仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
それは狂気に満ちていたが、とても美しかった。
狂ったように時を刻み、きひひ、と笑いながら人形達を蹂躙していく様が。
おかしいのかもしれない。
しかしこれが彼女のあるべき姿だと、彼はそう思った。
(帰って来たな)
和真が手を出すまでもなく、時崎狂三は湧き出る有象無象の人形を、殺し尽くし、その『時間』を空っぽになるまで吸い上げた。
「終わったか?」
「ええ。けれど、まだですわ。ゲームは終わっていませんもの」
「俺が誰か分かるか?」
「八坂和真さん、でしょう?そう名乗っていたのは覚えていますわ」
「そりゃ好都合で。それで、次は?」
「決まっていますわ。戦争(デート)をはじめましょう」
わずかに首をすくめて和真は続く。
あの時崎狂三を演じた白い少女はどうしたものか迷ったが、一応連れていくことにした。
彼女は見届ける義務があると思ったのだ。
仮にも時崎狂三だった身、彼女の戦いを見ておくべきだろう。
(ゲームマスターは俺が殺らせてもらう)
少々歩き、3人は再びあの場所へと戻って来ていた。
始まりの場所である、例の学校だ。
確信はなかったが、ここにゲームマスター兼ドミニオンはいると彼女は踏んだのだろう。
まあ実際当たっていたが。
「あの学校、壊したはずなのに」
「支配者(ドミニオン)の力を使えば修復も容易いことなのでしょう。大して興味はありませんけれど」
「そうか…にしても数が滅茶苦茶多いな」
修復の早さも眼を見張るものがあるが、この人形どもの数は気持ち悪いほどだ。空、地上、建物、全てを埋め尽くしている。
一面を覆い尽くしているという言葉がピッタリなくらいに。
「どう攻めるつもりだ?どこをどう攻めても人形地獄だけど」
彼の言葉に耳を貸すつもりはなさそうだった。
既に専用の古式銃には影が装填され、戦闘準備は万端のようだ。
唐突に学校のチャイムが鳴り響く。
それをトリガーとし、全てが動き出した。
黒い波のように人形達が押し寄せてくる。ただ殺すために。
「俺も行くか…変身」
ノーマルフォームからジャックフォームへ変わり、飛翔しながら強化されたブレイラウザーで人形達を撃退していく。
なんというか、イメージ的には某巨大特撮ヒーローの最終回に近い気もする。地球はウルトラマンの星って言えばいいのか。
「あっ、逃げるな!」
激しい空中戦を展開し、逃げられかけたものの、なんとか空を制圧。地上を見下ろせば、時崎狂三も制圧を完了していた。
残るは建物にバグの如く群がる人形だけである。
『エボリューションキング』
キングフォームにチェンジ、キングラウザーを手にし、ゆっくりと建物へと向かう。
この2人を見ても逃げ出さないあたり、よく出来た人形である事は間違いないが、彼女達は大きなミスを犯していた。
2人の実力を見誤っていたのだ。
悪夢を体現したが如き精霊と、アンデッドの力を有する仮面の騎士。
イレギュラーな切り札(ジョーカー)が2枚トランプに投入されたらどうなるか、答えは明確。ゲームバランスの崩壊である。
「さて、ゲームマスター。いよいよ逃げられないぜ?姿を見せたらどうだ?」
和真が声を上げると、なにもせずとも校舎はあっさりと崩壊。
「わお、築1000年くらいは経ってそうな壊れ方なこと」
どうやら先ほど時崎狂三が何か銃弾を撃ち込んでいるのが見えたが、何か仕込んでいたようだ。
時間を操れるというのはなにかとこう、便利なものである。
(羨ましいもんだ)
彼も時間関係は使えなくはないが、範囲が広いし、時間停止しか使えない。細かな調整が効く方が、使い勝手が良いだろうし。
「しかしアレが、ゲームマスターなのか?」
「ええ」
ゲームマスターで、ドールマスターで、ドミニオン。
肩書きが多過ぎるのも如何なものかと思うが、意外なのは、彼女がそれこそ動かない人形の様だったからだ。
(キングラウザーを使う必要なくないか?)
変身を解き、武装をショットガンに変更。
銃口を向けるが、朱小町とリュコスが立っている。
「見逃してやる。行けよ、審判」
だが朱小町とリュコスは引かないようで、和真は時崎狂三の方を見て首をかしげるが、彼女は首をすくめるだけだった。
(俺がどうにかしろと?)
時崎狂三が用があるのはこのドールマスター。雑魚と見なした審判人形の処分は、正直どうでもいいのかもしれない。
溜息をついて再び朱小町とリュコスの方を向いた時、その人形達に変化が起きていた。
ちびっこかったはずの朱小町とリュコスの身体は人間大のそれへと変貌し、およそ高校生から大学生と思しき体格の女性のものに。
「は?人形…じゃないのか?」
「人形じゃないわ。私には風香っていう名前があるもの」
「結構大変だったよね、この人形を姿を変え続けてるのは」
反射的に引き金を引くが、当たることはなく。あっという間に和真は武器を奪われ、薬らしきものを打たれた。
薄れゆく意識の中で最後に後悔する。
(キングフォームのままなら良かったのでは…)
後悔しても後の祭りなのだが。
久しぶりに風香と吹雪の登場ですね。
名前合ってるよね?
まあたぶんバレット編はこれで終わる気がします。
次の世界はどうしようかなぁ…
アンケートとかやっても意味なさそうだし。
そもそもアンケートとかどうやるんだよ。
ツイッターでか?この小説のコメントで書いてもらうのかな?
まあ適当に考えてそのうち書きます。
タイトルからして涙、最後のシ者、終わる世界、世界の中心でアイを叫んだけもの、あたりまではやりたかったけど。
まあ終わる世界とかはAir、まごころを君に、でも良いんだけどさ。
シン・エヴァについてはあまり触れません。
触れたいですけれども。
じゃあまたね