仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
アークワン=八坂和真が真二の前から姿を消し、1時間余りが経った頃。
ラステイションに半ば強引に押しかける形で、ネプテューヌとネプギア、ユニの3人はやってきていた。
ユニは帰国するのと変わらないが、ネプテューヌとネプギアは無理を言って付いてきていたので、まあいーすんもとい、イストワールの仕事が増えたのは言うまでもないことであった。
そんな3人をノワールが出迎える。
「久しぶり!ラステイション!」
「なんでそんなテンション高いのよ、この状況で」
「お姉ちゃん、少しは周りを見たほうが…」
「いや、まぁそうなんだけど。これ見るとテンション下がるじゃん」
破壊の爪痕が残る風景。かつての工業都市としての面影は無くなっており、世紀末感を醸し出している。
煙があちこちから上がり続け、サイレンは止むことはない。
「何者かが破壊活動を行ったらしい、とは聞いているのだけど。その正体までは掴めていないのよね」
ノワールは別の場所で仕事があり、ラステイションには丁度いなかったのだという。神宮寺ケイは教会にいたそうだが、連絡が行くまでなぜか時間がかかってしまったため、状況を把握できたのは、アークワンが破壊活動を始めてからある程度経ってからだった。
「でもこれ、もしかしなくても」
「アレだよね」
「何よ?」
「アークワンってやつの仕業じゃないかなーって」
「アーク…ワン?」
ノワールはどうやらケイから何も聞いていなかったらしい。ネプテューヌはまあ、まともに説明しそうにないので、ネプギアが真二から聞いたアークワンの情報をノワールに伝えた。
「悪意の塊?そんなものがここに?」
「たぶんこの状況もその、アークワンが破壊活動をした結果だと思います」
「厄介ね。この国のどこかに、アークワンが潜んでいるってことでしょ?今破壊活動は見受けられないし」
「そうだけど、今回はちょっとなー」
「何よ」
「私の手には負えないかなーって」
「何を言ってるんだ?アークワンを止めないとこの世界は滅びるぞ。まぁプラネテューヌで取り逃がした俺の責任でもあるけどな」
「真二?」
彼女たちの前に現れたのは、先ほど女神達の預かり知らぬところでアークワンと戦った、仮面ライダーブレイブこと八坂真二。
傷が癒えていない箇所もあるようだが、その瞳には強い意志が宿っているのが見て取れる。
八坂和真を救うという決意のもと、彼は女神達の前に現れた。
「救援は呼んだ。そのうち来るはずだ。アークワンは、俺が止める…いや、救う。そのために協力してもらいたい」
和真の意識は、既に朦朧としていた。朦朧としているのか、していないのか、そもそも意識があるのかどうかすら、今の和真には分からない。
真二と名乗る少年の前からアークワンとなって去ったが、あれから一層アークの意志を抑え込むことが難しくなってきた。全身をアークの意志に蝕まれたこともあり、意識をはっきりと保つ事すら危うい。
「早く、ドライバーを外してくれ…誰か…」
裏路地を人に見られることもなく、孤独に彼は歩く。こうなってしまうと表通りを歩く事すら満足に出来ない。もっとも表通りも彼のせいで壊れ果てているのだが。
「あーコイツはやべえな」
ふらつく彼の耳に届く、聞いたことのある声。
「クロ…ワール…」
「見つけたわよ!クロちゃん!」
弱る和真に一瞬気を取られたのが命取りとなり、クロワールは大人ネプに捕まってしまう。
意識があればその一部始終を見ることができたろうが、今の和真には
大人ネプの姿を捉えることもままならない。
支えることができず、ついに和真は地面に倒れ伏す。
「こうなったら助けるしかないわね。クロちゃん」
「いや、まあ」
「やるわよね?」
「やるやる、やるから!それ怖いんだってば!」
遠のく2人の会話。和真の意識は、深く深く沈んでいった。
真二と合流…正確には今回は真二が協力を求めてきたわけだが。
ともかく女神一行は場所をラステイション教会に移し、彼の話を聞くことにした。救援はもうすぐ到着するとのことらしいが、一向に現れる気配はなかった。
「アークワンと、その変身者を分離させる?」
「ああ、アークの意志ってヤツが変身者の中に入り込んでいるんだ。実物を見るのはたぶん初めてだと思う。けど、どうにもそのベルトと身体が融合しているらしい」
「それでベルトを破壊すれば身体が壊れるし、身体を破壊してもベルトが残ってしまうと」
「いや、少し問題がある。その…変身者なんだが、ほぼ死なない。アンデッドだ」
「ゾンビってこと?」
「近いけど、違う。でも今回は似たようなモンだと思っていい」
「いくらアークワンで暴れても、身体自体が生き続けるから、死ぬ事はできない。従ってアークワンも消える事はない、と」
八坂和真のアンデッドという肉体を取り込めば、アークワンは不死の存在に昇華する。しかしそれを分離させられれば、八坂和真はアンデッドとしての存在に戻ることができる。
アークは不死の存在ではなくなり、変身者もいなくなるから、アークワンという姿を維持できなくなる、という寸法である。
「けどこれ以上プラネテューヌやラステイションに迷惑は掛けられない。もう女神候補生に迷惑掛けてしまってるから、何も言えないけどさ。とにかくいくら破壊してもいい場所はないか?」
「…1つだけあるわ。私たちあまりあそこに良い思い出はないけれど」
ノワールの言葉を察したように、言葉をつなぐユニ。
「ギョウカイ墓場…」
超次元の闇。唯一不可侵、何人も寄せ付けぬ死の領域。
四方を山岳地帯に囲まれたゲイムギョウ界の墓場。
「そこなら、良いんだな?転送する事は?」
「できなくはないが、オススメはしない。あそこだけは座標が固定できないから」
「構わない。アークワンを止めるためだ」
最早後に引く気はないらしい。
そこがどのような場所か真二は知っているのか、それとも知らないのか。どちらによ彼は進むだろう。
「待たせたな、俺も行かせて貰おう」
背後から響く声。ラステイション教会の扉を開け、1人の青年がこちらへと歩み寄ってきた。
「忍野!」
「悪いな、来るまで少し時間かかって。俺は忍野巧、仮面ライダービルド。創る、形成するって意味のビルドだ。以後お見知り置きを」
「相変わらずキザったらしい自己紹介なことで。とりあえず、コイツが俺の呼んだ救援だ。忍野、事情は分かってるな?」
「問題ない。アークワンと変身者の分離だろう」
「神宮寺ケイ、俺と忍野がアークワンと接触したら、ギョウカイ墓場まで転送してくれ。座標は問わない」
「分かった」
真二と忍野は頷きあうと、ラステイション教会を後にしたのだった。
深い闇の底。絶望に満ちた大海原の底で、和真は目を覚ました。
「ここは…?」
起きたらヘンテコな場所にいるとか、そういうことには慣れたつもりだったが、今回は少しばかり事情が異なる。
アークワンだ。アークの意志に蝕まれ、彼は意識を失ったのだ。
ここには誰もいない。孤独で、冷たい。
その時だった。ぼんやりとした人影が和真の前に現れた。パーカーの上に黒いスーツ、蛍光色のスニーカーという出で立ちの青年は、和真と静かに向かい合う。
だが青年の輪郭はすぐにぼやけ、やがて見えなくなった。
「誰なんだあんた一体…」
彼を追おうとする和真だったが、その身体を謎の力が抑えてくる。
いや、これはアークの意志か。
「俺に…破壊を求めるのか」
恐らく死ぬことがないであろう彼をもってすれば、永遠の悪意が生まれるのも時間の問題だ。その前にアークワンドライバーを外し、キーを破棄しなければ。
早く止める必要がある。
もがき苦しみながら、彼の身体は上昇していった。
「目、覚まさないわね」
「そうだな」
崩壊していない近くの建物の一室、そこのベッドに和真は寝かされていた。ここまで運んだのは大人ネプであり、クロワールはその手伝いといった具合である。
どうやら大人ネプの予想以上にこのアークワンは彼との融合を果たしているらしく、簡単に取り除くことはできそうになかった。
「クロちゃん、ホント相手は選ぶべきよ」
「いや、ネプテューヌから聞いてた『ジョーカー』ってのが気になってな。どんなモンかって思ったんだよ」
「手を出すようなものじゃないと言ったわよね?。ま、今更後の祭りだけど。あ、目覚めたみたいね」
「…ネプ、テューヌ?」
身体を起こしたものの、両手に違和感を感じて見てみると。
(手錠?)
「念のため。気休めよ」
どうせこんなものがあってもキーは勝手に装着される。本当に気休め程度なのだろう。
今は起き上がれないと分かり、どすりとベッドに寝転がる。
少し出てくると言って大人ネプは部屋を後にし、部屋にはクロワールと和真だけが残された。
「こっからもっとおもしれーことになるぜ」
クロワールは小さく呟き、和真の意識は再び暗転した。
どうも今回バトルありません!
大学の教授にイライラしております、テレビが壊れたクソザコ作者でございます。
なんかめちゃくちゃだな。ま、とにかく今回はアークワンとの決戦前のシーンてことで。
ビルドも出しました。一応名前少しは拘ったつもりなんだけど、そんなに拘れてないかな。
つーわけで次の話はそうだな、明日無理そうだし、明後日かな。
期待しないで待ってて。
つーかギョウカイ墓場詳しく覚えてる自信ないし、リバース2やり直そうかな。
リバース2はネプギアとユニを結構育ててたね。
じゃ、またねー