仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか?   作:神浄刀矢

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白玉楼

あれから一行がどこへ向かったかというと。

名前は(恐らく)さっぱり聞いたことがないのだが、白玉楼というところに向かうことになった。

なんだかんだで手前とおぼしき階段まで辿り着いたのはよかったが、その後が問題であった。

階段が長いったらありゃしないわけで、登れど登れど序盤からも頂上は見えず。

文句垂れつつも登ってもひたすらに階段しかない。

『終わらない歌』という歌を1980年代くらいの歌手のグループが歌っていた気がするが、今のこれは『終わらない階段』だ。

いつか終わるのだろうが、まあこんな所二度と来たくない。

サブカルくそ女共に脅されたって、高木さんにからかわれたって、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンの写真やると言われたって二度とやらないと心に決めた。

(ま、どーせそういう時ってフラグの可能性あったりなかったり)

和真の心中など正直あまり物語上関係ないので、物語を続けよう。

その後銀髪の少女剣士が出てきたので丞一達が戦闘になりかけたが、十六夜咲夜が相手をすることになり、和真を含めた4人は更に先へと進んでいく。

(銀髪繋がり...なのか?まあメイドって基本強いだろうけど、若干心配ではあるな)

あのメイドも相応の手練れのはずだが、少女剣士の方もかなり強そうだった。このご時世、メイドのドラゴンがいるという噂も巷では広まっている。なんでも小林という女性会社員の家に居候兼メイドとして居るらしい。

ぶっちゃけ和真の心境など実際どうでも良い事であり、今は頂上に到達する事を優先させる事にした。

 

 

どれくらい登ったのだろう。

かれこれ数分かもしれないし、数十分、あるいは何時間の可能性もある。とはいえなんとか4人は辿り着いた。

和真的には、およそ頂上と呼ぶには微妙な感じがしたが。

(なんかすっげー御屋敷なんだが!?そこらの武家屋敷以上じゃねえのか?)

入るのを躊躇っていると、丞一達があっさり入ろうとしていた。

「いやいやこれ、明らかにお金持ちの家だろ!喧嘩売ったら不味い感じがプンプンしてるぜ!」

「いやでも、当てがこれくらいしかないというかな...」

「可能性があるのが彼女なわけだものね」

「西行寺幽々子...ここに住んでるお嬢様だぜ」

「お嬢様ァ?!」

庶民サンプルでもないのに、お嬢様という言葉を耳にするとは思わなかった。正直余計入りづらくなる。

「「「じゃあお先に」」」

「えっ?!ちょっ...」

と言って...和真の背中を押す3人。「お先に」の意味が違う気がするし、これでは「お先にどうぞ」ではないか。

(お先に失礼します。じゃないのかよォォォォォ!)

抵抗虚しく...というかどうしようもなく、和真は白玉楼へと突っ込むことになった。

他人を犠牲にするのが得意なのかこのメンバーは。というか、もうちょっとヒトの心を持つべきではなかろうか。

いざ入ってみるとこの白玉楼とやらもそんなに悪いところではないようで、平安時代の貴族の屋敷の感じが漂う。

お嬢様というのは嘘ではないのだろう。

池があるあたり風情というのか、そんなものが感じさせる。

最もご本人は...探すまでもないようだが。

「この人か?えーと、あの、西行寺幽々子さんってのは」

「彼女が犯人でいいでしょもう」

「霊夢流石にテキトーすぎだろそれ」

「多分彼女が犯人だとは思うのよ、私は」

「だからって決めつけは良くないだろ」

若干言い争い気味になる霊夢と丞一。

「で、どうなんですかね?この雪とのご関係は?」

「好きな人と一緒にいる時の雪って、特別な気分になれて私は好きだけれど?」

「んなこと話しにきてねえんだよ!いい加減イライラがフルスロットルなんだっつーの!なんだよあの階段!クソみてえに多いじゃねえか!1000くらいなかったか?!」

「それはまあ、そういうものですし」

「アレはアレか、年齢と共に増えますとかじゃねえだろうな!?つまりはえーと、あ」

「「「....」」」

凍りつく空気。これは喧嘩を売ってはいけない相手に喧嘩を売ってしまった時の感じだ。ということは、今の発言はマズイわけだ。

雪云々関係なく、これは『虐殺...始めるよ』ということか。

ポン、と肩に置かれる手。

『終わったなオマエ』という目で見るな、このひとでなし!

助けようとは思わないのか!

「少しはサポートって言葉は?」

「「「頑張れ」」」

「コンチクショウ!俺が悪いのは認めるけど、オマエら楽しみたいだけなんじゃねえのか!?」

「まあ...」

「それはね...」

「否定しないぜ」

「オイっ?!」

つまるところ、また戦闘は和真が請け負うことになったということ。

正直戦闘はしたくないのが現状だ。戦えないのではなく、戦ってはいけない。合計変身回数は覚えていないが、キングフォームの多用は和真の身体に明らかに悪影響も及ぼしている事は間違いない。

(だけどま、やるしかないですな)

溜息と共にブレイバックルを取り出して装着。

既に幽々子さんはブチ切れて和真に弾幕を撃ち放ってきている。

ホワイトロックの時のあれを、更に過激にした感じである。

「変身!」

『Turn Up』

目の前に現れた青い光のカードを潜り抜け、同時にブレイラウザーで弾幕を斬っていく。

「はああああああッ!」

ゲートオブバビロンを思わせる弾幕。おまけに属性が不明なため、触れることはできない。

触れたら死んでしまう系統の攻撃だったら、下手に殴ろうとしなくて良かった。

僅かなタイミングを見計らって、ジャックフォームへ変わって空中を舞う。再び弾幕を斬っていく。

「ん?気の所為かな...桜の花びらが舞ったような...」

今月が何月かは忘れたが、雪が舞っていたりする中で桜が咲くはずはない。異変だとしても桜吹雪などあるはずがない。

地面に降り立ち、フォームをジャックからキングに。

『エボリューションキング』

膝をつく。かなり負担が来ているのだ。元はと言えば自ら墓穴を掘ってしまったようなものであるが、彼らとて和真1人に戦闘をやらせるか普通。別に構いやしないが。

口の中に血の味が広がるのを感じながら、和真は立ち上がった。

「こいつァ...やべーかもな。クソが」

あとかなりキレ気味の幽々子さんが怖い。弾幕よりも本人が。

女に年齢のことを言ったりしてはいけません。みんな、これテストに出るからメモしておくように。

『♠︎10,J,Q,K,A』

『ロイヤルストレートフラッシュ』

(正直これで人間の姿保てるかあやしいけど)

不安を掻き消すように、和真は現れた光り輝くカードに向かって黄金の重醒剣キングラウザーを振り下ろすと、光の奔流が彼女を呑み込んだ。

「はあ、はあ...っくそ、目の前に桜の木が見えるぜ。チクショウめ!」

キングラウザーを手放し、変身解除した和真。

しかしおかしい。人間としての理性が働かなくなって来ている。

(ジョー...カー...)

「ガァァァァァァァ!」

希望はない。

妖の如く朧げな桜が咲き、桜吹雪がゆっくりと舞い始める。

「なんだアレは...?」

「見たことないわ...あんな化け物」

そして白雪の上で、和真が変貌していく。漆黒のバケモノじみた身体へとその全体を変えていき、オリジンとは別のブレイドジョーカー、仮面ライダーブレイドを更に黒く禍々しくしたボディへとなった。

世界の崩壊はもう間もない。

ジョーカーにぶつけるのは...ジョーカーだ。

 




すいません、前の投稿から相当時間過ぎてますね。
諸事情がありましてごめんなさい。
クオリティも低下の一途を辿っている事でしょう。
まあ頑張ります。
あと...なんだっけ、まあいいか。
人生明るく行こうぜ!

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