仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
真二と共にやってきたのは、やはりというか我が家だった。
カリスとレンゲルのベルトはここにはないはずだが…もしかしてあの2人、戻ってきているのだろうか。
家に駆け込むと、外からは分からなかったが、内部は酷い有様だった。泥棒が入ったのとはまた微妙に異なり、かなり争った痕跡が見て取れる。
「でも皆いないな」
「いないなんて事ある?」
「ンなことはないはずだが…」
警戒しながら進んでいくが、すぐに2人は一足遅かったことに気付かされた。
「…冗談だろ」
壁面に空いた大きな穴。その向こうの住宅をもぶち抜いてその穴は続いており、その穴の先に人影が見える。
黒いフルフォースフォームは母・ニャル子なのは間違いない。カリスとレンゲルも見える。
もう1人の黒と金色のは。
「アレが…」
「俺たちの力を奪った、魔王・常磐ソウゴ」
彼が『何か』を取り出し、カリスとレンゲルに向けた。するとアーマーやベルト諸共その『何か』に吸い込まれていき、2人の変身は解除される。カリス、レンゲルの力そのものが奪われたのか、アレが何なのかは詳しくは分からない。
だがこのままでは下手をすると、母の方も同じように力を奪われる可能性がある。
迷わず駆け出す和真。武器など持ち合わせていないことを思い出すが、今更手遅れである。最もブレイバックルもサイクロンライザーも持ち合わせていないし、両方とも常磐ソウゴに奪われている可能性もある。
残されているのは己の肉体のみ。信じられる武器は、今はそれしかない。
「しゃオラァ!」
跳躍しながら殴りかかる和真。しかし謎の力で阻まれ、拳は届かず。
そのまま吹っ飛ばされ、受け身を取れぬまま、体を盛大に家屋に打ち付ける。
「ッ痛え…」
「仮面ライダー、ブレイド。八坂和真」
一歩、また一歩と常磐ソウゴは近付いてくる。恐らく和真を狙っているのだろう。
彼はまだ八坂和真を、仮面ライダーブレイドだと認識している。彼にその資格がなくなったということを、まだ知らないのだろうか。
「お前如き、変身しないで倒してやるさ…」
そう言うが、されどそれは虚勢に過ぎない。
拳さえ届かぬのに、勝てると言えるか。
壁に手をつきながら、和真はゆっくりと立ち上がる。
今の自分は仲間よりも、自分の息子の頼みを選んだ。
戦う事でしか生きている実感を得られないから?
生きている実感を得たいから戦う事を選ぶのか?
生きる。戦う。日常。非日常。
どちらが正しくて、どちらが間違っているのか。
様々な思いと、記憶とが駆け巡る。これが走馬灯ってヤツか。
ただの人間が魔王や神に勝てるのは、ただのフィクション。ファンタジックな夢物語だ。
でもこれは現実。
常盤ソウゴは冷たく告げる。
「ではお前の力を貰おう」
「良いぜ、やれよ」
常盤ソウゴはカリスとレンゲルの力を奪ったものと同じ、『何か』を取り出し、和真に向ける。
だが。
「何…?」
「生憎だったな、今の俺は仮面ライダーブレイドじゃねえ。未来から来たんだったら、調べておくんだったな」
「なら、お前は…何者だ?」
「弱くて、愚かな、ただの人間さ。でもそんな俺でも…何もできないわけじゃない」
「…私を止めるつもりだと?」
「『不可能』って言葉は俺の辞書にはないんでね」
対峙する和真と常磐ソウゴ。人間と魔王。弱者と強者。
階級闘争史観だかなんか、授業でやった気がする。マルクス主義あたりだったろうか。
(なんだ?)
ソウゴが先程力を奪ったものと似たような『何か』を3つ取り出して操作すると。
『ガイム』『ドライブ』『エグゼイド』
音声と共に現れる鎧武、ドライブ、エグゼイドの3人の仮面ライダー。
どうやら全員最強フォームで召喚したらしい。鎧武は極アームズ、ドライブはタイプトライドロン、エグゼイドはハイパームテキ。
記憶が正しければ、そのはずだ。
「母さん。2人を連れて退避してくれ」
「死ぬつもりですか?」
「俺、この戦いが終わったら、今度こそ告白するんだ」
「盛大なフラグ!」
「真二もだ」
「父さん!?まずいって!」
「良いから行け!」
とは言ったものの、いや本当にこれは、やばいかもしれない。
ソウゴを止める事が不可能ではないとしても、こちらが死ぬ可能性は十二分にあり得る。
「ま、レナへの罪滅ぼしか何かになると良いが」
しかし和真に今、仮面ライダーの力はない。だとすればもう一度円環の理の力を使うか、どうにかして相討ちに持ち込むか。
いや、まどかには頼れない。
「切り札は君の中、ね」
「仮面ライダーの力を持たず、私に挑むか。正義のヒーロー気取りか?」
「いや。そもそも俺は元からヒーローなんて器じゃない。自分の望みを叶えるためだけに、時空を超えて歴史改変を行なった。挙句の果てに沢山の人に迷惑をかけてしまったしね」
「ならばどうするつもりだ?」
「常盤ソウゴ。お前に最初で最後、現世発魔界行きのデスガイドをしてやる。邪神と相乗りする勇気はあるか?」
「魔界発現世行きじゃないのか」
ツッコミを無視し、和真は持ちうるエネルギーを右腕に込め、天に向けて突き上げる。
腕から一条の光が放たれ、彼らを覆うフィールドを形成していく。
「ほう…」
そして創り上げられたのは、霧に包まれた謎の都市。一目で分かる異空間である。
古風な歯車が目立つ建物と巨大な時計塔。上空には市街を照らす月。
和真と常磐ソウゴ達は、時計塔に程近い建物の上で対峙していた。
「ここは現実とは異なる位相に創り出した空間だ。俺が死ぬか、俺自身の意志で解除しない限り、互いに抜け出すことはできない」
「面白い」
なんか変な方向行ってる気がするけど、ニャル子さんならいつもの事だよね。
気にしないでね。
まぁ変身できなくなったので、メタフィールド展開した感じですね。
正直これ和真死ぬんじゃないかと思います。
テンプレなフラグ立ててしまったので。
死なないように頑張りますが、たぶんここからまた色々ネタぶち込んで行きます。
現世発魔界行きデスガイドは、元ネタは魔界発現世行きデスガイド。
某カードゲームの可愛いカードです。イラスト好き。
まぁ…たぶん俺のデッキには入らないかな。
ワンチャン入ったとして呪眼だろうけど、ファントムナイツの方が相性良い気がするデスガイド。
うん、じゃあまたねー