仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか?   作:神浄刀矢

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八坂ターミネート

特にこれといって奇襲を受けることはなく、問題なく3人はショッピングモールへと辿り着いていた。

道中エンプティが消えたり現れたりしている左手を気にしているようだったが、和真はどうしようもないことであり、こればかりはこちらの専門外のため、彼女自身にどうにかしてもらうしかないと考えることにしていた。

「なるほど、こりゃ中々よく出来た店員だな」

ショッピングモールの中は確かによく見かける吹き抜けのあるショッピングモールそのものだが、それぞれの店にいる店員は明らかにマネキンであった。

顔はあるが目も鼻もなく、耳と口は外側の形だけ。

服屋などで見本のような感じで服を着させられているアレである。

『イラッシャイマセ、ナンニナサイマスカ?』

「喋るのかよ…ホラーじゃん」

和真の感想を特に気にすることもなく、エンプティはそのマネキンに向かって話しかけた。

「あのー服が欲しいんですけど。お勧めとかあります?わたしほら、この通り真っ白なもので。なんかこう、もうちょっとバシッとイメージチェンジできる服をですね」

『イラッシャイマセ、ナンニナサイマスカ?』

「…これだけですか、喋れるの」

「マネキンだぜ?初めからンな期待するなよ…」

「そうかもしれないですけど、普通聞きません?」

「うーん、聞かないなぁ」

そしてじっとりとした目で時崎狂三を見るエンプティ。どうやらもっと人間のように喋れると思って話しかけたらしい。

「まあまあ、もうちょっとその愉快な一人芝居をお続けになってもよろしかったですのよ?」

「やらないですよ!」

そう言ってエンプティは近くの店に入っていったが、和真は付いて行かなかった。

(女モンの下着かよ…やれやれ)

時崎狂三もなんだかんだでその店に入っていってしまったため、和真は実質暇を持て余すこととなった。とはいえ何もしないで待っているわけにもいかない。

(銃でも置いてないかなあ)

長いこと補給をせずに旅を続けたのが災いしたのだろう、銃火器が結構不足してきているのである。館内マップらしきものは無さそうなので、自分の足で歩いて探すしかなさそうだったが、ふと近くにそれっぽい店があるのが目に付いた。

(アラモ…ガンショップ?」

どこかで聞いたことのある店名のような気がするが、まあ名前に関しては深い事を考えてはいけない気もした。

「じゃあ買い物(100%off)するとしますかね」

『イラッシャイマセ、ナンニナサイマスカ?』

単調に台本通りにしか喋ることができない大根野郎…もといマネキンは放っておき、店の中を見て行くと、なるほど結構な品揃えである。

まあ店員がアレなので、とりあえず使えそうな物を片っ端から取って行くことにした。

「可変式プラズマライフルは…まぁないよな」

鉄砲店がある時点で充分おかしいのに、プラズマライフルなど置いているわけもない。

ただ唯一の救いといえたのは、店の銃火器に手がつけられていなかったことだった。恐らくこの世界の準精霊は自身の霊装と無銘天使のみで戦う故、このような銃火器を使わないのだろう。

「ま、こんなもんでいっか」

5分ほどで和真は店の銃火器をほぼ全て買い込んでいた。無論タダなので調子に乗ったところはあるが、今後準精霊との戦いが激化する可能性も考えると、これでも足りない気はする。

少なくともこのゲームが終わるまで、仮面ライダーブレイドに変身するのは極力避けなければならないのだ。

(こんなデカいショッピングモールだ、襲撃はされるだろうな)

それが誰なのかは知る事はできない。残ったメンバーが全員で狙ってくることも考えられるが、それは最悪すぎてあまり考えたくは無いが。

 

和真が買い物を終わらせて、エンプティと時崎狂三の入っていった女性用下着店のところまで戻ってくると、丁度2人が出てきたところだった。

「そっちは…いや、いいや。女性用下着のことは知らないし。それよりこの後はどこか向かうのか?」

「まだ決めてないですけど…」

まだ決めてないと言いつつ、エンプティは歩き出すとこの店に入ろう、あの店に入ろうと言い出す。

3人集まれば姦しいなどとは言ったものだが、1人で充分3人分の仕事を果たしている気がする。

「もー、何なんですか狂三さん。和真さんも」

「ここには遊びに来た訳ではありませんの」

「じゃあ何しに来たんですか?」

「待ち伏せを受けるためですわ」

彼女は古式の短銃を手に宙を見、和真は機関銃を取り出して構える。

「何物騒なもの取り出してるんですか!?しまってくださいよ!」

「もう遅いぞ。早く隠れるんだ」

吹き抜けの上の方から落ちてくる人影を認め、和真は銃口を上に向け、狙いを外さずに引き金を引いた。

 

 




タイトルがデート・ア・ライブシリーズっぽくなりました。
というかそうしないとしっくり来ないかなーって。
まあ十香デッドエンド並みに物騒なタイトルになりましたけど。
鳶一デビルもそこそこ物騒かな。そうでもねえか。
そろそろウルトラマンで何か書こうっていって全然手ェ付けられてないから、そっちやろうかな。
でも第十領域(マルクト)の話はキリがよくなるまでやりたい感もあるんだけどなぁ…正直次の話はいつ挙げられるか分かんないですね。
じゃ、とりあえずまたねー

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