仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
カリスの切り札『ワイルド』により、アフリカから追ってきたウィッチはあらかた片付けることができたと見て良いだろう。
吹っ飛んだように見えなくもなかったが、相手はウィッチ。それぞれシールドを展開するなり、持ち前の機動力で乗り切ったはずだ。
ただ個人的にもかなりの威力ではあったと感じたので、不安ではある。
改めて進行方向を見やると、中継地点であるタラントの街並みが近付いて来ているのが分かった。
機内に戻り、真二に声をかける。
「着陸できそうか?」
「分からないな、そこは。街の中心は建物が多いようだし」
「それもそうだな。事故で死ぬのは御免だろ?」
「そりゃあそうさ。父さんを連れ帰れなくなる」
和真は少し見回すと、左方向を指差した。
「小さいが砂浜っぽいのが見える。そこに降りよう」
真二は機体を僅かに左へ向け、和真の指し示した砂浜へと下降させていった。
滑らかな着陸とはならなかったものの、既にある程度機体は失速していたらしく、怪我などはほぼせずに済んだ。
真二が意図的に行ったものなのか、それとも燃料不足によるものなのかは分からないが。
「さて、どうする?パ・ド・カレー、向かうんだろ?」
連絡機を降り、真二は問いかけて来た。
特にこれといって手が塞がるような大きな荷物もないので、2人とも意外と身軽ではある。
「ああ。なら今渡しておこうか、コレは」
和真はカリスやレンゲルのものと同じような形状の水色のライドウォッチを取り出すと、真二に渡した。
「これは…」
「渡すのを忘れていたがな。使い方は俺の使ったものと同じだろう。元々仮面ライダーブレイブはお前だし、俺がブレイドに変身できない以上、お前の力は必要になってくるはずだ」
「なるほどねえ…ならアフリカとかで使ったカリスとレンゲルのは、まだ持ってるつもりだと?」
「ああ。俺の目的が果たせれば、両方とも渡すさ。それに今の俺にはこれ以外の戦力がないんでね」
首をすくめ、和真と真二は砂浜を離れていく。
何はともあれ、ひとまず足を探すことから始めねばなるまい。
***
「アフリカ?」
すっかり座り慣れた隊長としての席に座りながら、褐色がかった肌に黒髪の彼女は答える。
瞳の色は緑とはまた違う、エメラルド色といったところであろうか。
空に上がる機会は減った身とはいえ、実戦経験に加え、部隊創設、そして幅広いコネクションなどから、彼女、フェデリカ・N・ドッリオに対する信頼は厚い。
「第31統合戦闘飛行隊《ストームウィッチーズ》隊長の加東よ。お互いノイマン少佐には世話になったでしょう」
「昔の事を言うじゃない。そこの隊長が直々に連絡してくるのも、ちょっと意外だけど。ネウロイ出現の連絡は受けてないわよ?」
「例のパワードスーツ計画は知ってるわよね?」
「そりゃあね。それがどうかしたの?」
「ウチの基地から、その資料が盗られたの。盗られただけならまだ良かったんだけれど、犯人に連絡機で逃げられてしまって」
恐らく追いかけたのだろうが、その犯人に墜とされたといったところか。
被害についても聞くと、加東圭子は息を吐いて答えた。
「ウィッチが2名負傷。マルセイユは負傷してないけど、地中海を渡るのはあまり得策とは言えないから」
「犯人の顔とかは分かる?」
「例のパワードスーツ計画の資料に、ヤサカカズマっていたでしょ。彼よ」
「なるほど、オリジナルってコトね」
「扶桑人の男2人組を見かけたら、まず怪しんでくれていいわ」
電話を切ると、フェデリカはふぅ、と息を吐いた。
ネウロイ相手でないのにも関わらず、部隊を動かすとなると、少しばかり面倒な感じはある。
ひとまず基地内に放送を流して出られる者は出るようにと伝達。
「敵はネウロイだけじゃない、か。そうなのかもね」
ロマーニャの空を見上げ、彼女は1人呟いた。
***
「やっぱり空飛ぶべきでしょ、コレ!」
「うーん至極真っ当なコトを今言わないで欲しいな、お父さん悲しいよ」
「急な父親面何?!状況考えてくれ!」
「アルダーウィッチーズに見つかって、車で逃げてンだろ?相手は優秀なウィッチ5名、なおかつ優秀なストライカーユニット。こっちはそこらへんから黙って拝借したオンボロ車。お前の持ってるバイクの方が速いかもしれん。今から変えるか?」
「出せたら苦労しないんだよ!ちょっと正面家ぇぇぇぇぇ!!」
真二の絶叫を聞きながら和真はブレーキを踏み込み、間一髪衝突を回避。
ハンドルを回して方向転換させ、再びアクセルを踏み込んだ。
なぜこうなっているのか。
事の発端は少しばかり遡る。
和真と真二の2人は、タラントの街を歩いていた。
無論、足を探すためである。
しかし街の中で彼らの姿はそれなりに目立つらしく、周囲からの視線は少なからず向けられていた。
欧州の中でもタラントはどの統合戦闘航空団からも、それなりに距離が離れた土地。
ウィッチ自体とそれほど交流がない、という可能性も捨てきれない。
近くのウィッチはアフリカや504といったところであろうが、2人はウィッチですらないのだ。
扶桑人が突然海の方からやってきたと思われても無理はない。
どう足掻いたところで白人との違いは明白だ。
「やっぱ目立ってるかな?」
「かもな。なんせ街の人からすれば、さっき飛行機が砂浜に落ちてきたばかりだろうし、その落下地点の方角からやってきたんだから、怪しまれるのも無理はねえ。まぁ爆発とかしなかったから、下手に人は集まらなかったんだろうが」
そうして会話しながら足早に郊外へと向かっていく途中、街を出ようかというあたりで和真はふとあるものに目を止めた。
現代では中々見かけないクラシックカーの類である。
「アレは…」
「どうした?父さん」
「アレ、使えそうじゃないか?」
「あーまあ、たぶん動きはするだろうけど」
真二としてはバイクを使って向かった方が早く着ける気はするが、いかんせん2人乗りはしたことがない。
不安要素に頼るよりかは、車という4輪の方が安定ではあるか。
「よし、これでできた」
動かせるのかどうか聞こうとしたが、どうやら既にエンジンをかけてしまったらしい。
「…ドライバーは?」
「飛行機はやってくれたんだ。車は俺がやろう」
ということで和真がドライバーを担当。
久方ぶりの運転ということで感覚が鈍り気味ではあったものの、なんとかのろのろとしながらも、動き出す。
だが車がオープンカーだったということも災いしたのだろう。
空からやってきたウィッチ達に、あっさりと居場所がバレたのだ。
「ケイ・カトー、504に連絡したか…想定してなかったわけじゃあねえがな!真二、掴まれ!さっさとパ・ド・カレーに向かうぞ!」
下降してくるウィッチ達の包囲網をすり抜けるように、クラシックカーは加速していった。
***
「こんな感じ?」
「いや流れとしては合ってんだけど。合ってんだけどさ。それより、いつまで保つか分からないだろ、この車も」
「それは確かに」
やたらと荒っぽい運転を繰り返したのと、この車の燃費が良くなかったらしいこともあって、車自体が限界を迎えつつあったのだ。
今更ながら申し訳なさがあるが、かといってここで止まればすべておじゃんである。
「つってもこのまま行けば、方角的にローマに着けるはずだ。そこで急いで乗り換えるか」
「分かっt…いや待て迂回しろって!正面崖っていうかなんかジェットブレイクしそうな雰囲気だってば!」
「シャーリー!俺も飛ぶぜぇ!Fly up so highだぁぁぁぁぁ!」
アクセル全開、クラシックカーは絶壁から勢い良く宙に飛び出した。
***
「父さん…若い時は運転、こんなに荒かったのか」
「未来の俺は運転荒くないのか。流石に子供のお前が居て、ンな運転はできないんだろ」
「今は息子が乗ってても荒い運転するんだな」
「致し方ない。時間も惜しいからな、我慢してくれ」
そう言い合う和真と真二であったが、何はともあれローマまで辿り着くことはできた。
結果的に車は壊れてしまい、歩いてローマ入りを果たしたわけだが、彼らにとってはその方が都合が良かった。
車のままローマに入れば、あのオンボロ車では逆に目立つだろう。
歩きならば相手がウィッチであっても、人混みに紛れればすぐには見つかる事はないはずだ。
「次はどうする?飛行機で来たって言っても、夜はそう遠くない。ローマで一晩明かすか、このままガリアまで向かうか」
「無論、後者を選択する。ローマも504の勢力圏内だ、うまく躱せたのも運が良かっただけだろうさ。それにパ・ド・カレーはガリアの最北端だ、のんびりしている余裕はない」
「え、そんな遠いの?」
「なんだ、パ・ド・カレーの場所知らんのか。ブリタニアとガリアを繋ぐ場所。そこがパ・ド・カレーだ。カレーの港って名前くらい聞いたことないか?」
「ない事もないけどさ…えぇ、そこまで遠かったっけ?」
「何、辿り着ける場所って事さえ分かってれば、行く事は不可能ってわけじゃねえ。遠い場所ってなァ…天国とか地獄みてえなとこだろ」
「父さんを連れ戻しに来た割に、結構なスケールの冒険してる気がするよ。全く…」
「かもな。さて次の足は…っと、これで良いか」
ローマの裏路地を行き、見つけたのはスポーツカーらしき車。
らしき、というのは現代ではあまり見かけない車だということに加え、和真と真二がそこまで車に詳しくはないということに起因する。
精々映画やドラマの情報止まりなのである。
まぁ見た感じ2人乗りではあるらしいので、再びドライバーを和真が担い、サイドに真二というスタイル。
エンジンをかけ、スポーツカーはエンジン音と共にローマから出発した。
***
ここからはトスカーナ地方を抜け、海沿いにピサ、ジェノバ、カンヌ、マルセイユと進んでいく予定だ。
マルセイユまで行ければ、ローヌ川に沿って中部まで進める。
第506統合戦闘航空団《ノーブルウィッチーズ》がそのあたりを担当しているのが、少々厄介ではあるだろう。
一度会っているとはいえ、和真達は今狙われている身。
上から命令が下ればイザベルやアドリアーナ、黒田那佳といったウィッチであっても、和真を殺さざるを得まい。
最も有事の際は例の『ガリアの子ら』を投入し、確実に仕留めに来る可能性もゼロではない。
恐らくそれは有り得ないとは思うが。
とはいえセダン、ディジョンを通過し、パリを抜けることさえできれば、あとは北上あるのみか。
いや、すんません。
ぐだぐだと長ったらしく、低クオリティなモノを書いてしまって。
アフリカからローマ、パ・ド・カレーまでの流れは数行で終わらせることもできたんですけど、書き始めたら妙に長くなってしまいまして。
いやホント申し訳ない。
まぁなんていうか、半分日記感覚で書いてるようなとこもあるんで、そこまで重く捉えてはいないですけど。
2次創作ってこともあるし、楽しくやってナンボでしょうな。
流石に次はパ・ド・カレー入りして、仮面ライダーブレイドを巡って色々やるとは思いますよ。
新しく何か書こうと思って、結局書けてないっていうのもあるんだけど、うーん悩む。
ウルトラマンや仮面ライダーは好きだから、中心に置きたくはあるんだけど。
ウルトラマンって身長50メートルデフォで、活動限界時間3分じゃん。
まぁ違うのも全然いるんだけど。
一方の仮面ライダーって等身大だけど、活動時間ほぼ無限みたいなものでしょ?
まぁ負荷がかかって変身解けたりとかあるけどさ。
身長50メートルと等身大ってさぁ、2次創作ならいくらでも弄れるみたいなとこはあるんだけど。
イラストならウルトラマンと仮面ライダー同じ身長で描いてもどうこうなると思うんだけど、どう足掻いたところでこれ小説だからね。
それぞれのサイズとか、個々人が持ってるイメージでウルトラマンとか仮面ライダーを捉えると思うんだよね。
ティガだったりダイナだったり、明確なキャラクター名を出したりしたところで、対比させるキャラクターがいなければ、サイズのイメージとかもしづらいんじゃないかな。
クロスオーバーさせるにしても、クロスオーバー元の作品と照らし合わせたりしてね。
俺がクロスオーバー作品を書く上でも、最近はウルトラマンだったり仮面ライダーだったりとか、元の設定をできるだけ変えないように考えてるってのもある。
そうすると幅が狭くなると言われりゃあ、まぁそうだよなとしか言い返せないんだけどね。
昔はヒャッハーな感じでそれっぽい設定作ってぶち込んでりゃあ作品は書けると思ってたが、そうはいかねえ。
極端な事を言えば、最強キャラが主人公って事をタイトルで言ってしまうと、物語はそこで終わると俺は考えてる。
まぁ今の御時世、そういう類のラノベはごまんとあるわけだから、本を出せてすらいねえクソザコ作者の俺が言うのもなんだけどね。
兎にも角にも、遊戯王でも何かクロスオーバーはちょろっと書いてみたい感じはあるけど、ウルトラマンや仮面ライダーで何か別作品トライしてみるのもありかな、と。
まぁ今回は後書きつまらんかったかもだし、そこはすまぬ。
じゃ、ぼちぼちまたねー