仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
やれやれ八坂さん、やってくれましたねェあんた
時の運行に支障きたしますよコレ
「すんません。けどアレ言ったのマミさんですよ?!俺知りませんって!」
何でも1つ言う事聞くって言ったの八坂さんですからね?
「はい....」
まぁこればっかりは仕方ないですし、八坂さん本人に解決してもらいますよ。
「マジかぁ」
マジです。んじゃさっさと始めますよ
「「「目覚めよその魂」」」
「そろそろ違うヤツだせよ」
「....きて、起きて」
「んあ?起きるから起きるから...」
体を揺すられ、ぐらぐらとしながら和真は起こされた。まったく手荒なものだ。誰だこんな事をするのは。
「まったく、こんな時間まで寝ちゃって」
「はぁ?まだ4時か5時じゃ.....」
と思って時計を見ると午後7時。ちなみにぐらぐらと揺すっていたのはマミさんだった。まどか達は既に居らず、帰ったと見える。
「やっと起きたわね。起こすのこんなに大変だったかしら?前はすぐに起きてくれたのに」
「お、おう...悪かったな。次は直ぐ起きるよ、次があればだけどな。」
急いでカバンを引っ掛け、部屋を出る。
「待ってよ!泊まってっても良いじゃない。その....」
「夫婦ってか。あ、あの後話はしたのか?」
「え、ええ。明日から放課後出掛ける事になったわ。暫く一緒に居られないわね。」
「そだなぁ。でも登校はできるだろ?」
「そうね!」
「んじゃまた明日な!」
今度こそ外に出、家に向かって駆け出した。
帰宅すると既に家は静まり返っており、全員が寝ているのであろうことが伺い知れた。母親は残業でもしているのだろう、靴がない。
さっさと風呂に入って寝る事にした。
「よォ、和真君」
「誰だあんた。てかここ何処だよオイ!」
「うーんそだなぁ、ここ一応神の部屋って事になってるけどねえ」
「その割にはオタクグッズ多くないか?まどマギ多めだな特に」
「そう!その事で話があるんだよ和真君」
「はぁ」
「今直ぐその世界から出てけやテメェ」
「ああァ?神だかなんだか知らねえがな、何ほざいてんだ?この世界から出てけだァ?!ふざけてんのかテメェ!」
「ふざけてねえし!オマエが介入した所為でストーリーがめちゃくちゃになってんだよ!それにこれじゃまどかまで助かっちゃうだろうが!」
「何が悪いんだよ!オメェそんなんで神やってんのか?うわー」
「いや正確には神っていうかヨグソトースだけど」
「マジか...だからって俺に出てけと?」
「全員助けたらほむほむの努力無意味になるし、まどかのプリティな魔法少女姿拝めないだろうが!」
「そんな理由かよ!クソ野郎だなオイ!」
次の日目覚めると、全身汗だくだった。やけに鮮明に夢が思い出される。酷い夢だ、ヨグソトースと口論している夢っていうのは。
しかも最後がしょーもない気がしてならない。
さっさと朝食を済ませて、迎えにきたマミさんと共に学校へ。
学校の廊下ですれ違う奴らの視線が更に厳しくなっているのは、気のせいだろうか。
「俺が戦う。人間として、ファイズとしてなァ!お前を潰す!」
「さあ、お前の罪を数えろ」
「お姉様の為に戦う。その為に貴方には消えて貰うわ」
と何故かそのうちの3人が変身ベルトを取り出している。
しかも半狂乱といったところか。
だが所詮おもちゃであろう。と思ったのだが.....
「「「変身」」」
『Complete』『ジョーカー!』
『タカ・トラ・バッタ!タトバ・タトバ・タトバ!』
次の瞬間、仮面ライダーファイズと仮面ライダージョーカー、そして仮面ライダーオーズがそこに居た。
そして突如メールの通知音。
『刺客送り込んだから。やっぱりここで消えてもらいたくてねぇ、キミには。まどかとほむほむの為にも死ねよオマエ by最強のヨグソトース』
「あの野郎...嘘じゃなかったのか。しかもこの世界の奴らを使って俺を消そうたァ考えるじゃねーか」
内ポケットからブレイバックルを取り出そうとすると、マミさんの手が和真の手を抑えた。
「暴力は良くないわよ。妻として説教します」
「馬鹿か?!んな事言ってられるかよ!それにこんなトコで言ったら....」
刹那、和真に向かって明らかに3人以上が殴りかかって来た。
その全員がキレている。間違いない。それにいつの間にか他の奴らの腰にもベルトが装着されている。
「「「「変身」」」」
残りの全員がライオトルーパーに変身した。ヨグソトースめ、一瞬でベルトを更に出すとは。大方皆の自分に対する怒りの感情を利用したのだろうか。これでは明らかに不利である。ラウズアブソーバーを持ってない以上、外に出られないのでここでケリをつけるしかない。
「マミさん下がってくれ。ここを切り抜けねぇといかんからな」
そして飛びかかってくる彼らに向かって立ち、ブレイバックルを腰に装着。
「変身!」と言うと、『Turn Up』の音声と共に青い光のカードが出現して奴らを弾き飛ばして和真の身体を通過、和真は仮面ライダーブレイドへと再び姿を変えた。
そこからは圧倒的にこちら側の不利だった。
ブレイラウザー1本がこちらの唯一の戦力である上、明らかな人数差だ。それに相手はキレている、全力全開で向かってくるわけだ。
ブレイラウザーを振るってライオトルーパーはなんとか変身解除まで追い込めたが、ファイズとジョーカーとオーズが面倒だ。
いくらこっちがパワー、スピード共に勝っているとはいえ相手が3人となると話は別である。
だがファイズはアクセルフォームにはなれないようだし、ジョーカーにフォームチェンジはない。オーズもコイツはフォームチェンジはなさそうだ。つまりは全員ノーマルスタイルという事だ。
『ウェェェイ!」
と叫び、和真は再度彼らに斬りかかった。
ふと気づくと周囲の壁はボロボロで、窓ガラスも割れていた。そして床にはライオトルーパーだったと思われる一般生徒が倒れており、立っているのはファイズ、ジョーカー、オーズそしてブレイドの3人のみであった。
一般教師も倒れてる気がしたが、今はどうでも良い。
「そろそろやめないか?お互い決着つかねえぞ」
「ハッ、知るかよ。お前を潰すの俺の目標だからな」
「ハードボイルドに決めてやるぜ」
「お姉様を守る為にも私は戦うの。つまり貴方を倒す」
これでは拉致があかない。お姉様お姉様とほざいてる奴もいるのだ。
厄介なことこの上ない。というかこれは周りに気付かれていないのだろうか、明らかに気付かれてもおかしくないレベルだと思うのだが。
だとすれば急いで決着をつけねばなるまい。
ただ問題は3対1だということ。加えてあまり多人数相手は得意ではないのだ。敢えてそれも考えてこういう編成にしたのなら、ヨグソトースは嫌なやつである。まあやりかねないが。
『エクシードチャージ』『ジョーカー・マキシマムドライブ』
『スキャニングチャージ!』
それぞれの音声と共に、技が放たれる。クリムゾンスマッシュにライダーキック、タトバキックが連続して炸裂する。
ブレイラウザーを盾にして防ぐが、かなりの威力だ。反対側の壁に叩きつけられてしまう。
「ってて...やれやれキツイぜこりゃ」
物陰に隠れたマミさんに目をやりつつ、呟く。実際魔法少女になって
戦ってくれた方が楽なのだが、人前では変身しないのが決まりらしく
1人の少女のままだった。よし、ならばここは速攻で決めねば。
「ここからは俺のステージだぜゴラァ!」
『サンダー』と『スラッシュ』をラウズして、『ライトニングスラッシュ』を発動させる。
ゆっくりと剣を構え、一気に廊下を蹴った。
数秒後、ベルトのみを砕かれた3人が廊下に倒れ伏していた。
やはり慣れない物を使うものではないと思う。ましてや彼らは本来これを使わない側の人間だ。ヨグソトースも酷い事をしてくれる。
まあ別にキャラ崩壊がどうだとかそういう事は言わないが。
結果的にストーリーに介入し過ぎて、色々とこっちの世界がおかしくなっているのかもしれない。紅王症候群にでもかかってワルプルギスの夜まで飛んでくれないだろうか。
とまあそんな事より教室に向かわねばならない。後片付け?そんなものは知らないのである。
6時間の授業が終わり、放課後になる。一緒に帰ろうと声をかけたのだが
「ごめんなさいね、まどか達と用があるから」
「あー放課後出掛けるって言ってたアレか」
「ええ」
ならば仕方ないだろう。マミさんには先に帰ってもらい、自分は少し後から帰る事にした。ストーカーしようと言う意味ではない。
ケータイを取り出し、ある番号へとかける。
思ったより相手はすぐ出た。
「もしもし?」
『あら和真。急にどうしたの?」
「ああ、ちょっと頼み事があってさ」
『何?大抵の物なら1時間あればそっちに届けられるわよ」
「前に話題出したことあったと思うんだけどさ、ラウズアブソーバーって作れる?今ないジャックとクイーンとキングもカードもあると良いな」
沈黙。なぜ黙るんだろうかアト子さん。ブレイドのシステムに問題はないと前に言われたのだが、不備でもあったのか?
『そういえばまだ言ってなかったわねぇ、ブレイドの秘密って』
「そんなものあったのか。知らねえぞ」
言いながら和真は教室を出た。驚いた事に朝争った場所は綺麗さっぱりに元通りになっていた。邪神の便利なんとかってヤツだろうか。
などと思いつつ学校を後にした。
『実はブレイドのシステム...後に作ったカリスとレンゲルもそうなのだけど、ラウズカードにはホンモノのアンデッド封印してるのよね』
「え?アレってサンダーとかスラッシュとかの能力のみ使えるカードじゃねえの?」
『説明するの忘れちゃった。てへっ!」
そろそろキレてもいいだろうか。説明忘れるっていうのは作った側としてはどうかと思う。アト子さんだから仕方ないのかもしれないが。
「で、ホンモノのアンデッド封印してあるからなんだって?」
『実は和真がブレイドを使えているのは、偶然とかそういうのではないの。剣崎一真同様にアンデッドの融合係数が1番高いからなのよ』
「んで?融合係数云々で結論は何が言いたいんだ?」
『ラウズアブソーバーを渡すのが心配なのよねぇ』
「何故?問題ないだろうに」
和真の言葉にアト子はため息を吐いた。これだから貴方は、みたいに。
『はぁ...ラウズアブソーバーを使うとジャックフォームとキングフォームになれるのは知ってるわね?』
「ああ、テレビで観たしな」
『ジャックフォームはまだ良いのよ。けれどキングフォームがね....』
言葉を区切るアト子。再び沈黙が続く。
「んだよキングフォームが何だ?問題あんのか?!」
『貴方の融合係数から見るに、13体全てのアンデッドと融合したキングフォームになりそうなのよね。結末は剣崎と同じに...』
それだけの事か。むしろ面白いではないか。
「なんだよそんな事か。融合係数だかなんだか知らんけど、俺が制御してやるさ」
『だと良いのだけどね....』
「まだなんかあるのか?」
『いいえ。んじゃ今日届くようにするわ。メモも入れておくから読むようにね。使い方は分かるだろうけど』
それだけ言って電話は切れた。今日...か。原作では中盤辺りだった気がするが、まあ構わない。先は思いやられるが。かなり。