仮面ライダーに変身して運命は変えられるだろうか? 作:神浄刀矢
目覚めは最悪だった。
体全体がやたらと重く、首筋に妙に激痛が走る。
首に触れようとしたものの、両腕を椅子に手錠か何かで縛られているらしく、動かせそうにない。
見れば、正面に同じような格好で拘束されている真二の姿が。
依然としてブレイド、ギャレン、カリス、レンゲルと“A”達が周囲にいるが、どうやらまだこちらを殺す気はないようである。
彼らに守られるように例の男が立っているが、マロニーはここには居ないと見える。
腐っても管理職、地下に籠るだけが仕事ではないということか。
「お目覚めか?寝心地は最高だったろ。ウチの高級ベッドだ」
冗談交じりで男が言う。
「嫌味な野郎だ…オイ、拘束プレイは好みじゃねえんだ。この冷え切った手錠外してくれ」
「まぁ慌てるな。面白いから縛ってるだけだ、そう気にするんじゃあない。それに俺はお前の事を知ってるが、お前は俺のコトを知らないからな。名前くらい名乗っておかないと、フェアにならん」
「今更かよ」
会わないと思っていたヤツの名前を、今になって知ったところで何になるのだろうと思ったが、一方的に向こうから名乗ってくれた。
「ジャック・スペクター、それが俺の名前だ。つってもこれも俺のアイデンティティの1つに過ぎないがな。ま、よろしく頼むよ。さて…そんじゃ色々と話そうか」
「じゃあ単刀直入に聞くけど。お前、何でここにいるんだ?惑星保護機構の一件の後、刑務所送りになったはずだろ」
「答えはシンプルさ。俺がここにいる理由も、ムショから脱獄してきたからってだけだ。ついでに銀アト子のデータベースから、ライダーシステムに関するデータを全部奪ってな」
「やっぱお前が元凶か…つーかあの邪神達のことだ、データ奪ったらすぐにバレるだろ」
「ダミーのデータを仕込んだ。まぁ彼女達以外の奴にはバレたがな」
和真とスペクターのやたらとトゲのある会話に辟易しつつも、真二がおずおずといった風に口を開く。
「でもただ逃げただけじゃ、ここには行き着かないんじゃない?」
パチンと指を鳴らし、スペクターは答える。
「良い質問だ、八坂真二。例のライダーシステムを盗ったことに気付いたヤツに追われることになってな…この八坂和真に瓜二つのイカれた野郎だ。色々なとこで追いかけっこを繰り返して、ようやくここまで来て撒けたってわけだ」
「俺のそっくりさんて誰だよ、3人は同じ顔のやつが居るっていうぜ?いや待て、それより1つ全く分からねえ。ギャレンのデータはまだウチにないはずだ。どうやってデータを手に入れた?」
「簡単だ。本人から頂戴してきたに決まってんだろ」
「本人?」
「天宮市の来禅高校に幸いにも本人が居てな。コイツが一度訪れてくれてたおかげで、探すのは手間取らなかったぜ」
「この野郎!アイツから奪ったのか!」
「慌てるなって言ったろ。それにどうこう言ったとこで、お前ブレイドに変身できないみたいじゃねえか」
「クソ、痛いとこ突いてくるな……そうだよ変身できねえよ」
「女神サマの力も使えそうにないみてえだからな。こっちに付くってェなら、また仮面ライダーブレイドに変身できるぜ」
「そうすれば面白くなりそうだから、か」
「それにコイツらにはネウロイのコアを搭載してるからな、性能もそこいらのライダーシステムより良い」
「ネウロイって…あのバーコード野郎が前に作った『ウォーロック』の二の舞になるような気しかしねえ。暴走するんじゃねえのか?」
「今ここにいる奴らは特殊な処置を施してあるから、ンな心配はねえ。だがそれ以外の奴は暴走してくれた方が、俺としちゃあ面白え展開と言えるな」
「そんなことバラして良いの?ここ盗聴器とかは…」
「盗聴器なんざ仕掛けられてねえのは確認済みだし、何のためにあの将軍を帰らせたと思ってる?…それに、だ」
そこでスペクターは言葉を区切り、続けた。
「新しいドライバーを持ってきてくれたしな。どうやらまだまだ面白くなりそうだ」
スペクターはニヤニヤしながら、真二のゲーマドライバーとガシャットを見せてきた。
恐らく、先ほど2人を眠らせた時に取り上げたものなのだろう。
「ってことは俺の持ってるライドウォッチもか」
「理解が早くて助かる」
近くのテーブルを見やると、カリス、レンゲル、そしてバイクのライドウォッチが置かれていた。
(アレ、父さん俺たち割とピンチ?)
(うーん、攻撃力0にされて効果無効化された感じ?)
(急なトレーディングカードゲーム感出さないでよ)
まぁ強ち間違いではないのだが。
椅子に拘束され、変身アイテムを奪われ、おまけに先ほどの睡眠薬か何かの影響で身体は鉛のように重い。
2人が邪神とのハーフやクォーターということもあって、特殊な薬を用いられた可能性もある。
スペクター自身ニャルラトホテプの類だったはずなので、そういった薬にも詳しいのだろう。
「そういや、この拘束はいつ解いてくれるんだ?」
申し訳程度に問いかけてみる。
「捕まって変身できないヒーローを見ているのは、想像以上に面白いんでね。首を縦に振るまでは拘束プレイを楽しめ」
「そういう18歳以上向けの漫画じゃないってば…」
「スペクター。つまり俺らが協力するって言ったら…拘束は解いてくれるってわけか?」
「何、気が変わったのか」
(父さん!?親子揃ってバッドボーイズは御免だよ!?)
(任せろって)
「まぁそんなところだ。今度は俺たちが手ェ貸してやる。お前は満足するように暴れるなり、街をぶっ壊すなりしてくれ。エンターテイメントは面白可笑しくしてナンボだろ」
一拍置いて、スペクターは笑い始めた。
「はははっ!かつて俺をぶん殴ったヤツが、今度はそう言うか!これはコイツは面白え…最ッッ高に笑えてくるぜ!おい、お前ら拘束を解いてやれ」
すると彼の言葉と共にどこからともなく現れた兵士数名が、和真と真二の拘束を解く。
「ようやく解かれたか」
「これ自由の身になったって言う?」
「さあな」
とはいえ縛っていたモノが無くなったわけである。今ならスペクターに殴りかかることもできなくはないが…あの時とは全く状況が違う。
彼にはネウロイのコアを搭載した仮面ライダーが最低でも7人は付いており、一方のこちらは生身。
無論、彼自身戦闘能力はかなり高かったはずだ。
現在『円環の理』=鹿目まどかの力が皆無に等しく、仮面ライダーに変身することさえままならない今の和真では、軽くあしらわれてしまうだろう。
「少し意外だな、前のお前ならすぐにでもバトルファイトを喧嘩しようって感じだったろうに。そんなに落ち着きやがって」
「俺も色々と変わった。人生そんなもんだ」
「ほーぅ」
だからと言って、そこで大人しく敵に従うかと問われれば。
それは否だろう。
近くにいた兵士達にパンチとキックを問答無用で叩き込むと、銃を奪い取り、銃口をスペクターに向ける。
が。
「まぁ、お前ならやると思ったよ」
生身の人間には勝るとはいえ、仮面ライダーには勝てぬらしい。
ライダー達から剣や槍やらで囲まれ『ジョン・ウィック:チャプター2』のような感じになってしまった。
まぁオリハルコンで出来ているような武器に対して、1945年の銃で勝てるかと言ったら、それも無理な話であるのだが。
レジスタンスは秒単位で儚くも幕を閉じたのであった。
(父さん…)
(悪いな、うまく行くと思ったんだよ…)
「なら拷問でもするか?こんなむさ苦しい野郎に鞭打たれるのだけは、死んでも勘弁して欲しいがな」
「生憎と拷問は趣味じゃねえ。それに痛みを与えたところで、吐かないヤツは死ぬまで吐かねえ。快感を得たいって言うなら、そいつはSMクラブでも行く方が効率的だ」
スペクターは息を吐き、ライドウォッチを手に取って掌の上で転がす。
「和真には俺の作ったブレイバックルを、真二にはこのドライバーを改造した奴を渡してやる。剣使いライダー2人で闇堕ち、これがホントのセイバーオルタなんつってな」
ハハハッと笑いながら、スペクターは去っていく。
…正確には去って行こうとした、というべきなのかもしれない。
突如として雷らしきものが天井をぶち抜いて落下すると同時、凄まじい衝撃が発せられたのだ。
その衝撃により笑い声を上げていたスペクターは綺麗に後ろに吹っ飛ばされ…他のライダーも巻き添えに、彼の体は背後の床に勢い良く叩きつけられた(慌てて身を伏せた和真と真二は間一髪回避できた)。
どうやらあのライダーシステムはまだ調整は必要そうだが、それよりも気になる事がある。
身を起こし、2人は雷が落ちた場所へ近づいていく。
先ほどの雷は既に止んでいたが、雷が落ちた場所には人影が。
「ここまで深いとぶち壊すのが大変だ。もう少し地上に近いとこに作って欲しいもんだね」
聞き覚えのある声で彼はそう言い、立ち上がった。
***
驚くのも無理はなかった。
色々と驚くべき事はあるのだが、あの落雷やスペクターが吹っ飛ばされたことより、別の事の方が和真や真二を驚かせていた。
「父さん?!」
「マジか…」
八坂和真がそこに居た。
声や顔などからして、恐らく同一人物であろうことは間違いない。
このような現れ方をすることからして、もしかするとオラーシャの“彼”だろうか。
「真二の方は初めましてか?そっちの和真は…久しぶりでもないか」
「メタフィールドで会った…未来の俺で合ってるか?」
家ではなくアフリカに着いてしまったことや、ライドウォッチの不調云々について詳しく問い質したいところではあるが。
それよりもまず。
「どうしてここに?」
「ライドウォッチの反応が家に戻らないから追ってきた、っていうのが1つ。あのプリズンブレイク野郎をとっ捕まえるためってのが2つ目さ。あとは少しサプライズをね」
「父さんのそっくりさんっていうか…同じじゃん。未来の父さんっていうか」
「いやその説明後回しで良い?色々と面倒なんだよ」
「そうしてくれ」
「あ、うん。分かった」
***
「ってェ…こりゃあアイツか…?」
目を覚ましたのか、スペクターは首をコキコキと鳴らしながら、立ち上がる。
この部屋に居た仮面ライダー達は先ほどの雷でイカれてしまったのか動かなくなっており、保管中のライダーシステムを呼び出そうにも反応せず。
こちらからの接続が切れたと考えるのが、妥当ではあるか。
テーブルを目を向けると、彼らから取り上げた変身アイテム一式は全て無くなっており、僅かな時間で奪い返されたようだ。
「やっぱり1945年の技術じゃ限界があったか…コイツぁ俺が出張るしかねえってことかね」
「月以来だ…決着付けようぜ、スペクター」
「そっちは3人、こっちは俺1人。こうでなくっちゃなあ!」
禍々しいエネルギーがスペクターを包んだかと思うと、その体は血を彷彿とさせる赤色を基調とした、鎧武者のような姿へと変貌。
右手には赤黒い色の刀、左手には銃と刀を合わせたような剣が握られている。
「色合いからして…ブラッドオレンジ?」
「冷静に言ってる場合か。意外と強そうだぞ」
「まぁ邪神だからな。アレでも」
とはいえこの状況、実際まともに戦えるのは和真(未来)と真二の2人だけであろう。いくらライドウォッチを取り返したとして、アレは和真の本当の力ではない。
いつかは本来の持ち主に返さねばならない、仮初めの力なのだから。
「…俺じゃあ足手纏いにならないか?」
不安げに和真は呟く。いくらこちらが数で勝っているとはいえ、和真自身の弱体化は洒落にならないのである。
和真(未来)は息を吐いて懐から何かを取り出し、こちらに投げて寄越してきた。
慌てて受け取ると、それは。
「ブレイバックル…?!え?マジ!?」
「俺がここに来た3つ目の目的。それはお前にそいつを渡すことだ」
「でもそっちはブレイバックル、必要なくなったって…」
「だからって捨てたわけじゃない。いずれ必要になる時が来ると思っていたんだ。例えば、こんな状況とかな」
「…ありがとう」
「仮面ライダーブレイドはお前だ、八坂和真」
「父さん…」
「ああ、分かっている。スペクターを倒して、全てを元に戻そう」
和真はブレイバックル、真二はゲーマドライバーを装着。
和真(未来)だけが生身なのであまり締まらないが…それでも良い。
力強く2人は叫ぶ。
「「変身!」」
剣を手に、騎士たちは再び並び立った。
久しぶり…ってわけじゃねえか。
駄作かつ日記的な2次創作をぐだぐだと続けてる糞雑魚作者ですぜ。
え?後書きでキャラ色々変わってる感じがあるって?
んなこと言うなって、全部俺だよ。
どうしてゴーストライターやらせんだよ。
というのはともかく、今回の和真くん最新話。
相変わらずの低クオリティなのは否定しようがない事実なわけですけど、今回の話色々と展開悩みまして。
和真くんをもう一度ブレイドに戻す時、どうするかって。
そのシーンをやろうとしたら5000字近くなってしまって、その点申し訳なさはあるんですが。
ま、以前登場した時からスペクターも変わりましたし。
あの時はスペクターって名前出さなかったし、ただ暴れる感じのキャラだったな。
でも個人的には、この最新話それなりに良い感じになったかなって。
まだぐだぐだと続くと思うんですけどね。
こんな後半で、序盤の『デアラ』ワールドのギャレンの話を持ってきたりしちゃった。
たぶんまたチラリと出したりするかもね。
あとはそうだな、最近ネタが減ってる感じがあると言われたら、そうかもしれない。
書き始めた頃〜中盤にかけては、やたらとネタをぶち込んでたような気がしないでもない。
そういや、最近バカテス読み直してるんですよ。円盤もあるんだけど、テレビがクレイジーになってしまって観れない。
スマホとかで見る事も全然できるんだろうけど、やっぱりアニメは円盤の方が良いんだよね。
そうそう、んで強化合宿のところの挿絵が高橋洋子先生なんですよ。
テーゼの方ではなく。
メガネでスーツビシッと決めてる女性教師なんですけどね、召喚獣が鞭持って軍服なんですね。
《叩いてくれたら絶対気持ち良い》
結構クールな雰囲気もあったり…
《狂三に踏まれて罵られ隊》
………この作者ダメですね。
閑話休題
バカテスと遊戯王のクロスオーバーは書けそうなんだけどな。
イマイチしっくり当てはめられないから、全然書けぬ。
てか召喚獣って言いながら、アレイスターとか出てないな。
学園長・藤堂カヲルが魔妖とか不知火のカードで居そうな感じかも。
ま、それは後々で良いかな。
じゃ、ぼちぼち気分で書くので、またねー