仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
時刻は夜7時少し前。
エンプティが人質に選ばれ、和真が時崎狂三と合流してから2時間以上は余裕で経っている頃合いである。
「はぁ・・・俺も人質になってればよかった」
「今更何を言っていますの?エンプティを助けると意気込んでいたのは貴方でしょう」
「いやまぁ、一応そうだけど」
彼女が捕まっている工場を物陰から見る影が2つ。
当然和真と時崎狂三である。
積極的ではない風を装いつつも来た時崎狂三と、自身が人質に取られなかったことに不満を抱く和真。一見ミスマッチな意見を持っていた2人であったが、結局はこうして彼女を助けに来たわけだ。
「行くか。相手の方も痺れを切らしてる頃合いだろ」
「ええ。仕掛けるのはわたくしからですわよ」
「俺はダメなのかよ。あの準精霊達に目にもの見せてやろうと思ったんだけどな」
「貴方は戦闘要員ではないでしょう」
そういうと彼女は物陰からから出、工場の方へと向かっていく。
確かに彼女のいう通り、彼は戦闘要員ではない。丁寧な言い方に変えれば御付きの人に過ぎず、この戦いにおいて彼が得られるメリットも殆どない。
仮に勝ち残って霊結晶(セフィラ)の塊を手にしたとして、使えないのだから土塊同然の扱いとなるのは目に見えている。
かといってこのまま時崎狂三を1人で行かせても、相手は2人。このような工場にエンプティを捕らえている以上、かなりな数の罠も仕掛けていられるのは間違いない。
ASTのような雑魚とは違い、こちらは霊力を有する準精霊が相手。おまけにエンプティを守りつつ戦わねばならないと来た。
「無茶な事しやがる…」
仕方なく彼女の後を追う形で工場へと足を向けたが、偵察などしている間も無く、彼女の銃声が聞こえてきた。
戦闘が始まったのである。恐らく仕掛けたのは時崎狂三からであろうが、2対1では分が悪いはずだ。
「ならやるか、久しぶりに」
自身の力を知られる可能性もあり、身体に少々の負担を強いることも避けられないかもしれないが、しかし致し方ない。
ブレイバックルを腰に装着して和真は呟く。
「変身」
『Turn Up』
青と銀の騎士、仮面ライダーブレイドに変身。黄金のキングフォームへとチェンジし、重醒剣キングラウザーを握る。
『♠︎10・J・Q・K・A』
ラウズカードをキングラウザーに読み込ませると、金色の輝きを放つカードが5枚、彼の前に現れた。
「はああああああああッ!」
キングラウザーからカードを貫きながら光の奔流が放たれ、工場をぶち壊し、夜闇を照らし出す。
「相変わらず凄え威力だな」
エンプティや時崎狂三を巻き込んでいないかということもあり、慌てて半壊した工場へと踏み込むと、どうやら無事ではあるようだった。
かなり、紙一重であったようだったが。ネオが地下鉄を避けた時くらいには。
「邪魔するよ。あ、えーと、怪我は?」
「ないですわよ。死ぬかと思いましたけれど。というか貴方その姿は、何ですの?」
「まぁ、後で説明するよ。なんか1人仕留め損なったみたいだな」
あの光を上手く躱したのか、小柄な少女が入り口のあたりまで逃げており、そこからこちらを振り返った。
そこから右腕を向け、陽光を放つ。狙いは時崎狂三と、用済みとなったエンプティだろう。
「わお」
彼が反応するより速く動いていたのは、時崎狂三であった。反撃するかと思ったが、意外にも彼女はエンプティの前に立ち塞がった。
自己犠牲など欠片もないはずの彼女が、空っぽの(少なくとも今はそうではないのかもしれないが)少女を庇ったのである。
光は時崎狂三の腕を切り落とす事に成功したが、まあなんというかグロい絵面が出来上がってしまった。
「いや女の子の腕が切り落とされてるのってどうなのよ」
「美しいでしょう?私の腕」
「そうじゃねえって。いや、冷静なのもどうかと思うけどさ」
「パーツが外れてるのグロいですよ!どう考えても」
「ほらな」
和真が動かなかったせいもあり、時崎狂三の治療は急ぐ必要がある。
精霊とて血は流すし、痛みも感じる。
陽光を放った準精霊の腕に光が再度収束しているのを見るに、既に2発目を発射しようとしているようである。
(使った事ほぼないけど、試してみるしかないな)
和真が腕をその準精霊へ向けると刹那、彼女の全てが停止した。
収束していた光も、思考も、体の動きも、すべてが。
「これは・・・?」
「良いから離脱するぞ。長くは保たない」
二人を抱えて和真が工場を後にした直後、3人がいた場所を光が直撃、眩いまでの爆発を起こした。
何でしょうね。明日からまた授業が始まると思うと、また鬱になりそうで。
いやマイナス思考はやめよう。
でもなんていうか、時間に余裕あっても精神的な余裕がねえの。
これ書いてても追い詰められてる感が否めない。
現実逃避したくてもできん悲しさね。
じゃ、近いうちに書けたらいいな。
またねー