仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか?   作:神浄刀矢

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黒の大地ラステイション

「八坂、和真?」

真二は思わず聞き返していた。非常に良く知る名であり、彼に最も近い存在。

そして彼を生み出した人物でもあり、彼に全てを教え込んだ。

「本当なのか?本当に八坂和真って言ったのか?」

「ええ、はい」

ここにいるはずがない。ここに彼がいるという情報は聞いていない。

何かがおかしい気がするが、ともかく彼をここから逃がさなければならないだろう。ここで死なれては困るのだ。

「彼は、どこへ行くって言っていたんだ?」

「ラステイションです。バイクを修理したいと」

「バイク?」

そんなものに乗っていた記憶はないが、まぁ真二の知らないところで乗っていたのかもしれない。

出て行こうとする真二に、イストワールは声をかけた。

「どうするつもりですか?」

僅かに逡巡。しかし真二は覚悟を決めたように、扉へ向かった。

「ラステイションに行く。八坂和真に会いにな」

外に出ると真二はポケットから錠前を取り出した。それをほいっ、と投げると錠前はエアバイク型のマシンに変形。

モチーフはタンポポあたりだろうか。

真二はそれに跨ると、ラステイションの方角へと飛んでいった。

 

近くで見るとラステイションというのは、『黒』が多い国なのだということが分かる。機械があちらこちらで動いており、工場らしきものも複数存在している。

「機械の国なのか、ラステイションて。こりゃあ修理してくれる人も簡単に見つかりそうだな」

こう言っている和真だが、プラネテューヌとラステイションの間に掛かっている輸送用と思しきルートを強引にバイクで突っ切ってきた。

バレたら少々まずい状況である。

「ぐあっ…」

別の事をひたすら考えてなんとかしていたが、こちらも限界が来たらしい。

「あ、アーク…チクショウ、こんな時にッ…」

乗り捨てるような形でバイクを路肩に停め、壁に手をついて体を支えながら、裏路地へと転がり込む。近くに窓もなさそうで、これならば誰かに見られる心配もないだろう。

(ウルトラマンみてえだな)

コートを脱ぎ捨てると、既に顔を含め、全身がアークの意志に蝕まれつつあった。飛電或人がこうなったかは知らないが、和真は人間とはいくらか異なる存在であり、アークは一度の変身で和真の身体を乗っ取ることができなかったのだろう。

だから常にアークの意志を送り込み続けた。洗脳や侵食とでもいわんばかりのレベルで、和真を悪意で蝕んだ。

「勝手に動くな…ッ」

ポケットに入れていたはずのアークワンのキーが禍々しいエネルギーを発しながら、アークワンドライバーにひとりでにセットされる。

もはやこのキーとドライバーが意志を持っているかのようだ。

『アークワン』

「外せ!外せっ!外れろよっ!」

キーを外そうと試みるが、遅かった。

『シンギュライズ!破壊・破滅・絶望・滅亡せよ』

『コンクルージョン・ワン』

悪意の塊、究極の絶望を体現するアークワン。再びそれはこの世界に降り立った。

絶滅タイムが始まる。

「ああああああああッ!」

変身時に放出されたオーラが周囲の建物を吹き飛ばし、瓦礫を形成、その中に彼は1人立つ。

獲物を求める獣の雄叫びか、絶望への抗いか。彼は悪意の中でもがきながら、声を上げる。

止めようとするが、止まらない。否、止めることができない。

「ぐっ…あッ…」

跳躍し、殴打し、蹴撃し、砕き、潰し、引き裂き。

全てを絶望させろ、悪意のままに。

アークの意志に従い、何もかもを破壊しつくせ。

(違う…そうじゃない!)

ラステイションの街並みを壊しながら、アークワンは重厚な黒の大地を俯瞰する。否、睥睨かもしれない。

血のような瞳には、感情というものは見て取ることはできない。

止まる事を知らず、アークワンはラステイションを壊していく。しかしその先に、アークワンは何を求めているのか。

「がッ…アーク…」

突如苦しみ出すアークワン。暴走するようにして放出された膨大なエネルギーが、工場から山岳地帯までを一瞬にして更地に変える。

和真とアークの意志が対立していると思われるが、誰かがアークワン止めなければルウィー、リーンボックスも含めてこの次元が滅ぶことは時間の問題といえよう。

果たして誰が、彼を止められるのだろうか。

 

エアバイクでラステイションに向かった真二だったが。

まぁ当然のように正式な出国入国手続きなどしてないので正面から入れるはずもなく、上空から見つからないように入ることになった。

(プラネテューヌ教会にいたんだから手続きくらいやってもらえば良かったな)

などと思いながらラステイション入りを果たしたものの、当のラステイションは彼の知る景色から様変わりしていた。

何者かがあたり一帯を破壊し尽くした。それも工場地帯から山岳地帯まで、深くえぐれるほどのパワーを持っている者だ。

「アークワン…今度はこっちに来たのか」

プラネテューヌで撃破できなかった責任は真二にもあるため、これ以上の破壊は容認するわけにはいかない。

今度こそ仕留めなければ。

「ここで決めなきゃな」

突如として市街地の一角が吹き飛び、その方向を目をやると。

爆風の中から現れる白と黒の身体に、赤い瞳の絶望。

反射的にタドルレガシーガシャットを取り出す真二。

ゲーマドライバーを装着、ガシャットのスイッチを押す。

「百式戦術」

『辿る歴史!目覚める騎士!タドルレガシー!』

剣を手に、白いマントを翻して、聖騎士は立つ。

「これで終わりだ!アークワン!」

剣に炎を纏わせて地を蹴り、肉薄し、斬撃を放つ。

当然ながら防がれ、反撃される事も視野に入れている。だからこそ。

「これで、どうだ!」

無数の剣を真二の後ろから射出。真二本人か、飛来する無数の剣か、どちらか片方に反応がいくはずだ。

だがアークワンはそれを上回った。

僅かな間で飛来する剣を破壊し、真二の腹にエネルギーを纏わせた拳を叩き込む。

「ぐっ…」

膝をつくが、彼は負けてはいない。

「それでも負けるわけには行かないんだよ!」

高速で剣を振るい攻撃するが、アークワンはそれを凌駕する。

戦いの中で仮面ライダーブレイブという存在を学習しているのだ。

こうなれば最早勝てるか、負けるかなどは問題ではない。

ここでアークワンを倒す事、それが今の真二に与えられた使命だ。

感情なき瞳でこちらを見るアークワン、それを跳ね返すように睨みつける仮面ライダーブレイブ。

「これならどうだ…」

『タドルクリティカルストライク!』

背中から純白の翼が展開され、それをはためかせて聖騎士は飛翔。

アークワンを見下ろす位置まで来ると、一気に降下に転じる。

翼でバランスを取りながら、右足にエネルギーを収束させたキックをアークワンに向けて放つ。

「終わりにしてやる!アークワン!」

『悪意』『恐怖』『憤怒』『憎悪』『絶望』『闘争』『殺意』『破滅』『絶滅』

『パーフェクトコンクルージョン』

禍々しいエネルギーがアークワンの右足に収束。高速で降下してくるブレイブに向けてハイキック。

常人を遥かに超えるエネルギーを持って放たれた両者のキックは凄まじい衝撃波を生み出し、既に瓦礫と化した周囲のものも含め、あらゆるものをその場から吹き飛ばした。

 

残るのは2つの人影のみ。仮面ライダーブレイブとアークワン。

立ちこめる砂埃の向こうにシルエットを認められるが、既にお互い仮面ライダーのものではないようだ。

正直こちらがダメージを食らうことは想定していたが、アークワンがダメージの蓄積で変身解除に追い込まれたとは考えづらい。

意図的に変身を解除している可能性も考えつつ、慎重に近づいていく。

「げほっ…アークワン、もう逃げられないぞ」

拳銃も念のため携行はしているが、撃つことはないだろう。

「覚悟し…」

言い切ることが出来なかった。言葉が繋げられなかった。

「覚悟しろよ」と言うつもりだったが、彼を見て言う事はできなかったのである。

瓦礫の中からアークワンだった男は、ゆらりと立ち上がった。

その男はいくらか若いとはいえ、真二の良く知る顔をしていた。

「さっきの、ライダーか」

「真二、です」

敢えて苗字は伏せておいた。真二のことを知らなそうだし、ここで彼に下手に自身の存在を知られるのも得策ではないと考えた次第である。

「真二って言ったな?変な頼みだと…分かってるんだが、アークワンのドライバー、外せないか?」

「えっ」

「外せないかって…聞いてるんだ。俺はアークの意志に逆らうのが、精一杯なんだ。アークも制御できんから、この有様さ」

アークに全身を侵食されていながら、アークワンの意志に抗えている時点で中々凄いものではあるが、どうやら彼を見る限り、アークはだいぶ深く入り込んだようだ。

刺繍を更にグロテスクにしたような赤と黒の模様が、腕、足、顔に刻み込まれており、服の所々破れた部分からも胴体に刻み込まれたそれがありありと分かる。

「早く、してくれ。俺には…」

再び男はアークワンへと姿を変える。苦しみ、もがきながら、跳躍して彼はその場から姿をくらました。

「何なんだ!何なんだよ!俺は、俺はどうすればいい…どうすればいいんだよッ!」

ぽつりぽつりと雨が降り始める。

彼の悲しい叫びが、ラステイションに響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最新話ですどうも久しぶりじゃないね、24時間経ってないか。
つーわけで仮面ライダーあるある。
重要なシーンで雨が降る。結構雨の中の変身、好きなのよね。
平ジェネフォーエバーでもビルドとジオウ、雨の中の変身してたからね。
てかどーすっかな、このまま4つの国破壊してぐだるのもアレだし、また新キャラ出していい加減アークワンのヤツ外してもらうか。
和真くんブレイドがアイデンティティみたいなとこあったし、これじゃあ主人公闇落ちよ。
いやまぁ今年流行りみたいだけどさ、ヒーロー闇落ち。
つーか闇落ちこれ以前に書いた事ないはずだし、慣れてないんだよね。ぐだってしまいそう。
というわけでたぶん次の話、別のライダーまた出ます。
というか出さないと和真アークワンの話終わりません。たぶん。
ベストマッチ2020にすっかな、次のタイトル。
ビルドだろうな。出すの。
出すときはオリキャラだと思うから、ごめん。
戦兎や葛城じゃなくて。
ジオウで時間干渉とかの方が強いっちゃ強いけど、うーん今回はちょっと悩みどころ。
たぶん明日か、明後日。
じゃ、またねー

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