仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
八坂和真と瓜二つの姿をした彼から伝えられた真実は、和真に重くのしかかることとなった。
魔女の世界は滅んではいなかったが、その代償としてというべきか、ISの世界が変わってしまった。
ISそのものもストライカーユニットの代わりに作られた、新たな対ネウロイ用兵器であると、彼は告げた。
本来ならこうなるはずではなかったのだ。
「俺は…どうすればいい?」
あのあと和真は屋上へとやってきていた。
缶コーヒーを啜りながら蒼穹を見上げて呟く。青い空には今も黒いネウロイの巣がある。最もネウロイは現状出てきていないようだが。
前の和真ならこういう場合でも変身して突っ込んでいったかもしれないが、世界の融合のトリガーを引いたことを知ってしまった今の彼には、それができないでいた。
(これ以上俺が何かをしてしまうと、何が変わるか分からない)
ただ滅びゆく世界を見ていれば良いのか。
無論そんなことはない。和真とてネウロイを倒さなければならないと決めている。
けれどあの男は悪夢は続く、とも言った。故にその真意を知る必要もある。
(でもISやストライクウィッチーズとも無関係なはずの精霊がなぜ…?)
デートアライブの世界に、ネウロイは現れていないはずだ。
少なくとも彼の知る歴史では。
ならばネウロイが精霊をコピーすることはできないと思うのだが。
「ったく…よく分かんねえ」
いつまたネウロイが活動を再開するか分からないものの、ここでこうしていても生産的なことは何もできない。
呑気だとは思われそうだが、まずこの学園でできることをしてみるとしよう。
和真が歩いてやってきた道をバイクで行くというのは、アクション映画ならいざ知らず、実際にやってみると中々に難しいものであった。
これもフィクションだから問題ないといえばそうなのだが。
「しっかしアークワンの反応遠いなぁ」
スペードマークが特徴的なこのバイク、そこそこ慣れたように乗ってはいるが、今乗っている少年のものではない。アークワンを追うついでに和真に返そうという腹づもりで乗ってきたに過ぎないのである。
時空転移システムをシアンという女性に直して貰ったものの、どう使うのかさっぱり分からない。
それゆえここにやってくる際に発生させた亀裂も、彼自身の能力に他ならない。これは親譲りのモノではないのだが。
それはともかく、彼はバイクを駆り、アークワン=八坂和真を探していた。
竹林から住宅地に出て、中心地と思われる方角へ向かっていくが。
「なんだ、アレ」
上り坂を登りきったところで彼は遠くにそれを見た。
巨大な竜巻か積乱雲のように見えなくはないが、異様なのはその外見。
緑色の稲妻とらしきものが周囲に飛び交っている、漆黒の雲。
そしてそれを守護するかのように飛ぶ見慣れぬ影。
双眼鏡を用いて確認してみると。
「なんだろ、ネウ…ロイか?いや、ここにいるはずないよな」
ネウロイかどうか実際に接触しない限り分からないが。
ここでの選択肢は2つ、ネウロイと思しきあれを優先するか、アークワンを探し出すか。
この二択で彼は後者を選んだ。反応は弱くなりつつあるが、未だにアークの反応がある以上、いつまたアークワンが覚醒するか分からない。アークワンが目覚めれば、終焉のカウントダウンが刻まれ始めるのは、時間の問題といえるだろう。
その前に八坂和真を見つけ出し、今度こそアークを切り離さなければならない。
探知機の反応に従い、彼は再びバイクを走らせていった。
外の様子を気にしながらも、和真は学園内で調査を続けた。
図書室で書物を読みあさってこの世界の歴史、そしてこの学園について調べ上げていった。
更に記憶を頼りにIS学園の格納庫にも足を運んだ。ISがあるのでは、とも思ったからである。
確かにそこにISは存在していた。打鉄とリヴァイヴが。だが動かそうとしても、彼の手では動きそうになく、断念して書物の調査を続行。
そうこうした結果分かったこととして、そもそもここはIS学園という名称ではないということ。
『扶桑統合戦闘技術学校』というのがここの名称であった。
創立者は坂本美緒、宮藤芳佳、雁淵孝美。援助者としてペリーヌ・クロステルマン、ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ、グンドュラ・ラルといった名前が挙げられていた。
かつての統合戦闘航空団のメンバーが、この学校を創り上げたのだ。
どう言葉にすれば良いのか、分からない。
「すまない…」
しばらくして和真の口から出た言葉は、それだった。
謝ったところで何かが解決するわけではない。IS世界のあるべき姿を、ウィッチ達のあるべき歴史を変えてしまったのは彼自身だ。
なら元に戻せばいいと言われるかもしれないが、過去は変えられない。今の彼に時を旅するバイクはない。最早変えられるのは未来だけしかないのだ。
「過去は変えられないが、未来なら変えることができるかもしれない、か」
ネウロイを全て駆逐し、ウィッチがもうユニットを付けなくても良いようにする。変わってしまった世界を見て嘆くことも必要だが、今重要なのは平和に近付くことだ。
そう思った矢先、校舎内に突如として響く警報音。
『ネウロイ出現。第四種警戒態勢へ移行、速やかにネウロイ迎撃に当たるように。繰り返す…』
「ご丁寧に」
アナウンスが流れるのはありがたい。こうなった以上、最早後に引くという考えはない。ただ進むだけだ。
部屋を飛び出し、和真は窓から身を躍らせながら仮面ライダーブレイドに変身。落下しながらジャックフォームに変わり、着地をせずにそのまま上昇。
巨大なモニュメントの上に降り立ち、ネウロイの巣を見上げる。
(今度は…なんだ?)
IS、ネウロイ、精霊と来れば、もう何が来ても驚かない自信はあった。が、今度のはスケールが違いすぎた。
「ワルプルギスに…アレは、見滝原の魔法少女達か?」
ネウロイの巣から現れたのは彼が最初に訪れた世界で出会った魔法少女達、そしてキングフォームになって初めて倒した敵ワルプルギス。
黒い無機質な感じが特徴だったこれまでのネウロイだったが、今現れた魔法少女とワルプルギスは、原典をそっくりそのままコピーしたかのようだ。
「進化…しているのか?」
見滝原にネウロイが現れ、魔法少女達をコピーしたか。あるいは洗脳の類をかけているとも考えられるが、ワルプルギスにそれは難しいと思われるため、洗脳はないと見て良いだろう。
ではどうやったのだ。
「いやいくらなんでも、そっくり過ぎる」
洗脳がないとすれば模倣か。魔法少女の服装の細部に至るまで再現しているあたり、よく出来ていると言わざるを得ない。
マミ、さやか、杏子、ほむらの4人とワルプルギス。まどかがいないが、彼女は円環の理。再現することはできなかったのだろう。
「上等だ。俺の知ってるものばっかり敢えて出してきてんのか?いいぜ、それでもやってやる!未来のために!」
ブレイラウザーを手に飛び立つ。
マスケット銃、実弾銃、刀、槍といった魔法少女の武装が彼を狙うが、間一髪で躱す。
まず狙うのは4人の魔法少女。彼女達を撃破しない限り、ワルプルギスを撃破する事はおろか、近付くことすらできないだろう。
ブレイラウザーに雷を纏わせ、高速で彼女達に攻撃を仕掛ける。ほむらを撃破、杏子も一撃で倒すことに成功し、残るはマミとさやかのみ。リボンらしきもので彼を拘束しようとするが、そのリボンを断ち切り、マミモドキを蹴り飛ばす。
残るさやか。剣を射出してくるのは分かっている。飛来する剣を避けながら、さやかモドキに接近。ブレイラウザーを勢いよく振るった。
そうして4人の魔法少女が動きを止めると、彼女達の身体から赤いコアらしきものが出現。刹那にそのコアらしきものは弾け飛んだ。
「やはりネウロイだったか」
残ったのは和真とワルプルギス。キングフォームになり、キングラウザーを手にワルプルギスに迫る。
「これでエンドマークだァ!」
『♠︎10・J・Q・K・A』
ブレイドはロイヤルストレートフラッシュを発動、そしてキングラウザーから放たれる光の奔流がワルプルギスを包み込んだ。
「あれは…」
モノレールの駅までやってきた少年は、遠くにその光を見た。
天へと放たれる黄金の光の奔流。
約束された勝利の光だ。
(あそこにいるんだな)
バイクのエンジンを全開に、モノレールの改札を通り抜け、彼は黄金の光目指して進んでいく。
毎度毎度低クオリティなことに定評がございます。
今夜もう1話書けるかなーってとこなんだけど、ネプリバ3のトゥルーエンドもう少しで辿り着けそうだから、そっちもやりたい。
でも頑張って書こうと思う。
寝落ちしなければね。
でもウルトラマンの方も考えたいから、次の話だいぶ先になるかも。
ウルトラマンの方先投稿する可能性なくもないからな。
つーわけで今度はいつになるか分からんけど、うん、またねー