仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
和真がゆっくりと金色の大剣を構え、光が剣へと収束していく。
軽く深呼吸をし、勢いよくキングラウザーを振り下ろす。
金色の光が学校を包み込み、建物を崩壊へと導いていく。
(…これで良かったのか?)
崩れ落ちた校舎で立ち尽くし、自らに問いかける。
学校を1つ壊したところでゲームマスターは姿を見せず、ふと見れば校庭に散らばっていた人形の残骸もいつのまにかほぼなくなっている。
恐らく回収されたか、自力で逃げ出した者もいるのだろう。
変身を解き、和真は残された動かない人形の元へ近づく。
「何か役に立つものは…」
見た感じ無さそうである。仮に情報を持っていたとして、喋らないのだからこれでは役に立たない木偶同然である。
しかし1つだけ良さげなものに彼は目を止めた。
「ほう、これはこれは」
それを手に取ると、彼は一路例の家の方へと戻り始めた。
しばらくして彼はあの家の近くへと戻ってきたわけだが、そこに彼の知る風景は残っていなかった。
「何がどうなったんだ…」
形だけとはいえ存在していた住宅地は大半が姿を消し、ただの更地になってしまっていたのだ。
何か爆薬でも使って辺り一帯をまるごと爆破でもしたのだろうか。
散らばる、人形だったモノたち。
それらの骸は気味悪いほどに人間そっくりの姿形をしているが、しかし動くことのない屍でもあった。
「空っぽの人形のくせに、一丁前に動くんだからよ。全くやってられねえ」
警戒しつつ進んでいくが、どうやらここにもう時崎狂三とエンプティはいないようであった。
うまく逃げてくれていれば良いが、そうでなければ…
(いや逃げてくれてるはずだ、彼女なら)
そう信じるしかない。
あの時崎狂三がただ弱くなっているだけなのか、それとも彼女の皮を被っただけの贋物なのかは疑っているが。
とはいえここまで来ると、彼はいくらか確信を持ちはじめていた。
時崎狂三は確かに強いが、同時に1人の少女でもあり、脆弱なただの元・人間である。
強いけれど、内面はとても弱い精霊。
戦いと恋においては己の力を信じ、全力で潰しにかかる。
猫が相手ではその限りではないのだが。
だが彼がここで知った彼女はどこか違和感があった。
見た目も能力も全てが時崎狂三だったが、どこかが時崎狂三ではないような。
物理法則を無視したこの世界では空を飛び回ることなど容易だろうが、疑うのは最初のそこではない。
(彼女が誰かを庇うか?彼女が庇うのは五河士道ではないのか)
気紛れで面白い事を企むことはあっても、会って数日と経たないであろう空っぽの少女を助けるものか?
まあ彼を知らないと言うのは、時間軸が違っている可能性もあるので、疑うには微妙なラインだったのだが。
「いや、本人に聞くしかないな」
今彼に課されたミッションは3つ。
時崎狂三とエンプティの発見、逃亡した人形たちの殲滅、ゲームマスターの殺害。
人形たち殲滅はゲームマスターを炙り出せるだろうが、あの2人の発見は少々骨が折れるかもしれない。
手掛かりはないかと辺りを見回すと、1人の少女が目に入った。
腹から血を流しつつも、彼女は巨大なハンマーを手に立っていた。
「何?」
「彼女達の場所は、知らないか?」
「そこのマンホールから逃げた」
「蒼(ツァン)だったか。俺を殺しは…しないのか?」
「しない」
シンプルな返答だ。恐らく時崎狂三にやられたのか、腹に穴が空いており、勝てないと見込んだのだろう。
こちらも手負いの少女に剣を向けるほど、落ちぶれた人間ではない。
人形には剣を向けたので矛盾するようだが、人形は人形、準精霊とはいえ生きている彼女達とは違う。
「そうか…助かるよ」
そう言って和真はマンホールの中へ飛び降りた。
痕跡がないかと思って不安ではあったが、それは杞憂であった。
微かに残る鉄臭い匂いと、コンクリートについた血痕が、和真を彼女達の元へと導いてくれたのである。
「ここは、あそこじゃないか」
やがて辿り着いたのは彼が破壊してしまった工場でもあり、前にも増して崩壊が進み、廃屋目前となっていた。
いつのまにか降り出していた雨も相まって、良い感じの雰囲気を醸し出している。
それを取り囲むように迫る人形たちの群れは、もはや有名人に群がってサインを求めるファンのようだ。
「時崎狂三も有名人になったもんだな」
精霊なのだからそりゃ有名人にならなければおかしい。どちらが時崎狂三なのかは、分からないが。
「…ったく」
先程活動停止した人形から鹵獲した武器を、和真は取り出す。
それは精霊が振るっていたというには、あまりにも大きすぎた。
大きく分厚く重く、そして大雑把すぎた。
それは正に鉄塊だった。
「今の何?」
まあともかく。どんなゴリラじみた準精霊が振るっていたのか知らないが、やたらデカい大剣を彼は手にしたのである。
黒い鎧は着ていないのでイマイチ雰囲気に欠ける気もするが、致し方あるまい。
両手でその剣を握ると、和真は雨の中を駆け出した。
しっとりと濡れた服が身体に張り付いて気持ち悪いが、今はそんな事を気にしてはいられない。
「覚悟しろッ!人形ども!」
一太刀で人形を数体まとめてぶった斬ると、勢いに乗せて残りの人形も切り裂いていく。
この中に恐らくいるであろう時崎狂三とエンプティの元へ、この人形達を近づけさせてはいけない。
その一心で剣を振るう。
しかし剣自体が規格外すぎた。
「重ってェ…」
あっさりと限界が来てしまった。この剣、大きさだけでなく重量も規格外で、こんなのを振るっていたのはどんなゴリラなのか分かったものではない。
「ナヘマーでもこんな重さじゃねえだろが」
剣を地面にぶっ刺し、戦闘スタイルをチェンジ。仮面ライダーブレイドに変身し、ブレイラウザーを振るっていく。
剣と蹴りによる攻撃で人形の数を着実に減らしていき、やがて和真は最後の一体を斬り伏せた。
「はぁ、はぁ、っくそ、疲れるな…」
ここから人形が増えないという保証はないが、一先ず見える敵は倒し切ったと思いたいところである。
息を吐いて和真が室内へ入ると、そこには見慣れない少女と、見慣れた少女がいた。
「時崎狂三は、やはりそっちだったんだな」
少々ボサッとなった白髪に蒼色の瞳をした少女と、血のような赤と時計の針が刻まれた金色のオッドアイの少女。
彼は理解し、納得した。
力は空っぽの少女へと戻り、本物を演じていた贋物は力を失い、元の姿へと戻ったのだと。
悪夢は覚醒し、時を喰らう城と共に再び動き出す。《ナイトメア》は
あるべき場所へと還った。
より艶やかに、より鮮烈に。
殺戮と蹂躙、死の刻が刻まれ始める。
いつもより少しだけ字数多いですかね。
2600って大した数でもないのかな。卒論2万字とか教授に言われるとさ、クソ雑魚字数に見えてくるのよね。
つーかコロナが収まって早く大学行きたいです。
部屋にずっといるとイライラがやばいわ。
ずっといるわけじゃないけど、なんか店入るにもマスク着用してなきゃいけないしさ、なんなの。
暑苦しいしメガネ曇るし。
そろそろウルトラマンで何か書き始めたいけど、毎日ある課題とゼミのレジュメであんまり余裕ないんですね。
いやレジュメは書き終わったけどさ、参考資料使ってないから大した内容になってないし、書き直し食らうんだろうな。
組んでるヤツ次第だけどね。
小説に関してはそうですね、最近題名とか内容で地味に遊んでましたけど、気付いてもらえましたかね?
映画のセリフとかそういうの少し変えたりしていれてるの。
見つけてもらえたら嬉しい。
じゃあねー