感じだ。さやかにひと言かけるべきか悩んだが、そのまままどかはCDショップを飛び出した。

声がどこから聞こえているかは分からない。けれど何故か分かるのだ。声が導いてくれている、と。そして走り続けると、いつの間にか

モールの奥の方に来ていた。器具の使用後などがあるあたり、建設現場と言うべきところだろうか。

「だれかいないの?確かわたしを呼んでた声ってここか...」

言い終わる前に天井から派手な音を立て、何かが落ちてきた。

それは白い、まるで小動物のようだった。

だがその白さの中で際立つのは、赤い血である。誰かに撃たれたか、斬られたか。どちらにしろ肩で息をしているレベルだ。重傷としか

言いようがない。

「酷い傷...大丈夫かな?あぁ、包帯もないしどうしよう?!」

慌てるまどか。だがそんな彼女を他所に、再び天井から何かが降りてくる。

見上げると、それが既に知っている顔であることが分かった。

今朝見滝原中学に転校してきた少女。

「ほむら....ちゃん?」

まどかが疑問形で言ったのには意味がある。

第1に何故ここに暁美ほむらがいるのか。第2に何故見滝原の制服ではなく、ダークグレーなセーラー服然としたスタイルなのか。加えて左腕には盾のようなものまで付いている。

まどかの言葉を防ぐように、ほむらは言葉を放った。

「今すぐそいつから離れて。」

「で、でも!怪我してるよ?助けないと...」

「離れて」

「でも!」

ジャリ...と下にあった鎖を踏むほむら。おまけに盾のところから黒光りする危なそうな物が既に見えている。白い小動物を庇うように抱き寄せるまどか。

一瞬の後、どこからか白い煙が噴射された。

その方向を見るとCDショップにいたはずのさやかの姿が。

「さやかちゃん!」

「まどか!こっちに!」

小動物を抱えて、さやかの方へ駆け寄る。そしてそのまま2人は来た方へと駆け出した。

「何なのあの転校生!?学校で口数少ない転校生だと思えば、外じゃあ怪しいコスプレで徘徊なの?!それとも通り魔?!てかその動物何?捨て猫?」

「分かんない。でもこの子、わたしを呼んでた....ような」

「またまどか変なこと言う!今日のまどかちょっと変だよ?って...」

「「あれ?」」

ふと周囲の異変に気付き、立ち止まる。

来た道を戻っていたはずなのだ。はずなのだが、今いるそこは知らない場所だった。綿のようなモノが動いているし、形容し難いと言うのだろうか、何とも言えない場所だった。

ただし、ひとつだけ言えることがある。ここを知らないまどかとさやかも分かる。

ここは自分達がいて良い場所じゃない。危険なところだと。

逃げねばならないと。

だが耐えきれなくなったのだろう、まどかが叫んだ。

この場合は耐える云々や音量云々の話ではない。

「助けてよぉ!ここどこなの?!」

しかしそこによく知っている声が聞こえた。

「よォ、生きてるかァまどか」

 

 

時は1時間くらい遡ることになる。

半ばマミさんから置いて行かれる形で、学校から駆け出した和真。

アニメは視聴したが、あの暗い場所がどこなのか詳しく分かるはずもない。

もともとこちらの住人ではないし、アニメ序盤の記憶など欠落しているところもあるので場所は不確定だ。

なんとか四苦八苦しながらも予想したモールへと辿り着いたが、マミさんの姿は当然というか見当たらない。やはり先を越されたかと思い、ハンバーガーショップをスキップしてCDショップへ。

けれど店内にはまどかやさやかの姿は見当たらず、ふうむ、と考え込んだ。

暗そうな所といえばどこだろうか。記憶を探り、場所を特定して行く。だがこちらはかなり情報が劣っているという点がある。

外界から来たとはいえ、元の住人に地理情報などで勝てるわけもないのだ。仕方ないので聞くことにした。

「あのすいません、ここのモールで」

普通にスルーされた。仕方ないか。

「すいません、知り合いを探しているんですが」

再びスルー。クソが。

「あのう、妹を探してるんですけど」

結局スルーされた。この世界は他人に冷たいのか、クソ野郎共が。

まぁそんなことはどうでも良い。他人が当てにならない以上、独力で

探し出すしか手はないのだ。

はァ、とため息をついて移動しようとした時、ふと視界の端に映り込む黄色の髪。ヘアスタイルも間違いない。アレはマミさんだ。

バレないように追いかけると、途中で通路の奥の扉を開けて中に入ってしまった。

「なんだあそこ....まさかあの奥なのか?あの暗いとこって」

考えても分からないし、それにここに居てもどうしようもない。変にストーカーの疑いをかけられる可能性も捨てきれないので、そそくさと扉の中へ体を滑り込ませた。

 

中に入ると予想はしていたが、電気はあまりついておらず薄暗い空間が続いていた。しかし音は聞こえる。

だんだんと遠ざかる足音が響いており、それを追って和真も走り出した。相手に気付かれないように走るなど容易いことだ。理由は鍛えられたからなのだが。

だが背中が見える辺りまで接近した時、マミさんの姿が忽然と消えた。綺麗にさっぱりとだ。

「あれ?消え...た?」

しかしそれは間違いだとすぐに分かる。マミさんは柱の前で消えたのだが、その柱に光に放つ亀裂が入っていたのだ。それはまるで、彼女が殺されたあの結界の入り口と同じようなカタチをしていた。

時系列的に大丈夫であろう事は分かるのだが、不吉なものを感じずにはいられない。

思い切って一か八か、その亀裂へと飛び込んだ。

かなり身構えていたので、あっさりと入れたのには少々驚かされた。

17年間生きてきたが魔女の結界など入った事もないので、これから

どう進んで行けば良いのか分からない。そんな時は道なりである。

真っ直ぐ曲がらずに怪しい道を進んでいくと、追いかけていた背中を

見つける。駆け寄ってさりげなく話しかけた。

「よっ、こんなトコで奇遇だな!」

「カズマ?!なんで貴方がここに?」

「俺知らないなー(棒読み)」

「あからさまに棒読みなのだけれど。それよりホントになんで貴方ここにいるの?」

やはり聞かれるだろうとは思っていた。一般人がこんな所にくるわけがないので当然ではあるのだが。

「あーそれはまぁアレだよ。作戦なんて動いてから立てれば良いんだよ」

「明らかに話を逸らそうとしてるわよね。貴方半熟探偵じゃないでしょうに」

「はっはー!どやぁ!」

「キャラ....」

はぁ、とため息をつくマミさん。そんなにならんでも良かろう。確かに自分が来たのは計算外ではあるだろうが。

おっと、このままではまどかとさやかが死んでしまう。行かねば。

駆け出そうとしたカズマの腕をマミさんが掴んだ。

「どこに行くの?」

「妹とそのフレンドを助けに。マミさんもそうだろう?あ、魔女討伐も含まれてるか。すまない」

「.....ッ!」

息を飲むマミさん。何故貴方が知っているの?とでも言いたげだ。

「何故貴方が...」

「どした?はよせんとあいつら死ぬぞ」

「ああもう!後で説明してもらうわよ!カズマ!」

「へいへい」

そして2人は歩みを早めて進んでいった。しばらく歩くと開けた場所に出た。綿のようなものが動き回り、その先にデカイ何かが居る。

手前あたりで和真はガクブルな2人を見つけた。

「よォ、生きてるかァまどか」

「お兄ちゃん!」

和真の声に喜ぶまどか。さやかも安堵の表情だ。というか泣くな、まどか。こっちが泣かしたように見えてしまうではないか。多分だが。

「アレか、ターゲットは」

「魔女、ね。ここまで一緒に来たのに悪いけど、あの魔女を片付けないとね」

意気込みながら言うマミさん。だが和真は彼女を制した。

「待ってくれ。マミさん、あんたは変身するな。」

「何を言っているの?変身なんて一言も言って....」

「魔法少女。ソウルジェムを使って変身する少女達の名称だな。ま、そこのキュウべえのお陰なんだが...」

「貴方、何者?何故そこまで知って...」

「何者?俺は鹿目カズマさ。鹿目まどかの兄だよ」

そう言って和真は内ポケットからブレイバックル(カードセット済み)を取り出した。当然ながら彼女らには分かるはずもないが。

腰に装着すると同時、カードのような赤いベルトが巻かれる。

そして叫んだ。

「変身!」


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