仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
本来の時代に戻り、何日か経った頃。
キセイジョウ・レイの破壊活動により麻痺していた都市機能も復旧し、真二達の街も元の姿を取り戻しつつあった。
そんな某月某日、真二の端末に一本の電話が入った。
『真二か?』
「ああ、なんだ?」
『手を貸してくれ』
電話の相手はそう言った。冷静なようだが、どこか焦りがある。
「何かあったのか?」
『美樹さやかについての話は、聞いてるか?』
「見滝原中学の魔法少女の1人とだけ」
『俺の世界の大学に、ここにはいないはずの美樹さやかがいる。言いたいこと、分かるよな?』
「何者かが、あるいは何らかの原因でこちら側にやってきた、と」
『ああ、彼女を本来の世界に送り返す。同時にその原因も探ろうと思う』
「それで何か必要なものは?」
『見滝原への足を。バイクじゃなくていい』
「分かった。ただこっちも監視されてる身だからな、良いものは送れない」
『俺のせいですまないな。とりあえず至急頼む』
そう言って電話は切れた。
万が一と思って連絡先を交換しておいたが、まさかこうも早く使われることになるとは。
ともかく彼を助けたいところだが、先の件のおかげで真二にも監視が付けられてしまっていた。監視カメラが最新式のものになり、秘書という建前で1人同僚が増えただけだが。
(それでも厄介なんだよな)
父は亀裂発生能力を持たないため、次元を超える際には何らかの機械に頼らざるを得ない。
ただバイクなどは目立つし、亀裂を通して送る以上、小さなものに限定される。
となれば一度だけ使った、アレにしよう。
デスクの中からこそこそとその機械を取り出し、真二は電話の発信元の座標を固定。亀裂を開き、その機械を送り込んだ。
左程時を経ずに、空間に亀裂が走り、小さな機械が落ちてきた。
「おっと…」
慌ててそれを受け取って見てみると、彼にとっても既視感のあるものだった。母が使っているのを見たことがあるし、使い方も恐らく覚えているはずだ。
「確かこれをこうして…と」
一旦さやかにその機械を向け、スキャンを行う。スキャンを行った対象の属する世界に移動が可能となるのだが、これにはデメリットもある。
移動ができるのは基本スキャンを行った側のみで、移動先の時間・場所は使用者の運に左右されるのだとか。
最も移動に関しては、誰を掴んでいれば、その人も移動は可能ではあるのだが。
しかしこれは1回使うと効果は無くなり、自身をスキャンしないと元の世界に戻れない。
(中々に面倒なもんだよな)
息を吐きながらも和真は、さやかの手を掴む。
そして刹那、2人の姿はそこから消え去った。
「あれ?こっからなんか聞こえたよーな…気のせいかな?」
僅か1秒にして、和真とさやかは大学の教室から、見滝原へと転移。
転移先が例のショッピングモールの屋上だったので、そこそこ運はよかったのかもしれない。
が、見渡してみてもワルプルギスなどいないし、暁美ほむらなど見当たらない。
ショッピングモールの屋上から見えたら、それこそ超人なのだが。
「おーい、起きてる?寝てんのかな?」
「起きてる。ここは…見滝原?」
「ああ、間違いない。ま、ショッピングモールの屋上だが」
「戻って来たんだ。頭痛がしない…ってことは、アイツの力は干渉してない…」
「ちょっと待てちょっと待て。まずそっちが俺の世界に来た理由を説明して貰わんと。リングがない理由もな」
「…送ってもらったし、分かった。簡単にね」
そうして彼女は語り始めた。見滝原の秘密を。
魔法少女、魔獣、ナイトメア、街を覆う結界…そして悪魔。
暁美ほむらという少女が行き着いた、最善にして最悪の結末。
世界の理への叛逆の物語。
彼女は円環の理の一端を奪い、世界すらも塗り替えた。
そして彼女の1番大事な人、鹿目まどかをただの人間に戻そうとした。
ただ奪ったのが力の一端であったためか、世界改変は不完全になってしまった。
暁美ほむらと鹿目まどかの世界に、かつて魔女となって死んだ魔法少女は異端とされ、記憶と力を中途半端に残す事になったのだ。
その1人が美樹さやかだった。
悪魔と化した暁美ほむらの打倒を試みるも失敗、和真のいる世界に飛ばされてしまった、という話であった。
「俺の知る歴史じゃない。何がどうなってる?まず君は、俺の知る美樹さやかではないということか」
「そうなるかな。あたしは会った記憶はないし」
「ならそれはそれでいい。魔女になってしまったものは、どうしようもないからな」
それに今の和真に、魔女の力を封印する術などない。
すべて没収され、今の彼にあるのは真二から送られたこの機械のみ。
ブレイバックルもラウズカードも、彼の元にはない。
コネクトリングも。
「ただ今はっきりしてんのは、俺たちが居る時間はまだ悪魔が生まれていないってことか」
「あたし達がいるのは、過去。まだ暁美ほむらが、自身が魔女になってる事に気付く前。アイツが自身の正体を知れば、この結界は崩壊していくはずだから」
「なら今のうちに止めるべきだろ。魔女になる前なら、叩けるはずだ」
「ダメ。魔女になってないってことは、つまり今は魔法少女として活動してる。まどかやマミさんに見られたら厄介だって」
「そっちは厄介かもしれんけど、俺は大丈夫だろ。どうやら誰も俺のこと知らない世界線みたいだし」
「やめておいた方がいいと思うよ。だって、人間じゃん」
「それは…まあな」
否定しきれない。
確かに魔法少女ではないとはいえ、彼も邪神の家系の1人ではある。
身体はそこそこ頑丈ではあるが、しかし時間操作の魔法少女を相手に生身で挑めるほどの力はもうない。
自業自得とはこの事であろうかと、改めて感じる。
バールの一本でもあればなんとかなったかもしれないが、それもないのでは遠距離武装にすら勝てないだろう。
「だからって黙って魔女化するまで待つのか?」
「そういうわけじゃないけど」
「暁美ほむらは俺が止める。俺に関する記憶があるかは分からねえけど。彼女をこうしてしまったのは、俺の責任でもあるだろうし」
そう言って和真はショッピングモールの屋上から飛び降り、一路暁美ほむらを探しに見滝原へと繰り出すのだった。
確かにここは彼の知る見滝原だ。それは街を見れば分かる。
けれどどこか違和感がある。やはりさやかが言っていた、結界のせいだろうか。
一旦見滝原と隣の風見野の境界まで行ってみようとしたが、不可思議な力によって見滝原へと戻された。
さやかの説明では見滝原を結界が覆っているということだったが、恐らくそうではない。
この世界には見滝原市しか存在していないのだ。
隣街の風見野はあくまで名称のみ。恐らくあの境界での不可思議な力は、見滝原の結界に人々を閉じ込めておくための、監視員のようなものなのだろう。
結界を作った主、美樹さやかは暁美ほむらだというが、彼女はこの見滝原の外に何人たりとも出さないつもりだ。
「鹿目まどかのため、か」
彼女を守るために暁美ほむらが作った、偽りの世界。
しかし和真の知る鹿目まどかは魔法少女になっていないはずだが、やはり彼の知る世界とは全くの別物なのだろうか。
「ったく…」
いつ暁美ほむらが魔女化するのか、その力がどれほどのものなのか、和真は知らない。
少なくともこの見滝原の結界が崩壊していくのだとすれば、相当な力の持ち主であることは間違いない。
(運命を変えるなんて言っといて、結局何も…)
でも今度こそ魔法少女の運命を変えてみせる。
たとえ世界線が違い、彼女達が和真のことを知らなくても。
彼にワルプルギスを倒すほどの力がなかったとしても。
それでも。
「やってやるさ」
運命と戦う。そして勝ってみせる。
ウルトラマンで何か考えるって言って、未だに文字起こしできてないクソザコ作者でごぜーます。
仮面ライダーとしての力失った今の方が、和真くん主人公ぽい?
そうでもないかな。
最後の1行は永遠の切り札から引っ張りました。
仮面ライダー剣最終回です。見てない人は1度でいいから見てほしい。
泣く。
というわけでまどマギの叛逆の物語の話です。
テレビ壊れて叛逆の物語を大画面で見られなくなりまして、記憶に頼ってなんとか書いてます。
次の話で魔女化する、のかな。
ぼちぼち書きます。
じゃ、またねー