仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
これは現実か、それとも夢なのか。
所々ひび割れた白い空間で、八坂和真は覚醒した。ここがどこなのかは分からないが、何かに触れている感覚はないので、恐らく夢なのだろう。
立ち上がり、正面を見るとピンク色の髪に黄金の瞳、白い装いの少女がいた。
(鹿目、まどか)
円環の理。彼女は力を和真に託し、消滅したはずだ。何故ここにいるのか。もしや奇跡的に復活したとでもいうのか。
「なぜここに?」
やはり彼女は答えない。発音機能は鹿目まどか本体に依存していると見て良いだろうが、今はそんな場合ではない。
「俺はどうなったんだ?」
ガタノゾーアに腹を2発ほどぶち抜かれたところで記憶が途切れており、その後どうなったのか分からない。
彼女は静かにこちらへ歩み寄り、手をこちらへ差し出してくる。
そこに現れる、手のマークが描かれた謎のリングと、淡い水色のような宝石らしきものが見られるリング。その2つのリングに加え、もう一つ、バックルが手形になった何かの変身ベルトらしきもの。
これらが何なのかは分からないが、鹿目まどかの姿をした少女は和真にそれを渡して来た。
「これは…」
彼女は応えない。伝えることができないのだ。それでも和真は何となく、このリングとベルトを手に取らなければならないと感じた。
世界を救うため、光を取り戻すため。
覚悟を決め、彼は希望へと手を伸ばした。
「また夢…だったのか」
八坂和真はゆっくりと身体を起こした。最後の記憶はガタノゾーアの目前、キングラウザーとブレイラウザーを手放し、腹をぶち抜かれたところで途切れている。
(どこだここ?)
木製の簡素な小屋だが、ベッドやらなんやらある程度の物は小綺麗に整えられている。
キャンプ周辺にこんなところはなかったはずだが、まぁ最後彼がいた場所は海上なのでどこに流れ着いたのかすら不明である。見れば胴体にはぐるぐると包帯が巻かれ、どれだけ酷い傷だったのか想像に難くない。衣服もボロボロになったのか、今はパンツ一枚だけだ。
オンラインゲームのアバター選択のような感じはなくもない。
「目覚ましたんだな、父さん」
「真二?」
衣服といくつか食料と思われるものを手に部屋に入って来たのは、八坂真二だった。
つまり助けてくれたのは真二、ということになるのか。
「迷彩はだいぶボロくなってたから、新しいのを用意した。まぁ食い物は携帯食料くらいしか持ってこられなかったけどな」
「真二、どうして俺のとこに?ここは未来か?それとも真二が戻って来たっつーことか?」
「とりあえず服を着てくれ。順を追って話そう」
和真は真二に促されるままに服を着替え、食料として渡された乾パンを齧る。
真二はそれを確認すると、口を開いた。
「この事態は未来の俺達からしても、想定外だった」
「想定外?ガタノゾーアのことか」
「ああ。存在は認知されていたんだが、復活はないと思われてた。でも過去での出来事は未来に影響を与える。それは父さんの経験からも分かるだろ?」
「まあな。それで、何だ?未来から人員を派遣してガタノゾーアを倒すってのか?」
「間違っちゃいない。正確には、光と闇、両方を消し去るつもりだ」
「何?両方ってガタノゾーアと、俺をか?そのためにお前が派遣されたって?お前も消えるだろ、そしたら」
「話は最後まで聞いてくれ。父さんとガタノゾーアを倒すために5人くらいが派遣されるらしいんだが、実は俺はそこには入ってない。先の件と、父さんにあのメカを送ったのがバレて謹慎処分を受けてる」
「なんかすまん」
「いや、まぁちょっとやばい状況でもあってさ。謹慎中だから職場のシステムは使えないんで聞いた限りなんだが、この作戦に変更はないらしい」
「何だ、上は真二が消えても構わねえってか。いや謹慎処分中のヤツが消えたところで、大してダメージはないから、作戦は変更しないのか」
「詳しくは知らない。徐々に戦力が送り込まれてくるらしくて。父さんのために謹慎処分なんか気にしてられねえと思ってな、先に見つけて匿っておけばいいわけだし」
「なるほど、そりゃありがてえよ。でもどうやって俺の居場所を割り出したんだ?」
「あのメカ、まだ持ってるだろ」
「まあな。それにGPSでも付けてたのか?」
「そ。ここらで反応が途切れたから探してたら、父さんを浜辺で見つけたの」
「なるほど」
ひと通りの話を聞き終えたところで分かったのは、どうやらここにいるのは危険だと言うことであった。
いつ未来から和真を殺しに人員が送られてくるか分からないし、ガタノゾーアの動きも把握出来ない。
海辺の小屋ということで外に出て確認してみたところ、ガタノゾーアの姿は依然として和真とぶつかったであろう位置に、鎮座していた。
「どうせなら俺が相討ちになれば丸く収まる気もするがな」
「バカな考えはやめてくれ。それにブレイバックルは壊れてる」
「は?」
真二の言葉に慌てて探ってみると、彼のブレイバックルはヒビ割れて黒焦げ、ラウズカードすらセット出来ないほどになっていた。
「クソ!」
「一回皆と合流しよう。連絡を貰ってる」
「いつ連絡先交換したんだよ…」
「祖母の方から掛けてきた。なんか俺が来ることも分かってたみたいな感じある」
というわけで外に出、真二が盗んで、もとい拝借してきたというバイクに跨り、一路母の元へと向かうことにした。
山間部へ黒鉄スミレ、平島薫、美山雫、桜木レナを追い込んでいた黒い異形は謎の金色の光が走ると同時に消滅。
しかししばらく待っても和真は帰って来ず、戻ってきたのは黒いフルフェイスアーマーの女性だった。
「和真は!?」
「1人で…」
「ニャル子、和真は突っ込んでいったのか?」
「ええ、はい。恐らく生きていたとして酷い怪我でしょう。クー子とハス太くんが探してくれてはいますが…」
「生きてる。アイツはきっと生きてる」
「そうは言っても…」
「ニャル子一回その変身解けよ。話しづらいだろ」
「それもそうですね」
フルフォースフォームから、銀髪碧眼の姿へ戻る。
そしてニャル子は、スミレ、薫、雫に真実を話す事にした。
自分達の息子・八坂和真の正体と、あの黒い異形、そしてその元凶たるガタノゾーア、その全てを。
真二の運転でバイクは進んでいったが、一向にあのキャンプへと近付いて行く様子はなかった。
「本当にこっちであってるのか?」
「…」
「おい、真二?」
応えず後ろに手を伸ばして和真の腕を掴むと、真二は全力で投げ飛ばした。
反応できずに背中を木に強打し、そのまま重力に引かれて和真は落下。痛みを堪えながら立ち上がるが、口の中には血の味が広がる。
「ってェ…冗談にしちゃ酷えぞ!真二!」
呼びかけにも応えず、真二はバイクでこちらへ突っ込んでくる。
「危ねえッ!?」
バイクは木に激突、なんとか回避には成功したが。真二は…いつのまにか降りていたらしい。
「…お前、真二じゃないな?ここまでやりゃあバレるぞ」
「気付くのが遅すぎる。そうだ、僕は真二じゃない。炎の邪神、クトゥグア。グレンだ」
そう言って真二の体にモザイクが一瞬かかり、それが取れるとそこにいたのは真二とは似ても似付かない姿の青年だった。
燃えるような赤い髪に、赤い瞳。そして黒いスーツ。
腰部分には見慣れぬ、銃のような変身ベルトらしきものが巻かれている。
「やれやれ、近頃はクトゥグアもこんな能力を持ってるのか」
「これくらい未来の技術力なら朝飯前だ。それに多少手当てしたりするだけで、すぐに信じるあたり、人間てのは利用しやすい」
「真二はどうした?殺したのか?」
「さあな、知りたきゃ力付くでやるんだな。最もその変身できない状態でどうするか、だが」
そう嘲笑うように言うと、グレンは左手首のチェーンから赤いキーを引きちぎるようにして取り、
『INFERNO WING!』
腰に装着された赤い銃とナイフが一体化したのような変身ベルトへセット。
『BURN RISE!』
『KANENRIDER…KANENRIDER…』
「変身」
『SLASH RISE』『BURNING FALCON』
『The strongest wings bearing the fire of hell』
「やたら英語だな」
「八坂和真の抹殺命令を実行する」
和真はグレンの炎を纏った拳や蹴りを躱していくが、一向に打開策を見出せない。
円環の理は未だに彼の中にある、と言うことは感じる。しかしこれを使ってガタノゾーアの動きが更に活性化した場合、どうすればいい。
そこを決めかね、彼は未だに決定打を打てないでいた。
(でもコイツを倒さない限り、真実は分からない。真二が生きているかどうかも)
一気に上昇し、下降へと転じたグレンを見上げ、和真は拳を握り締める。あの炎は恐らくクトゥグアの炎、おまけにクトゥグアには一度死にかければその度に強くなると言うとんでも性能がある。
『INFERNO WING!』
『BURNING RAIN!』
炎の斬撃を食らうのはもはや想定の範囲内、身が焦げるのを感じながら炎へと突っ込み、和真はグレンを殴り付けた。
重い一撃を食らい、地面に転がるグレン。すぐにも立ち上がろうとするグレンの変身ベルトを和真は無理矢理に外し、銃とナイフが一体化したそれをグレンに向けた。
「答えてもらおう。俺とガタノゾーアを狙ってるのは、どんな奴らなのか、そして真二は生きているのかをな」
「脅しているのか。さっき話した謹慎処分てのは実際そうだし、大半は事実さ。あのメカを渡したことを知っていたのも、アイツの持ち物を既に検閲していたからだ。謹慎処分を言い渡した際、真二の所有物は全てデータを取った。直ぐにも追えるように」
「俺を騙して殺そうとしたやつの言葉を信じられるか!」
グレンを気絶させ、和真は彼の体を担ぎ上げ、バイクの後ろに縛り付ける。
「まだ動くといいがな」
エンジンを掛け、和真はキャンプ目指して走り出した。
同時刻、ガタノゾーアを遠くに望む海岸に1人の少年が降り立った。
(ちくしょう、脱出に手間取ってしまった)
彼は本当の八坂真二。先刻まで謹慎処分とは名ばかりの、ほぼ牢屋に近いところに閉じ込められていた。
そんな時、光と闇を両方とも消し去ると言う作戦の情報を、仲間から入手したのだ。
ルルイエに眠る闇、ガタノゾーア。そして救済の光、八坂和真。
どちらかが残れば、いずれどちらかがまた現れ、争いは続く。
それを止めるという大義名分のもと、両者を片付けようというのだ。
無論そんなことをすれば真二は消えるが、今の真二は謹慎処分中。消え去ったところでさして気にも止められないだろうが、こちらとしては許容し難い。
それに万が一ガタノゾーアに父が殺されれば、それこそシャレにならない。
ということで隠し持っていたゲーマドライバーとガシャットでタドルレガシーに変身し、脱出。
この前渡したメカのGPSを頼りに、未来からやってきたのだが。
「足跡はある。ん?2人分か…」
海辺の小屋を調べては見たものの、いた痕跡はあるがもうどこかへ去って行ってしまったらしい。
遠くへ続いていくバイクの跡を見、真二はそれを追うことにした。
どうも、書くことが思い付かない作者です。
ネプテューヌのシチュエーションCDで悩殺というか、言葉にできない良さを感じまして、死にました。
あ、今リプキスやりながらこれ書いてます。
しかしまー最近シャドバまた始めたけど、機械エルフ意外と悪くねえなぁ。
遊戯王もやってるけど、金が足りねえ。
またワールドウィッチーズの本買ってしまったし。
卒論ウィッチーズで書こうかなあ。悪くないよね。
和真ストーリーいい加減にアレ、恋愛編入らないとな。
もうちょいこれ続くと思うから勘弁して。
ウルトラマンでも何か書きたいし、うーむ、これ毎回言ってるな。
思い切って書き始める手もあるんだが、大学始まってクソ。
ぼちぼち書きます。
じゃ、またねー