仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
ガタノゾーアを倒し、その後は何事もなく毎日が過ぎていった。
夏休みが終わり、大学が始まり、平和な時間が流れていく。
キャンプでの一件を経た後、和真は映像研究サークルのメンバーと交流を深めるようになっており、度々遊ぶようにもなっていた。
個人的には少しばかりトレーニングを始めたとだけ記しておく。
そして9月も半ばに差し掛かったある日の土曜日、和真は薫と朝から出かけ、1日かけて秋葉原巡りをしようと意気込んでいたのだが。
「ん?誰からだろ」
「こんな時にLINEしてくるなんざ、中々だな」
「げ、黒鉄スミレかよ」
「サークル関連だな。お疲れさん」
「いや、和真もいるなら連れてこいだとさ」
「はあ?なんで俺まで?てか秋葉原巡りはどうするんだ」
「延期だな」
だが正直電車に乗ってまで東京都千代田区まで足を運んだのに、ここで終わるのは納得できない。
「でもどうせ連れて行かれるなら逃げるしかねえな」
「おまえアホかよ。ま、そうだがな」
そそくさと路地に逃げ込もうとしたところで、首に微かな痛み。
触れてみると針のようなものが刺さっている。
「麻酔弾か…」
見れば突如として現れた黒服の人物に薫が気絶させられたのが見え、和真の意識もゆっくりと遠のいていくのだった。
目を覚ますと、そこは薄暗い部屋だった。
廃屋や掘っ建て小屋のような建て付けの悪いものではなく、ある程度整理はされているらしい。
手などもこれといって縛られているわけでもなく、自由に動かせる。
「薫、起きてるか?」
「ああ。だいぶウチのサークルの女性陣は趣味が悪いらしい」
「さっき俺たちをやったの、彼女達だったのか。なぜ分かった」
「一瞬だが顔が見えた。スミレだったよ」
「俺たちが行きたがらないと踏んで、敢えて構えてたのか。アイツら何者?何かの組織だろ、絶対」
2人がぶつくさ言っていると、急に照明が付き、扉が開かれた。
「いやごめんねー、文化祭のことで協力してもらいたくて」
「麻酔弾で拉致するのは協力とは言わねぇ」
「で、何?文化祭で何かするのか?こんな部屋使って」
「そーそー。レナ、美山先輩もちょっとよろしい?」
そうこうして黒鉄スミレ、桜木レナ、美山雫、平島薫、八坂和真のメンバーが部屋に揃ったわけだが。
「文化祭で何か映画を作ろうと思って。映像研究サークルだし」
「映画ねェ…ジャンルは?予算そんなかけられないだろうな」
「ジャンルはアクションもので、恋愛要素もありの方向だよ」
「予算が大して使えないなら、エキストラを沢山使うのは無理だな。配役は?」
「レナがヒロイン。美山先輩が会社の社長。私は幼馴染。主役は和真で、薫は長年の友人役」
「あの、さぁ、配役はそれでもいいとして。いや会社の社長ってのがよく分からんけど。とにかくどこで撮るのさ?どこかの舞台でやる金もないだろ」
「中学校を舞台にする予定。美山先輩にはまぁ、同期になってもらって」
「同窓会か何かか」
「そーそー」
「ちょっと待て」
「どうした薫」
「その配役じゃカメラと監督いなくね?誰が撮ったりすんのさ」
「「あ…」」
というわけで配役を変えることに。キャストの役が大きく変化したわけではなく和真、レナ、薫は元の役のまま、スミレが監督、雫がカメラを担当することに。
「ンでいつ撮影始めるんだ?」
「明日から」
「だから呼んだのかよ」
「もうちょいこう、早めに予定は立てられないのか?呼ばれてすぐなんざ無理に決まってるだろ」
「文化祭は来月1日からだし。2週間あまりで仕上げなきゃいけないんだって」
「まぁまぁ…OK、分かったよ。金も入るだろうしな、やろう。衣装はどうする?各自準備か?」
「そだね。明日、この場所に午前6時に集合で」
そう言ってスミレからメモを渡され、その場は解散となった。
1つ不安要素があるとすれば、その集合場所が和真が通っていた高校である、ということ。
(大丈夫、だよな)
そう言い聞かせる。きっと何も起きない。何も。
帰り際に知ったことだが、ここはスミレの家であったらしい。外から見れば普通の一戸建て住宅だが、中が4次元空間だかなんかになっていて、やたらと広くなっていた。
恐らく邪神のそういった技術等が生かされているのだろう。
というか秋葉原から車で拉致されてここまで運ぶのが大変だったと思うのだが、まぁ楽しんでやったのだろうし良しとしよう。
薫は秋葉原を諦めきれなかったのか、解散後、再度千代田区へと向かい、スミレと雫は打ち合わせをするらしく、今は和真とレナだけ。
隣を歩くレナが口を開く。
「なんか、ごめんなさい。撃ってしまって」
「いや…うん、よく秋葉原まで来てやったな、と思うよ。麻酔弾は初めてだったけど」
「でもえと、八坂くん?で良いかしら。呼び方を考えてなかったから」
「好きな呼び方で良いだろ。あんまり落ち着いた雰囲気で女性と話した記憶がないんだ、俺は」
「じゃあ八坂くんはむしろどんな人と会ってきたの?これまで」
「ま、色々だよ。それと、キャンプのことは覚えてるか?」
「晩御飯食べたとこまで。あとはなんか目が覚めたら宇宙船?空中艦?の中にいた感じ」
ウォッチャーが表に出ていた時の記憶はないわけだ。それならば、彼の事を呼んでいた記憶もないはずである。
「なるほどね。ま、無事なら良いんだ。何もなければ」
「相変わらず謎が多いのね」
「薫にも何も話してないしな。でも…言ったとこで信じちゃ貰えないだろうしさ」
「そう言われると気になるのだけど」
「簡単にいうと、旅をしていたんだ。色々な世界を」
「旅?」
和真はかいつまみながらこれまでの旅のことを話した。最もファンタジーだったり、フィクショナルな世界ばかりなので、信じてもらえたかは分からない。
だが彼自身の力のことは、極力言わないようにした。彼女は和真が変身した姿を知らない。一体化していたウォッチャーのことも。
知らない方がいいことも山程あるのだ。
「よく生きて帰れてるものね」
「頑丈なことだけが取り柄なんでね…ちょっとストップ」
「どうしたの?」
異様な何かを感じ取り、和真はレナを立ち止まらせる。
今何かが動いたような気がした。人ではない何かが。
(ったく、プレデターとかはやめてくれよ)
「誰か、居たような」
「お化けとかじゃないでしょうね?」
「違うと思う」
ゆっくりと歩みを進めていく。それが向かったと思われる方へ進んでいくが、果たしてそこには何も居なかった。
「何もなかったか」
「なら良かったじゃない」
「まぁ、ね」
その後しばらく歩いて別れ、各々家に戻って行ったのだった。
「危ないところだったな。だがバレなければ良い」
俯瞰しながら呟く男が1人。
「祭りはもうすぐ始まるんだからな」
彼の左腕には黒い腕輪が光っていた。
低クオリティで毎度お届けしております。
結構急展開すぎたかなぁ、とも思いつつ。
いい加減ウルトラマンのやつ書くって言ってんだから書けよ俺。
まあかぐや様読んで恋愛の研究しながら書くかあ…
ぼちぼち挙げますわ。
じゃ、またねー